- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478068687
作品紹介・あらすじ
地理から学ぶ、経済のしくみ。経済とは、土地と資源の奪い合いである。地理を学ぶとは、地形や気候といった自然環境を学ぶだけではありません。農業や工業、交通・通信、人種・民族、宗教、言語、村落・都市、貿易にいたるまで、現代世界で目にするありとあらゆる分野を学びます。世界の本質を「地理」から学ぶ!
感想・レビュー・書評
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世界の動きを地理の知識で解説した一冊。
地理がメインだけど、題材によってそこから派生する経済、文化、歴史まで解説しています。
大きなキーワードは立地、資源、人口、貿易、文化の5つで44のトピックがあります。
意外な外国間のつながりもあって、二度読むことをオススメします!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下記を目的して読んでみた。
①投資する上で役立つ知識がある?
②知的好奇心を満たしてくれる?
読んだ結果、
①についてはまだ判断できず。まだ大した投資をしてないから… タンザニアがおすすめ?
②についてはYes。地理はただの暗記科目だと思っていたが、一つ一つの知識が繋がることで資源、経済、文化、貿易に関する土台を知ることができ、単純にそれが面白かった。
社会情勢についての見識が広がるし、深まると思う。
下記は私が関心した点、面白かった点。他にもたくさんあったが一部だけ示す。
【序章】
・アイスランドは地理が経済を支えている
火山が多く、地熱発電が可能。U字谷が多く、水力発電が盛ん
→電力が安価で手に入る
→生産に大量の電気が必要なアルミニウムの輸出が盛ん。国の基幹産業の一つ。
【立地】
・ロシアとヨーロッパのつながり
ロッテルダム(オランダ)にはユーロポートがある
→オランダはEUの玄関口
・スペインの低賃金労働力
労働力が安く、自動車生産が盛んだった
→さらに賃金が安い東欧がEUに加盟したため、非量産型の高品質小型車、多目的車両の生産にシフト
・インド、タイ、メキシコの自動車生産体制
各国の地理的特性を活かした生産体制をとっている
インド:外国企業と協力して、人口が多い自国の販売に注力
タイ:外国企業を優遇措置で呼び、東南アジアの生産拠点を目指す
メキシコ:アメリカ向け自動車の生産拠点を目指す
【資源】
・水道水が飲める国
15カ国しかない。
・レアメタルが生んだ悲劇
冷戦時代、西側諸国は南アフリカからレアメタルを入手
→他国はアパルトヘイトを強く避難できなかった
【貿易】
・日本の経済連携協定に学ぶ本当のWin-Win
シンガポールは日本と利害一致した。メキシコはそこからのアメリカへの輸出関税0のメリットを重視した。
・タンザニアのポテンシャル
豊富な鉱山資源、建国時から人口5倍、外国資本に協力的 -
複雑に絡み合っている問題も、地図上のポイントを見たら、理解に役立つ!ということがわかった。
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まあ、地理の本。
簡単にまとめてあり、読みやすいが、
話があちらこちらに飛ぶので、じっくり考えるのには適していないように思う。 -
電車に乗っているとき、ふと向かいの若い青年が読んでいたのをきっかけに図書館で借りた1冊。
そんなことでもない限り読むことはなかったと思うから、そういった意味でいい機会にはなったかなと。 -
ちょうどトロピコという独立国家シミュレーションゲームをやっていたため、すごく興味を持って読めた。
地理というと地形の名前を覚えて面白くてない印象だったが、経済と結びつけると面白い。
先述のゲームでも、最初は資源しかないのでトウモロコシやら木材やらを採集して消費したりそのまま輸出して稼ぐしかない。石油や石炭を開発するとすごく儲かるけど、資源はその内枯渇してしまうから、資源を輸出したお金で工場を作って、どんどん複雑な加工産業へ発展しないといけない。資源が豊富な国は技術を発展させなくても資源が枯渇しない限りは簡単に稼げてしまうが、資源小国は技術を発展させてより複雑な加工品を作れるようにならないと発展できない。
国は場所を移動できないから、地理を生かした産業はコストが他国より圧倒的に低くできる。本書を読むと資源が如何に重要で、人間の争いは土地と資源の奪いだという意味がよく分かる。
あとボーキサイトという資源が、アルミニウムの原料で、アルミニウムを作るには大量の電気が必要ということも初めて知った。トロピコだとボーキサイトと鉄鋼があれば自動車が作れたから。 -
何でアジアは人口が多いのか、とかいろいろ勉強になった。確かに地理が最も基本のような気がする
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最近、地理や地政学の本が増えてきた印象があります。私も大学で地理を専攻していたからかもしれませんが。地理学入門の序章という感じでしょうかね。(経済地理学は深掘りするともっともっと面白いですよ!)
この本に書かれている通り、地理は自然科学にも人文科学にもまたがる学際的な性格を持つ学問分野です。歴史、哲学なども同様です。
地理学的な見方でものを見ると、また違った視点で考えることができて面白いと思います。農業の分野についての記述や感覚距離が遠い国の話は興味深く読みました。
著者もあとがきで書かれていましたが、大学入試で地理が必須でない学校が多いために、高校でも地理を教えていない学校も多いのはとても残念なことです。
著者は代々木ゼミナールの先生ですので、高校生や中学生にぜひ読んでもらい、地理の面白さに気付いてくれる方が多くなるといいなと思います。 -
地理を知ることは世界を知ることだった。本来教育の目的は、正解を教えることではなく正解を見つけられるようにすることや選択肢を増やすこと。
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土地と資源、気候、風土、人口。経済が発展するにはそれなりの理由がある。より多くの食料を生産できる国は、人口が多い。人口を生かした労働集約型の産業が発展する。
経済大国の条件は機械と自動車の輸出が多いこと。また、当たり前の様に水が飲めることの幸せであったり。
予備校の人気講師が書いた本だからという訳ではないですが、分かりやすかったです。