- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478100356
感想・レビュー・書評
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ブルーオーシャン戦略を読了し、続けて理解を深めるために読んだ。全書の要点を再度説明しつつ、ブルーオーシャンシフトの5つのステップの解説に重点を置いて述べられている。実際にBO戦略に着手する際に、本書の手法に沿って実践することで、スムーズにBO戦略を実行できるように思える。
【メモ】
・ブルーオーシャンシフトとは、マイケルポーター「生産性フロンティア」を右上方向シフトさせ、差別化と低コストの両方を追求すること
・アイデアや変革努力がいかに創造的であっても、「人をどう動かすか」という問題に対処しない限り、ブルーオーシャンへの移行は果しえない
・BOSを成功へと導く3つの鍵
1.BOの視点を取り入れて視野を広げ、事業機会の所在についての考え方を改める
2.商業的にうまみのある新製品や新サービスを開発し新市場を開拓するための、実用的なツールと適切な指針を持つこと
3.人間中心のプロセスを持つこと
・市場創造を破壊的創造や錯乱と同一視、イノベーションの問題とするのは間違っている面もある。ブルーオーシャンは新市場を創造する。
・サイバーセキュリティ、肥満、生涯教育、仮想現実、医療サービスの分野は非錯乱的創造の新しい機会に満ちている
・技術イノベーターは技術の卵を産むが、孵化させて商業的な成功へ導くかに重点を置くべき。技術イノベーションのバリュー・イノベーションへの転換
・グラミン銀行、スターバックス、イラク国立ユース管弦楽団は最先端技術をほとんど用いずに新規市場を創造した。買い手に愛される理由は技術ではなく、シンプルさ・使いやすさ・楽しさ・優れた効果である
・業界成長期は、既存顧客に重点を置くが、需要が停滞した際はそれが逆に足枷になる。業界外に新規需要を開拓する機会があってもそちらに目が向かなくなってしまう。
◆適切なツールと指針
Step1:準備に取り掛かる
・PMSマップ(パイオニア、安住者、移行者)で実現可能性が高い分野に重点を置く
・BOSにふさわしいチーム(各事業ユニットの責任者含む)10~15人を築く
Step2:現状を知る
・戦略キャンバス(テンプレートあり)で競争要因や重点対象、顧客価値、主力企業の戦略を図表に表す
・戦略転換の必要性を悟り、合意に至る
Step3:目的地を思い描く
・買い手の効用マップ(テンプレあり)で顧客経験全体を通しての苦痛や不安をあぶりだす。
・非顧客層の3つのグループで開拓可能な需要全体を把握する
Step4:目的地への道筋を見つける
・6つのパス(代替業界に学ぶ、業界内の他の戦略グループ、別の買い手グループ、補完財、機能志向と感性思考の切り替え、外部トレンドの形成に加わる)で市場の境界を引き直す
・4つのアクション(取り除く、減らす、創造する、増やす)でBO施策を考案する
Step5:戦略を絞り込み実行に移す
・ブルーオーシャン見本市を開催し、どの施策を実行に移すかを決める
・自社と顧客の両方に恩恵をもたらすビジネスモデルを構築
・製品やサービスを市場に投入し、展開していく
・市場シェアは遅行指標。映し出すのは将来ではなく過去の実績。
・市場シェアと業界の魅力度に代えて、「価値」と「イノベーション」に着目する
・財務部門を味方につけるには、最初から財務スタッフをチームに加えておく
・相談相手にふさわしい人物は、社内情勢に詳しく、社内政治に熟達している。サポーター、妨害者、支援者の目星がついている、人望の厚い部内者。
・取り組みで明らかになった知見は幹部層への報告を徹底する。期待内容を明快にして、突拍子もない期待を持たれるのを防ぐ。
・現場調査のルール。現場に飛び込んで自ら購入者と同じ経験をする
・ブルーオーシャン戦略の実践者は「非顧客第一」がスローガン。非顧客層向けに新しい効用を引き出すこと
・自社製品に備わっていないが、業界では特に新しくない要素を「創造」対象にする罠に陥る例もある
・却下されるアイデアは、①アイデアは優れているのに込み入ったちぐはぐな説明で価値を判断できない②一見素晴らしいアイデアも差別化のための差別化を目指しており、顧客価値を高めるものではなく、利益提案に欠ける
・うまく説明するのに5分以上かかるような戦略は複雑すぎるか、平凡すぎて長所が無い
・人間中心の手法とするため、尊厳を重んじる肩書を用いる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブルーオーシャンへの移行方法を詳細に記載された本。例えは分かりやすかったが、全体的には抽象的だった。前作の『ブルーオーシャン戦略』を読んでいなくても理解はできる。
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【生きる領域】
ブルーオーシャンに出し続けることはむずかしいと思います。1個や2個は出すことができると思いますが、出し続けることは困難です。しかし、ブルーオーシャンの発想は重要ですし、そういう考え方をすると楽しいです。
