ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用

  • ダイヤモンド社
3.96
  • (41)
  • (53)
  • (35)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 811
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478062579

作品紹介・あらすじ

イーロン・マスク、ピーター・ティールを生んだペイパル・マフィアで、リンクトイン創業者が提唱する「人と企業」の新しい関係とは。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 篠田真貴子さんのファンだからという軽い気持ちで手に取ったのですが、最近読んだ本の中でも特に感銘を受けました。
    本書は、終身雇用が事実上なくなった今、会社と個人の関係性をどう構築し直すかを提案しています。終身雇用のメリットは長期的視野を促すことができる点でした。終身雇用が崩壊した今でも、長期的視野を残すためには、ある程度の忠誠心が必要。それを、「会社と個人のフラットで互恵的な信頼関係」を通して担保しようと提案しています。

    ポイント
    ・信頼関係の基本は隠し事のない誠実さ。「会社をいつか去るかもしれない」という前提をオープンにした上で、数年単位で会社と社員の目指す方向を合意すれば、双方とも信頼をベースに安心して時間と労力を投資し合える。
    ・特定のミッションを完遂することを目的とした変革型コミットメント期間の社員の存在は、会社に適応力をもたらす。

    ネットワーク情報収集力、卒業生ネットワークの章も面白く拝読しました。

    感想
    「上司部下の間で信頼関係が損なわれていくのは、双方期待値を明確に開示しないことが根本にあり、期待から外れたときに勝手に失望していくからではないか」という個人的に抱いていた課題意識に対して一つの解を示してくれる本で、夢中になって読みました。「信頼関係とは何か」について、もっと深掘りしたくなりました。
    また、old economy的な発想のまま、社員に紋切り型に一年単位の評価を下していく方法は、現在の事業環境に即していないのでは、という課題意識に対しても示唆がありました。規模拡大役のローテーション型社員、適応力役の変革型社員、継続性役の基盤型社員の望ましい割合、うちの会社だとどう?が解かないといけないイシューだと思いました。
    この本はlinkedinの働き方を主なベースに論じられていますが、今の時代背景を前提に働き方を一からデザインしているシリコンバレーの企業から学ぶことは多いと思いました。今「よくわからないけど人事制度が軋んでいるかも」というold economyな会社の人が読むと示唆深いと思います。

  • 関係を続けること。


    働くときは期間を決めて働くこと。
    お互い何がしたいかを擦り合わせておくこと。

    卒業しても関係は継続すること。
    卒業生ネットワークを作ること。

  • 読みたい理由:異動後の仕事への取り組み方に悩んでいて目についた本。PJT型やミッション型の仕事だとモチベが上がるけど、それをどう積み上げていくか、その答えを少しでも掴めれば嬉しい。

    読んだ結果:変革型でありたいと思った。そのために改めて自分のミッションの確認と自分の得たいものを確認しなければと思った。(任せてもらう仕事をチューニングしてもらえばいけそう)

    ◆1 ネットワーク時代の新しい雇用
    ・アライアンス(関係)p28
    マネージャーは部下の社員に対し、会社がその社員にどのような投資をするつもりか、そしてかわりに何を求めるのかオープンに誠実に伝えることができる
    社員は自分がどんな成長をしたいのか(スキル・経験)、そのかわりに努力と献身を通して会社にどんなメリットをもたらそうと思っているか、オープンに誠実に変われるようになる
    両者とも自分の期待値をはっきりと相手に示すのだ

    ・チームp30
    プロのスポーツチームは終身雇用を前提としていないにも関わらず、相互信頼と相互投資、そして相恵の原則が機能している
    個人の栄光よりもチームの勝利を優先するほどメンバー同士の信頼が強い時、チームは勝つ。逆説的だがそのようにしてチームとして勝つことがメンバーの個人的成功にとっても最短の道になる。
    (社員との関係:家族というよりチーム)

    ◆2 コミットメント期間を設定しよう
    ・p49
    あなたはできる限りいい人材をみつけて採用したんでしょう。その最高の人材が自らの意志でこの会社に居続けよう、時間を投資してみようと思えるような環境を用意する責任はあなたにあるのです
    →これは日常的に使おう。どうしたらいい人がとれるかではなくどうしたらいい人がきたいと思ってくれる会社になれるか。(先日みかけたツイートより>https://twitter.com/Jn_Matsumoto/status/1192788906120364033?s=20

