生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

  • ダイヤモンド社 (2016年11月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784478101575

みんなの感想まとめ

生産性向上に対する新たな視点を提供する本書は、単なる効率化や時間短縮にとどまらず、質的な成長を重視しています。著者は元マッキンゼーのコンサルタントであり、論理的なアプローチで生産性の本質に迫ります。特...

感想・レビュー・書評

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  •  元マッキンゼー社員が、ホワイトカラーにおける「生産性」を上げるにはどうしたらいいか、本質に迫った本。
     日本企業の場合、製造現場における改善が注目されてきたため、ともすると生産性の方向性は「オペレーションの効率化によるコスト削減」ばかりに集中してしまうという。
     確かに、昨今ニュースで取り上げられている「働き方改革」でも、残業抑制や価値を生まない時間の短縮、およびそれに伴うワークライフバランスなど、時間量のものさしで測っていることが多い。

     著者の主張は、仕事が早く終わったという効率面・時間面の事象ではなく、仕事を早く終わらせることができるようになった質的な面、特に「成長」の部分に着目すべき、というものである。読んでいるうちに、生産性とは要は自分自身や組織の成長の結果だということがわかってくる。
     中盤から人材育成や、コンサルの仕事の仕方のようなノウハウに脱線してしまうのだが、働き方改革という言葉になんとなく違和感を感じ、どう取り組んでいいのか悩んでいる人には有益な本だと思う。

  • 日本の多くの企業が生産性に対しての見方を誤っているという指摘に感心しました。
    今の組織に必要な効率化がよく分かりました。

  • 生産性向上について、資料を集めて考えをまとめる必要が出てきたので、
    手に取って読んでみた本。

    元マッキンゼーのコンサルタント(人事マネージャー)が書いただけあって、
    非常にロジカルに話が進んでいきます。
    「生産性」というテーマでは、これ1冊取っておけばそれで十分では?、
    と思わされるくらいのクオリティーの高さです。

    「働き方改革」が声高に言われる中、
    これからますますホットになってくるで「生産性」という概念について、
    俯瞰して重要な事項が学べるのが良いところです。
    単なる「残業時間の削減」のような表面的な解決策になっておらず、
    「(生産性向上について考えるとき、)本当に大事なことは何か?」ということを
    考え抜いた構成になっていると思います。

    「働き方改革」と聞いて、
    「労働時間減っても、仕事量そのままですやん(営業目標はそのままですやん)」
    「残業禁止になったあおりで、中間管理職にしわ寄せがきてるんよね…」
    のようなことを感じた方は、読んでみると示唆が得られるような気がします。

  • 例えが秀逸で分かりやすく、腹落ちし易い具体的な内容。読んだ方が良い一冊。量より質。リクルートで言えば、応募者数を誇るのではなく、高度な人材を確実に採用する事が大事で、そのために費やす膨大な面接を減らすために何をするか。

    急いで雇った新人の生産性は既存社員ほど高くないばかりか、社内に溢れる生産性の低い作業を彼らに押し付けてしまうことで、それが生産性の低い仕事がいつまでも温存されてしまう。ならば拙速に採用せず、業務を棚卸ししつつ、優先順位をつけさせるチャンスとして捉える事もできるはず。

    トップパフォーマーに対して部下の育成を任せると言う事は彼らの成長機会を奪うことでもある。トップパフォーマーは切磋琢磨できるライバルが多くないからだ。自分よりパフォーマンスの低い人にその視点を誘導すると彼らの目線をさらに下げてしまう。従い、自分と同じ世代で圧倒的に高いレベルの人を目にさせ、目指すべき地点を大幅に引き上げる事が重要。

    他方、圧倒的多数の中間層をどうするか。大多数のプレイヤーのモチベーションを下げないことが大事。人事評価は、昇格と言う誰もがわかる査定により露骨にならざるを得ない。逆転なのか、別の道なのか、二番手を目指すのか、その説明から逃げず、フィードバックをすることが重要。

    やや人事戦略が多いような気もするが、共感性の高い読書だった。

  • 生産性を高めるためのあくなき挑戦。

    生産性=アウトプット➗リソース投入、として分母分子それぞれにどう影響を与えていくか。

    著者のちきりん、、じゃなかった伊賀さんも強調しているように、生産性ばかり追求していると殺伐とする、というのは大きな誤解だ。無駄なことに多くの時間を費やすから殺伐とするのであって、生産性が高ければその分仕事以外に振り向けられる時間は増えるだろう。

    「地方、産業、個人のどれであれ、必要なのは『生産性が低いまま存続できるよう支援すること』ではなく、『生産性を少しでも高められるよう支援すること』です。そしてそのために最も重要なのが、人を諦めない、人に投資し続けるということなのです」(p237)。