だれもいない海へ漕ぎ出す、こんなワクワクすることはありません。
まだだれも踏み入れていない未開の地、いいですね。
ただ現在では全く未知の世界はほとんどなく、少し見方を変えた未開の地はたくさんあるように思います。あるものに極端に特化したものなどはある意味ブルーオーシャンです。
スマートフォンなどは新しい市場を切り開くほどのインパクトがありましたが、そこまでのインパクトは必要ありません。
既存を少しひねったぐらいのもので十分です。今までにないものであればOKだと思います。ただ、「使いやすさ」この点は重要です。どんなにコンセプトがいいものでも快適に使用できないものは広がりません。
考え出したものがヒットするかしないかは正直やってみないとわかりません。
10回出して1回ヒットするかしないかというレベルですから、ほとんど失敗します。成功率を高める方法もありません。つまりヒット数を増やすには数を打つしかありません。ヒットの率は変わりません。
【常に少数派】を自負するわたしとしてブルーオーシャンは魅力的な世界です。
本の内容とは全く関係ありませんが、海外の著者は冗長過ぎます。ある程度の厚みがないと海外では本として成り立たないのかもしれませんが、例えを多数入れるので主語と述語が遠く離れてしまいます。
言葉としての成り立ちは日本語より簡潔、明瞭だと思うのですが、簡潔にまとめられた文章は安っぽく見えるのかやたらと文章が長いです。。。
その点、日本の著者の方が簡潔にまとめられていてすばらしいです。 -
初読なら「ブルーオーシャン戦略」で内容カバーできる。新しい内容は含まない。
・前著の反響でできた誤解を解く
(創造的破壊との違いなど)
・経営層へのメッセージ
・実践企業の成功例 -
わかったようなわからないような
なんかとても恣意的な感じもするけど、実務の上ではそれでいいんだろうな
この本の通りに進めてみると発見はありそう -
前作のいわば実践編。
前作も衝撃を受けたが、こちらも非常に論理的で刺激的。4つのアクションと6つのパスにより、明確に対策を講じる事が出来る。
今作のまとめとして、マレーシアと言う国家規模でのブルーオーシャンシフトが上げられており、ブルーオーシャン戦略が経営者だけではなく、万人に通用する、まさに新たな世界を切り開くための戦略だとわかる。
付録として4社の事例があげられているが、緻密に自社の強みと弱みを分析し、見事に新しい市場を開拓している。
実生活でも、同じ考え方でより良い生活に変える事が出来るはずだろう。 -
ブルーオーシャンへと挑む実例と考え方はとても勉強になった
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20200314
『ブルーオーシャン戦略』から10年後に上掲された本作は、ケーススタディの更なる追加と、それに伴う戦略メソッドの確立、および、人間的なプロセスが重要であると説いている。
自身の立ち位置を見極め、顧客目線や代替策からブルーオーシャンへ向かう思考を持つことが大事である。さらに本書の特徴であるチーム=人選の見極めと、人のモチベーションを高める視点がプロジェクトを推進させるキーとなる。
//MEMO//
前著『ブルーオーシャン戦略』の続編。
新しい論点が追加されたわけではなさそうなので、最新のケース研究を追加して論拠を強めたといったところか。
競争せずとも、差別化とバリュー創出を生み出すという戦略策定の上の次元の話であり、戦略を練る自分にとって参考にしたい議論である。
シフトへの3つのキー
①ブルーオーシャンへの視点
②実践的ツールと行動指針
・準備に取り掛かる
→PMSマップ(Pioneer Migrater Settler)
・現状を知る
→戦略キャンバス、メリハリ、高い独自性、訴求力のあるキャッチフレーズ
・目的地を思い描く
→買い手の効用マップ
→3つの非顧客層をイメージ
・目的地への道筋を見つける
→6つのパス
①代替業界に学ぶ
②業界内の他の戦略グループから学ぶ
③別の買い手グループに目を付ける
④補完材や補完サービスを見渡す
⑤機能志向と感性志向を使い分ける
⑥外部トレンドの形成に加わる
→4つのアクション=ERRC(取り除く、減らす、増やす、創造する)
・戦略を絞り込み、実行に移す
③人間的なプロセス
・細分化
・実体験に基づく発見
・公正なプロセス
破壊的創造+非破壊的創造
≠技術的創造
=バリューチェーン創造 -
2020.01.13読了
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新規事業に取り組むべきかの検討、新商品の企画の参考のために手に取った。通して読んだだけなので、意味をしっかり取れていない(身についていない)部分しかない。実際にフレームワークを使いつつ、企画に役立てていく。
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実例がもうすごい多いと良いんだけど。
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「ダイヤモンドオンライン」で話題!
