フリーランス、40歳の壁――自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478065723

感想・レビュー・書評

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  •  書名の「40歳の壁」とは、副題のとおり、〝自由業者は40歳を境に仕事依頼が減り、キャリアの危機が訪れやすい〟傾向のこと。
     私も以前、自分のサイトに「ライター『40歳の壁』」という文章を書いたことがある。

     この文章でも紹介した竹熊のインタビュー記事(「人材バンクネット」に載った「40代で訪れた人生最大の危機」)が本書のきっかけになったのかと思ったら、そうではなかった。
     吉田豪の『サブカル・スーパースター鬱伝』が「サブカル(者)は40歳を超えたら鬱になる」というテーマで書かれていたのに対し、竹熊が次のように応答し、「自由業40歳の壁」をテーマに連ツイしたことが、きっかけになったのだという。

     仕事柄と年齢柄、私にとっては読まずにはいられない本であり、予約注文してゲット。
     昨日Amazonから届いたのでさっそく一気読みしたが、共感しすぎて息苦しくなるほど、共感ポイントに満ちた本であった。

     版元がダイヤモンド社であるため、ビジネス書っぽい体裁になっているし、ある種のビジネス書として読めないこともない。各界のフリーランサーが、40歳を過ぎても生き残るためのヒントが、随所にちりばめられてはいるからだ。
     が、ビジネス書としてよりも、「読み物」としての色合いのほうがはるかに強い。

     本書はまず、竹熊自身がどのように「40歳の壁」にぶつかり、どう乗り越えてきたかの赤裸々な記録である。そして、合間に入る5人の自由業者(田中圭一、都築響一、FROGMAN、とみさわ昭仁、杉森昌武)へのインタビューも、それぞれ「私はいかにして壁を乗り越えたか?」の記録になっている。

     竹熊自身をはじめ、50代中心の人選であるため、40代以下の人よりも、むしろ私のような50代フリーランサーのほうが、深く共感できる内容だ。

     自身が脳梗塞で倒れたときのことなど、深刻な話も多いのに、それを楽しめる読み物に仕立てるあたり、竹熊の書き手としての才能だろう。

     フリーの物書き/クリエイターとして40歳以後も生き残っていくために、肝に銘じるべき名言も随所にある。たとえば――。

    〝フリーが生きていく要諦は、なにかの仕事が当たったら、そこから「自分の二番煎じ」を続けることに耐えられるかです。二番煎じ、三番煎じを平然とやれて、しかも(ここが難しいのですが)「マンネリ」だと読者に思わせないことが肝心です。〟

    〝結局、最初の数年間にどういう人脈を築き上げたかで、フリーの進路は決まってしまうのです。〟

    〝私はフリーの身にもかかわらず、「営業」をしたことがほとんどありません。
     フリーランスの最大の営業は、仕事そのものです。版元編集者は、そのフリーが実際に行った仕事を見て、次の仕事を発注するのです。向こうから来る仕事であれば、意に沿わない仕事は、断ることもできます。持ち込みだと、まさかこちらから断るわけにはいきません。〟

  • サブタイトル「自由業者はどうして40歳から仕事が減るのか?」の答えはとてもシンプルですが、著者竹熊氏の体験談やとみさわ昭仁氏、杉森昌武氏、田中圭一氏、FROGMAN氏、都築響一氏への取材など、とても読み応えのある内容でした。

  • 「計画的にフリーランスになった人」と「結果的にフリーランスになった人」は言い得て妙。後者は若い時分に隙間産業の便利屋として重宝されるうちに仕事を振る側が段々と年下になり「何でも屋」として扱いずらくなって仕事が減る、「40歳の壁」に突き当たるのは哀しいくらいロジカルだ。

    本書自体は「『サルまん』で大ヒットを飛ばした竹熊氏でもそうなのか」というフリーランスの悲哀系読み物としては面白い。ただ竹熊氏の同年代の知人の話を聞いて集めました感が強く「別冊〇島」的な趣で、全然40歳の壁にぶち当たってない人も多く、何か示唆があるかというと難しい。20~30代が反面教師として読むにはよいかもしれない。

