新版 社員をサーフィンに行かせよう パタゴニア経営のすべて

  • ダイヤモンド社 (2017年6月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784478069721

みんなの感想まとめ

自然との調和を重視し、社員の情熱を大切にする企業文化が描かれています。パタゴニアの理念や経営哲学は、単なるビジネスの枠を超え、消費文明への疑問を投げかけるものです。社員がアウトドア好きであり、自らの価...

感想・レビュー・書評

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  • パタゴニアという会社の理念がよく分かる本。また、アーティスティックな写真集のように、自然と融和したアクティビティの写真が多数掲載された素敵な本でもある。

    消費文明に中指を立てながら、しかし、消費主義に参加せざるを得ない葛藤。そんなカウンターカルチャーを根っこに持つ。ビジネスマンなんて、ちっとも誇れる仕事ではない。ビジネスは自然の敵であり、土着文化の破壊者であり、貧しい人々から奪ったものを裕福な人々に届け、工場排水で地球を汚してきた張本人だ、と述べる。

    しかし、同時に、食べ物を作り、病気を治し、生活の質を高めることができるのもビジネスだ。アンチ大企業。自然体。そして、ただただ自然を楽しみたい。そんな集団だという。

    パタゴニアの社員はアウトドア好きで情熱的であること、そういう価値観から生まれる。世界一のクライミング用具を作る鍛治屋。働くのは自由思想のクライマーやサーファーで、彼らの信条や心構え、そんな価値観からパタゴニアのカルチャーが生まれ、そのカルチャーからパタゴニアのイメージが生まれる。みずから使う人々によって作られた妥協のない製品、本物かつ高品質の製品。

    自分が使いたいものを売る会社は最強だ。

    欲深い消費社会に対し、本来の会社のあるべき姿を再確認できた気がする。

  • 社員の熱量があることはもちろんですが、理念に沿った熱量が大切で、それを製品にぶつけるからこそ消費者から指示されるのだと感じました。
    仕事こそ好きでやらないと勿体ないと思っているのですが、日本の場合はあまりそういう文化は根付いてません。苦行の一貫として扱われることが多く、悲しいなと思うことが多々あります。
    自分の好きなこと(仕事として)を夢中になってやれる、自社の製品・サービスを自分がまずは使いたくなるくらいにモノを作ることが結果として良い会社になるんじゃないかと感じました。

  • 言わずと知れたアウトドアの最強ブランド。
    その経営者の経営哲学がふんだんに書かれた本です。

    仕事とレジャーの融合が、
    どう社員の生産性に高めるのかという視点で、
    日本でも以前かなり話題になった。

    少なくない日本企業も、社員を遊ばせれば、
    より生産性が上がるのではないかと考えた。
    ただ、実際は、かなり表面的な「働き方改革」で終わった印象がある。

    表面的なモノを模倣して、
    自分達で、新たに作り変えるというのは、
    日本企業が得意とする所だが、そこからは、決して哲学は生まれない。
    よって、経営者と社員との「問題意識」の共有はできない。
    日本の労働生産性は、先進国ぶっちぎり最下位だが、
    経営者が、「どう人材を活用すれば、社員が幸せになり、会社の利益が上がるか」
    その哲学を持ち合わせていない。
    よって、経営者と社員との問題意識のずれが深刻化している。
    利益を上げて、人件費を下げるのが、この20年の日本のやり方だが、
    これは、企業の規模を上げるという、高度経済成長の論理と、全く変わらない。
    結果、現在、多くの日本企業の日本人社員のモチベーションは世界的にて、
    非常に低い。

    本当に大事なのは、経営者と社員との、
    「問題意識」の共有だと思います。
    このパタゴニアは、この問題意識の共有が深い所まで、経営者と融合している。
    その結果として、就業時間中に、サーフィンだと思う。

