幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478066119

感想・レビュー・書評

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  • ‪幸せになる勇気とは‬
    ‪歩み続ける勇気‬
    ‪揺るがない決意を続けること‬

    ‪有限の人生を振り返った際に‬
    ‪後悔しないことが‬
    ‪幸せに繋がる‬。



    なぜ自分を変えられないのか。
    ほんとうは変わりたくないから。

    変化することは、今までの自分の死そのもの。

    いくら現状に不満があるとはいえ
    今までの自分を捨てることは
    そう簡単な話ではありません。

    だから人は変わることを避けるし
    どんなに苦しくても
    できるだけ我慢して
    現状を肯定して
    このままでいい材料を探しながら生きている。


    いまを肯定するために
    不幸だった過去をも
    肯定する。

    もしも、今の自分を肯定できないのであれば
    今の自分に満足していないのでしょう。


    過去に囚われトラウマに縛られる。
    これは縛られているのではなく、その不幸に彩られた過去を自らが必要としている。

    悲劇という安酒に酔い、不遇なる今を忘れようとしているのです。

    自分に降りかかった不幸を涙ながらに訴える。
    自分を責める他者を環境を社会への憎悪を語る。

    そう過去の不遇をひたすら話す。

    その時に忘れがちな視点がこれからどうするか。
    過去のあなたを全て理解し、知ることは不可能。

    目の前のあなたを知る。

    1.賞讃の欲求
    2.注目喚起
    3.権力争い
    4.復讐
    5.無能

    自分が何をしても認められない
    社会と関われないと人は悟ると
    自身が無能である事を証明する。

    チャレンジしても
    何も上手くいかない
    居場所を見出せない。

    あなたならどうするか?
    諦める。
    しかし周りはあなたに期待する。
    勉強しなさい、働きなさい。

    うまくできたら、すでにやっているはずです。
    期待されれば、されるほど理解されない思いは確信へ。
    これ以上関わらないで=無能を証明してしまう。

    ありとあらゆる手段で、できない自分を証明しようとし始める。


    自分の理性を使う=自立の勇気の難しさ
    人は他人の指示を仰いで何も考えず生きていた方が楽なのです。

    そして、縦の関係で自分の支配下におこうとする。
    なぜか?
    部下が失敗したとき責任を取るのは自分だから。
    だから、自立されるのが怖い。
    支配してコントロールしておきたい。
    全ては自らの保身のため。


    ‪他者を救うことによって‬
    ‪自分の価値を実感しようとする‬
    ‪一般に「メサイヤ・コンプレックス」‬

    ‪医療者に多そう‬
    ‪昔の自分も含めて‬。


    ‪信用=条件つきで信じる‬
    ‪信頼=無条件で信じる‬

    ‪信頼はその人自身を信じるから‬
    ‪その人を信じる自己信頼がないとできない‬

    ‪ちょっと深い話‬。


    ‪「あの人のここが嫌い‬
    ‪ああ、私は出会いに恵まれてない」‬

    ‪と嘆く人がいるけど‬

    ‪出会うための時間は平等だし‬
    ‪恵まれてないのではなくて‬

    ‪信頼し切れずどこかで決心つかず‬
    ‪諦めてる人が多いと思う‬。


    ‪自己中心的な人は‬
    ‪自分の不安ばかりに気を取られ‬
    ‪自分のことで精一杯で自分の気持ちにしか関心を向けられない人で‬

    ‪相手の気持ちまで気遣う余裕がない人‬
    ‪なんだなって思ってる‬。


    嫌われる勇気はアドラー心理学を知るための分かりやすい入門書でした。
    そして、幸せになる勇気はアドラー心理学の実践のための、人生を歩む方法を知る良書です。

    もし、嫌われる勇気だけ読まれていてアドラー心理学に興味があるのなら間違いなく幸せになる勇気も手に取って欲しいと思った本でした。

  • 青年の卑屈未練っぷりがたまらない一冊でした。
    彼のツンデレな様子や、哲人に飛ばす罵詈雑言が面白すぎて、読み終わるころにはすっかり青年のとりこになっていました。