    彼女のこの真摯な提言も、弱者を切り捨てるな!の合唱の前にかき消されてしまうのか、、、

    とは言え現代に生きる我々が、主として金融資本の跋扈によってなにかのっぴきならない焦燥感を味合わされていることもまた事実に思える。
    金融的な意味でのリターンもまた一つの生産性だとするならば、たとえば村上春樹のように、そこにどうしても人間にそぐわないなにかを感じる人がいるのは無理もないとも思える。

    そう、生産性をめぐる挑戦には、蓄財の衝動と同様に上限がないのだ。
    (有能な若手を育てる手段として著者が紙幅を割いている)トップパフォーマーにいかに楽をさせないか、なんて議論も、まあわかる、わかるのだが、私自身の年齢になると辛いと言えば辛い。
    おっさんが有能な若手のチャレンジを邪魔するな、はそのとおりだが、その若者が疲弊してしまいそうなら休ませるべきだ。休ませるための見極めのノウハウ、これは本書には積極的には言及のなかったポイントのように思った。

    ともあれ、生産性というドライな字面に、著者のいつもながらの厳しさと温かさが同居している素晴らしい本。

  • -月残業時間が150時間を超えそれでも仕事が終わっていない状況から脱却したく読了
    -チーム全体の生産性の向上にはエースメンバー、窓際部長メンバーの特徴に合わせたアプローチが必要
    -実際働いていて、チームメンバーへのノウハウの伝達、十分な引継ぎは重要
    -コロナ禍で在宅勤務も進み、チーム全体での意識の低下が見られる
    -自分の健康、チーム全体最適のためにもチームメンバーそれぞれの生産性の向上が必要

  • 会社での生産性最大化を目指すための本。

    会社軸に話が終始展開されているのでサラリーマンや工場の指令塔で働く人にはとても参考になる本だと思います。

    ぼくは職種的に全然関係もなく経験もしたことない分野なので読み物としては楽しませてもらったが、「個」で戦うフリーランスや個人事業主にはいまいちピンとこない内容かもしれません。

  • 生産性向上の課題図書として読んだ。

    本書は以下の構成。
    ①生産性向上のアプローチ
    ②それの根幹となる人財育成について(ポテンシャルを最大限引き出すには)
    ③マッキンゼー流の方法(研修・資料作成・会議)

    ①のところは、生産性を劇的に改善するイノベーション創出の重要性とそれが生まれる前提がわかった。強い制約や崇高な理想を実現する中に、イノベーションは生まれる。今の延長で3%を変えるようなことばかり指示してたら尻すぼんで終わる。

    ②は一律の教育の怖さを知った。学校教育の延長で考えていると、部下に一律の育て方をしてしまいそうで、意識的に強弱をつけないといけないんだなぁと感じた。また、育成される身としては、何か尖った能力をつけてハイパフォーマーくらいにはなりたい

    ③はマッキンゼーでのやり方が正しいかは分からないが、そこまで工夫を凝らし続ける姿勢は見習わないといけない。研修もすぐ活かすという意識が全然なかったので、自分も実践してそれを求めないといけない

  • めっちゃ読みやすい。トップパフォーマーという存在を初めて知った。この本に書いてある内容を極めて、マッキンゼーに求められる人材になろうと思った

  • これまで生産性というものを、気になっていたけれども漠然としたイメージしか持っていなかった自分にとって、まさに目から鱗の著書だった。
    働き始めて数年になるが、自分が今までいかに生産性の低いことをしていたかを認識した。そして、最近になっても生産性が低いことを多々やっていることを恥ずかしく感じた。
    生産性とはよく聞くが、それを漠然と実行している段階では、ある意味思考停止になっている状況ではないだろうか。実際に、具体的に生産性を高めようと考え、行動をして初めて、生産性というものの重要性に気づく。
    自分自身本書に記載のある通り、仕事中は常に時間を計測している。例えば文書作成の場合、目標時間を設定した上で資料作成を行い、時間がかかりすぎた場合はその原因を振り返ってメモしたりしている。ただ、本書ではそんなことと比べ物にならないほど生産性をあげるための多くのアイディアが載っている。
    また、本書には「人を諦めない」という表現が何度も出てくることからわかるように、著者は人間に対して絶対的な期待を持っていることを感じた。ダメな社員は教育してもダメ、一時期自分はそう思っていたことがあったが、それは傲慢の極みであった。評価されていない社員、出世競争から落ちてしまった社員であっても、生産性を少しでも上げることによって会社の役に立つことができる。
    著者の度量の大きさというか、器の大きさを感じた。