    この意味で、哲学なき、モノマネは、百害あって一利なし。

  • パタゴニアがますます好きになる。
    起業家精神について。それがなんたるか理解したければ、非行少年に学べ。
    階段を一段飛ばしで駆け上がってしまうほどわくわくしながら出社できるようでなければならないし、思い思いの服を着た仲間に囲まれて仕事したい。仕事時間は柔軟でなければならない。いい波が来たらサーフィンにいきたいし、パウダースノーが降ればスキーにいきたいし、子供が体調を崩したら家で看病してあげたいからだ。仕事と遊びと家族の境目は曖昧にしていきたい。

    2017. 9.30

  • パタゴニアについてはアンチだったが、一気に好きになった。すばらしいブランディング。気持ちよく働けるだろうな。
    実際の商品でももう少し頑張って欲しい。

  • 「排出量を8%から10%にしないと、世界が...4℃上がり、海面が上昇して...国が滅びて人が亡くなる」
    「知っていても行動しなければ知らないに等しい」
    「生きていくに必要なものは10〜15%にすぎず、消費支出の85〜90%は質を高めるもの」
    「一手間には十分の価値がある」
    「道具にお金をかけない。そんなお金があつわたら航空券を買いなさい。」
    〜経営方針〜
    「アウトドア好きで情熱的であること」
    「生きることの達人は仕事と遊びをはっきり分けたりしない。労働時間と余暇、心と体、勉強と娯楽をはっきり分けたりしない。どちらと特に意識さえしない。なにをするにせよ、ただ最高を目指し、それが仕事だと思われようが遊びだと思われようが気にしない。渾然の一体だと思っているのだ。」
    「仕事に特別待遇を欲しがる"スター"はいらない。協働が1番だと思うし、協調的な人を尊び、注目を集めたがる人に厳しいのがパタゴニアカルチャーだからだ」
    「"社員をサーフィンに行かせる"フレックスタイム制度。働きやすさを求める。ちなみなこの制度を悪用したりする人はほとんどいない。」
    「働きやすさのため託児所を会社に」
    「パタゴニアの託児所では高いところにはどんどん登れ、落ちてすりむいても気にするなと教えている。その結果幼稚園に入る頃には、自信も礼儀もクラス1だと言われる子どもになっていることが多い。」
    「指示待ち人間はいらない。欲しいのは、おかしいと思ったら声を上げる人材だ。」
    「生き残るのは強い種でもなければ賢い種でもない。変化に即応できる種だ」
    「最高の管理職とは、普段、机にいないのに、探そうと思えばすぐに見つけられて相談できる人ではないか」
    「成長するきはみずからを追い込み続ける必要がある」
    「生まれ変わろうとしないのは死ぬに等しい」
    「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える」
    「最後に勝つのは自然だ」

  • アウトドアウェアで有名なパタゴニアについて知ることができた。
    仕事に対して「本当の意味での持続可能」という新しい考えを知ることができた。
    今後仕事をする上でとても大切な新しい価値観である。


    本のタイトルから「いつでもサーフィンに行けるすごいフレックスな自由な会社」かと思い本をアマゾンの欲しいものリストに入れた。
    それから1年以上経過し、パタゴニアがとてもエコな企業ということをどこかで知り、本を買って読んでみようと思った。

    本を読むまでは、パタゴニアはただのおしゃれアウトドアウェアブランドだと思っていた。
    しかし、本を読んだ、後はパタゴニアは他のアウトドアウェアブランドと違い素材やフェアトレードの面から本当に持続可能な商品を売る企業ということが分かった。

    例えばシャツはオーガニックコットンで作っており、そのオーガニックコットン自体も環境負荷が少ない製法で飼育されたものである。値段は高くなるが、本当の意味での持続可能な商品を提供することにつながる。


    電気自動車は電力で動くため、持続可能な乗り物として注目されている。私は今自動車会社で電気自動車を開発している。この本を読んで電気自動車が本当に持続可能な乗り物なのかを自分の中で考え直す機会になった。
    そして、その電気自動車を開発することが自分の仕事として正しいのかを考えている。
    確かに電気自動車は太陽光エネルギーで動くと化石燃料を使わず、環境負荷が少ないと世間では考えられている。
    しかし、製造面では様々なレアメタルを使ったり、採掘などを考えると環境負荷がとても高いとおもう。レアメタルの採掘もフェアトレードなものでないかもしれない。それは本当の意味での持続可能な。乗り物ではないと自分は思った。
    また、どの自動車会社も増産増益を掲げており、車をより多く作り続けること、それは地球に負荷をかけ続けることにもつながる。それは本当に持続可能なのか疑問を持つようになった。

