好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則

著者 :
  • ダイヤモンド社
4.08
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本棚登録 : 702
レビュー : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478068878

作品紹介・あらすじ

大企業とスタートアップ、どちらで働くべきですか?インドでプログラミングを学べば、自由人になれますか?「キャリア計画がない」私は、ダメ人間ですか?ビジネスパーソンのあらゆる“迷い”に『ストーリーとしての競争戦略』の著者が答えを示す!

感想・レビュー・書評

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  • 明確なキャリアプランなど不要であるという立場から、悩みを抱える質問に対してズバッと、「そのままでいい、だいたい、人生はそのようなものだ」という観点から話す論。

    就職活動をしていて感じる違和感や疑問を肯定してくれるだろう。私個人も「自己分析ってなんだ? 働いた事無いのに、自分に向いてる企業なんて分かるかよ」「キャリアキャリアって、そんなに大事なのか。 べつに、これといってやりたいことなんてないぞ。」ような疑問を思った。

    楠木先生ならこう答えるだろう。「好きなようにしてください。多分、どの企業に行っても良いと思う部分もあるし、違うと思う部分も出てくる。そこでまた、考えればいい。」


    孫正義、坂本龍馬など、具体的な志を立てて一生を生きることとは正反対。川の流れのように、生きることを説いている。

    仕事に関する解釈も就職を控えた私個人にとっては秀逸。「仕事の評価基準は他人。自分のためにやるのは趣味。ここの認識を誤ると、いらん悩みがでてくる。」

    「自分が働きたい職場どうか」という、自分ばかり見てきて就活をする学生にとっては、ハッと気づかされる一言。

    P.S 再読して思ったこと、めちゃいいフレーズ
    ■キャリアや働き方なんて、どこまでも自己中心的な問題なので、そもそも他人の評価や平均値、ランキングを気にすることほど無意味なことはない
    →そりゃそうだ。好きなアーティストのライブに行くとき、「周りの人も、このアーティストのことが好きなのかな?」」とか、考えるわけがない。考えたって意味がない。キャリアはどこまで行っても、好き嫌いで考えられるべき事象。そういった、あっけらかんとした考え方に、ものすごく、背中を押された


    ただ、一つ疑問に思ったのは、先生は「好きなようにしてください」というスタンスにこだわるあまり、悪いアドバイスをしていないかということ。作中の中で、「自堕落な生活をしてしまう自分を変えたい。分かっちゃいるけどやめられない。どうすればいいか。」というような趣旨の質問があった。これに対しても先生は「好きなようにすればいい。その自堕落な生活があなたのやりたいことなのだ。健康的で規則的な生活をホントにあなたが望んでいるなら、すでに実施しているはず。そうしていないということは、あなた自身がさして望んでいないということだろう。だから、いまのままでいい。」というような、解答をしていた。これについは、近視眼的な考え方だと思う。楠木先生も著書の中で言っていたがが、もっと時間的スケールを持って捉えるべきだ。
     怠惰的な生活は、そのプロセスは楽しいが、全く蓄積がなく、結果として何も結実しないことにある。だからこそ、相談者は変えたいと思っている。知識レベルでは理解できているものの、理性が負けている現状について、困っているということだ。したがって、自堕落な生活を続けて数十年も経てば、その一分一分は楽しいが、振り返ったときには、悔いしか残っていない。

    「好きなようにする」ためには、かならず短期的ではなく「長期的にみて、好きなことか、望ましいことなのか」を抑えたうえで行動するべきだろう。

  • 意識高い系のおにーさんおねーさん達を「好きなようにしてください」とぶった斬り続ける本。
    比喩の仕方が面白くて参考になった。総合格闘技だったりハゲだったり。

    心当たりが疲れた時に再読する

  • またまた職場のHちゃんに「ふくだにぴったりだよ」って貸してもらった本。相変わらずセンスいーぜ。ほんとありがと。
    雰囲気はかっる~い本なんだけど、けっこうバイブル的に読み直したくなるかもで、きっと自分でも買うと思う。