    い、いや。違う。
    そういう本じゃなかったはずだ……。
    えーと、内容内容……。

    内容は、前作で学んだアドラーさんの仰ることが、より噛み砕かれて説明されていたので分かりやすかったです。

  • 要点
    ・私は他者の期待を満たすために生きているわけではなく、また、他者も私の期待を満たすために生きているわけではない
    ・他者の課題に介入せず、自分の課題に他者を介入させない
    ・教育とは介入ではなく、自立に向けた援助である
    ・尊敬とは?⇒その人がその人らしく成長発展していけるように気遣うこと、その人がその人であることに価値をおくこと
    ・最初の一歩を踏み出すのは私である、一切の条件を付けず、どんな結果が待っていようとも
    ・共同体感覚=他者の目で見て、他者の耳で聞き、他者の心で感じる事
    ・共感とは?⇒他者に寄り添う技術であり態度
    ・過去は存在しない、「今」によって色を塗られた「解釈」があるだけ
    ・「変えられないもの」に執着するのではなく、「変えられるもの」を直視する
    ・「人と違うこと」に価値を置くのではなく、「わたしであること」に価値を置く
    ・すべての悩み、全ての喜びは「対人関係」にある
    ・何でもない日々が試練であり、「いま、ここ」の日常に大きな判断を求められている
    ・愛とは自立、誰かを愛するということはたんなる激しい感情ではなく、決意であり決断であり約束である
    ・運命とは自らの手で作り上げるもの
    ・世界も人生もシンプルであるが、シンプルであり続ける事は難しい
    ・すべての出会いとすべての人間関係において、「最良の別れ」に向けた不断の努力を傾ける

    読後のアクションプラン
    ・聴くという行為について、今一度見直し共感力を身につける
    ・褒めず、叱らず、感謝を伝える→承認を意識
    ・過去と他人は気にせず、未来と自分に注力する
    ・アドラー心理学について色々な本を読んで勉強する

  • 子どもたちの問題行動に走る目的。
    5段階あるが、段階ごとに問題が複雑になっていく様子がよくわかる。
    教育について、とても勉強になったが、実際に行動に起こすにはなかなか難しい。
    尊敬とはありのままその人を見る。
    悪いあの人、かわいそうな私。
    これからどうするか。
    愛し、自立し、人生を選べ。
    とても良い内容だった。
    忘れないように時折読み返したい。

  • 「嫌われる勇気」の続編、理解を深める実践編。 驚きの発想・心にしみる言葉が盛り沢山。深い内容だが容易に読み進んでしまう。太字で積読出来る作りがありがたい。

    アドラーは、人間を信じる勇気を持った思想家だった。彼の置かれた状況を考えると、信じる以外に道がなかったのかもしれない。アドラーの「共同体感覚」の概念は、彼が44歳で第一次世界大戦で精神科の軍医として召集され、入院中の兵士たちに治療を施し、速やかに前線に送り出すという悲劇の中で生まれている。我々人間は分かり合えない存在だからこそ信じるしかないと…アドラーは人間を信じた。

    一方、若き日の哲人も、理解の階段を直ぐに見つけた訳ではなく、主夫として幼い子どもを育てながら「人生における最大の選択(アドラー愛)」を学び、実践、理解を深め、確証を得ていった。

    ~心に残るフレーズ~
    ・尊敬のボールは、投げれば返って来ることもあるが、壁に「ボールをよこせ」と叫んでも何も起こらない。「 共同体感覚(=他者への関心事)」に関心を寄せる。
    ・あなたはただ「変えられないもの」ばかりに注目して「だから無理だ」と嘆いている。「変えられないもの」に執着するのではなく、眼前の「変えられるもの」を直視する。
    ・ニーバの祈り:「神よ、願わくばわたしに、変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵をさずけたまえ」
    ・アドラー心理学では、承認欲求を否定する。承認には、終わりがない。自らを承認するしかない。「わたし」の価値を、他者に決めてもらうことは依存。「わたし」 の価値を、自らが決定すること。これを「自立」と呼ふ。
    ・アドラーは、ひとりの個人が社会で生きていくにあたって、直面せざるを得ない課題を「人生のタスク」と呼んでいた。
    ・仕事、交友、愛の三つからなる「人生のタスク」を回避してはならない。
    ・教育とは「仕事」てはなく「交友」。あなたも、生徒達と「ひとりの友人」として、向き合うべきだ。
    ・我々は「私の幸せ(利己心)」を追求することによって分業=仕事の関係を築き、「あなたの幸せ(利他的)」を追求することによって「交友」の関係を築く。不可分なる「私たちの幸せ」を築き上げると、それが愛。
    ・フロムは言う。「愛とは信念の行為であり、わずかな信念しか持ってない人は、わずかにしか愛することができない」。アドラーならこの「信念」を「勇気」と言い換えるだろう。
    ・わずかな勇気しか持っていなかった。だから、わずかにしか愛することが出来なかった。
    ・愛する勇気、すなわちそれは「幸せになる勇気」。
    ・さあ、これ以上、あなたの課題に踏み込みことはできない。しかし、もしもアドバイスを求められるとしたら… こう言うだろう。「愛し、自立し、人生(共同体感覚)をえらべ」と。