    自分は自動車が好きでみんなに移動できる楽しみを提供したいと思っている。
    さらに自分は、ボーイスカウトをしており、自然が好きだ。
    しかし、自動車会社でたくさんの自動車を作ることは環境負荷が高く、自分が大好きな自然を痛めつけることもつながる。

    パタゴニアも自然が好きな創業者が環境負荷を少なく持続可能な形でみんなに価値を提供しようと考えている。

    自動車が好きだから自動車会社に勤めるのではなく、自然と自動車が好きだから、他の仕事も考えないといけないかなと思った。

    例えば、自分は今後車を作るのではなく、カーシェアのサービスを提供し、地球への負荷を少なくしながらみんなに移動できる楽しみを提供できるような仕事をしたいなと思った。

    この本を読んで、本当に100年後もできる事業なのかが今後大切な価値観になると思った。
    どの企業も今カーボンニュートラルや環境負荷を下げることに注目している。
    しかしパタゴニアにならって本当の意味での持続可能な事業をしないといけないと思った。



  • CSRごっこではない本気の環境経営とはなにかをパタゴニア社の創業者が語る。これほど素晴らしい会社だと知らなかった。

  • イヴォン・シュイナードが好きだ。
    アイスクライミングもシンプルフライフィッシングも読んだ。
    でも経営者(?)としてのイヴォンについてはあまり良く知りませんでした。
    パタゴニアの成り立ちからそのビジョンまで、芯のある行動と想いは全国のパタゴニア店舗にまで届いていると感じます。
    今度パタゴニアに行ってみよう、そう思えるような良い本でした。
    巷に溢れている自己啓発本や経営者向けの本を読むよりよっぽど良いんじゃないかと思います。
    強い思想ゆえ、あまり感心出来ない噂も昔は耳にしましたし、この本を店舗で買った時もレジでスタッフさんが急に語られ驚きはしましたが何となくその理由が分かりました。
    私も農的暮らしを目指していますが、『消費者』にならないように心掛けようと思いました。

  • 「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最大限に抑える。そしてビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」

