企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478068779

感想・レビュー・書評

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  • 企業価値評価の名著

    メモ
    ・競争優位性の源泉
      価格プレミアム
       革新的な製品 模倣困難性・特許
       クオリティ  他に勝る品質の違い
       ブランド 
       顧客囲い込み 
       合理的な価格形成 

      コスト資本効率性
       革新的な事業運営方法 模倣困難性
       独自リソース 独自アクセスなどの優位性
       規模経済 効率性
       拡張性 わずかな限界費用による追加獲得

    ・一般的に次の技術革新でとって変われるような一時的な技術優位性よりブランドやクオリティから生じる価格優位性と拡張性によるコスト優位性の方が長く維持される傾向

    ・成長タイプごとの企業価値
      新製品開発を通じた新市場創出
      製品を多く買うよう既存顧客誘導
      市場への新たな顧客をひきつけ
       →いかに市場を拡大するか・創出するか

    ・売り上げ成長の大部分は市場成長に依存
     成長戦略の成功失敗は、競合の対抗手段の容易性による
     ボルトオン買収は有効、技術革新も有効

  • 企業の価値の大きさは、成長率とroicの組み合わせで決まると言い切っている。その出発点から競争優位性などを絡めて詳細に説明している。本質的な議論に欠かせない素晴らしい一冊、ただし難しい。

  • マッキンゼーが用いている企業価値評価の手法を、全体構成から税務、為替など、様々な各論における注意点まで詳しく解説している。

    企業の価値とは何かというのは議論が分かれるところであるが、本書では、「価値創造の基本原則は、資本コストを上回る資本収益率で成長する企業が価値を創造すること」であるという一貫した考え方に貫かれている。

    このため、企業価値の本質的なドライバーを成長率とROIC(Return on Invested Capital)に置き、それらをもとに企業の価値を算出する方法を取っている。

    これは、時価総額といった考え方よりはもちろん正確であるだけでなく、様々なマルチプルを用いた企業価値の評価と比べても、安定的かつバランスの取れた企業の評価をできる手法であるということが、本書を読んでよく分かった。

    上巻では、企業価値とは何かということを整理したうえで、DCF法とエコノミック・プロフィット法という2つの手法での分析を、ステップを追って説明している。

    モデル企業や実際の企業の事例を使って数表を示しながら説明しているので、時間をかけて追っていけば、理解はすることができる。財務諸表を片手にこれらの数字を一つひとつ分解しながら企業価値の算出に辿り着けるため、一般的な概説書よりは格段に役に立つ本であると感じた。

  • 次の版が出ているがこれでも十分。
    内容は非常に難しく、そもそも一般的な会社員であれば不要。

    M&Aやビジネスコンサルタント、会計士などは読んでも意味がある。
    また、経営企画等は上巻だけでよい気がする。

  • 株式市場に携わる者として、バリュエーションの考え方を整理し直すために読みました。
    投資の手段として企業価値を算定する上で、ファンダメンタルズによる分析がいかに重要かがわかると思います。
    内容は厚く、一度で理解するというよりは何度か読み返して理解する本だと思います。

  • 第7章 成長とは何か

    成長が資本コストを上回るROICをもたらす場合のみ企業価値を創造することになる
    売上成長は3つの主要要素に分けられる
    1ポートフォリオ・モメンタム:市場自体の成長に伴う成長
    2市場シェアの変化:シェアの変化によりもたらされる成長
    3M&A
    →大企業に取って最も重要な成長の源泉はポートフォリオモメンタム、最も低いのは市場シェアの変化によって

    2によって成長する場合は、小規模な競合企業を市場から完全に追い出すことによってのみなしうる(なぜなら、停滞した市場の中で成熟した企業は対抗策を打ってくるので)
    値上げは買い控えや代替品への乗り換えを誘発する
    市場自体の拡大は、他の市場から売上を奪っている可能性はあるが、それに奪われている側は通常気づくことがない

    高成長を続ける企業は、①年々同じ成長率を維持するために必要な規模の市場を見つけることが難しくなってくる、②製品ライフサイクルがあることから、更に成長することが難しくなってくる
    特にイーベイは最初高成長を続けていたが、市場自体が小さかったために設立から13年で成長率がゼロに近づいた
    逆に、ウォルマートは成長するスピードが店舗拡大スピードと比例するために、成長はゆっくりであったが、設立から30年間10%以上の成長を続けることができた
    →常に新しい市場を見つけ、利益の上がりやすい高成長段階のタイミングでその市場に参入すること


    第32章 高成長企業の価値評価

    高成長企業は過去の業績分析から将来の見通しの手がかりをつかむことは難しい
    →将来の市場規模、持続可能な利益率のレベル、規模拡大に必要な投資額を予測
    そのためには、将来の業績が比較的安定するタイミングを見極め、そこから短期的な業績予想を考える。(つまり、〇〇年後に市場の▶%を取ると仮定して、そこから現在の成長に引き直す)市場規模・マーケットシェア・営業利益率・投資の予想
    高成長企業は将来の不確実性が高いため、1つの長期予想飲みに依拠するべきではない。将来の市場規模、競争環境なども含めて、市場変化について複数のシナリオを詳細に考えておく必要がある。
    最後に、各シナリオの発生確率を予想し重み付けを行う。この加重は、過去の長期成長率と整合性が取れていなければならない
    にている企業・業界と成長を参考にしても良いかもしれない
    最後は期待値を取る

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