    ・変革型コミットメント期間は2〜5年p54
    1年目:背景事情の理解
    2年目:変革を実現し、自分のやった仕事だとはっきり示す
    3〜5年目:自分の生み出した変革を根付かせ発展させる。もしうまくいかなかったら方向転換するための時期。

    ◆3 コミットメント期間で大切なものp82
    目指すべきは会社と個人の目標の整合性。
    アライアンスを長続きさせるのに必要十分な整合性。

    ミッションステートメントは一部の有能な人たちに強い整合性を感じさせる一方でほかの人たちにはこの会社は自分には合わないと気づかせるほど十分に具体的かつ厳密でなければならない。

    整合性の大きさ
    ローテーション型>変革型>基盤型

    ⇄集団にとってよいことはそこに属する個人にとってもよいことである、というのは産業化時代のみ。

    →どこまで社員に求めるか。基盤型コミットメントじゃないのに求めすぎてるケースは多そう。きちんと理解しないと関係が破綻して社員はやめてしまうんだろうな。

  • 世界最大のプロフェッショナルネットワークである、Linkedin(私も登録してます)の共同創業者が書いた本です。取引先の部長さんから進められて読みました。

    企業と社員がお互いの付加価値を高めることができるような長期の良好な関係(Alliance)を築くことの重要性を説いています。確かに雇用は双務契約です。雇用者と被雇用者の利害が一致することが重要です。

    この本では更に、従業員が会社を去ったあとでもAlumniの一員として、会社との関係が継続されることにより、相互に恩恵が得られること、そして企業としてAlumniのネットワーク構築に努力すべきことが協調されています。

    終身雇用が前提の時代では企業と社員の関係が義務に縛られ、お互いに付加価値を交換することなく、不正直な建前のもとに堂々巡りをするようなケースも多かったと思いますが、企業と社員のそれぞれが明確なキャリアの目標を持っていれば、Allianceも可能となるでしょう。 逆説的には、変化のスピードの速い今日では、雇用関係にもより一層のフレキシビリティが求められる、ということかもしれません。

  • もっと早く読んでおけばよかった。 個別の事例や施策は、日本の労働慣習や実情に合わないところはあるとは思いますが、根本の考え方は学ばなくてはいけないと思う。 企業にとっての「人の価値」とはなんなのか、逆に働く者にとって企業とどう向け合えばいいのか、これからの時代の基本の考え方がここにあると思います。 終身雇用を約束しなくても、相互に信頼し互恵的な関係になることができるのだと、納得することができました。

  • 高度成長期に最適だった終身雇用モデルが崩壊した今日、あえて企業と社員の関係を「契約」に基づく”権利と義務の取引”から、「信頼」に基づく”互恵的な提携”に見直すことを提唱した一冊。

    特に変革期の企業に有効な人事戦略として、企業と社員が「お互いに」果たすべきミッションを明確化し、目標達成までの「コミットメント期間」を設定した上で、誠実な対話を通じた丁寧な相互フィードバックを繰り返すことで生まれる(もし社員が転職した場合でも続くような)長期的な信頼関係をベースに、社員の社外人脈や「卒業生」も含めた巨大なアライアンス・ネットワークを構築することにより、企業の変化に対する適応力が高められると主張する。

    Linkedin創業者である著者の知見が凝縮された本書は、社員は成果という価値を、企業は成長やキャリアという価値を、相互信頼に基づいて提供し合うという、フリーエージェント時代の雇用関係の理想を描いている。どんな企業でも実行可能とは限らないが、本書をもとに目の前の部下や上司との関係を少しでも見直すことは可能だろう。終身雇用を前提とした硬直的な人事制度が早晩弱みに転じることにも改めて気づかされる。

