投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478028988

作品紹介・あらすじ

株式・債券・為替からリスク管理まで、全ての金融商品に精通するデリバティブのプロが、「なぜ、投資で勝つことは難しいのか?」「なぜ、金融を理解するのは難しいのか?」という根本的な疑問に答えながら「金融市場の全体像」を示していく、まったく新しい形の投資と金融のガイドブック。プロもハマる誤解から見える、「市場」との唯一正しい付き合い方とは?

感想・レビュー・書評

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  • むー、なるほど。鋭い意見が書かれている。
    結局はリスクリワード意識せいよってこと。やっぱり相場の流れを当てようとすることは無駄なんだなぁ。

    今の為替市場はどうか。ここまで円が売られた。たしかに金利差か。

    納得できなきゃ前向きに考えられないように出来てるんだ、と改めて実感。

    読了。

  • 投資のお勉強中。多少歯ごたえがある。
    結局、相場の上げ下げは、後知恵でどうとも説明できるし、確実なことはない。

    堅実に増やしたいなら、定期預金が一番。冒険したいなら、資金の一部にしておくべきかな。

    くどいところはあるが、多くの素人向けの投資について書かれた本の中では、良心的な本だと思う。

  • 投資に関する全般を扱っている書籍。
    内容をおおよそ理解出来れば、ネット、マスコミ、書籍に出てくる"投資"について冷静な視点を持つことができます。

  • 「で、どうすりゃいいの?」と思った。
    後半は流し読み。

  • ●超要約:市場は読み切れないものさ。市場は”信用”という捉えどころのないものに支配されいるから。
    ●所感:パート1〜8は再読価値あり。
    ●メモ
    ・心理バイアスによって市場は非合理的に動く。で、心理バイアスの変異を予測はできないので、結局市場を読み切ることは困難。
    ・ファットリバーサルとはリーマンショックのような正規分布から逸脱した以上な事象が起きることであり、これを効率的市場仮設では説明できないのです。
    ・バフェットの成果は確率的には激レア。市場のボラティリティを20%として50年平均で15%以上の収益率を達成する確率を計算するとゼロ。宇宙の歴史138億年でみても発生確率はほぼゼロのまま。
    ・株価を左右するのは”期待”なのだ。ファンダメンタルズ分析は既に市場に織り込まれいているので上下とは無関係。市場の本質は群集心理のフィードバックループにほって生み出される期待の中にある。
    ・カオス理論のメカニズムはわかるが予測は不能なのだ。
    ・チャートは後付でしかない。人はチャートのなかに自分の心理を投影しているのだ。
    ・為替は国力と無関係。
    ・国債は日本で消費されているから安心というのは嘘。

    ・リターンリバーサル、マルコフ性

  • - 短期的な視点にとらわれて長期的な価値を客観的に見つめることができないという心理的バイアスによって市場価格はゆがめられており、そこを突くことで儲けられる可能性
    - 市場の不合理性を生み出すのが人間なら、ほとんどの人はその不合理を見抜くことはできない
    - 正しい情報を集めて正しく分析すれば予測できる場合、市場は瞬時に正しい予想を反映する(正確に答えを得る前に)
    - 市場の水準はほぼリスクプレミアムの変動によって決まるが、リスクプレミアムの変動は予測できない。

    - 誰にでも明確に答えが出せるチャート分析で明らかに有効なものはない
    - チャート分析の進化によって、多くのチャート分析は有効性を失っていき、市場は効率性を増していく
    - チャート分析を投資アイデアを引き出すために使う

    - 国力をどのように定義しても為替相場と国力の結びつきはない
    - 貿易収支が黒字ならば円安で国全体でプラスになるといのは一面的な議論
    - 為替相場の短期的な動きは基本的に2国間の金利差に強く連動する
    - 購買力平価とは購買力で比較した通貨の価値。ビックマック指数など
    - 短期的には思い込みで価格変動するが、長期的には本源的価値に沿った動きとなる

    - 国債のほとんどが国内金融機関に保有されているから暴落しなかったのは本当かもしれないが、これからもそうだとは言えない
    - インフレ率が政府日銀の想定を上回れば、国債購入をやめなければならず、それが国際暴落を引き起こす可能性が高い
    - 信用こそが債権の価値に影響を与える
    - 債務比率が高くても、その悪化に歯止めをかけ、経済成長による税収増を実現できれば、信用崩壊に見舞われなければ破たんを逃れることは可能
    - 市場が適正な価格を見つけ出し、矛盾を解消するなら、利益を上げようとする投資家がいるからこそである

    - 金融政策は経済理論に裏打ちされたオーソドックスな金融政策の時代から、人々の心理に働きかけるマーケティング的な時代になった
    - 期待に働きかける金融政策がうまくいけば、いつかは長期金利が上昇せざるを得ない

    - 規制が貸し出しを不活発にし、景気への悪影響を生んでしまう
    - いったん始まった暴落がいつ終わるか予測することはほぼ不可能
    - 市場の暴落時に株を買い足していけばそれだけでずば抜けた投資成績となっているに違いない

    - 投資のプロの世界では、投資の目標を設定し、うまくいけばどれだけの利益になるか、うまくいかなければいつどこで損失を確定させるかをあらかじめ決める
    - 勝つ確率X勝った時の利益=負ける確率X負けた時の損失、となっている
    - プロスペクト理論が示唆するように、人はもともと「すぐに利益を確定し、損失は塩漬けにする」バイアスがかかる

  • チャート分析が広まれば、みんなその通りに行動する。すぐ買って、すぐ売る。結局は、手数料だけを損することになる。

    チャート分析を、投資アイデアを引き出し、仮説を立てるために使う。仮説を立てておけば、いち早く行動できる。

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著者プロフィール

金融アナリスト、コンサルタント。
株式会社ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役。シグマベイスキャピタル株式会社シニアフェロー、シグマインベストメントスクール学長。
1963年生まれ。1985年一橋大学経済学部卒業。日本長期信用銀行(現新生銀行)入行。デリバティブの商品開発、ディーリング業務に従事。2000年よりUFJパートナーズ投信(現三菱UFJ投信)にてチーフファンドマネージャーとして債券運用、新商品開発、フロント・リスク管理、ストラクチャード・プロダクツへの投資などを担当。その後不動産ファンド運営会社社長、生命保険会社執行役員を経て2012年より現職。

「2021年 『「不確実性」超入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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