データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478039632

感想・レビュー・書評

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  • 手法からではなく目的ありきのスタンスで、データを用いて利益を出すために組織はどうあるべきか、仕事の進め方はどうあるべきか、指標はどうあるべきかというところが記載されているのが良いと思いました。
    データにより意外なことがわかる等でなく、効果を測定することで正確な意思決定を行えることがデータ分析の価値というスタンスは本当にその通りだと思います。細々とした手法を学ぶことはできませんが、経営層に対してデータ分析の価値を論理的にかつ分かりやすく説明できるようになるためには役立つ一冊なのではないかと感じました。

  • メモとりながら読んだので詳細メモはノート参照

    指標紹介はマーケティング基礎すらわかっていなかった自分としては勉強になったと思う。
    後半のWebマーケティングなどは記載が古いことや自社のビジネスモデルとアンマッチな点もあってピンと来なかった…それはそれで弱点なのかもしれないが

  • ビックデータやそれに連なるAIについての基礎になる内容にて、データ解析を目指す方にお勧めです。

  • すでに自社商品や資本を持っている会社がどのようにマーケティングを行い効果測定をして改善を進めていくかというのがテーマ。
    何も商品持ってないのでまずはそこから。

  • マーケティングの勉強のために読了した。かなりの良書だと思う。データ・ドリブンというだけあって数式や指標の話をしてくれているのだが、非常にわかりやすく、構成もよく考えられている。 SEOに関する指標や中身はひと昔の前のものだが、それ以外は実用的であり、今後実践していくべき内容だと思う。CMOやマーケティング担当者がこれを読んで、共通認識のもとマーケティング施策を練るのがいいと思う。

  • インターネット登場前はマーケティングといえば右脳の感性の領域だったが、いまやマーケティングはGAFAMによって徹底的に定量化され科学化された領域である。本書を読めば潤沢に転がるデータを使ったマーケテイングの端緒を学ぶことができる。15の指標は基礎の基礎であるが、Excelから始められるデータ・ドリブン・マーケティングの手法と効用はその切り口や視点を身に着けるのに非常に役に立つ内容である。

  • 長〜い!
    有効な部分もあるが一気には、習得出来ない気がする。ちょく読むのがよさそう。

  • うーん、15の指標をもとに説明がありそれぞれ眺めていたが、わたしの理解力では今回は活かしきれそうにないな。。
    224冊目読了。

  • 第1章 マーケティング格差
    この章のポイント
    ・データドリブンマーケティングやマーケティング指標を使いこなす上位企業と下位企業との間に大きなマーケティング格差が生まれている。
    ・15の重要なマーケティング指標を使うことで、ほとんどすべてのマーケティング活動を定量的に評価することが可能になる。
    ・調査研究によると、マーケティングの成果のトラッキングをきちんと行っている企業は、できていない企業と比べて業績もマーケティングの効果も大きく上回っている。
    ・上位企業群のマーケティングは、ブランディングやカスタマーエクイティ(CRM)、インフラへの投資に予算が厚く、需要喚起へは予算が薄い。
    ・マーケティングによる企業の持続的競争優位性は、模倣困難な一連の活動によってもたらされる。
    ・データドリブン・マーケティング戦略立案のためのフレームワークが存在する導入にあたっては完璧なデータなど必要ない。

    第2章 何から始めるべきか?
    この章のポイント
    ・適切なデータを集め、先行成功事例を作ることから始めよう。8割の成果につながる2割のデータはどのようなものかを見極めよう。
    ・因果関係不明の障壁を乗り越えるために、正しい指標を見極め、また、マーケティングのアイデアを評価するための対照実験を行おう。実験を通じて、マーケティングの成果を著しく改善できる。
    ・B2B企業は、販売代理店や最終顧客に対して、データを共有してもらうことのメリットを明確に示さなければならない。
    ・経営資源の不足に悩んでいるだろうか。マーケティング効果測定の設計こそが、99%の価値を生むための1%の努力となる作業であり、それによって将来の支出を正当化していくことができる。
    ・データドリブン・マーケティングを大規模に行うには、適切なITインフラが必要になる。顧客データの量と分析の頻度が、必要なインフラの要件を決定づける。
    ・データドリブン・マーケティング向けのテクノロジーは重要すぎて者任せにはしておけない。
    ・マーケティング活動の実行度合いではなく、成果に対して評価を行おう。測定指標と、付与するインセンティブとを整合させよう。従業員に新しいツールや手法のトレーニングを提供しよう。
    ・大きな組織で企業文化を変革する場合、経営幹部のリーダーシップが欠かせない。
    ・データドリブン・マーケティングを導入、あるいは改善していくためのロードマップを確認しよう。まずは現状評価、次に先行成功事例、続いて成功を再現するためのツールづくり、そして最後に、成果に応じて対応ができ柔軟なレビュープロセスを設けよう。