  • 「定年まで働くことを期待すること」「終身雇用を期待すること」「個人の価値観やなりたい姿は会社に持ち込まずシェアしないのがむしろ美徳とされる傾向」「転職は会社にとって良くないこと?」就活の時から感じる違和感や上手く整理できないもやもやを明快に言葉にしてかつ代替案を提示してくれたような一冊。リンクトインのリード・ホフマンらが書き、ほぼ日の篠田さんが訳したこの本では、「アライアンス」関係という、個人と会社の新しい関係性が示されていました。読みながらひたすら共感して、こんな関係にできたらいいな、とただただ憧れながら読んでいました。

  • 全て同じように導入することは無理だろうし、同じものを導入してもうまく機能するとは思わない。その点から考えても本書は「参考書」という位置付けになるだろうが、特徴として捉えられる部分に、実践した結果に基づき非常に基礎的なところから書かれていることがある点が挙げられる。

    つまり、ただ参考となる事例が羅列されているだけではなく、読み手が個々の解釈に従って汎用していくことが可能な手本的な要素が満載なのだ。

    まあ、滅多にビジネス書を読まなくなった自身としてはこれで1500円+税は安いな。と思ったが、この本を読んだ御蔭で、生物の連鎖・関係のあり方を研究した書物を読みたくなったので高くつきそうです(笑)

    これからの社会の一つのあり方の参考として良い示唆をあたえてくれる書籍。

  • 社内、そして、社外との繋がり方の大切さが描かれている一冊でした。まだまだ出来るようになったほうが良いことってあるな。

  • 資質にある共感。これは大事。

  • 自分が本当に良い働き方をしているかを考えるきっかけになる本。
    そして、会社は自分にとっていい環境かも考えられる。

    自分の仕事の出来栄え、業務内容、会社の環境など、何かに「ん?」となったときに読み返すと良いと思う。
    ただし、この書籍にあるような思考が企業側に前提としてなければ、アライアンスを意識するだけ損になりそうだ。

  •  長期的関係のために定期的に仕事を変える一見矛盾しているようだが、これが「コミットメント期間」(ツアー・オブ・デューティ)の枠組みの真髄である。
    「ツアー・オブ・デューティ」はもともと軍隊用語で、任務や配置の割り当て一回分を意味する。軍に属している間、通常なら兵士は複数回のコミットメント期間を務めることになる。ちょうど社員が一つの会社や自分のキャリアの中でさまざまな部署やプロジェクトにいくつも取り組むのと同じだ。


    1. ローテーション型
     ローテーション型のコミットメント期間は社員ごとにパーソナライズされておらず、概して互換性が高い。ある社員を既定の職務に就けたり外したりという交換が簡単にできる、ということだ。
     ローテーション型にも二つのタイプがある。一つ目は、体系化された有期の制度で、通常は新卒や経験の浅い社員を念頭に置いたものだ。たとえば、投資銀行や経営コンサルティング業界には二~四年のアナリスト・プログラムがある。プログラムに採用された社員は全員、決まった基本ローテーションを経験する。決められた期間、一回限りで終わるのが一般的だ。こうしたプログラムはたいがい、「高速道路への入り口ランプ」として明確に位置づけられている。 新卒者を学校から職場へ、転職者を前の 会社からあなたの会社独特の職場環境へと誘導しながら加速させるのだ。
     シリコンバレーのトップ企業も大半は、ローテーション型のコミットメント期間モデルを導入している。 新人レベルの社員を採用して、「同期」として実地研修するのだ。新人レベルの社員を採用して、「同期」として実地研修するのだ。たとえば、グーグルのピープル・オペレーションズ(人事)部門は、新卒の社員に体系化された二七カ月のローテーション型コミットメント期間を提供している。新人は九ヶ月ごとのローテーションを繰り返し、三つの異なる職務を体験することができる。フェイスブックも新人のプロダクト・マネジャーのために同様のモデルを採用しており、一八ヶ月の期間に三カ所の異なるプロダクト・グループをローテーションする。リンクトインにも“ローテートイン”と呼ばれる部門横断的な研修プログラムがある。
     この種のローテーション型コミットメント期間の目的は、会社と社員の双方に長期的な相性を見極める機会を与えることだ。相性がよいようなら次のステップに進み、よりパーソナライズされた第二弾のコミットメント期間を設けることで、相性のよい分野をさらに活かす。もしどちらか一方が相性がよくないと感じたなら、その社員はおそらく会社を辞めるだろう。ただし、それが本人の汚点になったり会社との関係悪化につながったりすることはない。
     ローテーション型コミットメント期間にはもう一種類あり、これは新人からベテランまであらゆる社員に適用できる。このタイプのコミットメント期間はきちんと体系化され、大半が制度化されている点で、一つ目のタイプと似ている。しかし、この夕イプの主眼は、その社員を将来の別の職務に向けて訓練することではなく、現在の職務と社員の相性を高めることにある。ブルーカラーの仕事は大半がこのタイプに当てはまる。たとえば、特定の組み立てラインで働くことは一つのローテーション型コミットメント期間と考えられる。同様に、UPS(宅配業者)のドライバーは、ローテーション型コミットメント期間にいるといえる。このタイプは定型化、体系化されており、比較的スムーズに人材を入れ替えられる業務内容だ。