  • 生産性とはなにか→生産性を高めるための仕事の方法としてどのようなものがあるか、わかりやすく例示されている。カイゼンによる生産性向上とイノベーションによる生産性向上は別物であること、付加価値増加とと投入リソース削減による生産性向上も別物であることもわかりやすく解説されていた。



    以下、とくに気になった点。
    ・イノベーションを起こすためには、社員に「問題認識力=課題設定力」と「その問題を一気に解決したいという強い動機付け」をもたらすことが不可欠。そのために大きな役割を果たすのが、「生産性という概念を日常的に強く意識させておくこと」
    ・上司は部下に「資料はよくできている。すばらしい。ところでこれは、いったい何時間かけて作ったんだ?」と問うべき。「次はこのレベルの資料が15時間くらいでできるようになったら1人前だな。そうなったらすごいと思うよ」とほめるべき。
    ・人事考課において、今の自分は1年前の自分からどこがどれほど成長したのかを言語化させ、その成長レベルが十分かどうかという振り返りを行う。目標についても「1年後にはどういう点において、今よりどれほど成長したいか」という具体的な目標を立てさせる。
    ・マッキンゼーでは人事評価の際、その人の「Distinctive」な能力や分野と「Development Needs」がセットで本人に伝えられる。「Distinctive」とは卓越したという意味で、その人の長所、強いところを意味する。一方の「Development Needs」は本人の弱いところを意味する。
    ・多くの人はAかBかという評価ではなく、仕事に対する具体的で詳細なフィードバックを与えられると、きわめて真摯にそれを受け止める。言動や仕事ぶりがポジティブに評価されていると知れば、たとえ報酬に反映されなくてもやる気につながる。反対にネガティブなFBを受けられればそれが給与や役職に影響を与えないものであっても重く受け止める。
    ・「目の前の成果を上げるためには、部下の育成に時間を使うより自分が頑張るほうが早い」と考える人が出てきてしまうが、管理職がそんな発想のままでは、組織の生産性が上がることはない。
    ・「A bad decision is better than no decision」(誤った決断でも何も決断しないよりはマシ)とさえいわれる経営の政界では、「最高の判断をするために数か月も考え続け、その間は何の判断もしない」というのは受け入れられない。
    ・ビジネス関連の英文メールは、その多くが定型化されている。ゼロからビジネスメールを”クリエイト”している人など存在しない。手紙は英語であれ日本語であれ、基本はテンプレート仕事であり、書くのが早い人はその定型文をあらかじめ頭の中に持っていて、正しく使えるだけ。毎回頭を抱え、ウンウンうなりながらゼロから文書を書いているなんて、本当に無駄な(生産性の低い)時間。
    ・「マネージャーの仕事とは、トレードオフが存在する状況において判断を下すこと」だと理解すること
    ・マネージャーの仕事とは、”決断をすること”、”リスクに備えておくこと”
    ・自分で結論を出すことを避け、上司であるパートナーに相談するという選択肢もあるが、ほとんどの場合「間に合わない」「決断が遅くなって問題が悪化する」といった状況に陥る。
    ・RollPlay研修を設計するには、部内で何かトラブルが起こるたびに、「起こったこと」「原因」「どうすれば防げていたか」「対応時のポイント」を簡単にメモしておき、蓄積しておく。その実際に起こったトラブル事例を使って、RP研修を設計する。
    ・完璧主義な人は「中途半端なままで投げ出すのはよくない」と考えがちだが、そういう人は、必要十分なレベルと中途半端なレベルの違いが理解できていない。中には(今回の意思決定に必要かどうかにかかわらず)完璧に仕上げること事態に快感を感じる人もおり、仕事の生産性を落としてしまいがち。
    ・大半の会議の達成目標は次の五つのうちどれか。1:決断すること、2:洗い出しすること(リストを作ること)、3:情報共有すること、4:合意すること=説得すること=納得してもらうこと、5:段取りや役割分担など、ネクストステップを決めること
    ・配られた資料に黙って目を通せば、たいていの資料は2分ほどで読むことができる。冒頭に「今から2分間、資料に目を通してください」と言って住むのであれば、10分かけて作成者の説明を聞くのに比べ、生産性は5倍も高くなる。
    ・「なぜ今日の会議では結論が出せなかったのか」を記録しておくだけでも、今後の会議の生産性を上げるヒントが得られます。
    ・意思決定が必要なタイミングで「場合による」という答えを返してくる人には、「どういう”場合”なら、イエスという判断になるのか?」と、「場合による」の”場合”を明確化させる。

  • 内容がいまいち。読みにくい。

  • 成長するとは生産性が上がること。
    生産性を上げるには、成果(分子)を大きくすること。もしくは投入資源(分母)を小さくすること。
    安易に投入資源を増やさない。そして、コスト削減だけでなく、付加価値を上げる方法もあわせて考える。
    生産性を上げる4つの方法
    1.改善により、投入資源を小さくする。
    2.革新により、投入資源を小さくする。
    3.改善により、成果を大きくする。
    4.革新により、成果を大きくする。