    コロナ禍のウクライナ侵攻…「他者に寄り添う時の技術、態度(共感)」は絶対必要。響き、共鳴した。人生を振り返った所で、「人生のタスク」に向き合いより豊かに人生を楽しむ決意がてきた。これはバイブルになりそう。

  • 哲人のもとを青年が再び訪ねてきた。
    アドラーをめぐる対話から3年。
    あの日の対話を契機に、図書館司書だった彼は母校の中学校の教師になっていた。

    だが、理想通りに行かないのが人生。

    アドラー哲学を実践しようとしても、思うように結果が伴わない。
    彼はアドラーを捨てたい! と乗り込んできた。

    二人の対話が再開された。

    前作「嫌われる勇気」は、私が「リワークプログラム」に通っていた際の話題の書。

    そのプログラムでの課題は「復職」と「再休職予防」。

    様々な知識を学んでも、現実の荒波に立ち向ったときにどう生き抜いていくのかが大きなテーマだった。

    「あなたは現実を知らない!」と叫ぶ青年に、哲学者はあくまで冷静に対話を続ける。

    そして「貴方こそ私の親友だ」とまで言い切る。

    この胆力。この度量。

    夜が明けるまで続いた対話の先に、青年は新たな道を踏み出した。

    「ソクラテスやプラトンが今の時代に生きていたら、哲学者ではなく精神科医の道を選んでいたかも知れません」(あとがきより)

    人生の目的は幸せになること。
    哲学はそのためにある現場の知恵だ。

    哲人の灯した火は青年を照らすだけでなく、哲人自身の目の前も明るくした。

  • アドラー心理学の名著と言われる「嫌われる勇気」の続編です。
    私は医療職でスタッフ教育の責任者をしています。これまでの私は「褒める」という手段を用いて人財育成をしてきました。
    しかし、本書を読んでからは考え方が変わり、むやみに誉めなくなりました。
    出来るだけ「見守る」「認める」ようにしています。「誉める」ということは誉められないとしない人を育てるからです。教育の真の目的は誉められようが、誉められまいが自立してできる人財を育成することということを本書から学びました。
    今では私のバイブル的な本です。
    「嫌われる勇気」は今ひとつ理解に苦しみましたが、本書はこれだけ読んでもスッキリ良く理解できます。
    子を持つ親や教育に携わる職種の方にオススメです!

    • Manideさん
      hibuさん、こんばんは。

      スタップ教育なんて、とても大変ですよね。
      人を教育していく人が、こういう本の知識も交えて接してくれるというのは...
      hibuさん、こんばんは。

      スタップ教育なんて、とても大変ですよね。
      人を教育していく人が、こういう本の知識も交えて接してくれるというのは、とても良いことだと思います。

      経験則にとらわれるだけでなく、どうすればもっとよくなるかを考えてくれる人は、接する相手にとっては、ほんと、嬉しいことですよね。

      お互い、よりよい方向に進んでいけるように、頑張りましょうね。
      2023/12/21
  • 読み終わった直後に印象に残ったのは以下。
    ・平凡な自分を受け入れる勇気を持つこと。
    ・教育の目的は「自立」。そのためには褒めることも叱ることもしてはいけない。

    今よく思い出すのは以下。
    ・自分の課題と他者の課題を切り分けて考える。
    ・考えるべきは「これからどうするか」。

    読み直すとまた新たな気づきを得られそう。

  • 嫌われる勇気を読んでから二ヶ月後にこの本を読みました❗今回は私の社長就任お祝いで本を三冊もらったなかの一冊がこの本です。哲人と青年の会話がまた始まると楽しみに読ませてもらいました。特に青年が哲人に罵声を浴びせまくるところが好きです笑 読んでみると嫌われる勇気のおさらいをするというか、忘れていたことをまたおもいださせてくれました。本って素敵ですね、また自分を見つめ直す時間が持てること、人間の大事な謙虚さを思い出させてくれます❗人の悩みごとはすべてが人間関係である、これは嫌われる勇気で一番の衝撃を受けた言葉です。そしてまたすべての喜びも対人関係から幸せをえるこれが胸に刺さりました❗
    出会いはおおいにあります、その出会いをどのようにしていくかは自分の選択です。愛をもってgive and giveすることは私たちが幸せになる自立への始まりなんですね

  • 内容もだがこの二部作の構成が素晴らしい。アドラー心理学の難解さを理解し如何に身近なものとして感じて欲しいか、という著者の考え、工夫が伺える。哲学し、実践することそれが大事だ。

著者プロフィール

1956年生まれ。共著書に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)、訳書にプラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)ほか。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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