    ■期間の枠組み
    1.ローテーション型
    設計:入社してきた従業員は自動的にここに組み込まれる
    契約の狙い:会社との相性が将来的にどうかを評価する。ごくふつうの雇用で使われる
    期間:典型的なアナリストプログラムでは通常1~3年。その他のローテーション型は期限なし
    更新:引き続き新たなローテーション型を始める場合もあるし、変革型に移行する場合もある。コミットメント期間終了後に会社を辞めることに道義的責任はほとんど(まったく)ない

    2.変革型
    設計:個別交渉で決まる
    契約の狙い:従業員のキャリアを一変させる。会社に大きな変革をもたらす
    期間:職務ごとのミッションに応じて個別に決まる。通常は2~5年
    更新:職務上の使命を完了する前に、会社に残って新たなコミットメント期間に入る交渉をまとめる。そうでなければ他の会社に転職する

    3.基盤型
    設計:個別交渉で決まる
    契約の狙い:会社とっては、コアバリューを守り伝える役割を果たしてもらえる。従業員にとっては、仕事から大きな目的と意義が得られる
    期間:期限なし
    更新:双方が関係の永続を前提とし、関係維持に全力を尽くす

     ローテーション型は会社に「規模拡大」をもたらす。新たに大勢の社員を雇って、職務内容が安定した、誰もがよく知る仕事に就かせることができるからだ。ローテーション型は標準化されているため、採用も実施もしやすい。特に大規模に行いたい時には効果的だ。
     変革型は「適応力」を与えてくれる。会社が、新たな必要スキルと経験を得る一助となるからだ。伸び盛りの業界は競争が激しく、技術の変化は急速で、人材争奪戦も激しいのがふつうだ。こうした業界で成功するには「創業者マインド」が不可欠であり、それはつまり、会社が変革型の社員を高い比率で雇わなければならないことを意味する。
     基盤型は会社に「継続性」をもたらす。長期的目標を見据えた社員が会社にい続ける仕組みになるからだ。経営幹部チームは全員が基盤型であるべきだ。


    ■部下との対話マネジャーへの助言
     価値観を一致させる整合性の作業には長い時間がかかることもある。そして、粘り強く対話を続けながら深い信頼を築いていくことが求められる。常に前回話し合った内容を土台にし、一回ごとに内容を深めていくのがいいだろう。

