フリーランス、40歳の壁――自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?
- ダイヤモンド社 (2018年4月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478065723
感想・レビュー・書評
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# 「自由」に伴う責任のお話
## 面白かったところ
- 著者自身の疑いようのないリアリティ溢れるフリーランス人生が生々しく、読書を通じて彼の人生を擬似的に体験できた
- 自由を得ることの大きすぎる代償が本全体に散らばっており、分かる人にはわかる内容になっているところ
## 微妙だったところ
- 特になし
## 感想
サラリーマンのメガネを通すと、理解不能な生態を除くような気持ちになる。
会社に文句ばかりを吐く新卒からすると、あまりにも「自由」という言葉が尊く感じる。
森羅万象に良いこと・悪いことがあるように「自由」という言葉ももちろん例外ではない。
「若さ」というレバレッジが効いていて、すべてが上手く行っているうちはなかなか気づかない。
- 発注者がいずれ年下になること。
- 年を取れば体が痛むこと。
- 体力が衰えること。
- 若い才能の芽が無限に出てくること。
こういう当たり前だけどなかなか気付けない生々しい現実を体現され、リアルに描写されている点がとても良かった。
終身雇用制度が瓦解を始めた令和時代。
そんな時代を迎えた我々にとっては、こういう一冊も教養としてありだと思う。
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「計画的にフリーランスになった人」と「結果的にフリーランスになった人」は言い得て妙。後者は若い時分に隙間産業の便利屋として重宝されるうちに仕事を振る側が段々と年下になり「何でも屋」として扱いずらくなって仕事が減る、「40歳の壁」に突き当たるのは哀しいくらいロジカルだ。
本書自体は「『サルまん』で大ヒットを飛ばした竹熊氏でもそうなのか」というフリーランスの悲哀系読み物としては面白い。ただ竹熊氏の同年代の知人の話を聞いて集めました感が強く「別冊〇島」的な趣で、全然40歳の壁にぶち当たってない人も多く、何か示唆があるかというと難しい。20~30代が反面教師として読むにはよいかもしれない。 -
素晴らしい。私はフリーランスの作曲家。この本には知りたいことが全て載っていました。
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流されていつのまにか、の方の人に向けた本。迫るものがあった。
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タイトル通り、テーマは、フリーランスとして老いていくことについて。分量の半分くらいは、中年になった著者が、社会と不適合を起こすことで生じるさまざまなトラブルが綴られている。本文でも触れられているが、吾妻ひでお氏の『失踪日記』が思い起こされる。竹熊氏も吾妻氏も、書き手として一流だから楽しく読めるけれど、けっこう悲惨な話だ。かつて一世を風靡した竹熊氏ですら、こういう状況に追い詰められるのか。私は一つ下の世代なので、これを読んで暗澹たる思いにもなったが、前を竹熊氏が走っていることに勇気づけられる思いもある。
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マンガをはじめとする出版業界の遍歴に自らのフリーランス人生を重ね合わせ、同時期を生き抜いてきた職業的戦友に対するインタビューを織り交ぜながら、真の自由業者とは何であるかを論じていく。
この業界だけに言えることではないが、フリーとして生き抜くには専門分野の知識や才能だけでなく、発想の転換や幸運な巡り合わせ、そして先を見据える力が必要なんだなとよくわかった。
筆者が主宰する電脳マヴォは基本無料のメディアであるが、PVが伸びた作品は作家とエージェントを結んで、自分と作家双方に利益をもたらすようにした仕組みは素晴らしいと思う。
既存の大手版元主導の新人発掘よりも、それからは無料のインターネットメディアからメガヒット作が出るようになるのではないか。 -
生きにくい人の話を読むのは、自分が楽に生きていくうえでのヒントになる。
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自由業者だろうがサラリーマンだろうがお金をもらって働くことは簡単ではない。
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20190610
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バブル期で仕事が溢れていた時代、就職せずにフリーのライターとして仕事を始めてしまい、今に至る著者が体験したことと、何人かのフリーへのインタビューが掲載されている。これを読んで何かが解決するのではなく、「こんな事にならないために早いうちから備えよう」という気持ちになる本。