あらゆる企業・組織がブルー・オーシャンへ移行
<シフト>するための実践的な1冊! -
いつも思うが、この手順で事業を見直さないといけない。
実践に移してなんぼなので今回は必ず取り組みたい。 -
買い手の効用マップと6つのパスはフレームワークとして持っておきたい。
日本語版の付録は蛇足 -
以前読んだ「ブルー・オーシャン戦略」から大いに気付きを得たので、さらに学びたいと思い読んでみました。新しいケース・スタディというよりは、レッド・オーシャンでもがいている組織にブルー・オーシャン戦略をどう落とし込んでいくかがまとめられている本。組織の戦略を変えようとする時は反発や不安が生じるのは当然で、その中でどのようなステップを踏んで行けば良いのかを具体的に学ぶことができたのが良かったです。
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・ 仮にコミックリリーフが差別化か低コスト、どちらかの戦略を追求していたなら、戦略はどのようになっていただろう。差別化戦略を選んでいたら、業界の既存手法に何か足すだけで、コストを下げる為に何かを取り除くか減らす可能性に突いてはほとんど注意を払わなかっただろうか。差別化戦略ではなく、低コスト戦略を選んだなら、従来の競争要因の一部を取り除く一方、何かを創造して差別化につなげる努力はしなかっただろうか
・ 生活を支える身の回りのものやサービスは皆、取り立てて賢いわけではない、自分たちと同じような人々によってつくられた
・ ブルーオーシャン戦略家は差別化と低コストを同時に追求する。価値とコストのどちらかを選ぶのではなく、二兎を追うのである。
・ 最大の知見をもたらすのは顧客層ではなく、非顧客層
・ 事業のマネジャーたちは、製品がなぜ技術て確信の成果であるかは説明できるが、それがどのようにしてなぜ買い手に飛躍的に大きな価値をもたらすのかを、簡潔な言葉で明快にかたることはできない
・ ブルーオーシャンチームが重視した点は、マーケティングチームが信じる常識に反していた、ブルーオーシャンシフトの取り組みに参画して、新しい価値コストフロンティアの扉を開くアイデアのすばらしさを目の当たりにしない限り、人々はそのアイデアをいとも簡単に的外れだと無視し、有効性を否定する。そして、業界のいわゆるベストプラクティスに反するとして拒否してしまう
・ 企業が競い合って提供するものは、得てして買い手の視点からは無価値であるばかりか、むしろ製品やサービスの価値を損なっている。テレビのリモコンにはたいてい多数のボタンがついていて、役に立つというよりむしろいらだちと混乱の種になっている
・ 戦略プロフィールのメリハリ。他社と同じ土俵でもっぱら量だけを競うのは望ましくない。むしろ、買い手への提供価値を飛躍的に高めることのできる、切り札となる要因を重視して、他の要因は取り除くか減らすべきである。これにより提供価値の増大と同時にコスト低減が可能になる
・ 買い手の効用を逓減させてきた、覆すべき前提を見つける
・ 効用を妨げている要因は、非顧客層がこの業界の顧客になろうとする意欲をくじいたり、怖じ気づかせたりしているだろうか
・ ①業界の縁にいて、仕方なく製品を使っているか、使用を最小限にとどめているのは、どのような人々だろう
・ ②この業界の製品やサービスを検討した結果、あえて背を向け、別の業界の製品やサービスによってニーズを満たすか、完全にあきらめてしまったのはどのような人々だろう
・ ③この業界が提供する効用から大きな恩恵を受けるが、現状の提供形態がふさわしくない、あるいはかかくがたかすぎるといった理由により、購入を考えたことすらないのはどんな人だろう
・ 利用者を訪問する際に重要なのは、製品やサービスを実際に使う様子を観察して、どういった手順を踏むか、口には出さないが当然視する前提は何かをあぶり出すのが重要なのである、顧客はどのような経緯や状況で製品やサービスを必要とするのか、あるいは利用したいと思うのかを注視するとよい
・ 業界を「機能志向」か「感性志向」かに分類し、切り替えたらどうなるかを探る
・ このトレンドがこのまま続いた場合、既存製品の特性のうち、意味をなさなくなるもの、あるいは買い手にとっての価値を損なうため、取り除いたり、減らしたりするものはどれか
・ 業界でこれまで提供されていない、今後創造すべき要素はなにか
・ シチズンMのチームは、旅慣れた人々が五つ星ホテルを選ぶ際の決定打が、立地の良さと贅沢な睡眠環境である状況を踏まえて、この二つの要素を人々の予想を超える水準まで増やすことが不可欠だと考えた。同時に三ツ星ホテルが選ばれるのは五つ星より安いからである為、高級ホテルよりも著しく低い水準まで宿泊料を減らす必要を感じた