    ・グループで価値観をすり合わせる
     ほとんどの会社には文章の形で表現された価値観がある。大半は「高品質を目指し全力を尽くします」といった無害な常套句の羅列であり、知性への侮辱といっていい。あなたの会社の公式な価値観にまともな中身がなかったら、自分のチームのために勝手に価値観をつくってしまおう。当然のことだが、内容のある価値観づくりには、CEOがアライアンスを自ら実践し、自ら作業を率いるのがベストだ。
     CEOと幹部チームが会社の価値観のたたき台をつくり、それを幹部ではない基盤型の社員たちに広く読ませ、批判や意見をオーブンに取り入れながら改善していくのがいい。CEOは社の中核にいる基盤型社員の賛同を先に得てから、このプロセスを全社に広げよう。
     一〇〇〇人に及ぶ全社員をCEOが大ホールに招集し、その場でみんなで話し合ってゼロから価値観を生み出すよう命じるなど不可能だ。とはいえ、真逆のやり方、すなわち、CEOが自分好みの価値観を決め打ちして、それを「自発的に」受け入れるよう全社員に要求することもできない。
     社員が七五人より多い場合は、部署横断的な小グループに振り分けるといい。それぞれ個別に会議を開いて、CEOチームのつくった価値観のたたき台について議論してもらうのだ。こうした率直な対話から浮かび上がってくる会社の真の姿は、経営幹部が予想もしなかったものになるかもしれない。しかし、「自分たちには社会的使命を重視するカルチャーがある」と経営陣が思い込んでいる企業で、実はカネだけで動く傭兵のような姿勢に満ちていた、というケースは非常に多い。マネジャーは自社の真の企業文化を理解しておく必要がある。

    ・部下の個人的価値観を一対一ですり合わせる
     直属の部下とは一人ずつ一対一で面談し、部下の核となる価値観とありたい姿を明らかにし、その価値観と会社の価値観がどうそろいそうかを話し合う。なにも個人的な価値観を社内のイントラネットで公開しろとか、自分の社員証の余白に書き記せ、などと要求する必要はないが、彼らの価値観とありたい姿を「なんとなくの手がかり」から「明確なポイント」へと転換する必要はある。部下の目標を知らないマネジャーに、どうして変革型コミットメント期間を設計することができようか?

    ・心を開いて信頼を得る
     部下が大事にしていることを知れば信頼関係の構築に役立つ。ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の心理学者アーサー・アーロンが行った実験では、被験者に心の奥底にある感情と信念を打ち明けてもらうと、通常なら数週間から数カ月、時に数年もかけて形成されるような信頼感と親しみが、わずか一時間で生まれることもあと判明した。「今までで最高の同僚はどんな人でしたか?」とか「どんな瞬間に自分のキャリアを最も誇らしく思いますか?」といった率直な質問をすれば、心理的な距離感を縮めることができる。
     ただし、率直な質問をする相手が部下の場合、背後にある力関係のせいで高圧的に感じさせる可能性があることを心にとめておかなければならない。だからこそ、最初にあなたのほうから心の奥底にある価値観やありたい姿を打ち明けて口火を切ることが重要なのだ。前述のアーロンの実験でも、お互いに自分の心のうちを開くような回答を相手に伝えるよう、被験者に求めていた。
     ブラッド・スミスはこの手法をインテュイットに取り入れている。「面接では必ず最初にこう聞きます。『三分から五分で今までの人生をざっと語り、どのように今の自分になったのかを教えてください。その中で、あなたがどんな人で、どのようにビジネスやリーダーシップに取り組むのか、私たちが理解する手がかりとなるような大事な瞬間に触れてください。たとえば、いじめや愛する人の死、大きな選択を間違えた時などの逆境にどう対処したかといったことです』」。この手法のポイントは、まず質問者が自分の話をすることだ。面接者に実例を見せると同時に、脆さをさらけ出してもいいのだというお手本を示すことにもなる。

  • とりわけ、卒業生ネットワークは重要だと思う。企業にとっても個人にとっても魅力的である。

  • 途中まで

  • 終身雇用制度は日本でも今後は過去のものとなっていく流れがある中で、本書のように会社と社員がアライアンス関係を結んでいくことは非常に重要だと感じた。期間を区切って目標を設定しつづけることは会社と社員双方にとってメリットのあることなのだと思う。
    また、卒業生ネットワークについても興味深い記述が多く、自社でも提案してみたい。

  • あとでちゃんと読む

  • Linkedin創業者のReid Hoffmanが、アライアンスという企業と人の関係性を説く。主にLinkedinにおける雇用慣行と人材マネジメントの話。企業と社員が互恵的であるための方法であり、転職ありきで互いに本気でキャリアとミッションについて議論した方が、結果的に長期的な信頼関係になるよねと。まだ終身雇用と言ってる日本企業は、1周どころか2周遅れと感じざるを得ない。アライアンスって、いい言葉を当てたと思います。