    一言でいうと、キャリアや仕事に悩む有象無象の輩の質問に対して、その無駄なプライドをばっさり切って「好きなようにしてください」と言い続ける本。
    この本がいいのは、肩書で言ったらキャリアをバリバリ語りそうな筆者が、結局はなんだっていいんです、流されたっていいんです的なスタンスでものを語って、意識高い系に影響されまくってる質問者たちをバシバシ切るところです。痛快です。

    この筆者、けっこう本性は中二病的なところがあると思う。自分はテキトーなんですよすいませんねと言いつつ、他者が突っ込み入れづらい程度の高度な知識を回答のそこここに散りばめてます。これって学者だからというより、高度な中二病のテクニックなんだよね(ふくだ自説)。自分を下げてるようで相手の論理の破綻を示したり、相手よりもっと深い知識を提示したりする。これはもんのすごい自意識の高さの表れです。でもその高さを学者レベルまで高めた知的な方なのですよ、たぶん。だからとても親近感を持ちました。(あ、私は残念ながら高度なテクニックを持ち得ていない中二病人間っす、念のため。)

    で本編に話を戻すと。
    読んで覚えてるポイント、筆者の一貫した主張は以下かな。

    ・環境ではなく仕事の内容で考えろ
    ・スキルじゃなくて、稼げる力をつけろ。スキルなんて陳腐化する。稼げる力=Revenue増加かCost低下に貢献できる力を持てる人間になれれば強い。
    ・自分が幸せで、ストーリーをキラキラと語れるなら何やったっていい。逆にストーリー語れないなら意味がない。
    ・仕事は誰かのためにやるもの。自己満足では意味がない。

    ほかにも面白いこと言ってたと思うけど、こんな感じでした。私みたいにキャリア志向が薄くて、でもキャリアを目指さないでいられる理由も何ももってなくて(それこそ職場がいいから差別も偏見もないし、チャンスは平等だし、独身だし涙)、でも「アップ!アップ!レベルアーップ!」ってのを目指すのが苦手で、その結果世の中の全員に批判されてる気分になってる人間には、溜飲が下がる思いでしたよ。ああ卑下がすぎててすみませんね。中二病なんでね。
    とりあえず好きなように生きるために、稼ぐ意識は持とうな、お前って自分に言い聞かせました。

  • Newspicksの読者と経営学者・楠木建の往復書簡。キャリア論と生き方について意識高い系はもとより普通の人も見直すのに好例となる一冊。意思を持ちつつ、川の流れのように、というのに膝を打った。メモ。
    (1)仕事における総合格闘技。それが営業。
    (2)攻撃して来るのは暇な連中。自分にやるべき仕事があって、それに没頭している人は人の事をいちいち気にしてああだのこうだの言ってこない。
    (3)自分と自分の生活にとって本当のところお金はどういう意味を持っているのかに対する答えを出すこと。
    (4)この先の長い間、お互いを見つめるのではなく同じ方向を見ていくということが大切。
    (5)自分の仕事に正面から向き合うとは自分が役立とうとする他者を向くということ。
    (6)組織に対するメンバーの構え。(1)エグジット(離脱)。嫌だったらさっさと辞める(2)ロイヤリティ(忠誠)。自分と組織を同一化する状態、行動(3)ボイス(告発)を異議申し立てによる衰退する組織の回復。(アルバートオットーハーシュマン)
    (7)自分に残るのは過程。仕事のやり甲斐は自分の納得を追求する過程。客にとっては結果(成果)が全て。仕事の成果を自分で評価してはいけない。しかし自分の中で積み重なるのは過程が全て。
    (8)自分が何をやるかどう生きるかではなく環境のどちらに身を置くかは環境の選択に過ぎない。Aという環境に身を置くと自分はXになるが、Bという環境ではYになると考える。この種の考え方を環境決定論と言います。
    (9)今乗っている。この感覚がとても大事です。自然と前向きに努力できる。‥こういう感覚は川の流れの中で初めて出会うこと。
    (10)世の中で自分の思い通りになることなど、殆どありません。むしろ、たまに思い通りになる事があると、割と嬉しくて思わずニコっとする。大人はイラっとせずニコっとするものです。
    (11)ゼロからプラスを創るのは何か。その人に固有のセンスとか言いようがないもの。フォームと言っても良い。
    (12)何をどの様に話すかよりも何を話さないか、講演の仕事の質は格段に高まる。