    ・簡素を極める程大きな成果が得られることを私は禅から学んだ
    ・周囲(自然)と一体化しどれほど遠くでも感じられるほど感覚が研ぎ澄まされると、これほどの満足はかつてないと思うほど満ち足りた気分になる
    ・鍛冶場の切り盛りと布物の商売は大きく違うと我々は痛い思いをして学んだ
    ・毎日楽しく仕事をするということ。階段を一段飛ばしで駆け上がってしまうほどワクワクしながら出社。思い思いの服を着た仲間に囲まれて仕事をしたい。はだしのやつがいてもいい。仕事時間は柔軟でなければならない。いい波が来たらサーフィンに行きたいし、パウダースノーが降ればスキーに行きたい。子供が体調を崩したら家で看病してあげたいからだ。仕事と遊びと家族の境目は曖昧にしておきたい。
    ・会社には外に出て世間の温度を体感してくる人間が必要だ
    ・マークは二つの教訓を教えてくれた。草の根活動で成果を上げられること。傷ん生息域も努力次第で回復できること
    ・再生紙に転換した結果、初年度だけで350万キロワット時の電力と、2万3000キロリットル近い水を節約することができた
    ・私は幹部を10人程アルゼンチンに連れて行き、本物のパタゴニアを風の吹きさすぶ山々を歩き回った。そして荒野を歩きながらなぜビジネスをしているのか、パタゴニアをどういう会社にしたいのか検討した。
    ・100年先もパタゴニアという会社が存在していることを前提に物事を決めるようにしなければならない
    ・楽しみの種類はいままでと違うはず。片目をちょっと違う方へ向け、頭を少し垂らしつつ、楽しむことになるはず
    ・成長は我々がオーガニックな成長と呼ぶレベルに抑えている
    ・「最高のものを作る」は難しい目標だ。最高クラスでもなければその価格における最高でもない。最高のものを作るは最高のものを作るだ。
    ・私に言わせれば、そこまで取扱いに気を付けなければいけないシャツは価値が低い。扱いやすさは大事なポイント。とにかくデザイン責任者と私で品質に対する考えがここまで違うのであれば、まずはとことん話し合い、パタゴニアにとっての品質基準を確立しなければならないだろう
    ・買うときは少なく賢く買う。
    ・所有者は買ったものに対して責任を負う。きちんと洗う、直す、使いまわす、分け合うなどとする。
    ・選択肢が多すぎると人は不幸になる
    ・特徴的で質が良いため競合品がないーそんな製品を作って売る方が良い
    ・何を持って最高というのかを製品ごとにはっきりさせている
    ・課題に立ち向かう際は美しさのことなど考えもしない。考えるのはどう解決するかのみだ。だが最後に到達した答えが美しくなければ、まちがえなく何か失敗している。
    ・我々のウエアを真に必要としている顧客ターゲット
    ・発明ではなく発見すること。発明などしている暇はない。
    ・全体が有機的に結び付き、機能するサプライチェーンにしなければならない
    ・最高であろうとするとき、どこかの段階で苦労するものだ。であれば最初の段階で済ませてしまう方がよい
    ・パタゴニアのストーリーが歪んで伝わることのないようにするにはどうしたらよいだろうか
    ・パタゴニアのイメージは人の声である。世界を愛する人々、信じるものに情熱を燃やす人々、未来をつくろうとする人々の喜びを表す声がパタゴニアイメージ。加工などしないし人間臭さを抑えたりもしない。だから人を不愉快にさせることもあるし、鼓舞させることもある。
    ・イメージは管理しなければならない
    ・カタログでストーリーを語り、それを顧客に読んでもらうことを基本としている
    ・カタログの目的は我々が奨励する人生哲学を訴えること。イメージを支えている哲学を訴えることだ。具体的には環境に対する心からの感謝と環境危機の解決に貢献したいという強い想いである。自然界に対する深い愛情である。権力に対する健全な懐疑心である。訓練によって熟達しなければできない自分の力が頼りの難しいスポーツに対する愛情である・・・
    ・カタログはシーズンごとに発行する聖典である。ストーリーを語る媒体はウェブサイトから品質表示タグ、店舗ディスプレイ、動画に至るまですべてカタログを基礎として作る。
    ・写真はパタゴニアらしい瞬間を使う。さびれたシボレーのボンネットに食べ物を広げて岩登りの前の腹ごしらえをするクライマー・・・
    ・文言で大事にしているのは正確性
    ・語りかける相手は、いわゆる世間ではなく、1人ひとりの顧客
    ・パタゴニアの広報戦略はかなり積極的。報道してもらえると思う点があれば積極的に売り込む。
    ・PIMSで事業の成功と最も相関が高いのは価格ではなく品質
    ・パタゴニアは大きな会社になりたいと思っていない。なりたいのは優良企業。
    ・Bラボ
    ・パタゴニアの製品が大好きでよく買う人にこそパタゴニアで働いて欲しい
    ・問題解決は4~7人が最適
    ・土地の境界に設けられた柵は理念の柵でもある
    ・地球は人間のためのみに存在するのではない。人間の命は地球上で生きる様々な生命のひとつにすぎず、他の命を押しのけて現生地に手を入れる権利などはない
    ・資金力もついて影響力が高まっていることから、影響力を行使しやすい部分において、全てを他人任せにするのは無責任であり自分たちも手を動かしたり戦略的提携を模索するべき
    ・ダムネーション
    ・1%フォーザプラネット
    ・善行をなす力も資源もチャンスも揃っているのに何もしないのは悪行といってもいだろう
    ・有限なこの星で生きていくには消費を減らさなければならない