  • 人にとって一番幸せな企業について考えさせられる。
    元〇〇、と呼ばれるとブランド化する会社も、これからどんどん変わっていくだろう。OBOGコミュニティも巧みに利用するのも、日本の大企業でうまく使えたらいいな。
    リーダー向けの本なので、従業員の私にはちょっと早かったかも。

  • レビューはブログにて
    https://ameblo.jp/w92-3/entry-12465151257.html

  • 最初この本を手にとったとき、これって一人ひとりの職務を明確にするという意味で欧米はもともとそうなんじゃないの?と思った。けどそうではなくて、日本はいわゆる就社、海外は職務ごとの契約という違いはあれど、どっちも結局のところは会社と従業員の間での契約、取引という意味では同じだったんだなということを知った。

    ここで言っているALLIANCEとは、契約や取引ではなくて、会社と従業員との関係をどう作るかということ。確かに契約というよりは関係づくりという意味で、会社と個人とがお互いに何を提供しあえるのか、どのくらいの期間で何を目指すのかを共に考えて対話していけるのは素晴らしいなと思った。

    そして卒業生のネットワークに関してかなりのページが割かれていた。個人からすると、どういうコミュニティに身を置くかというコミュニティ選びが、誰とどこで何をして働くかという仕事選びとイコールになってくるんだろうな。

  • ペイパルマフィアの一人、リード・ホフマン氏の著書。
    会社と個人の間にフラットで互恵的な信頼関係「アライアンス」が本書のテーマである。環境変化の速いシリコンバレーで成功する企業は長期的な信頼関係を築いており、アライアンスこそシリコンバレー最大の成功要因と捉えている。

    雇用関係をアライアンスだと考えると、自立したプレーヤー同士が互いにメリットを得ようと期間を決めて提携関係をなすことになる(いわゆるチームになるわけである)。結果的に強いビジネスと優れたキャリアを手に入れることにつながる。

    変化の時代の中では、企業にとって一番大事な社員の能力は起業家のように考え動く力であるという。人材のコモディティ化が進行し、起業家的存在は大変貴重である。リンクトインの面接では次のような質問をするという。「リンクトインで働いたら、その次はどんな仕事をしたい?」キャリアの踏み台のように自社を言うことができるだろうか。

    キャリアを設計する上でコミットメント期間という考え方がある。下記の3つのように分けられる。
    1.ローテーション型:一定の期間を決めて取り組む。
    2.変革型:ミッションやプロジェクトを完遂する。
    3.基盤型:終生の仕事として取り組む。

    キャリア上の目標やありたい姿の描き方。尊敬する人物を3人書き出す。尊敬できる点を3つ書き出す(合計9つ)。大切に思う順に1〜9までランク付けする。あら不思議、価値観リストが出来上がる。

    ー以下、メモー
    日本でもアルムナイ(企業の卒業生)制度が一部のトップ企業で見られる。
    起業が毎日のように目に触れるようになり、フリーランスや自由な働き方が広がりを見せている。優秀な人材が様々なキャリアを選択する中で企業がどう関わりをもつか、考えていく必要がある。
    今の会社はローテーション型/基盤型を提供しているが、自分は変革型がマッチしていると思う。
    会社と個人、そしてマネジャーとの関係を考え直す良いきっかけとなった。

