なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか? 日本人が知らない本当の世界経済の授業

  • ダイヤモンド社 (2016年4月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784478069332

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

現代社会における不安の背景を深く掘り下げた作品で、経済やテクノロジー、歴史的視点からの分析が魅力的です。著者は、人口減少やテクノロジーの進化がもたらす未来の変化を、分かりやすく解説しています。特に、近...

感想・レビュー・書評

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  • 成長しない世界に逆らい、既存の成長を前提としたモデルを変えられずマネタイゼーションに向かっている。これは国家の破綻を招きかねない。


    漠然とした不安に怯える現代社会
    新しい時代(人口減少社会)に変わっているのに今までどおり生きようとする既得権益層(高齢者)が、世の中を歪めている。

    産業革命とは違い、デジタル革命では人が切り捨てられる可能性がある。格差の拡大。
    ネットでは取引や情報の非対性が低い

    東のインドの紅茶と西のカリブの砂糖を組み合わせたイギリスの野蛮さ
    砂糖はアフリカの奴隷の労働力で作られ、近代はこの労働力の奪い合いだったが、現在は使い果たした新時代

    以前の学説では後進国は遅れているだけでいすれ先進国になるというもの。
    最近の同一時代史的な捉え方では、後進国は先進国によって、低開発化されて作られた。(食料や原料の生産地として資本投下されて社会が歪められた)

    近代世界システム論では中核の先進国に従属する周辺の後進国という分業体制で、ひとつの経済圏に統合されたシステム
    この観点ではBRICSもありえないストーリーで、先進国の歴史を知らない投資家が考えたもの。

    成長を当たり前として社会システムが作られているが、成長のタネを使い果たし限界にきている

    リーマンショックは供給側の話だけではなく、無理な運用を必要とした年金などのシステムによる需要側の問題が元凶
    いくら規制しても需要側が変わらない以上、イタチごっこ

    日本の世代間格差は世界的に見ても突出


    日本人
    新しい時代に合うような社会経済モデルの研究
    物質とエネルギー、産業、金融の循環で支えられている
    このバランスをとりながら、成長ではなく、定常に持続していく必要がある。
    科学技術で循環を大きくし、価値観の変化で経済規模を縮小する。

    欧米が略奪して成長するシステムで動いている中、日本は江戸時代に定常状態で250年やってきた実績がある。
    成長していると不満はごまかせるが、定常なので社会に不満が溜まらないよう、フラットで貧富の差のないシステムで、ぜんたいのモラルを高くする必要があった。
    明治の富国強兵は外圧を認識し、植民地にされる恐怖感から。
    アジアのリーダーとして欧米と対峙しようとしたが、アジアの中の序列の低さから失敗。
    欧米は搾取のために低開発化の投資をしたが、日本は近代化と発展のための教育的投資をした。
    日本は武士階級が自分から特権を放棄したが、他国は既得権益層の抵抗で近代化に失敗。
    昔の日本は見所のある若者に有力者が援助して日本全体を良くしようとする気風があった。既得権にしがみつかず未来への投資に変えるべき。

    世界的にも成長しない時代が来るのだから、日本人がお手本を示すことができる。
    成長しなくても分配を公平に行い、社会全体と未来を考え、自然と共生し文化の豊かさに価値をおく。
    フロー経済からストック経済へ。


    現代アートとテロはコインの裏表
    アメリカは文化がなかったので公共事業として現代アートを主導し、亡命してきたユダヤ系アーティストが理論的権威を与えた。
    次にアートに市場原理を持ち込み、大衆への市場拡大を目指した。
    アンディウォーホルのように、複製できる絵画にも価値を与え産業として発展させた。
    逆に市場原理がアートの世界を動かすようになっている。
    アートは現物で空売りができないため、市場原理がうまく働かず、価値があやふや、バブルになりやすい。
    ニューヨークの現代アートの世界はユダヤ一神教的な排他的な世界。グローバルスタンダードに乗らなければ値段がつかない。
    アートの需要の陰には既存の貨幣に対する将来的な不信感がある。

