こうして、世界は終わる――すべてわかっているのに止められないこれだけの理由

  • ダイヤモンド社
2.69
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本棚登録 : 93
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478064818

作品紹介・あらすじ

2093年、世界は終わる-。ハーバード×NASAの教授・研究者が断言。世界騒然の書。熱波、海面上昇、人口大移動、パンデミック、資本の集中、市場の失敗…世界屈指の研究者コンビが、最新の研究から導きだした「現実的」かつ絶望的な答えとは?

感想・レビュー・書評

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  • 図書館の新刊コーナーであまりにも目について借りてしまった…。章や見出しが魅力的すぎて。

    このままいったら本当に世界は2093年には終わるんじゃないか(もっと早まるような気もするけど…)と思った。

    訳なのか何なのかわからないけど、帝国とか鬼畜とか…辛辣すぎて、あまり好きになれなかった。

    でも気がついた時にはもう遅い。目に見えるようになってからでは遅いんだということはわかった。エネルギー・インフラはすぐに変えられない(少なくとも10年から50年はかかるらしい…)そう思うとやはり末恐ろしさが迫ってくる。

    日本人の遺伝子工学者が登場した時は少しおぉーと思った。

    中国が残るとは…皮肉な感じが何とも言えない。。。

  • 帯と表紙はアオリすぎかもしれないけれど、どのようにいま現在の私たちの暮らしている世界の環境が崩壊していくかを、淡々と描く。本書唯一の発明は、著者たちのせめてもの願いか。
    淡々と、ということで、文章量はそれほど多くないしサクサク読める。
    環境の変化への警鐘とともに、なぜそれが止められないのか、市場原理主義と実証主義などを挙げながら、その困難さが招く暗黒の未来を示す。知ることと知ったことを活かすことは別だというある意味単純な事実が、重い。

  • ショッキングなタイトルに驚き、
    手に取ったかと思いきや、買い読み終えてしまった一冊。

    終わってしまった世界から、過去(つまり今の我々の生きているいま)を歴史的に振り返る、
    SF的な物語で展開されていく。

    ちょっと言い過ぎでしょ?みたいな面を感じる部分はあれど、
    きっと未来に振り返ったら、自分らは気づかないふりしてたなぁ、
    と取り返しのつかない後悔の念に苛まれるであろうと感じる。

    これが現実のものとならぬよう、
    環境に興味がある方はもちろん、ない方こそ、
    まず考え・行動するための第一歩として一緒に読みたい、
    そんな一冊。

  • 温暖化等で西洋文明が破綻した後の24世紀末から,人類の運命の分岐点であった今の時代を振り返るという趣向。環境問題に警鐘を鳴らすのはいいけれど,「炭素燃焼複合体」みたいな言い方は好きじゃないなぁ。思考停止ワードじゃないですか。あと字が大きくページがスカスカで内容が乏しいのも難点。
    文明崩壊を乗り切ったのが結局中国だけだったという設定はなかなかシュール。こういう危機に際して民主主義は機能せず,内陸への大量移住や中央の統制が功を奏したとか。

  • 2015.06.25 HONZより

  • 本書は、予測小説っぽいノリで、地球の温暖化により世界が滅びた未来から見た過去(つまり現代)の状況を描いたものです。

    ただ、中国の歴史研究家を語り手にしたせいか、
    ・科学者が書いた割には科学的根拠がまったく示されない
    ・資本主義批判がメインになっている
    という点でいまいち。
    それとも、中国人をディスってるのか。

    しかも、世界は終わらないし。
    なんじゃそりゃ。

    人によっては警鐘になるかもしれないが、大前研一の予測小説に比べると妄想レベルでしかないように感じた。

  • タイトルをそのままでないと、なぜ未来の中国の学者が過去を検証してるのか分からんわな。
    地球温暖化によって海面上昇その他の環境変化に西洋文明が滅びてしまうと。それがなぜだったのかと未来の視点で検証する。

  • 未来の歴史学者が、地球で明らかに起こっていた環境の変化に気づいていたにも関わらず人口のほとんどが失われるような状態になったのはなぜかを検証する。

  • 空港の書店で20分ほどで立ち読みしました。

    前回日本を出るときに気になっていた本ですが、

    開いてみると文字が大きく行間があり、

    更にはページ数が少なかったので、

    一気に立ち読みです。

    内容的には地球温暖化で世界が

    終りを迎えるというものですが、

    時系列でこれからあとの時代のことが書かれており

    緊張感もあり面白かったです。

    実際に温暖化がどんどん進んでいくと、

    面白がってはいられない話なのですが・・・・

  • 衝撃的なタイトルに惹かれてました。この本は、300年後に生きている学者が、かつて地球がこのような経験をしたという歴史を語っている形で書かれています。

    地球は2093年に多くの地域で大洪水が起きて、海に飲み込まれるとしています。この本を読んで、現在私達が見ている遺跡は、一度海面下に沈んで、何百年・何千年も経て、海面が隆起したときには、そのような形になっているというイメージが湧きました。