  • かいつまむと、つまりは、会社をうまくいかせるためには、会社も労働者もともに高めあっていく姿勢でいることが大事で、会社も労働者もお互いにきちんと両者のことを考えあってやっていこうというんです。よくあるように、会社が労働者へ一方的に「会社に対して尽くせ」というのではなくて、会社の方も、会社に力を使ってくれるぶん、あなた個人のキャリアアップのために力を使いましょうということ。それが、職場をいろいろ変えていきながら生活するスタイルの現代にもっともふさわしいとの結論なんですね。さてさて、中盤からは、「人脈はとても大事」という論説になっていきます。人脈を開拓せよ、そのための経費は会社が持つようにしていこう、というように。ただそこで、「人脈」を拡大するとして、知り合った他人を道具のように思っちゃいけないでしょうね。本書では、どういう人を知っているかは、どういうことを知っているかに匹敵するくらい重要だと述べています。だから、人的ネットワークを構築せよといい、会社のOBたちとも繋がりを切るなという。読んでいると、会社第一というか、会社の役にすごく立つのだから、そのために人的ネットワークを活かしていこうと読めもするのだけれど、本当にそのネットワークを維持し良好な関係を結んでいくならば、人は他人に敬意をもち、かつ大事にしなきゃいけない。つまり、本書の内容を下で支えているのは、人を大切にという考えに行き着くと思った。本書のサブタイトルに、「人と企業が信頼で結ばれる」とあるように、他人を自分の利益としてとらえるのではなく、そこも、「信頼で結ばれる」なんだろうということですね。そうでも考えないとちょっと浅薄です。広い人脈を持っていると言われれば、すべてドライな関係なのかなあと想像してしまう。なかなか他人を思いやりながら多くの人々と繋がるのは難しいですから。もしくは、調子のいいタイプなのだろうと想像してしまう。いい顔はするが、自分の身を切らないかなと。僕みたいな、ビジネスマンじゃない、比較的内向的で運命的なものの影響も大きかったため人脈の広くない人に言わせれば「人脈」という言葉のイメージってそうなります。「人脈、人脈」と言っている人を見ればそういうタイプばかりだったとも言える。自分の利益になるかばかりで人を見るのはどうかなと。だから、本書の内容にそういった補足は必要だったかなと思います。人脈を拡げ、維持することに大切なのは、他人への敬意を関係の底に持ち、あたたかみを失わないことなんじゃないか、ということですね。ま、でも、親友だとかではなくあくまで「知り合い」という人脈でしょうから、そこまで力を入れなくてもいいかもしれない。他人を道具と思わないこと、くらいで。

  • ・ 「この社員はいずれやめるだろう」と認識することが、実は相手から信頼を得るベストの方法であり、それゆえ優れた人材に会社にとどまろうと思わせるような関係を育てるベストの方法でもあるのだ
    ・ コミットメント期間は5年が望ましい。1年目で、目的を果たすのに重要な背景事情が理解できるようになる。2年目は、変革を実現し、自分のやった仕事だとはっきり示すための時期だ。3年目から5年目にかけては、自分の生み出した変革を根付かせ発展させていく時期。もしくは、期待通りに物事が進まなかった場合は、方向転換をするための時期だ
    ・ ローテーション型は会社に規模拡大をもたらす
    ・ 変革型は適応力を与えてくれる
    ・ 基盤型は会社に継続性をもたらす
    ・ 整合性を目指すには、「企業の目標とか置換」と「社員のキャリア目標と価値観」との間にある共通点を、マネジャーが意識的に探して明示しなければならない
    ・ 社外に存在する優れた頭脳は社内より多い
    ・ 会社は、社員に仕事上のネットワークを広げる機会をつくって、彼らのキャリアを一変させるサポートをする。社員は、自分のネットワークを使って会社を変革する手助けをする
    ・ ペイパルはネットワークから価値ポイントの情報収集をした

  • Linkedinでの会社と従業員の関係について、互いに価値を提供することをコミットする「アライアンス」と称したもの。
    今後の副業解禁が進む中、この考えはスタンダードになっていくのだろうな、なっていかなきゃ日本はまずいなと思う。
    OB組織の作り方についても細かく書いておりぜひ時間をおいて再読したい。

  • アライアンスという新しい雇用形態を提唱している。

    ネットワーク型情報収集や卒業生ネットワークなど、シリコンバレーで実践されてきた内容は、日本の大手企業において、実は求められている潜在的なニーズではないかと感じた。

  • こういう社会を作りたい

  • まさにこれから先の働き方、雇い方、雇われ方のスタンダード。
    マネジャーサイドとしても、一個人のビジネスパーソンとしてキャリアを考える際も有益なスキームだと感じた。

  • このタイミングで改めて『ALLIANCE』を再読。今後は一つの会社に属するのではなく、複数のチームを股にかけながら、プロジェクト単位で仕事を回し、ポートフォリオを組んでいくのが当たり前の社会となっていくと個人的には思っているし、自分も実践していこうと思っている。そんな働き方の兆しを先取りするLinkedinのリード・ホフマンらがしたためた本著で思考の整理を。