    第3章 10の伝統的なマーケティング指標
    この章のポイント
    ・マーケティング活動の類型に応じた適切な効果測定指標が様々に存在する。
    ・50%以上のマーケティング活動に対して、財務的な評価指標が適用可能である。
    ・財務系指標が使えない場合、将来の売上につながる先行指標を見つけることが重要となる。
    ・キャンペーンに先立ってマーケティングチーム内でしっかり議論し、スコアカードを用意して、あらゆるマーケティング・プログラムやキャンペーンが、バランス・スコアカードを使って評価されるようにしよう。
    ・B2B企業は、アンケートやグループインタビューを効果的に使うことで、顧客データの不足を補うことができる。

    第4章 5つの重要な非財務指標
    この章のポイント
    ・ブランド認知率(重要指標①)ブランド力の強さは初回購買時の選択に強く影響し、また、ノーブランドの商品やサービスに対してプレミアム価格を設定することを可能にする。質問調査で得られた非財務系指標を使って、ブランド認知率およびブランドマーケティングの成果をトラッキングしていく。
    ・試乗(お試し)(重要指標②)比較評価マーケティングにおける必須の指標。自社商品あるいはサービスの試乗(お試し)を促すようなマーケティング施策を設計し、試乗から購買へのコンバージョン率も測定する。
    ・解約(離反)率(重要指標(3)ロイヤルティ・マーケティングにおける必須の指標。顧客の離反を防止することは、利益率の大幅な改善につながる。
    ・顧客満足度(CSAT)(重要指標④)マーケティングにおける黄金の指標と言える顧客満足度(CSAT)は、ブランディングと顧客ロイヤルティを結びつける概念だ。企業は売上高と同じくらいの重要性を認識して、顧客満足度(CSAT)の動向を管理していくべきだ。
    ・オファー応諾率(重要指標⑤))マーケティング業務運用における必須の指標。応諾率を向上させ、顧客獲得単価を下げることで、マーケティング費用を大きく削減できる。

    第5章 投資リターンを示せ!
    この章のポイント
    ・利益(重要指標⑥)は、事業の継続性を担保する不可欠な指標となる。
    ・従来型のROIは定義が不明瞭で、マーケティングを評価する指標として適切とは言えない。
    ・マーケティング投資収益率(ROMI)の財務系評価指標として最適なのは、NPV(重要指標⑦)、IRR(重要指標⑧)、投資回収期間(重要指標⑨)だ。
    ・財務ROMI分析はテンプレートに基づいて実施でき、かつ半数以上のマーケティング活動に適用可能な手法だ。具体的には、需要喚起型マーケティングや新製品発売時のプロジェクトにおいて利用される。
    ・不確実な世の中において起こり得る結果を幅で捉えることができる感度分析は非常に有用だ。そして、エクセルを使っていとも簡単に行うことができる。
    ・ROMI分析においては常に最良、最悪、通常の3つのケースを考え、また前提が変わったらどうなるかを意識することが肝要だ。

    第6章 すべての顧客は等しく重要……ではない
     私の幼い子供たちは、今でも飛行機に乗ること自体に喜び、興奮する。しかし、グループインタビューを通じて明確化されたのは、大人たちにとっては行き先にたどり着くことこそが目的であり、 その過程をできる限り快適かつ滞りない体験にしてほしがっているということであった。一方で顧客は、いつも万事うまくいくわけではないことも理解している。飛行機に遅れやキャンセルが生じることもあるだろうし、接続がうまくいかない、あるいは荷物の紛失が発生することもあるだろう。こういった事態が生じてしまった時に最も重要なのは、どうやってトラブルを適切に解決し、悪印象を残さないかということなのだ。この理解を起点に、コンチネンタル航空のチームは、問題の発生から12時間以内に「申し訳ありません」と書いた手紙を送付することで、トラブルが発生してしまった顧客の印象を改善するという取り組みを進めていった(第2章参照)。

