オープン・イノベーションの教科書――社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ
- ダイヤモンド社 (2015年2月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478039229
作品紹介・あらすじ
自前主義を貫くのか、外部の叡智を活かすのか、日本企業の生き残りを賭けた選択のとき。東レ、デンソー、帝人、味の素、大阪ガスからフィリップス、P&G、GEまで、国内外の成長企業が実行する新戦略のすべて。
感想・レビュー・書評
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急遽「オープンイノベーション」について知る必要が出たので、
急いで読んでみましたが、期待を上回る良い本でした。
とにかく、素人にも分かりやすく書かれており、
全体像が理解できます。
また、理論(全体像)と具体例のバランスも絶妙で、
理論(抽象)と具体の両面から理解が進みます。
これ読んだからと言って、企業でのオープンイノベーションがいきなりうまくいくということは当然ないのですが、
書籍に載っているフレームワークを元に、
自社の出来ているところ・出来ていないところの議論ができるとよいかと思います。
「オープンイノベーション」について学びたいとき、
最初の一冊として手に取っても良い本だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
題名のとおり、まさに「教科書」
日本のオープンイノベーションの事例を細かに紹介するとともに、そのHowToをまとめている本。
まず、オープンイノベーションとして、埋もれている技術を探し出す方法を4つのステップとして紹介しています。
(0)啓蒙活動実施
(1)社外に求める技術の確定
(2)技術の探索
(3)技術の評価
(4)技術の取り組み
当たり前のステップですが、それぞれのステップで何をやらなければいけないか、何を気をつけるべきか、どのようにそれをするのかを具体的に記述しています。
そして、それを大手企業5つの事例として紹介しています。
東レ、味の素、大阪ガス、デンソー、医薬品業界
企業のトップが自ら情報発信したり、組織を直轄にしたり、推進チームがいたり、現場からボトムアップの活動だったりとさまざまです。
さらに、技術提供側にもフォーカスをあてており、どうやって優れた技術を提供するかについても記載されています。
提供のアプローチの仕方としては
売り込み型アプローチ
提案型アプローチ
どちらの方法にしろ、具体的にそのやり方を伝授してくれています。
そして、やはり、その実例として大企業からベンチャー、大学まで4つの事例として紹介しています。
大企業(帝人)、中小企業(ハタ研削)、ベンチャー企業(JAC)、大学(香川大学)
それぞれがどのようにして技術を売り出したのかこれまた具体的に書かれています。
オープンイノベーションといえば海外とばかり思っていましたが、日本国内にもこのような事例があるのが驚きでした。
筆者は日本の技術力は間違いなく世界一と言い切っており、オープンイノベーションを通して、日本のものづくりを強くしようとしています。
大企業だけでなく、中小企業、ベンチャー企業にもすごい技術があり、本書をよむとオープンイノベーションが日本のものづくり復活のポイントになるということが理解できます。
筆者の会社のホームページに行くと、まさに技術の出会い系サイトとなっていました。
http://www.ninesigma.co.jp/
ここで見てしまったものは、弊社のコンペチターがすでにオープンイノベーションを取り組んでいるということ。弊社は遅れているなぁ...って感じてしまうHPでした(苦笑) -
教科書的な内容。もう少し深い議論が欲しかった。
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オープンイノベーションの重要性についてか書かれている。
オープンイノベーションの際は、自分の求めている技術を把握することも大事。または、新しい技術などはお試しで少しずつやってみるなども良い。 -
開発目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99754582 -
技術探索、技術提供の2面から、オープンイノベーションの進め方を体系的に説明している。IT企業にてオープンイノベーション担当にアサインされたが、セオリーを活用させてもらっている。
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若い人たちが夢中になっている、オープン・イノベーションという概念を知りたくて、おじさんは図書館で借りて勉強する。
大体の概念は理解したものの、日本の製造業復活という著者の気持ちが熱すぎて、少々閉口してしまう。あんこの部分の事例は読まずに、とりあえず返却。 -
日本におけるオープン・イノベーション仲介業の先駆けである、ナインシグマ社設立メンバーの一人である星野達也氏による一冊。
日本におけるオープン・イノベーションの事例が非常に充実しており、成功した場合のメリットはもちろん、よくある苦労も含めて非常にリアルな形で理解することができる。タイトルの通り、オープン・イノベーションに関わる人、関わりたいと思っている人のまさに「教科書」となる本。