  •  装丁と表紙の画が良いのでジャケ買いした。
     地の文なしの会話形式で(長セリフの学者と、無知で相槌マシーンの女学生によるダイアログで)貫かれている。
     書名は抽象的で独特だが、マジメな講義のフリをして合間に持論を挟んでいる点では、ありふれた本だ。
     本書の主張は、いわゆる「定常」(反経済成長)とか江戸回帰だが、それなら他に信頼できる書き手が複数いる。本書は無邪気な江戸礼賛でしかなく説得力は無い(著者にその気があれば、江戸時の人間のQOLを推計し、「定常」社会の現実味を吟味できたはずだ)。
     構成の点では盛り込みすぎ。帯には「マイナス金利、イスラム国〔……〕アベノミクスの失敗 全てが繋がり理解できる」とあるが、ただ強引に並列している感がある。
     正誤の点は及第点。例えば、イスラム教についての新書の見解をそのまま受け売りしているので、局所的な間違いは無い。また「アベノミクスは無効だった!」とか「人工知能で雇用は激変!」は、論者による意見の差なので、正誤の話ではない。後で書くが、歴史認識は微妙。

     著者は証券会社のちトレーダーという経歴のエリートだが、この本では沢山の一般向け書籍や学部生向け教科書からエッセンスを受け取り物語形式に直してみせたので、なかなかライターの才能があると思う。会話が不自然なのでラノベ作家の才能は無い。

     読書家の皆さんなら、本書で学ぶよりは、巻末にある参考文献や本書の記述をチェックする方が有意義だと思う。
     危うさを感じとれる例でいうと、宮脇淳子・倉山満『真実の朝鮮史』(ビジネス社)とか、歴史改竄系の中学教科書『日本人の歴史教科書』(自由社)等が参考文献に並んでいる。
     また「老人が金融危機の遠因で、老人が既得権益で……」(86-91頁)みたいな記述をしているが、ほとんど陰謀論だ。

     ちなみに、本書のタイトルにある不安感の由来は94-95頁の話から。著者の日本史観が滲んでいるのは128頁あたり。
     星を決めるのに悩んだが2.4点(内容は0.4点、装丁4.4点。そして百歩譲って相加平均)にした。これを四捨五入して2点。

    ※装丁について。
    https://twitter.com/neji_tk/status/1210024841224568832

  • 経済学的な世の中の動きに疎い私でも、とても面白く読めました
     ・世界の人口は減少に向かう(人口オーナス期)
     ・テクノロジーのい進歩の結果、音楽家自体がいなくなる
      – 体温や脈拍のデータから、そのときの気分にあった音楽を作曲・演奏してくれる時代
     ・近代世界システム論では中核と周辺という分業体制
      – 低開発化、”賢者の石”化
     ・現代アートはアメリカのユダヤ系アーティストが主導
      – 第二次世界大戦以降、アメリカは田舎者から世界のリーダーへ
      – アメリカの分化として、拡大・発展