  • 海外の人材会社といえばリンクトインが有名で、リンクトインが目指す会社にとっての人材マネジメントのあり方を学びたかったため読んだ。

    「まとめ」
    ・背景として、長期雇用は変化の激しい時代に対応できなく社員の成長も望みにくい、フリーエージェントは短期的過ぎてそれだけでは会社の持続的成長につながらない
    ・そこで会社と社員が互恵的な関係を結び、プロスポーツチームのようにお互いの信頼関係に基づいて仕事に取り組む。


    「感想」
    ・高度経済成長期から続いていた終身雇用制度の問題点が数多く取り糺され制度的欠陥を生んでいる事はおそらく誰もが暗に実感しているのではないか。一方でこの本に書かれたアライアンスという関係性は非常に理にかなっていると感じた。多様性という観点で改善点はあると感じたものの、そこは各個人のネットワーク情報収集力をマネジメント層がうまく把握しておけば問題になることもないと感じた。

    ・では、なぜ多くの日本企業はこうした形態を取らないのか(取れないのか)。ここでも最近のホットワードである”既得権益”が引っかかる気がしている。すでにある程度の役職をもらい収入も安定している4,50代からすればあえて制度を変更するインセンティブはないに等しい。おそらくそうした状況を変えるには”危機感”しかないと思うためこうしたアライアンスのような考え方がもっと学生から認知できるようになると社会が少しずつ変わっていくのではないかと感じた。

    ・「ネットワーク情報収集力」という考え方は、先日読んだデザイン思考的な観点からも、会社の成長に必要なことだと感じた。

    「学び」
    個人と会社、2つの視点からアライアンスについて考える

    個人
    ・会社の成長に対して何ができるのか、逆に自分の成長のために会社に何を求めているのか明確に説明できるようにしておく必要性を感じた。特に意識高い系就活生は後者の”成長できる環境”ばかりとらえがちだが、実際に”終身関係”を続けるには自分が会社を成長させたいと思うか、思うのであればどういった観点でという切り口も重要である。
    ・自分のネットワーク情報収集力を知っておく事はすぐに役立たないとしても中長期的に実を結ぶのではないかと感じた。

    会社
    ・上司と部下という一方的な関係ではなく、お互いがお互いのために何ができるかという視点で話し合いを続ける必要性を感じた。そのために会社の中の個人だけではなく、その個人が将来的にどういうことを成し遂げたいのか何を大切にしたいのかという大枠から一緒に連想してあげることを意識する。これは採用を含め、社外の人間関係についても言えることだと考えている。

  • - リンクトイン 創業者 リード・ホフマン著書
    - 「雇用」は「取引」ではなく「関係」として捉えるための枠組みであり、
    自立したプレーヤー同士が互いにメリットを得るために期間を明確に定めて、
    会社と個人がお互いの信頼関係をベースにフラットな関係を構築する「アライアンス」である。

    - 社員は会社の成功のために時間と労力を投入し、会社はその社員の市場価値向上のために時間と労力を投入する。
    そうすることで互恵的な提携関係を結び、お互いにより大きな果実を狙う。

    - まさにスポーツチームのような組織

    【所感】
    大企業の終身雇用の時代が終わるというのは誰しもが実感しているはず。
    そして次の時代の企業と個人の関係性を提言しているのがこの「アライアンス」という考え方だと実感した。
    国が主導した官製産業時代➡大企業時代➡アメリカナイゼーション時代➡個人の時代
    既に一部で始まっているがこれこそがインターネットの持つ本質、「フラット」「リンク」「シェア」、
    「つながり」、「共感」の時代の企業と個人の関係性の変化、価値観の変化だと思う。

    ここから「価値観の共感」「個人のつながり」をキーワードにした働き方の変換、雇用の流動性が間違いなく始まるという確信を持った。

全57件中 1 - 30件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
デールカーネギ...
シーナ・アイエン...
トマ・ピケティ
クリス・アンダー...
ベン・ホロウィッ...
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×