    この章のポイント
    ・顧客生涯価値(CLTV、重要指標⑩)は、将来にわたって顧客が自社にもたらす価値を表す、非常に重要な指標である。
    ・自社の顧客全体のCLTVを理解し、その最大化を図るのが新たなマーケティング戦略の手法だ。高価値セグメントに対しては維持およびさらなるアップセル、クロスセルを、中価値セグメントに対してはアップセルとクロスセルを通じたCLTV向上を、そしてCLTVがマイナスの顧客層に対しては支出の最小化を図っていく。
    ・B2B企業は、販売チャネルパートナーのCLTV分布を把握することから始めるとよいだろう。
    ・マイナス値の顧客が存在していても、顧客自体がマイナス価値なのではなく、ビジネスプロセスや提供チャネルに欠陥があってマイナス価値が発生していると捉えるべきだ。価値を損なっているプロセスを特定し、そのプロセスや提供チャネルの改革を通じて収益改善を図ることが可能なはずだ。
    ・長期的なCLTVだけを見るのは全体観を欠く。企業としては短期的な収益と長期のCLTVをバランスよく管理していかなければならない。
    ・顧客ライフサイクルは、新規顧客の獲得、顧客の育成、そして顧客の維持から構成される。それぞれの段階において顧客価値ベースの考え方を採り入れ、データマイニングを行ってターゲットマーケティングを実施していく。

    第7章 クリックからバリューへ
    この章のポイント
    ・従来のリスティング広告では、キャンペーンごとにキーワードを購入する形式を利用しており、インターネットマーケティング予算の50%が費やされてきた。リスティング広告に使用する重要指標は、CPC(重要指標⑪クリック単価)、TCR(重要指標⑫トランザクションコンバージョン率)、ROAS(重要指標⑬広告費用対効果)となる。これにクリック率(クリックスルー)を合わせた4つの指標を使用し、リスティング広告キャンペーンを最適化することが可能だ。
    ・重要指標⑬のROAS(広告費用対効果)は、リスティング広告におけるクリックが生み出す価値を数値化し、特定の媒体およびキャンペーンの予算を増やすことで収益をどの程度増加させられるかを試算することができる。
    ・重要指標⑭では、ウェブサイトが機能しているかを示す直帰率を紹介した。他のインターネット関連の指標と組み合わせることで、ウェブサイトのコンテンツがユーザーのニーズに応えているのか、どのマーケティング・チャネル(検索、Eメールディスプレイ広告)がうまくいっているかを知ることができる。
    ・ディスプレイ広告のクリック率は、非常に低い(0.2%以下)が、クリックされなくとも、ユーザーが目にすることで、オファー応諸率(重要指標⑤)上げることが可能だ。アトリビューション分析は、検索キーワードおよびディスプレイ広告関連の追跡を可能とする。
    ・消費者のブログやソーシャルメディアの投稿内容に応じて、ディスプレイ広告のターゲティングをすることで、ソーシャルメディアのクリック率は2倍以上に増加する。
    ・ロコミ増幅係数(WOM、重要指標⑮)では、インターネット上における「友人に勧めたいと思いますか?」という質問を数値化する。口コミはソーシャルメディアマーケティングに増幅効果をもたらし、クリックおよびインプレッションの価値を口コミ増幅係数(WOM)倍にする。

    第8章 アジャイル・マーケティング
    この章のポイント
    ・マーケティング・キャンペーンではニアタイム・データを収集し、途中で軌道修正できるように設計する。すなわち、データ収集はキャンペーンの実施予定期間より短い時間軸で行い、データに基づいてキャンペーンを軌道修正できるように準備する。
    ・結果が出ないキャンペーンは早めに終了させ、早めに小さく失敗する。
    ・早い段階で結果が出たキャンペーンでは、予算を増やし、大きく勝ちに行く。
    ・キャンペーン開始前に、成功失敗の基準を設定する。
    ・キャンペーン実行計画の中には意思決定ポイントを設定しておき、各ステージの意思決定ポイントで軌道修正できるように準備しておく。
    ・アジャイル・マーケティングの手法をとれば、5倍以上の成果を出すことも可能だ。