  • patagoniaのダウンジャケットは軽くて温かく、生地も丈夫でかれこれ10年ほど愛用している。本書を読み、私が持つダウンジャケット一着に、どれほどの思いが込められているのかを知った。経営理念にも感銘を受け、ますますpatagoniaのファンになった。我々消費者に対して、「自社の製品も含め服を買うな、良いものを選択して長く使え」という内容を広告にする企業はpatagoniaをおいて他にいるのだろうか。資源には限りがあり、余計なものを買わないことで、節約できるだけでなく地球環境を守ることにも繋がるのだと、イヴォン・シュイナード氏は述べる。私がこれまで生きてきた中で、本当に大切にして長く着た服は何着で、意味もなく買っては捨てた服は何着になるのだろうか。考えるだけで過去の自分の行いが恥ずかしい。今後無駄な消費を控えようと決心するよいきっかけになった。

  • 信じることを自分なりに進めてきたら連続的にいまの姿に至ってきたということのよう。それって素敵だなとまず思った。

    前半で印象に残ったのは、
    ○いい波がきたらサーフィンに行く、あるいは子の体調が悪ければ看病するというように、仕事と生活の垣根をゆるくするというマインド(これこそ働き方改革だよなぁ)、
    ○Management by Absence(MBA):外から刺激をえてくるというトップの在り方、
    ○事業を広げすぎて失敗するという経験を踏まえてこその学び(挫折あってこそ)、といったところ。

    後半は経営理念等が語られる。
    ○理念は規則ではなく指針(いろんな領域に共通して適用されうるもの)。それを社員ひとりひとりに伝えるべき。
    ○「最高の」物を作る。シンプルの極致、修理可能性、美しいか、等々。
    ○虚栄心や物欲や罪悪感に訴えるのでなく、事実と理念に基づいてPRする。時には「このジャケットを買わないで」とまで広告する。
    ○アウトドアを愉しむ人こそここで働くべき。働きやすさと多様性は大事。
    …そういったことに加えて、「地球環境」は一番思いが強く、重要視しているうえに異質。
    「行動していれば憂鬱にならずにすむ」とも書いていた。なるほどとも思ったが、そういうことなのか?とも思った。

    いずれにせよ、指針みたいなことを示すのは大事。

    また、皆伐や林道造成により土砂が川を埋めるという指摘は、一考に値する。

  • 掲げているものがデカすぎる。こんなんどこもパタゴニアに勝てるわけがない。
    と思わされるほどの、惑星サイズでバカデカい理念の神髄を知ることができました。
    わたしは別段パタゴニアファンでもなく、読むまでは「なんか環境のことを考えているアメリカのアウトドアブランドらしい」くらいの認識でした。
    それが読後は、もうパタゴニア以外勝たん状態。
    本著の構成としては、前半が著者イヴォン・シュナイダードとパタゴニアの歴史を、後半は制度や会社設計的などの理念を紹介しています。
    前半の歴史ももちろんおもしろかったですが、特に後半が良かったです。
    ぐうの音が出ないほどの正論で、現代人が目を背けている地球規模の課題に組織として立ち向かっていく様子には背筋を伸ばされます。
    ここまで読むと単純なわたしは「パタゴニア好き!パタゴニアの服を着たい!」となるわけですが、イヴォンはそれすらも「一番いいのは不必要なものを買わないことであり、二番目にいいのは中古を買うことである」と喝破します。
    あまりにも目から鱗で全人類読むべきと思うほどの名著であると思いました。

  • ブックオフ 945円

  • パタゴニア経営にはいつも素晴らしいお手本がある。アメリカ西海岸に住んでサーフィン文化、ヒッピー文化を深く理解するとさらにそれが実感を持ってわかってきた。

  • ●サマリ: パタゴニアの創業者イシュナードが、ロッククライミングで起こした会社がベース。そこから自然と調和することを考え始めて、ビジネスを通じて環境問題に警鐘を鳴らそうとした。その中で見える彼のやり切る姿は指針になる。印象的なのは下記。
      ・品質をコストより優先。長く使うことで環境貢献
      ・直営店は環境視点から既存の家屋を改修。
      ・優秀な人が自分を犠牲にせず長く働ける。目先の利益ではなく、長期的な関係のための福利厚生。
      ・マーケティングが伝えるメッセージ。15秒cmではなく自社カタログで、ストーリーを持って企業の意味、製品の意図を伝える。