  • 『増補版なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?:日本人が知らない本当の世界経済の授業』では、これから世界に起きる問題・現在進行系で起きている問題から、「①これから世界がどうなるのか」。「②何が本質的な問題」で「③それに対して我々はどうするべき
    なのか」の3つを著者である、松村嘉浩氏が記録したものである。
    「① これから世界がどうなるのか」に関して、松村氏は、「機械の台頭」と「シェアリング
    経済の拡大」をあげている。「機械の台頭」に関しては、「IT革命」によって、低賃金の仕事が機械に置き換わる変化を言っている。仕事がITによって置き換わることによって、アメリカでは、「ジョブレス・リカバリー」と言われる、「景気は回復しているにもかかわらず、雇用が生まれない」という状況に陥っている。この状況において、ITを使いこなせるような高所得者とITに置き替わられてしまう低所得者の間に深刻な経済格差が起きつつある。しかも、この影響は後世にまで残ってしまう。富裕層は子供に高度なIT教育を施す一方で、低所得者の子供には、教育を受けさせることができないという負の連鎖に陥っている。
     「シェアリング経済の拡大」は、「モノ」を所有するのではなく、必要なときに必要なだけ使うために、「共有」するビジネス経済圏が生まれつつあることを言っている。今までは欲望のままに足りないものを買って、消費するというライフスタイルが一般的だったが、モノが充足するにつれて、モノを消費するよりも共有することに価値が置かれるように変化していく流れがきている。
     「②何が本質的な問題か」は、経済成長は成長限界を迎えているというのに、成長を前提としたシステムを世界中で構築し、維持していることである。例えば、資本主義は、経済が成長していくことを前提とし、人々が労働して、得た資本を消費し、次の資本に投下していくことで、経済が成長していくというループを前提としている。ただ、現代は、定常経済に陥っており、労働力は減少していくばかりなので、継続的な成長は望めなくなった。なので、継続的な成長を前提としている政策やシステム、思考は矛盾を生んでいて、それがテロ事件やリーマンショックなどの問題を引き起こしている。
     ③それに対して我々はどうするべきなのか」は、無限の経済成長を前提とすることを止め、物質的満足ではなく、精神的な満足に対して世界中で移行していくことが特に重要だと説く。また次に、「今起きている問題を先送りせず、今生きている世代の中で問題を止める」という断固とした現役世代の意志と行動が必要だ。日本は他国に先んじて、未曾有の問題に直面しており、問題の解決方法を他国に示すチャンスを得ている。江戸時代において、経済よりも精神的な満足が重視されていたことからも日本人にできないことではないと思われるので、一人一人が責任を持って取り組んでいくべきだ。
     読み終わってから、私自身思ったこととしては、主に4つある。
     1つ目は自分の無知さである。自分自身本を読むのは好きだし、世界の経済や政治、宗教に関して興味を持ってニュースを見ていた。しかし、表面的なメディアの主張や分析、煽りなどに自分が無自覚にも左右され、浅はかな認識を持っていたことに気づいた。なんとなく「日本経済は衰退して、これから後発国にどんどん抜かれる」といった認識でそれがなぜ起きていて、それに対しての経済政策はいいのか悪いのか。を自分の頭で考えきれていないことに気づきました。
     2つ目は、本を買って読まないと、「世界経済・日本経済のヤバさに気付きにくい現状」への危機感です。なぜ、そのようなことが起きているのかを考えたところ、前提として説明する際に、一冊の本ぐらいの説明量がいるという点を除けば、大手新聞や大手テレビといったメディア産業の上にいる上の年齢層の方々が変化の激しい今の時代に対しての思考と勉強が不足しているのかなと思いました。また、メディアという産業の構造自体、「正しい情報を伝える」というよりは、「視聴率がとれるものや大衆の目を引きやすい情報を流す」ことに傾倒してしまう構造があるのだと思います。これを解決するためには、従来の産業構造にとらわれないWEBメディアが情報の正しさと相手に正しく伝わることに価値置くこと。松村先生のような知識人がダイレクトに大衆に対して意見を訴えるような仕組みを確立していくことが重要だと思いました。
     3つ目は、自分にとって精神的な満足を考えること。つまりは、「自分にとっての幸せの意味」を考えることが必要だと思います。以前読んだ本で幸せの要素としてあげられていたのは、「快楽」、「意味合い」、「没頭」の3つだ。経済的な満足から、精神的な満足に移行するためには、3つに対して、自分独自の意味合いを見出すことが個々人に必要だと思います。自分自身が楽しくできること。自分自身が意義を感じて、達成のために頑張れること。自分自身が寝食を忘れてしまうくらい没頭してしまうようなこと。これらを仕事にして精神的な満足を高めることが今後、必要だと改めて思いました。
     4つ目は、シェアリング経済により、“世界は今よりも平和になるのではないのか”という期待だ。これまで歴史上、国と国がいがみ合うことや人と人が争いあうことの根底にあるのは、「モノへの所有欲求」ではないのかと思う。例えば、食糧や資源が自国にないから力ずくで奪う。モノが不足し、最低限の生活ができなくなったがために、人から奪う。こういった「共有」よりも「所有」の概念が強かったがために争いが起きていたのではないかと思う。現代においては、経済活動をすることによって争いは減ったが、未だに火花はくすぶっている。経済活動による平和を推し進めるためには、「シェリング経済の拡大」は必要不可欠だと思います。ただ、まだシェアという価値観よりも所有という価値観の方が強い傾向はあると思うので、若い世代が取り入れて生き、徐々に上の世代にも浸透させていく必要はあると思いました。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1450928

  • これはとても良い本だと思った(少し古いけど)。
    この内容が正しいのか適正に判断できる知識は正直ないけれど、時代の流れを大局から掴むアプローチはすごく説得力がある。大きな流れに逆らう動きはうまくいかない。このことは忘れてはいけない。とにかく、わたしたちは生きていく時代は、私たちの通った道とは違うということを忘れずにいたい。

  • とても勉強になった。子供たちに、どんな未来をバトンタッチできるんだろうか。。

  • わかるようなわからないような。末法思想とどう違うんだろう。あれも、自分たちの世界観がこれ以上広がれない、だったようにも見える。

  • 作者の方のお話を聞いてみたいなあと思った本。
    大学生と教授の対話形式で、横書き。
    これに慣れるまで中々読み進められませんでした。
    でも好きです。

