イノベーションと企業家精神【エッセンシャル版】

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478066508

作品紹介・あらすじ

イノベーションに天才はいらない。誰もが学び、実行できるように体系化した、世界中で読み継がれる実践書。

感想・レビュー・書評

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  • 【この作品を短文で】
    企業家精神の原理とは、変化を当然のこと、健全なこととすることである。
    また、すでに行なっていることをより上手に行なうことよりも、「全く新しいことに価値を見出すこと」である。

    【感想】
    1985年、ドラッカー75歳のときの著作。
    イノベーションと企業家精神が誰でも学び実行できるものであることを明らかにした世界最初の方法論。
    企業家の性格や心理ではなく、姿勢と行動について述べた本。

    変に長かったからなのか、自分が理解できなかったからなのか、正直あんまり為にならなかったかも・・・・笑
    もう少しまとめてくれた方が読み易い、というのは「甘え」かな?
    結局は、「企業家」も「イノベーション」も全く新しいものに価値を見出して「創造的破壊」を行うとの事だが、個人的にはそんな裁量も根性もそして興味すらもないから響かなかったのかな・・・笑

    良くも悪くも奥が深すぎて、この本の事を実践しようとするだけでもかなりのBIGプロジェクトになるでしょう。
    「この内容を自分の血肉に落とし込むことは自分には無理だ!!」と思っちゃいました・・・・

    残念ながら今読んでも得れることがなかったので、もう少しオトナになってから再読します(笑)


    【内容まとめ】
    1.企業家精神の原理とは、変化を当然のこと、健全なこととすることである。
    企業家精神とは、すでに行なっていることをより上手に行なうことよりも、全く新しいことに価値を見出すことである。
    すなわち企業家とは、秩序を破壊し解体する者である。
    企業家の責務は「創造的破壊」である。

    2.予期せぬ成功と失敗を利用する
    →「たまたまの成功」をしっかりと分析し、利用し尽くす必要がある。

    3.ニーズを見つける
    →まずニーズを知り、何が必要であるかを明らかにしなければならない。

    4.産業構造の変化が起こるとき
    ①最も識別しやすい前兆は、「急速な成長」である。
    経済成長や人口増加を上回る速さで成長する時、構造そのものがほぼ間違いなく劇的に変化する。
    ②いくつかの技術が合体したとき
    ③仕事の仕方(ビジネスモデル)が急速に変わるとき

    5.イノベーションとは、理論的な分析であるとともに知覚的な認識である。
    ひらめきや天才的なものでは他に転用することができないし、外に出て、見て、問い、聞かなければならない。


    【引用】
    イノベーションと企業家精神


    1985年、ドラッカー75歳のときの著作。
    イノベーションと企業家精神が誰でも学び実行できるものであることを明らかにした世界最初の方法論。
    企業家の性格や心理ではなく、姿勢と行動について述べた本。


    ・イノベーションの7つの機会
    1.予期せぬ成功と失敗を利用する
    2.ギャップを探す
    3.ニーズを見つける
    4.産業構造の変化を知る
    5.人口構造の変化に着目する
    6.認識の変化をとらえる
    7.新しい知識を活用する



    p4
    ・企業家は「変化を理する者」
    あらゆる仕事が原理に基づいている。企業家精神もまた原理に基づく。
    企業家精神の原理とは、変化を当然のこと、健全なこととすることである。
    企業家精神とは、すでに行なっていることをより上手に行なうことよりも、全く新しいことに価値を見出すことである。
    すなわち企業家とは、秩序を破壊し解体する者である。
    企業家の責務は「創造的破壊」である。

    企業家は変化を当然かつ健全なものとする。
    変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。


    p5
    ・企業家のリスク
    企業家は資源を、生産性が低く成果の乏しい分野から、生産性が高く成果の大きい分野に動かす。
    そこには成功の確率どころか生き残りの確率さえかなり小さい。
    しかし、多少なりとも成功すれば、いかなるリスクを相殺して余りあるほどその成功は大きい。



    p7
    ・イノベーションとは何か
    イノベーションは富を創造する能力を資源に与える。また、イノベーションが資源を創造する。
    人が利用方法を見つけて経済的な価値を与えない限り、何物も資源とはなり得ない。
    野菜は雑草にすぎず、鉱物は岩に過ぎず、ペニシリウムは単なるカビに過ぎない。


    p16
    【第1の機会:予期せぬ成功と失敗を利用する】
    →「たまたまの成功」をしっかりと分析し、利用し尽くす必要がある。

    予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。
    しかし、予期せぬ成功は疎まれる事が多く、えてして注力されないものである。また気づかれさえしなかったり、注意もされない。
    利用されないまま放っておかれ、そこに誰かが現れ、利益をさらっていく。