    ●自分の会社なら: 福利厚生は頑張ってる。全部署までとは言わないが。ただ成熟した産業だからか、みんな疲れてる感じはある。次はこうしようではなく、追いつかれない為どうしようか、と迷う姿。あとは会社が大きくなりすぎてトップのメッセージが一般社員はまだしも課長層まで伝わらない。

  • patagoniaの歴史から理念まで全てがわかるのが本書。やはり理念が根本にあって、理念に即した経営を続けることが、人気の理由なのだろう。

  • 伝染する情熱 
    最後に勝つのは自然だ

  •  …私の役目は、社外に出て、新しいアイデアを持ち帰ることだったと言える。会社には、外に出て世間の温度を体感してくる人間が必要だ。だから、私は、新製品や新市場、新素材などのアイデアを見つけてはわくわくしながら帰社していたわけだ。ところがそのうち、世界がすごい勢いで変わっていくのを見るようになり、帰社すると環境や社会の荒廃について語ることが増えていく。


     我が社も資源や能力の限界を超えていた。世界経済と同じように、持続可能な成長に頼ってしまっていたのだ。だが、問題がなくなることを祈って目をそらすなど、小さな会社に許されない。優先順位を再検討し、新たな方針を定めなければならない。ビジネスの進め方を根底から考えなおさなければならない。
     私は、幹部を10人ほどアルゼンチンに連れて行き、本物のパタゴニアを、風の吹きすさぶ山々を歩きまわった。そして、荒野を歩きながら、なぜビジネスをしているのか、パタゴニアをどういう会社にしたいのかを検討した。10億ドル企業になるのもいいだろう。だが、誇れない製品を作らなければならないのでは意味などない。我々が一企業として環境にもたらしている悪影響を抑えるにはどうすればいいのかも検討した。我々が持つ共通の価値観についても話し合ったし、パタゴニアにどういうカルチャーがあるから、みんな他社ではなくパタゴニアに来たのかについても話し合った。
     帰国後、我々は初めて取締役会を招集することにした。メンバーは信頼できる友人や専門家である。そのなかに、作家であり、熱心な環境保護論者でもあるジェリー・マンダーがいた。あるとき、我が社の価値とミッション・ステートメントをうまく言葉にできずにいると、昼食休憩でジェリーが姿を消し、完璧な文章を手に戻ってきた。
     我々は、無軌道な成長により、それまで会社に成功をもたらしてくれた価値観が危うくなっていると感じていた。この価値観は、これさえあれば大丈夫というハウツーものの業務規定に書けるものではない。常に適切な問いを発し、適切な解答を得られる哲学的な指針、感覚的にぴんと来る指針が必要だ。我々は、これを「理念」と呼び、部門や職務ごとにひとつを掲げることにした。
     あの日、ジェリー・マンダーが取締役会に示した文章が次のコラムである。
    ===
     大前提として、地球上の生命が危機の時代に直面しており、そのような時代であることから、今後は、生き残れるか否かが社会的に注目されるようになっていくと我々は考える。生き残れるか否かが問題にならなかったとしても、我々人間が体験する生活の質は問題になるはずだし、生物多様性や文化的多様性、生命を維持する地球の力が失われつつあるなど、自然界の悪化も問題になるはずだ。