  • 最高に面白い読み物としての経済書?ですね。楠木さんのちょっと脱力感のある回答が本当に面白い、そのとおりだと思います。会社経営者からみると、なんでそんな質問をするんだろと思いますが、本人にとっては重要なことなんでしょうね。

  • 社会人なら誰しもが突き当たったことかあるだろう選択肢に、答えを見出すためのヒントをくれる。客観視すれば全くその通りなのだが、いざ自分のこととなると…


    抜粋▼

    仕事とは自分以外の誰かの役に立つこと。

    環境決定論の無意味。
    Aという環境に身をおくと自分はXになるが、Bという環境に身をおくとYになる。
    どちらにせよ、その人の本質は環境の違いでは大して変わらない。なぜなら私は私だから。

    仕事の選択なら、仕事の内実で選ぶべき。環境の比較は意味をなさない。

    すぐに身につくものは、すぐになくなる。

    自分でも面白くないと思っていることを実行して、お客や他人を動かせるわけがない。
    自分が面白くて重要でどうしても人に伝えたい、わかってもらいたいと思うことをする。

  • NewsPicksに寄せられた様々なお悩みに答える楠木先生。どんな悩みであっても、基本「好きなようにしてください」と答えるが、その後の考察が面白い。「当然ですけど。」が小気味いい。印象に残ったのは①息子に自分と同じ思いをさせたくないと心配する必要はまったくない。子供は独立した人間であり、親とは違った人生を歩む②一番いけないのは、「○○せざるをえない」と勝手に思い込むこと。誰に頼まれたんですか?③才能があるか見極めるには、3年という期間が1つの目安。④威張らずにはいられない人には、「怒るな、悲しめ原則」

  • 誰もが悩みがちな事への回答を通して、仕事や生き方における大切な考え方を学べる。
    そういう意味ではケーススタディの集まりなのでとても実践的。
    内容も、著者の個人的な考え方ではあるが、結構普遍的だと思う。

  • これってよく聞く悩みだよなぁ(大企業か、スタートアップか、など) というものに対して、好きなようにしてください、とあっさり回答しつつ、その理由を主に相談者の思考回路を紐解きながら行われるツッコミが、さすが研究者という感じのロジカルさで読んでいてわかりやすい。

    大体の悩みが思考の底の浅さからくるもので、悩みというレベルじゃないんだなぁ、と思った。

    よくネットで人生相談ものを読んだりするけれど、人生経験豊富な人が上から目線で回答するものとは異なり、ロジカルであるがゆえにスッと入ってきた。

    これを読んだ後には、自分がうっすら抱えていた悩みって悩みじゃないんだよなぁ、とか、もっと自分の好き嫌いに敏感になって、自分にとって頑張らずに楽に出来る仕事をしたいと思った。

  • ビジネスで迷ったらこれ。従業員に読んでほしい。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。一橋ビジネススクール教授。専攻は競争戦略。企業が持続的な競争優位を構築する論理について研究している。著書に『ストーリーとしての競争戦略──優れた戦略の条件』『「好き嫌い」と経営』『「好き嫌い」と才能』(共に東洋経済新報社)、『好きなようにしてください──たった一つの「仕事」の原則』(ダイヤモンド社)、『経営センスの論理』(新潮新書)、『戦略読書日記』(ちくま文庫)、『すべては「好き嫌い」から始まる──仕事を自由にする思考法』(文藝春秋)などがある。

「2019年 『室内生活 スローで過剰な読書論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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