    現在の地球文明の前に栄えていた人類があったと何かの本で読んだことがありますが、今の人類はそれと似たような運命をたどるのかもしれませんね。

    地球が滅亡に向かってしまう原因は、二酸化炭素を原因とする地球温暖化、それに伴う、熱波・海面上昇・伝染病の蔓延のようです。オランダは国ごと海面下に沈んでしまうようです、お金持ちは近隣のEU諸国へ避難することができるようですが。

    日本の関東地方も、徳川家康が東京に来て都市を作るまでは湿地帯のような場所だったので、海面上昇で被害を受ける場所が多いとも予想されました。

    以下は気になったポイントです。

    ・本書では、SF作家(自らの創造力で架空の未来をつくる)と、歴史研究家(与えられた材料で過去を再現する)の両方の手法を合わせて、本来の歴史研究家が過去を振り返るという形で、現在の私達、そして近い将来に起こり得ることを語る、設定は西洋文明(1540-2093)の終焉から300年後(p1)

    ・この本では、大崩壊・集団移動の時代(2073-2093)を導くことになった「暗雲期」と呼ばれる時代(1988-2093)についての出来事を語る(p2)

    ・世界は三期にわたって起きた産業革命により、大量の二酸化炭素が放出された。第一期はイギリス(1750-1850)、第二期がドイツ・アメリカ・イギリス以外の欧州、日本(1850-1980)、第三期が、中国・インド・ブラジル(1980-2050)である(p13)

    ・二酸化炭素が増加して地球の温度が上がる可能性があると気づいていた人もいたが、心配している人は殆どいなかった。大気は、無限の二酸化炭素吸収源と考えられていた(p14)

    ・特筆すべき例外として、中国は人口抑制策をとり、炭素系エネルギーから他のエネルギーへの転換をはかった。この事実はほとんど知らされず、西洋でそれをまねる国も現れなかった(p21)

    ・文明への脅威は、個々の洪水・熱波・ハリケーンにあるわけではなく、全体的な気候変動パターンと、それが氷圏に与える影響、そして海水の酸性化にあった(p23)

    ・2009年の第15回では、拘束力を持つ国際法への同意を目指して、デンマークで開かれていたが、IPCCの科学者に対して、疑義を呈する大規模なキャンペーンが繰り広げられていた、資金供給は化石燃料会社である(p25)

    ・2023年に異常なレベルとみなされていた暑さは、やがて普通のことになった。災害の背後にあるのが化石燃料の燃焼であると、指導者は認めようとしなかった。大気中の熱が増加するとは、より多くのエネルギーが放散されなければならない、それが、激しい嵐・大洪水・深刻な干ばつ、となる(p27)

    ・科学者が調査できる範囲と方法を制限する法律が、2012年のノースカロライナ州で可決された。公的機関に所属する科学者の、研究結果を公表・分析する会議への出席を制限するもの(p32)

    ・議論の殆どは、統計的有意性(ある現象が観察されても、それば偶然起こる確率が一定の基準(5%)より低くなければ真として認められない)の概念を中心に行われた(p41)

    ・2005年にアメリカでエネルギー政策法が成立し、飲料水安全法において、シェールガス生産が規制から外された。シェールガス生産量の大幅増加を抑えていた歯止めが、外れた。(p47)

    ・2011年、カナダは京都議定書から脱退した、6%削減を求められていたが、実際には30%増加させた(p49)

    ・2010年代半ばには、北極の夏期の海氷面積が1979年比較で、30%減少していた。2007年には、北海航路が開かれて北極の海を完全に通過できるようになった。記録に残っている歴史上初めてのこと。これを、実業界・経済界は、石油ガス開発のチャンスとした(p52)

    ・2012年、ロシア政府は、エクソンモービルに対して、シェールガス採掘技術の供与を受けるのと引き換えに、北極圏ロシア領での油田調査を許可する合意書に署名した(p53)

    ・天然ガスが放出する二酸化炭素量は、石炭の半分だと、強調して、シェールガスの開発促進は、環境的にも倫理的にも正しいと納得させた(p54)