・ この業界の慣行で最もばからしいものは何だろう
・ 理想の戦略キャンバスに関しては変更を認めてはならない。戦略キャンバスの中身を実現する為のビジネスモデルについては、変更の余地があっても構わない
・ 低コストを実現する為に掘り下げるべき問い「提携先の候補はどこか」「業務運営の合理化と確信はどうすればできるか」「人材の前向きな熱意と貢献をさらに引き出す方法は何か」
・ ビジネスモデルの仕上げに際して、人間中心の手法を活用する・尊厳を重んじる肩書きを用いている(アンバサダー、アソシエイト)
・ メガネはどういう目的でかけるのかを改めて考えることで、jinsの新たなメガネのラインナップが生まれた・「視力補正」「よりよく見せる=ファッション」「目を守る=機能性メガネ」→これまでメガネをかけなかった非顧客層の獲得
・ ソラコム:simカードを1枚からウェブで購入できるようにした。また管理画面(開発者向けサービス)を提供した。法人営業が取り込まなかった非顧客層を獲得した。開発者のトレーニングを提供したり、ユーザ同士がコミュニケーションをとれるようにすることで知識の交流を促している -
法経開架 336.1A/Ki31b//K
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前作ほどのワクワク感はないが、分析ツールが提供されており非常に実践的。すぐにでもシフトしたくなるw
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死屍累々のレッドオーシャンでもがくのではなく、ブルーオーシャンへと漕ぎ出すにはー。
いまや当たり前に使われる「レッドオーシャン」「ブルーオーシャン」という用語が普及するきっかけになった書籍の続編である本書は、組織においてどうブルーオーシャンへとシフトしていくかのエッセンスが詰まっている。
一言でいってしまうと「いかにまわりを巻き込めるか」に尽きる、という結論。
結局は実際に動く一人一人に腹落ちさせなければというのは実感としてもしっくりくる。
巻末の、日本国内事例も秀逸。知られている会社ばかりなので本文中の事例より感覚を掴みやすいのでは。 -
続編、、というかメソッドの説明が大部分。
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「ブルーオーシャン」の著者が書かれた、その理論を実現するための行動に関する指南書です。どうすれば赤い海から青い海に移れるのか。そのための具体的な方法が細かく書かれています。この理論が有名になり、あらゆる場所で試行錯誤していくことに、著者が一緒になって取り組んで行かれた努力が生み出した内容になっていると思います。イノベーションを起こすために必要なことは何か。それに伴う最大の障害は何か。それに対するためになにをしなければならないか。
読者が実践できる具体的な内容が書かれていますので、読んですぐ活用できるものになっています。
色々なビジネス上のフレームワークに関して、今ままで流行になり、それに伴ってベストセラーになった著書をいくつか読ませていただいてきました。多くは、ビジネス上の世界のあり方について述べることで、それを知った人間に「知見を得た」という満足を与えるというものだという風に捉えていました。この「ブルーオーシャン」についても同様に感じていました。それを知ったところで使うことができないと。理論ではなく、できるだけ多くの実例を体感することで、総合として独自の理論を作ることからしか生き残ることができないと、半ば悲観的に考えていました。机上の空論に嫌気がさしていた。本書はそこから抜け出すための、机上の有意義な議論を行うための方法が書かれていると感じました。 -
内容自体は面白い。理想を定めるプロセスは参考になる。
ただ、やはりこの手のものは具体例が多めでちょっと長い。
あとで書評かく。 -
東2法経図・6F開架 336.1A/Ki31b//K
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「ブルーオーシャン」とみんな言うが、どれだけの人がその本を読んでいるのだろう?本書は、その『ブルーオーシャン
戦略』の著者が、どのようにブルーオシャンを進めていくのかについて、実践的に指導。元々の『ブルーオーシャン戦略』を読んでから本書を読むのがオススメ。 -
レッドオーシャンと思われる市場を、どうやってブルーオーシャンへの"シフト"させるか。ゼロから考えるのではなく、現状分析をベースにシフトしていくか。