    第9章 「まさにこれが必要だったんだ!」
    この章のポイント
    ・イベント・ドリブン・マーケティングは、アジャイルマーケティングを一段階上に進めたものだ。データを解析し、適切なオファーを、適切な顧客に、適切なタイミングで提供するようにターゲティングすることで、オファー応諾率(重要指標⑤))を5倍以上向上させることも可能だ。
    ・解析マーケティングには3つの定石が存在する。(1)傾向分析モデルで購入可能性を予測する、(2)アソシエーション分析ですぐに活用可能なアソシエーションルールを生成する(この商品を購入した顧客は他に何を購入するか?などという問いに答えられる)(3)決定木アプローチにより、イベントや顧客の特徴を変数とした動的セグメンテーションを行う。
    ・解析マーケティングのビジネスケース(稟議のための財務計画)は単純だ。重要な財務指標ROMI、つまり重要指標⑦正味現在価値(NPV)、重要指標⑧内部収益率(IRR)、重要指標⑨投資回収期間を使って投資リターンを定量化すればよい。その時の重要変数は、オファー応諾率(重要指標⑤)の上昇幅 と、増える注文からの利益 (重要指標⑥)の増加額である。

    第10章 データドリブン・マーケティングに必要なITインフラ
    この章のポイント
    ・バランス・スコアカード、マーケティング投資収益率(ROMI)分析、インターネットデータ解析は、最初から最後までエクセルなどのシンプルなツールで行うことが可能だ。しかし、解約率管理や、CLTV(顧客生涯価値)マーケティング、イベント・ドリブン・マーケティングには、ITインフラを構築する必要がある。
    ・マーケティング担当者は、データドリブン・マーケティングで実現しようとしていることの要件やスケールを理解する必要がある。そうすることで、プロジェクトを理解し、技術チームに対する要求も明確になる。
    ・データドリブン・マーケティングに必要なITインフラは、顧客数と要件の複雑さの度合いによって決まる。要件の複雑さの度合いは、回答したいビジネス観点での質問・疑問によって決まる。
    ・顧客数が少ない場合と多い場合、データ要件が簡単な場合と複雑な場合という組み合わせによって、必要なITインフラは、戸建て住宅級になることもあれば超高層ビルになることもある。前者に必要な予算は数十万ドルで、後者だと数億ドルとなる。
    ・データドリブン・マーケティングのITインフラ関連プロジェクトのリスク要因は、よく知られているものであり資料化もされている。ビジョンや経営陣からのサポートの欠如、社内政治、リソースの欠如、システムの拡張性データベースの質が、主なリスク要因になる。
    ・大きなビジョンを描き、小さなステップから始め、素早く拡張する。そのためには、拡張可能なITインフラとロードマップが必要だ。まず行き先を定め、段階的に機能を追加しながらITインフラの道を作っていき、各段階でマーケティング投資(ROMI)を測定する。
    ・データドリブン・マーケティングの技術は非常に重要であるため、エンジニアに任せきりにしてはいけない。

    第11章 マーケティングの予算、テクノロジー、プロセス
    この章のポイント
    ・マーケティングキャンペーン・マネジメント(MCM)の組織能力は、企業がマーケティングを通じて競争優位性を獲得するのに重要な組織能力である。
    ・MCMは、4つの重要なプロセスに分解される。(1)キャンペーンの選択、(2)ポートフォリオ最適化、(3)モニタリング、(4)適応学習だ。これらのプロセスは、ITインフラやツールが基盤となっている。
    ・MCM組織能力を有する企業の方が、業績が良い。
    ・マーケティングのITツールやインフラへの投資は、企業の業績向上に直結しない。MCM組織能力の側面支援をするだけだ。つまり、テクノロジーに投資するだけでは、マーケティングの成果を出すことはできず、4つの重要プロセスを組織として習得し運用する必要がある。
    ・上位企業と下位企業には、マーケティング予算の分野別の配分に違いがある。上位企業は、ブランディングおよびITインフラにより多く投資しており、需要喚起型マーケティングへの投資は抑えめだ。上位のB2B企業は、カスタマーエクイティ(顧客資産)CRMにより予算を費やしている。
    ・MCMプロセスの導入を成功させるには、いきなり上級レベルを始めようとするのではなく、まず初級、次に中級と、段階的にMCM組織能力を開発・習得していくアプローチがよい。
    ・クリエイティブな素晴らしいアイデアとデータドリブン・マーケティングには、魔法のような相乗効果がある。クリエイティブXファクターは、データドリブン・マーケティングと組み合わさることで、成果を100倍にもしてしまう。

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