    ・以上の論理で無視されているポイントは、1)井戸から大気中に漏れた二酸化炭素、メタンは温暖化を促進させる、2)ガス価格が下がって輸送機関・家庭暖房に使用されるようになると、発電による有利さ(石炭比較)が失われた、3)ガスに取って代わったのは、多くの地域では、原子力と水力であり、他の化石燃料の代替にならず増加する需要に対応するのみ、4)石炭から発生するエアロゾル(微粒子)の冷却効果を考慮していなかった、5)化石燃料は助成金により価格が低く抑えられて、代替燃料の市場が衰退した(p58)

    ・2001年に、大気中の二酸化炭素は2050年に倍になると予測したが、実際には2042年にそのレベルになり、温度は3.9℃上昇した。このとき、急激な変化が起こり始めた。熱波と干ばつは、ごく普通のことになっていた(p59)

    ・アフリカとアジアの農村地帯では、移住・栄養不良による病気は不妊、飢餓によって、大幅な人口減少が始まった。しかし海面上昇は、地球全体で9センチから15センチ程度で、海岸地域の人口は殆ど変わらなかった(p60)

    ・2041年の熱波により、世界中の作物が枯れ果てた。食料をめぐる暴動、栄養不良・水不足による大規模移民、虫の大量発生が重なって、多くの病気が流行した。虫の大発生によって、カナダ・インドネシア・ブラジルで大規模な森林破壊が引き起こされた(p61)

    ・2050年代になると、社会秩序が乱れ初め、政府がアフリカ、アジア、で政府が倒された。北米大砂漠が広がり、アメリカとカナダは北アメリカ合衆国をつくる交渉に入った。資源分配と人口移動を整然と行うため。欧州連合も同様の動き(p62)

    ・2052年、国際気候冷却操作プロジェクトが立ち上がり、硫酸塩の粒子が成層圏に散布された。3年間は気温は下がり、化石燃料の段階的廃止も始まったが、4年目に、インドの季節風が止んだ、地上への太陽放射の減少、インド洋からの水分蒸発量が減ったことが原因。不作と飢饉がインド全体に広がった(p65)

    ・2060年には夏期の北極で氷は見られなくなり、多くの生物種が絶滅した。また、永久凍土の融解により、急激なメタン放出量が増加した(p67)

    ・北半球の厚さで海流の通常のパターンが崩れ、温かい海面の水が南方の海に流れ込んで、その下の氷床が融解した。2073-93年で、氷床の90%が融解して、地球のほどんどの地域で海面が、約5メートル上昇した。グリーンランドの氷床も同様に融解し始めた(p69)

    ・海面が8メートル上昇すると、世界人口の10%が移動すると予想されていたが、実際に移動したのは20%(15億人)であった。海岸地域から逃げてきた人達が流入したことにより、元から住んでいた人が移動せざるを得なくなったことも含む。このとき、第二の黒死病が、アジアと北米で流行して、人口の半分程度を失った(p71)

    ・2090年後に、遺伝子工学者が、大気中の二酸化炭素をはるかに大量に消費して光合成をおこない、あらゆる環境下で育つ、一種の地衣類(藻類と菌類の共生体)を開発した。それが世界中に広まり、二酸化炭素上昇のスピードが大幅に低下した。22世紀が太陽活動の極小期であることも幸いした(p75)

    ・ニューヨークを守ろうという取り組みが21世紀初頭からなされたが、これは海水面が一定であることを前提に設計されたインフラであったため、急激な上昇に合わせて変更するのは簡単ではなかった。オランダ同様に、ニュウーヨーク市は少しずつ浸水し、最終的には高地に逃げた方が安上がりだとして資本を捨てることにした(p78)

    ・中国は海面が上昇して海岸地域が危険にさらされたとき、いち早く内陸に都市や村をつくり、2.5億人を安全な高地へと移動させた(p111)

    ・1540年を西洋文明の始まりとしたのは、「コペルニクスの地動説の概要」を刊行した年だから。2093年には、海岸付近の住民にとって、海面上昇が明らかで深刻な問題になっているのは確実だから(p126)

    2016年2月11日作成

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著者プロフィール

カリフォルニア大学サンディエゴ校教授。専門は科学史。『サイエンス』誌に掲載された“Beyond the lvory Tower”(象牙の塔を超えて)は、地球温暖化否定論に対する戦いの里程標となった。著書に、The Rejection of Continental Drift: Theory and Method in America Earth Science(大陸移動の否定ーー米国の地球科学研究における理論と方法)、Oxford University Pressなどがある。

「2011年 『世界を騙しつづける科学者たち 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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