  • 『ファミ通のアレ(仮題)』で知り、『マンガ原稿料はなぜ安いのか?―竹熊漫談』も拝読させて頂いた竹熊健太郎さんの著書。自由業者はどうして40歳から仕事が減るのかについて、自らの経験とインタビューによって構築された一冊。

    フリーランスで仕事をしている方にとっては他人事ではないし、身につまされる話が多い。この本は経験からの分析もしっかりしているが、バブルなど経済事情や時代背景も描かれているので、現代との違いも比較的分かりやすいだろう。その現代でも、編集者やクライアントなどが自分より年下になると仕事が来づらくなるのだという。確かに、自分より年上で更に親ぐらいの年齢だと頼みづらいのは確かだし、依頼料も安く年齢が下の方が依頼しやすいだろう。言われてみると、私も同様の経験がある。

    またフリーランスに依頼する側は、納品する結果にしか対価を考えていないとも言える。打ち合わせの時間やそれまでの移動時間や交通費。また構想から作品づくりまでの時間やコスト感覚がまるでない。それでいて連絡もなしに待たせたり、キャンセルなど平気でする。フリーランスの痛みをまるで知らない。依頼した時点で、その人の時間を拘束していることを自覚してくれたら、僕らは厳しい現場にアルバイトに行かなくて済むのに。

  • 周りにもフリーランスいるし、いいなと思います。タイトルに引かれ読んでみる。
    ・タイトル勝ちだな結局は「40越えると仕事くれる人が年下になり、ふれらずらくなる」の一点
    ・物書きさん視点で私のITフリーランスはまた違うんだろうね。

    それでも面白かった点も何点か
    ・文章が面白いだけでなく、肩書き、有名人など売れるフックが必要
    ・作家の才能、プロの才能は別、おもしろい文章じゃ無くても仕事もらって続けられる能力が有ればプロとして成り立つ

  • フリーランスに限らず、活躍している世代が年下になってくる、かつ自分が活躍してない、という状態が厳しいのだと感じました

  • サラリーの対比に見られる、また憧れを持たれるフリーについて、著者の経験を踏まえながら、実際にはどのようなものなのか?営業力や人脈がありきと思われる部分が大きく、著者の様々な波乱万丈な経緯は単に運が良いのか、しかし簡単に生活自体も影響を受ける部分は、安定したサラリーマンとは一線を画す。実際にフリーランスを考えている人にも、その前に読んで損はない一冊。

  • 素晴らしい。私はフリーランスの作曲家。この本には知りたいことが全て載っていました。

  •  竹熊健太郎さんのフリーランス遍歴が語られる自伝的な内容でもあった。オレもフリーランスで確かに40歳から厳しさは感じていて、出版業全体の景気の悪化と厄年せいかと思っていたけど指摘されるようなことも原因だった。

     とても面白く引き込まれ、参考になる話がたくさんあった。80年代のフリーランスがとても楽しそうで、過ごしてみたかった。

     ただ、フリーランスでやっていくための条件として「妻子なし」を強調されており、確かに一理はあるけど、あまり推奨するのはいかがだろう。

     俺は仕事を断ることは滅多にないのだが、合わない人とはは距離を置いて、結果的に好きな仕事しかやっていなかった。だから楽しくやってきたのだけど、その結果ヒットもなく今に至り、ヒイヒイ言っている。一寸先は闇な感じがすごくする。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。81年より編集者・文筆家として活動。多摩美術大学漫画文化論非常勤講師。著書に「サルでも描ける漫画教室」(共著・小学館)「私とハルマゲドン」(ちくま文庫)等。blog「たけくまメモ」公開中(http://takekuma.cocolog-nifty.com/)。

「2005年 『色単 現代色単語辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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