    予期せぬ成功をイノベーションの機会として利用し、その後の発展の礎とする事。
    予期せぬ成功は機会であり、また要求でもある。
    正面から真剣に取り上げられることを要求する。


    p24
    反対に、「予期せぬ失敗」は取り上げられることが多いが、それが機会の兆候と受け止められることは少ない。


    p33?
    【第二の機会:ギャップを探す】
    ギャップの存在は、イノベーションの機会を示す兆候である。
    ギャップは、大きく4つに分類される。
    1.業績ギャップ
    2.認識ギャップ
    3.価値観ギャップ
    4.プロセス・ギャップ


    p41
    価値観ギャップの背後には、必ず傲慢と硬直、それに独断がある。
    「貧しい人たちが何を買えるかを知っているのは、彼ら貧しい人たちではなく自分である」という誤解した考え方である。
    「人間というものは経済的合理性に従って行動するもの」という一種の決めつけが、こういったギャップを生み出す。
    エンドユーザーにとっての価値や期待は、えてして供給者の考えているものとは異なるのが常である。


    p45?
    【第三の機会:ニーズを見つける】
    →まずニーズを知り、何が必要であるかを明らかにしなければならない。

    ・プロセスニーズ
    ・労働力ニーズ
    ・知識ニーズ


    p50
    ・ニーズの5つの前提と3つの条件
    5つの前提
    ①完結したプロセスについてのものであること。
    ②欠落した部分や欠陥が「一ヶ所だけ」あること。
    ③目的が明確であること。
    ④目的達成に必要なものが明確であること。
    ⑤「もっと良い方法があるはず」との認識が浸透いている、つまり受け入れ態勢が整っていること。

    3つの条件
    ①何がニーズであるかが明確に理解されていること
    ②イノベーションに必要な知識が手に入ること
    ③問題の解決策が、使う側の方法や価値観と一致していること


    p54?
    【第四の機会:産業構造の変化を知る】
    産業や市場の構造は非常に堅固に見えるため、内部の人間はその状態こそ秩序であり、自然であり、永久に続くものと考える。
    しかし現実には、産業や市場の構造は脆弱であり、小さな力によって簡単しかも瞬時に解体する。


    p56
    ・産業構造の変化が起こるとき
    ①最も識別しやすい前兆は、「急速な成長」である。
    経済成長や人口増加を上回る速さで成長する時、構造そのものがほぼ間違いなく劇的に変化する。

    ②いくつかの技術が合体したとき

    ③仕事の仕方(ビジネスモデル)が急速に変わるとき


    p61?
    【第五の機会:人口構造の変化に着目する】


    p70?
    【第六の機会:認識の変化をとらえる】
    コップに「半分入っている」か「半分空である」かは、実態ではなく認識・体験が決定する。


    p78?
    【第七の機会:新しい知識を活用する】
    知識によるイノベーションは、3つの固有の条件を伴う。
    ①分析の必要性
    ②戦略の必要性
    ③マネジメントの必要性


    p112
    イノベーションとは、理論的な分析であるとともに知覚的な認識である。
    ひらめきや天才的なものでは他に転用することができないし、外に出て、見て、問い、聞かなければならない。


    p129
    企業家精神のためには、組織の中の一人ひとりが新しいものを求める存在となる必要がある。

  • ドラッカーの労作 「イノベーションと起業家精神」のエッセンシャル版
    頭出し、理論と実例、深堀り、まとめが各部、各章ごとに設けられていて、わかりやすいが読み進むのにかなり時間がかかりました。最初は全体の構成を掴むのに著者のまえがきと、目次を一読されるのがよいかと思います。itツールとかはともかく、スタートアップや、成長戦略などは、ほぼドラッカーによって、この時代に体系化されてしまっていると感じました。