     このような状況にいたった根本原因は、企業社会の価値観など、我々の経済体制を支える価値基準にある問題となる企業価値としては、まず、拡大と短期利益を最優先とし、品質、持続可能性、環境および人類の健全性、地域社会の状態などを軽んじる姿勢が挙げられる。
     当社は、このような点を的確に認識し、企業価値の優先順位を適切に調整するとともに、人類と環境、両方の状態を改善可能な製品を作っていける経営を基本的な目標とする。
     このような変革を実現するため、我々は、今後、以下に掲げる価値を基準に経営の意思決定を行っていく。項目は重要なものから並べてあるわけではない。どの項目も重要度に違いはなく、総体として、環境および社会が直面している危機を和らげるため、経済活動において重視しなければならない価値観の「生態系」を構成するものである。
    ・当社における意思決定は、すべて、環境危機という文脈で行う。害悪をもたらさぬよう、できるかぎりの努力をすること。可能な場合には必ず、問題を減じる行動を選ぶ。改善は果てしなく続けるものであり、みずからの活動について評価や評価をくり返さなければならない。
    ・一番注意すべきなのは製品の品質である。ここで高品質の製品とは、耐久性が高く、天然資源(原材料、エネルギー、輸送など)をあまり消費せず、多機能で飽きがこない、用途に適していることから生まれる機能美があるものを指す。うつろいゆく流行は、我々が企業価値とするものでない。
    ・取締役会も経営陣も、健全な地域社会が持続可能な環境の一部であると考える。さらに、我々は地域社会の一部であるとも考える。すなわち、地域社会とは当社社員を含むものであり、また、仕入先や顧客をも含むものである。我々はこれらの関係すべてに責任を持つと自覚し、全体の利益を念頭に意思決定を行う。社員の雇用については、文化や人種による差別を避けつつ、基本的価値観が当社と同じ人物を採用していくものする。
    ・最優先とはしないが、企業活動においては利益を追求する。ただし、成長および拡大は当社の本質的価値に含まれない。
    ・事業活動が環境に与える負の影響を削減するため、我々は、総売上高の1%あるいは税引き前利益の10%のどちらか大きいほうを税金としてみずからに課す。本税の収益はすべて、元の地域社会と環境活動に寄付する。
    ・取締役会から経営陣、社員にいたる全社において、パタゴニアは、会社の価値を反映する意欲的な活動を推奨する。具体的には、他社が価値観や行動を見直すよう、企業社会に影響を与える活動や、環境や社会が直面する危機を解決しようと草の根活動や全国キャンペーンを展開する者を行動面や財政面において支援する活動などが考えられる。
    ・社内について言えば、まず、経営幹部は一体となり、透明性を高く保つものとする。 その一環として、「オープンブック」制により、プライバシーや「業務上の秘密」を侵さない範囲で意思決定の詳細を社員が知れるようにする。どのレベルの業務であっても、ざっくばらんな意見交換、協力的な雰囲気、できるかぎりの簡素化をうながすとともに、活力や革新性も求めていく。

