流通業のための数字に強くなる本 チェーンストアの計数管理

  • ダイヤモンドフリードマン社 (2011年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784478090183

みんなの感想まとめ

数字に基づく説得力が際立つ本書は、チェーンストア経営の実態を大まかに把握できる内容です。著者の渥美氏は、業界の専門家として、特に小売業界における重要なKPIを明確に示し、それぞれの数値が持つ意味や変動...

感想・レビュー・書評

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  • 4. 数字は正直だ。嘘をつかない。「多い」「少ない」とか、「良い」「悪い」といった漠然とした表現ではなく、どのくらい多いのか少ないのか、どの程度良いのか悪いのかという評価が数値の大小によって示される

    15. 流通業で経営効率を上げるためには、各店舗や部門ごとに改善や改革を進めていくことが求められる

    16. 資金繰り表は、経常収支と経常外収支から成る

    16. 「資金繰り表を週単位で作成し、その推移を見続け、予測と異なる兆しが表れた場合は、すぐにトップにその情報を報告できる幹部を養成するように」

    16. マネジメントは「数字を計画したとおりに変化または安定させられる技術、そして機会損失を最小にする技術」

    20. ROA(return on assets)、総資本経常利益率。
    計算式:年経常利益高÷総資本×100
    あるべき数値:必ず10%超え株式公開企業15%、未上場18〜22%

    20. 総資本回転率(回)
    計算式:年営業収入÷総資本
    小売業2.5、FS業1.5回転突破すること

    20. 営業収入経常利益率(%)
    計算式:年経常利益高÷年営業収入×100
    営業利益率を上回ること

    20. 営業収入営業利益率(%)
    年営業利益高÷年営業収入×100
    粗利益率の20%を下回らないこと

    20. 坪当たり営業利益高(万円)
    当期営業利益高÷年間平均総売場面積(坪)※フード・サービス業は店舗面積
    15万円以上(少なくとも10万円以上)

    20. 損益分岐点売上高比率(%)
    固定費÷{1-(変動費÷総売上高)}÷総売上高×100
    70%台、まず80%へ

    23. 総合店の収益性が低い原因は、部門単位で赤字を黒字に転換させる行動がとられていないだけである

    24. ROAを上げたければ、総資本回転率と営業収入経常利益率のどちらかの数値を少しでも上げればいいということになる

    24. 多くの人が関われば関わるほど、そして会議の回数が増えれば増えるほど、多種多様な考え、意見が交錯し、具体的な対応策が決まらず、いつのまにか効率数値に関する責任が曖昧になってしまう。

    29. 総合店では日本型のスーパーストアとホームセンターのROAの数値が非常に悪い。平均で2〜3%台である。
    次に悪い数値となっているのが、ホームセンターグループのハードグッズ主力の6社で3.2%、家庭用品主力の13社で3.6%。
    フードサービスは、かろうじてコーヒールームが合格、レストランの平均が6.5%、居酒屋の平均が7.2%

    30. 損益分岐点の売上高比率のあるべき数字は70%台であるが、まずは80%にすることが目標といえる。損益分岐点売上高比率が90%を超えると、非常にリスクの高い企業とみなされる

    30. 坪当たり営業利益高の経営効率は、当期営業利益高を年間平均総売場面積(坪)で除した数値だ。あるべき数値は10万円以上、目標は15万円以上とすべきである

    31. ROE(Return On Equity)、当期純利益高を自己資本で除して求めた数値(%)

    33. 百貨店を代表するKohl'sの営業利益率は9.9%であり、Nordstromは9.8%。日本のイオン、イトーヨーカドー、ユニーなど日本型スーパーストアの営業利益率平均が本体でなんと1.6%、連結で2.9%7しかない

    36. ウォールマートの粗利益率は24.7%、日本型スーパーストア11社平均が24.4%、日本のスーパーマーケット39社の平均が23.8%なので、粗利益率はほぼ同じである。その答えは、アメリカ大手チェーンの経費率の低さにある。

    38. 経費率の低い企業、ニトリ、西松屋チェーン、ファーストリテイリング、ケーズHD、ゼビオ

    39. ビッグ・ストアづくりや、多店化を推し進めるチェーンストアづくりの基本は、できるだけ低い投資額で高い売上高をあげることだ。そのためには、すべての物件について、投資額の何倍の年商を確保できたかという投資効果を正確に把握しなければならない。その指標となる経営効率が総資本回転率。年営業収入÷総資本。
    あるべき数値は、小売業で2.5回以上、フード・サービスで1.5回以上突破することが目標だ

