もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら
- ダイヤモンド社 (2015年12月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478066492
感想・レビュー・書評
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野球部の再変を通じてマネジメントとイノベーションについて解説されていた。
マネジメントとイノベーションはどんな組織でも必要でない人材はいない。
最適に人材を配置しその人の居場所を作ること。
その人が個々が、自分の居場所と感じるのは人から頼られること、自分しか出来ないことと感じられることである。
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物語~小説~としてのストーリー性はあったとおもいます。
読み進むにつれて、ドラッカーの重要な教えを改めて気が付かせる構造となっています。
書籍に埋め込まれたドラッカーの言葉は次の通り
・『これからは競争社会が到来する』 情報化社会が進むにつれて、知識層が拡大する。すると競争に参加するプレイヤーが増えるから、競争は激化せざるを得ない
・マネジメントは『要らない仕事』を減らしもするが『必要な仕事』を増やしもする
・イノベーションとは、競争しなことである。新しいものを作り、競争を少しでも減らしましょう
・新しいものを生み出す機会となるものが変化である。イノベーションとは意識的かつ組織的に変化を探すことである
・変化を謙虚に受け止めることは、とても勇気がいることだ
・企業家とは、秩序を破壊し解体する者である。企業家の責務は「創造的破壊」である
・マネージャーに欠かすことができない資質、それは『真摯さ』である
・人こそ最大の資産
・自分は何が得意で何が不得意なのかとの問いこそ、ベンチャーに成功の兆しが見えたところで、創業者たる企業家が向き合い考えなければならない問題である
・重要なことは、『小さくスタートすること』
・創業者自身がいつまでも自らマネージメントを行うのではなく、いずれトップのチームに引き継ぐ決意をしておかなければならない
・イノベーションを魅力的なものにするための第一の段階は、すでに活力を失ったもの、陳腐化したもの、生産的でなくなったものの廃棄を制度化することである
・イノベーションを行うにあたっては、外に出て、見て、問い、聞かなければならない。このことは、いかに強調してもしすぎることはない
・イノベーションに成功するものは小さく、しかもシンプルにスタートする
・優れたリーダーは、自らの退任や死をきっかけにして組織が崩壊することはもっとも恥ずべきであることを知っている
・強みよりも弱みに目を向ける者をマネージャーに任命してはならない
・コップに「半分入っている」と「半分空である」は、量的に同じである。だが、意味はまったく違う。とるべき行動も違う。世の中の認識が「半分入っている」から「半分空である」に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる。
目次は以下の通りです。
プロローグ
第一部
第一章 夢は『もしドラ』を読んだ
第二章 夢は『イノベーションと企業家性精神』を読んだ
第三章 夢は野球部の民営化に取り組んだ
第四章 夢は野球部の人事に取り組んだ
第五章 夢は小さくスタートした
第二部
第六章 夢は外に出て、見て、問い、聞いた
第七章 夢は予期せぬ出来事に遭遇した
第八章 夢はイノベーションの機会に集中した
第九章 夢は居場所とは何かを考えた
エピローグ
あとがき -
「もしドラ」の第二段。
前回ほどのストーリー性がないものの、野球部を「マネジメントを学ぶための組織」と定義してイノベーションを生み出していくところが面白い。
本書で一番感じたのは帯にも書かれていますが「居場所」を作るということ。野球部員、マネージャそれぞれに最適な「居場所」をどう作っていくかが細かに語られています。
その人の長所を伸ばし、そして「居場所」をつくること。それは単に適材適所といことを超えていると感じます。それがマネージャの仕事。
イノベーションがらみでは、
・小さくスタートすること
・単純なものにすること
・最初からトップを狙うこと
といったことが、ポイントとして残りました。とりわけ、本書では最後まで「小さくスタートすること」のエピソードが出てたので、記憶にも残りやすい。
ドラッガーからの引用がてんこ盛りであちこちにちりばめられています。さらに、ビジョナリーカンパニー2や人を動かすからも引用して、マネジメント、イノベーションをについての理解をより強固に、よりわかりやすくしています。
そういった意味では、わかりやすく、さくっと読めますが、実は、じっくりと繰り返し読む必要がある本であると思います。
全体のストーリを理解した上で、それぞれのエピソードでドラッガーをどう捕らえているのか再度読み直すのがお勧めの読み方なのでは?と思いました。 -
「もしドラ」より先に読んでしまいました。
高校野球にマネジメントを活かす物語ですが、これは家庭や子育てにもかなり応用ができそうだなと思いました!