  • 世界経済の仕組みを、小説形式でわかりやすく紐解いていきます。
    普段経済系の本をお読みにならない方でもとっつきやすく、とても読み易いです。
    人は知らないことに対して、どうしても漠然と不安に思ってしまうものです。
    まず少しでも現実を「知る」ことが、とても大切だと気づかせてくれます。

  • さくっと読める。?とか違うだろってなったら興味を持った章の引用文献とかに飛んでいって深掘りしていけばいい。

    分かりやすさを重視してやや乱暴になっている部分がある。需要サイドに着目した金融危機の件は、もうちょっと丁寧に書いた方がいいと思う。

  • 対話型の書き方は始め違和感ありますがとても読みやすいです(がしかし長い。)。
    全体的な世の中の流れ(経済、金融、宗教に戦争、アート)を知りたい人にはとってもオススメ。だが、筆者は割りと偏った思想の持ち主なので鵜呑みにしないように注意は必要。
    右肩上がりの成長前提で設計されてきた資本主義(日本のみならず世界)がこれからどうしていけば良いのかを筆者なりの視点でまとめられています。

  • 題名についての解を歴史的な視点から論じている。西洋の視点が常識となっている世界史を、別の視点からみる面白さを提供し、宗教についても同様の展開が続く。多くのページを費やしたのが、日本の金融政策の危うさについて。著者は使命感をもって持論を主張しており、警鐘を鳴らすためにこの本を執筆したことがわかる。このような状況に至った背景についての分析も納得感がある。