    40. 総合店が出店する場合は、保証金なしで、敷金もせいぜい2〜3ヶ月分というのが相場だ。賃貸マンションなどと同じで、1ヶ月の賃料が基準数値となっている。総合店のリース料の相場は、契約面積1坪あたり1万円未満と言われている。
    一方、専門店やフード・サービスが出店する場合な、小型店舗が多いため、保証金を支払うかたちの出店が多い。現在の相場は、坪20万円だが、このところ経済情勢を反映して坪10万円という保証金の額も多くなっている

    41. 「エキナカ」と「エキビル」の保証金は、坪300万円を超える

    43. リース料の契約が上手いと言われるチェーン企業は、1坪あたり月3,000円とな4,000円という低い金額で契約を結んでいる

    44. サバーバン地域とは、新しく開発された住宅地帯(suburbs)。郊外ではなくて、古くからある市街地から20〜30キロメートル外側に急速に住宅が建設され人口が増えつつある地域をいう

    44. 「一部は所有すべし」。新店10店につき、土地と建物すべて所有する店舗が1店、土地と建物の一部所有が同じく1店、建物のみ所有が2店、残りの6店はすべて土地と建物ともにリースにする。
    このうち土地を所有した物件は、5年後に少なくとも地価が3割以上の上昇、できれば2倍以上になることが望ましい

    45. 新店の赤字はどれくらいの期間まで許容できるかという相談をよく受ける。
    新規開業費と本部費を除いて月間損益が、13ヶ月目に黒字化する、つまり、1年間が許容期間で、それを超えたら黒字にならなければならない。
    本部費を加えた場合は、25ヶ月目、すなわち2年過ぎた時点での黒字化である。
    総資本経常利益率が10%を超えるのは37ヶ月目を目指すべきだ。少なくとも3年を過ぎたら、必ず10%を超えなければならない

    45. 設備償却は、土地以外の全投資額は5年以内に実質償却できるようにする。
    加工機械や運搬機器については3年を実質償却と考えている。その理由は、これらの機器は、つねに改良や開発が進められていて、3年も過ぎると新型が登場きているからである

    46. 欧米のチェーンストアの現場管理職が使っている経営効率は次の4項目である
    ①単位面積当たりの営業利益高
    ②単位面積当たりの経費高
    ③単位面積当たりの粗利益高
    ④単位面積当たりの売上高

    46.坪あたりの営業利益高は坪あたりの粗利益高から坪あたりの経費=営業費(宣伝費などの販売費と、人件費や水道光熱費等の一般管理費)を差し引いた金額である
    あるべき数値は10万円以上、努力目標は15万円である。1坪あたりの営業利益高が7万円ならば、第一目標としてプラス3万円の10万円を超えることを目指す。最終目標はプラス8万円の15万円突破である

    54. 「分配率」。粗利益高に占める利潤や経費の割合(%)のこと。分配率のうち、粗利益高の年経常利益高の割合を利潤分配率といい、経費の割合を経費分配率という。経理分配率はさらに4つに分けて考える
    ①労働分配率(人件費)
    ②不動産費分配率(不動産・設備費)
    ③販促分配率(販売販促費)
    ④管理分配率(その他一般管理費)

    55. 最も重要すべき分配率は利益分配率。年経常利益高÷粗利益高(年売上総利益高)×100。あるべき数値は20%。経費分配率の合計のあるべき数値は80%ということができる。
    利益配分率が9%を割っているようなら、経費が多過ぎて極めて危険な状態に陥っている

    56. 利益配分率は、その数値が大き過ぎても、小さすぎてもいけない。あるべき数値を維持することがポイント

    62. 労働分配率のあるべき数値は、粗利益高の38%。この数値が42%を超えると危険域

    68. 不動産費(設備)分配率のあるべき数値は18%である。許容範囲は15%〜26%。この数値が30%を超えると危険水域

    69. しまむらは、売場販売効率が低い立地に出店する一方、効率的な作業システムを構築している。つまり少ない粗利益高で高い営業利益率を出す企業なのだ

    75. 販促分配率のあるべき数値は6%。この数値を超える場合は、チェーンストア経営の経験法則から見て、販促費が多いと判断する

    82. なぜ資金繰りの悪化が生まれるのか。原因は二つある。
    第一は、自己資金不足。その指標となるのが、自己資本構成比率だ。自己資本÷総資本×100の数値(%)。基準は最低でも20%などと言われてきたが、流通業でビッグストアを目指すのであれば、30%以上は必要である。成長企業は、ほとんどが40%を確保している

    84. 上場には5億円用意しなければならない

    86. インタレスト・カバレッジ。年間(営業利益+受取利息+受取配当)÷(支払い利息+社債利息)。あるべき数値(倍)は20から80の間である
    この数値が10前後になると、経営者はその日の売上高が常時気になって仕方ない。5未満は、世間でよく言う台所は火の車だ。