子供にとって家は居場所だけど、具体的に何をすべきかという本当の意味での居場所を作ってあげられると良さそうだなと思いました。
小さなことから始める、というのもハードル低くていいですね。
仕事でも、1人でも後輩がいる人なら是非読んで欲しい一冊。 -
友人に誘われ野球部マネージャーになる決心をした主人公・岡野夢。ところが、夢たちの通う学校にはそもそも野球部がない。そこで夢たちは、ドラッカーの本を読み、その教えに沿って「競争しなくても勝てる野球部」をゼロから自分たちの手で作ろうと奮起する。『もしドラ』シリーズ第2弾。
女子高生たちがドラッカーの本を読み、その内容に沿って忠実に野球部作りを展開するという流れ自体はやや強引にも感じますが、そもそも物語の部分は二の次と思っているので気になりません。それ以上に、高校・部活・友人関係などといった身近でイメージしやすい舞台が、ドラッカーの教えを明解にしています。彼女たちが起こす様々な改革やその先でぶつかる壁が読み手に具体的に伝わってきてとにかく分かり易い。きっと難解であろう原書をこうも噛み砕いて読めるのは有難いの一言です。
経済においては勿論、教育の現場やスポーツ、果ては人間関係などにおいても、他者との競い合いが激化しています。数字や目標で優劣を競い合う日々。追い追われ、キリのない競争社会をどう生き抜くかと考えた時、ドラッカーは逆説的に「競争しないためのイノベーション」がますます必要になってくると説きます。
気付けばドラッカーの教えを、自分の置いている様々な状況にリンクさせながら読み進めていました。自分ひとりの力では及ばない問題を、仲間たちとどのように解決していけば良いか。そのためには自分がどのように振舞い、仲間や部下にどういった言葉で指示を伝えれば良いか。
部下を持つ立場の方や、人にモノを教える立場の方にとっては、自身の身の振り方について参考になる部分も多いと思います。 -
もしドラの続き。
個人的に最初の方が面白い。終わり方がんーって感じ -
もしドラの続編。
テーマは「居場所づくり」
困難にぶつかったら、
ドラッカーのイノベーションと起業家精神に立ち返る所が面白い。
後半の魔球を開発する件はややできすぎている感じもするが、
それでもできないことをできるために
真実と隼人を連れ出すと言う2つを叶えると言う方法は面白いと思った。
チーム作りを目指している人にとっては、
参考になる本だと思う。
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前作の「もしドラ」が高校野球とドラッカーをうまく融合させていて、読んでいて、納得できるものだったが、今回は全く話がかみ合ってなく、読む気が失せた。
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ジム・コリンズ『ビジョナリーカンパニー2』の「最適な人材こそがもっとも重要な資産」(81頁)そして「マネジメント」と「教育」の違い、この指摘は興味深い。
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マーケティングを学び始めたところで、ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」を読もうと思った人が、それよりも先に読むことをオススメしたい本。
ドラッカーは非常に優れた著書を残しているけれども、マネジメント実務がどんなものか経験がない人や、マネジメントで苦労したり悩んだことがない人が読んでも、具体的にイメージしづらい(これは本当に仕方がないこと)
この小説は、それを疑似体験させてくれるのと、ドラッカーの言葉を良いタイミングで登場させてくれるので、普段の学生の生活でも近しいものがなにかを連想しやすくなる。
そんな下地をつくったうえで、ドラッカーの著書・言葉をあらためて読みなおすと、言葉が活き活きと刺さってきます。
ただ、マネジメントで悩むような30歳以上の人が手にするには度胸のいる表紙なので、★1つ減らして4。