    大見出しとして、3部に分かれています。
    第1部 イノベーションの方法:イノベーションの7つの機会を解説したもの
    第2部 企業家精神:既存企業、公的機関、ベンチャーそれぞれに対して、イノベーションに対してどうマネジメントするのかを、何をすべきで、何をすべきでないのかをまとめたもの
    第3部 企業家戦略:総力戦略、ゲリラ(2番手)戦略、ニッチ戦略、顧客創造戦略という、4つの戦略の内容と、特徴を表したもの

    第3部の終わりに、終章がもうけられていて、以下が述べられています。
    ・世代世代について、それぞれがイノベーションを必要とすること
    ・イノベーションが成熟し、利益を上げられるようになるには、ある程度の年月が
    必要なこと
    ・現代では、学校で得てきた学習だけでは生き残ることは難しく、全く新しいスキル、知識、道具を必要とし、そのために継続学習やそのための方向付けの責任を負うことなること
     

  • 新進気鋭のコンサルタントでもなく、カリスマ経営者でもなく、「学者」であるドラッカーが語るイノベーションは、はっきり言って全くワクワク感がありません。
    本人も言っている通り、それまでどこか神秘的な、ひらめきというか、偶然の産物のように語られていたイノベーションを、マネジメントの目的として理論化してしまったわけですから、堅くて堅くて当然ワクワク感はありません。
    しかし世の経営者の多くがこの本(1985年出版のほう)を座右の書としていることから分かるように、イノベーションを神秘的な事柄からマネジメントという現実の産物に引き下ろしたドラッカーの取り組みは、たくさんの経営者を奮い立たせたことでしょう。

    イノベーションの7つの機会として、ドラッカーはリスクが少なく実現可能性の高いものから優先順位をつけて語ります。最初に出てくる機会のまあなんと地味なこと。反対に新たな技術や発明に基づく一見華々しいイノベーションには、多大な時間や戦略、マネジメントを必要とすると、優先順位のお尻に持ってきて、警告します。

    本書の中では、既存企業や公共機関、ベンチャーにとっても必要な心構えが説かれているのですが、書かれた内容から、つい最近著された本のように錯覚します。これが今から30年も前、インターネットも無かった1985年に書かれたことが驚きです。90年代末のネットバブルやえせイノベーション流行りの現代を見事に予見した内容で、ドラッカーが預言者と言われる所以や、時代がドラッカーに追いついたと言われる理由がよーく分かります。

    彼によって書かれている一つひとつの条件は、決して難しいことではありません。ただそれを意識して普段から準備しているかどうかの違いだと思いました。彼の語る多くの企業が見過ごしている事柄を敏感に拾い上げ、より多くの顧客、新しい市場を創造し、働く人の「居場所」を確保したいものです。

  • 岩崎夏海さん著の”もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら”を読んだ後にこの本を読むと、凄く難しく感じます。(当たり前ですね。。。)
    終章を含めると20章程に主にイノベーションについて書かれています。ただ、部分部分、説明されている事が抽象的過ぎて理解し難い箇所が何箇所もありました。私の不徳の致す所なので勉強します!

  • 結局またミーハーなのだけれど、もしイノ(と呼ぶかどうかは知らないがもしドラの続編)を読んだことがきっかけで、再確認でなぞりながら読んだ。以前読んだ時は表面しかわかっていなかったことが、部分的に深く理解することができたところもあった。

  • 企業でも公的機関でも、当初は目的と必要に応じて作り上げた制度や仕組が変化の中で無意味になり荷物になることは必然である。常にイノベーションを行う企業家精神が必要であり、それは、常に変化を機会として捉える仕組づくりと、既存のものを廃棄する仕組づくりによって計画的にマネジメントすることができるものである。
    著者の考えが詰まった良書。

  • イノベーションの類型と特徴が記されている。それぞれの類型における具体例と注意点が実用的で参考になる。

    あらためて、ドラッカーは色んな人が色んなアプローチで書いていることを先にまとめてしまっている凄い人だと実感。ドラッカー何度も読み返して腹落ちさせるのが最も効率効果的ではないかと思う。

  • 当時の米国のイノベーションの解釈がよくわかる。古き良きイノベーション論。

  • 『イノベーションと企業家精神【エッセンシャル版】』(P.F.ドラッカー著/ダイヤモンド社) vol.427
    http://shirayu.com/blog/topstory/strategy/5733.html

  • 献本にていただく。

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