    88. 変動費→売上原価、パート給料、賞与、接待交際費、広告宣伝費、包装費、荷造費、売上歩合家賃、配送費、外注加工費
    固定費→役員報酬、正社員給料、休日超過手当、
    旅費交通費、修繕費、減価償却費、研究費、水道光熱費、燃料費、雑費、租税公課(固定資産税、印税費、事業費、保守委託費など)、求人費、地代・家賃、什器備品リース料、寄付金、保険料、厚生費、消耗品費、通信費、諸会費

    91. 商品回転率(回)。年売上原価÷年間平均原価棚卸額(原価棚卸額=商品+材料+仕掛品)
    日本型スーパーストアでは商品回転率が13.1回、販売資産回転率は10.6回である。スーパーマーケットは商品回転率が28.2回で、販売資産回転率が24.5回である。

    95. 支払サイトを延ばすことができれば支払回転数が小さくなり、回転差資金を増やすことができる

    103. 人時生産性とは、従業員1人当たり1時間当たりの粗利益高(売上総利益高)のこと

    107. SKU(Stock keeping unit)

    120. 30年ほど前に「流通革新」という言葉が登場したころ、急速ない成長やや見せ始めたビッグストアの成功の秘訣は、商品回転率が高い点にあると言われてたものである。ビッグストアの売場販売効率は商品回転率とともに、一般の小売店の約2倍であった

    128. 死に筋の定義は、年間平均商品回転日数の1.5倍を超えた商品を死に筋としている。例えば、年間6回転の部門、もしくは品種があったとすると、2ヶ月、つまり60日に1回転していることになるので、我が社の資産勘定に計上(納品)されたときから、60日の1.5倍である91日以上にわたって在庫している商品を、死に筋とみなすのである

    132. 陳列量は販売量+最低陳列量とすべき

    140. ニトリ、西松屋、ファーストリテイリング、良品企画などに共通するのは、従来の商品仕入れ、調達で小売りを行なっている企業と比較して、粗利益率が5〜15ポイントも高いことだ。理由は企業独自のプライベート・ブランドを持っているからである

  • チェーンストアの経営コンサルタント渥美氏の絶筆。数字をあげての説得力は計り知れない。日本におけるスーパー系の経営実態を大づかみできる。チェーンストアにお勤めの方は、この本を読んでいないことには、プロと言えないのではないかと思ったら。題材はチェーンストアについてなのだが、内容は他の業種でも参考になることが多い。労働分配率への着目など、参考になると思った。

  • 某イケイケ外食ベンチャー経営者から聞いたチェーンストアのための教科書的存在という渥美俊一氏の本。たまたまこれは管理会計の本だったのだが、財務諸表を見ていても分からない実態を見極めるためのKPIがいくつも紹介されており、且つ数多ある企業のデータに基づいてかその判断基準まで示している。確かに教科書的であり手法自体は取り入れやすそう。一方業態、取扱商品を超えた一律の判断基準を設ける点には違和感が残った。そのため読了後次の本に手を出す前に調べてみるとかの元HDJ社長奥井氏による建設的批判(http://bit.ly/1qvUthN)を見つけて腹落ち。がしかし手法そのものはかなり学べる(真似する価値がある)。

  • 流通業に関わるものなら最低限理解しておきたい「数字の見方」をポイントを絞ってまとめたもの。単純な売上高の数字で一喜一憂するのではなく、投資効果、経費分配、回転差資金の観点で数字を捉えることが必用。また、数字は必ず比較軸を持って良し悪しを判断するべし、てな話。

    この本が素晴らしいのは、単純に見るべき「指標」「計算式」「その指標の意味」の提示に留まらず、実存の200社にものぼる流通企業を丹念に分析し、各指標の数値が一覧で掲載されている点。各企業のイメージと分析数字を重ねることで数字が持つ意味の腑落ち感が格段に高まる。また流通コンサル50年の実績を持つ著者の経験則から各指標の目指す値・許容範囲が示されていることも貴重。

  • こんな数字も把握していないのか!と著者渥美俊一さんの怒号が天国から聞こえてきます。

  • 小売業に特化した本として貴重な書籍でした。ただ、経営的な指標に主眼をおいた内容で、自分が知りたかった在庫評価法の話は無かったです。(タイトルを読めば予想はついたので自分が悪いのですが)
    ただ、多業種・具体的企業の計数を例示しながら書かれており、非常に参考になります。

  • 「小売業界にはこういうKPIがある」というのがなんとなくわかりました。各数値がどういう意味を持ち、どうなれば上下するのか、わかりやすいです。この著者は他の本でも科学的管理法の重要性を説いていますが、本人自身がそれを体現していますね。

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