     会社は、1991年、意外なほどすばやく生まれかわった。たちまちのうちに焦点が定まり、地に足のついた会社となったのだ。その結果、成長は持続可能なレベルになった。お金は慎重に使うようになったし、よく考えて経営するようになった。そして、3年間、管理職の大幅削減、在庫管理の一元化、販売経路の集中管理化を進めた。この変革を実現できたのは、理念を明文化したことセミナーでパタゴニアのカルチャーを共有したからだ。一説によると、優れた投資家や銀行家は、成長企業のことなど、大きな危機をひとつ乗りこえるまで信用しないらしい。この話が本当なら、我々も、ようやく信用してもらえる段階に到達したことになる。
     カミ博士の助言には従わなかったが、それでよかったと思っている。あのとき会社を売り、得た資金を株式市場に投資していたら、2008年の株価暴落でほとんどを失い、環境保護活動に寄付する資金などたいして残らなかったはずだ。ビジネスを続けていなければ、苦労のすえ、持続不可能な成長をめざしているという点でパタゴニアと産業経済全体がよく似ていると気づくこともなかったはずだ。


    ■我々の考える理念とは
     ここで言う「理念」とは、我々の価値観をパタゴニアの各部門に適用できる形で表現したものである。具体的には製品デザイン、製造、販売・流通、マーケティング、財務会計、人材活用、経営指針、地球環境についての理念があり、ウェアのデザインから製造、販売にいたるプロセスをパタゴニアがうまく実現できるように書かれている。だが、ほかの事業にも応用できるはずだ。実際、建物の設計や建築について、我々は、ウェアデザインの理念を流用していたりする。
     事業環境がどんどん変化していくというのに、なぜ理念を文書にして留め置くのだろうか。インターネット市場が広がっていく、NAFTAやGATTといった自由貿易制度の影響が大きくなる、技術革新でデザインや製造が大きく変わる、社員がどんどん入れ替わり、その構成も変化していく、顧客の好みやライフスタイルも移ろっていく――そのなかで、どうやってパタゴニアは理念を守っていくのか。
     その答えは「我々の理念は規則ではなく指針である」だ。 進め方の基本となるものであり、理念は「石のように変わらない」が、その適用方法は状況次第で変わる。具体的なやり方は変わっていくかもしれないが、会社の価値観やカルチャー、理念はいつまでも変わらない。長く続く事業というのはそういうものだ。
     パタゴニアでは、この理念を社員一人ひとりに伝えるようにしている。だから、全員、選ぶべき道がわかっており、上司の指示を待つことなく、自分で判断することができる。
     同じ価値観を持ち、各部門の理念を知っているから、我々はひとつにまとまることができる。効率を高めることもできるし、コミュニケーション不足から混乱を生む愚を避けることもできる。
     この10年間にも失敗はいろいろとあったが、道を見失って、ただぼうぜんと時を過ごすことはなかった。我々には理念があるからだ。これはおおまかな地図のようなもの。山の世界とは異なり、前触れらしい前触れもなく地形がどんどん変化するビジネスの世界において、ただひとつ、頼りにできるものである。

    1.製品デザインー常に最高を目指す
    ・機能的であるか
    ・多機能であるか
    ・耐久性は高いか
    ・修理可能性
    ・顧客の体にフィットするか
    ・シンプルの極致か
    ・製品ラインアップはシンプルか
    ・革新なのか、発明なのか
    ・デザインはグローバルか
    ・手入れや洗濯は簡単か
    ・付加価値はあるか
    ・本物であるか
    ・美しいか
    ・流行を追っているだけではないか
    ・柱となる顧客を念頭にデザインしているか
    ・不必要な悪影響をもたらしていないか

    2.製造ーコストより品質を優先する
    3.販売・流通ー顧客と関係を結ぶ
    4.マーケティングーメッセージを伝える
     パタゴニアのイメージは、その創業者や社員がアウトドア好きであること、情熱的であること、そういう価値観から生まれる。実践的で明快に説明できるものもあるが、定型化はできない。それどころか、本物であることがイメージを支えているわけで、定型化したら台なしになってしまう。そもそも、パタゴニアが本物だと感じられるのは、イメージの構築など気にしていないからだったりする。公式なしでイメージを維持するには、そのイメージに恥じない行動を続けるしかない。つまり、我々がどういう人間でなにを信じているのかがそのまま現れているのが我々のイメージなのだ。なにがイメージの中核をなすのだろうか。我々は世間にどう見られているのだろうか。まず、なんといっても、世界一のクライミング用具を作る鍛冶屋という原点だろう。そこで働いていたのは自分を頼みとする自由思想のクライマーやサーファーで、彼らの信条や心構え、価値観からパタゴニアのカルチャーが生まれ、そのカルチャーからパタゴニアのイメージが生まれた。みずから使う人々によって作られた妥協のない製品、本物かつ高品質の製品というイメージが。
    5.財務会計ー利益を目的としない
    6.人材活用ー働きやすさを重視する
    7.経営方針ー価値観を共有し挑戦する
    8.地球環境ー企業として責任を全うする
    →6つの環境理念
    ①よく吟味して暮らす
    ②自分自身の行動を正す
    ③罪を償う
    ④市民が主役の民主主義を後押しする
    ⑤善行をなす
    ⑥他社を動かす

  • パタゴニア創業者がなにを大切にして事業をしているかの自著

    持続可能性という意味について理解が深まる一冊

    非公開企業だからこそできることもあるけど、本質的には資本主義とのジレンマなのかもしれない。

    一国をあげて取り組まないと難しい問題であることがわかったし、いつか地球がなくなってしまうことに誰が責任を持って取り組むのか。

    資本主義であがったひとたちの協力やオーナーシップが重要

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