  • 現在の社会情勢を根本から考えることができる本

  • 会話形式で書かれてはいるが、内容は非常にしっかりしており、著者の考え方にも納得感があった。
    人口減少、高齢化社会というこれから世界が直面する課題に、日本が最初に直面し、世界のお手本を示せるか試されている。
    さらに日本は先進国で唯一の宗教に縛られることがない多神教の国家であり、仏教やキリスト教が伝わっても受け入れてきた懐の深さを持っていることを誇りに思えた。
    ・失敗したら損失が大きい映画やアニメは、そうそう冒険できませんが、マンガだと新人がどんどん出てくるし、社会現象を引き起おこすことすらあります。売れるマンガは世の中の一般の人たちの心理を映す鏡でもあるの。
    ・なぜ、みんな(漠然と不安)なのかというと、まったく(新しい時代)にいるのに、今までどおりに生きょうとする既得権益層が世の中を歪めているからなのです。
    ・新しい時代の一番わかりゃすい事実は、いずれ、世界が人口減少に向かっていくということです。
    ・産業革命は「物理の革命」であり、失業したものも新たな雇用に吸収された。しかし、今起きているデジタル革命は「情報の革命」であり、人間の脳の機能を、さらに高速の処理能力のある機械で代替していきます。従って知識や技能のない人が切り捨てられてしま可能性も高いのです。そうなると、子供には高度な教育が必要になるため、コストが大きくなってしまい、少子化につながる。
    ・勝ち組でなければ負け組といつたように、真ん中がなくなっていく傾向が出ており、1人あたりの生産性は大きくなっくいるのに、所得の中央値が下がっているという事実の原因です。
    ・古典派経済学が生まれたころのヨーロッパはまだ貧しくモノを作る能力にも限界があったため、モノをつくれば必ずだれか欲しい人が出てくるのが当たり前という、「供給が需要を作る」ことが大前提であった。
    ・、人口構成のうち子供や老人が少なく、生産年齢人口が多い状態を人ロボーナスといって、高い経済成長が可能だと考えらている。
    ・第1次・第2次・第3次産業すべてにおいて、他の国を引き離します。こういうふうにすべてにおいて優位に立つた国をへゲモニー国家という。ヘゲモニー国家は同じような発展と崩壊のパターンを描くのです。第1段階は農業や工業が優位になって生産力が高まり、第2段階は商業が発展し、最後に金融業が発展していくという具合です。この順番で発展して、崩壊するときも農業や工業が競争力を失い、商業がダメになって、最後に金融が残るという具合です。
    ・アメリカもこれまでのへゲモニー国家が発展・衰退した過程を同じようにたどっています。製造業の優位性はなくなり、金融業が最後の優位性を残すというふうに、現在はアメリカのへゲモニーは衰退期に入っています。
    ・我々はこの数百年の爆発的に成長する世界を当たり前だと思ってしまっていますし、成長しない「新しい時代」のモデルはまだ模索している段階なのです。現在の社会システムは成長を前提とした仕組みのままですから、例えば、おじいさん・おばあさんたちは、小さくなる「新しい時代」に合わせて、年金を少なくしてもいいとは言ってくれない。
    ・、成長できない世界を無理やり成長させようとしたり、無理なリターンを生み出そうとしたりして、社会が歪んできている。その結果、人々はこれで大丈夫なんだろうかと不安に襲われるのです。これが、我々が襲われている「不安の正体」なのです。
    ・株価が上がったから景気が良くなるわけではなくて、景気が良くなったから株価が上がるというものだし、インフレにしたから景気が良くなって需要が増えるわけではなく、本当は逆で、景気が良くなって需要が増えるからインフレになる。
    ・日銀が、国債の発行額のほとんどを買って、無理やり金利を下げて銀行が国債を買えないようにして、もっとリスクのる資産、株や不動産といったものを買わせるように仕向けていって、さらに日銀自身が株むどんどん買えば株価が上がるのは当たり前です。しかし、いつまでも買い続けることはできないため、どこかで買うのを止めたら国債や株価が下がってしまう可能性は高い。
    ・「定常型社会/定常型経済」とは活発に経済活動はしていても、規模は拡大しない社会や経済のことです。「新しい時代」とは、このような社会や経済に移行していくこと。
    ・江戸時代が他の世界と決定的に違うことは、支配階層が腐敗しなかったこと。それは儒学といった国を治める学問を取り入れ、儒学に優れた人を尊敬しその教えを乞うという政治社会制度が成立していたからです。その結果、世界でも稀な文治社会となったのです。支配階層が経済的な利益を優先しない教養主義だつたので、武士のほうが貧乏で民衆のほうが豊かだつたのです。このような教養主義の伝統や儒教的な道徳が戦前までずっと受け継がれていくため、日本はモラルの高い国だつたのです。それが、「定常型社会や経済」を行なうことができた重要な背景でもある。
    ・日本の当初の基本戦略は、有色人種のアジアが協カして白人の欧米の世界システムに対抗しなければ生き残れないし、日本は世界システムに取り込まれることなく残った唯一の有色人種の先進国だったので、日本がリーダーシップをとってアジア圏で白人の欧米列強に抵抗しようとししたのです戦後になってからの教育が、戦前をすべて否定する教育へと極端に偏った方向に行った結果です。さらに、この戦略はアジアの中で日本の序列が低かったためうまくいかなかった。中国がずっと世界でも最大の帝国だったため、中国は界で一番であるという、中華思想、があって、他の国はその下にあるという考えがあるのです。その序列からみると、中国が親分で、韓国・朝鮮は一番目の子分、べトナムが二番目の子分で、日本は最下層の子分。
    ・将来の繁栄を考えれば、社会が未来を背負う人たちに投資をしていかなければならないのは当然で、現状のようなお年寄りにばかりおカネを使うのではなく、機械に負けない人々を養成すべく教育におカネをかけていかなければダメなのです。しかし、政治家は選挙率の高いお年寄り向けの施策ばかりで、投票率の低い若者向けの施策は行わない。
    ・経済が成長しない新しい時代において我々は、量より質を求めていかなければいけないのです。量を増やして成長もすることを目指すのではなく、質を良くしていく、発展を目指すのが、経済が成長しない「定常型経済」にとって重要なことなのです。
    ・日本の製造業の強みも、「摺り合わせ型」といって、アナログ的なところにあります。これからの新しい時代は「量より質」なので、日本人が得意とするような質の高いアナログ技術が価値を持つ時代でもあるのです。
    ・第2次世界大戦後に覇権国となったアメリカは、自国文化を育てるために現代アートを生み出した。現代アートはアメリカに移民したユダヤ人が中心となって気づきあげた抽象的な絵画である。ユダヤ教は偶像崇拝を禁止しているため、もともと抽象画が得意でった。さらにキリスト教やイスラム教では、汗をかかずに利益を得ることは卑しいこととされているため、ユダヤ人だけが金融業などの市場関係の分野に進出できた。そしてアートにも市場を作り上げた。
    ・アメリカではユダヤ教とキリスト教の利害が一致して手を組んでいる。特にアメリカの原理主義的なキリスト教福音派とユダヤ教は親和性が高い。

  • これは非常に良書。

  • 読了。歴史の話は目から鱗であった。金融の話は、不安になった。経済がガタガタになると考えるとどうしようかと思考停止になる。たぶん自分だけ生き残ろうとしるとアウトなのだろう。

  • 2016.11.10

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