    ストップウォッチで仕事の時間を測ってみる。
    その仕事がどれほど価値を生んでいるか吟味する。価値がある仕事か?やめられないか?やり方を変えられないか?を考える。
    ノウハウを言語化する。

    資料作成はアウトプットのイメージを最初に持つ。そして、見出し、骨組み。ブランク資料を作る。

    会議の達成目標は以下の5つに分類される。
    1.決断すること。
    2.洗い出しすること。リストを作ること。
    3.情報共有すること。
    4.合意すること。説得すること。納得してもらうこと。
    5.段取りや役割分担など、次のステップを決めること。

    会議の達成目標の種類分けは参考になる。よく言われるが、ゴールをイメージして仕事に取り組む。そして、作業時間を測定することはすぐに始められること。

  • 2018年4月再読。
    マネージャーの役割が大変参考になった。

    3%のインプルーブメント(改善)、30%のイノベーション。私が勤める会社の社長は、どちらかというと30%のイノベーションを現場からのボトムアップに求めている。業務「改革」はマネジメントの仕事だろう。

    一方、部下管理の観点において、投入量とアウトプットのバランスを常に意識した上で、指導するということが大切であるとよく分かった。

  • 個人としての生産性
    組織としての生産性
    どちらについても触れられていて、広く生産性というものについて考えるために良いキッカケになる本ではないか。
    個人としての生産性向上及び非技術的なホワイトカラー的イノベーションの創出という意味では、
    ①問題認識力=課題設定力
    ②問題を一気に解決したいという強い動機づけ
    が重要であることを知る。
    ・明確な優先順位づけ
    ・迅速な意思決定
    ・スキル向上
    が個人としての生産性を上げるために必要。

  • とても有益な本だった。

    量ではなく質を追う発想を持つ

    ・応募数を増やせば採用数が増えるという考えは非生産的
    ・インプットを増やすのではなく、生産性を高める視点が必要
    ・「頑張ったけど儲からない」働き方は危険。精神的高揚感に惑わされないこと



    時間意識のある評価で成長を促す

    ・成果物の出来栄えだけでなく、所要時間にも注目
    ・「次は半分の時間で作れたら一人前」と伝えると、全員が時間効率を意識し始める
    ・評価は「弱点の指摘」ではなく「伸ばすべき点の提案」が重要
    ・具体的なフィードバックが納得と改善行動を促す



    プロフェッショナルとは時間内に成果を出せる人

    ・時間外に努力して成果を出すのではなく、労働時間内に完結させる
    ・成長の実感は、前年との比較で確認できる
    ・「生活か仕事か」のトレードオフを回避するには生産性の向上が不可欠



    タイマーで作業を見える化する

    ・キッチンタイマーで自分の作業時間を測ることで、生産性の低さに気づける
    ・価値の低い作業に長時間をかけてしまう新人は多い
    ・作業を分類して計測することで、時間の使い方が明確になる
    ・「可視化せずに改善」は効果を測れない



    不要な仕事は定期的に見直す

    ・「そもそもこの仕事は必要か?」を考える習慣が重要
    ・次に「もっと効率的な方法はないか」「自動化できないか」を検討する
    ・業務仕訳によって隠れた無駄が見えてくる
    ・部下が想像以上に時間をかけている仕事があることを把握できる



    チーム全体の生産性を高める姿勢を持つ

    ・上司でなくても、他者の働き方に建設的に関わるべき
    ・「生産性向上が目的」と共有されていればアドバイスは歓迎される
    ・こうした風土を作るのが管理職の仕事



    ノウハウの共有が組織力を底上げする

    ・言語化と共有で、自分のスキルを整理できる
    ・教えることで暗黙知が明確になり、他者にも伝わる
    ・自分の強みをチームに活かす意識を育てるのが管理職の腕の見せ所



    改善と革新、2つの視点で成果を伸ばす

    ・日々の工夫で3%の改善(インプルーブメント)を積み上げる
    ・大胆な変化で3割の成果(イノベーション)を生み出す
    ・「3%と3割」の生産性向上をリーダーの明確な目標とする



    体験から学ぶロールプレイ研修

    ・ロールプレイは知識習得だけでなく行動変容に効果的
    ・フィードバック、他者視点、実践練習、スタイルの多様性が得られる
    ・若手が上司役を演じることで、自分の見え方に気づく機会となる



    マネージャーの役割は「判断と備え」

    ・「どれも正解で、どれも完璧ではない」中で意思決定をする
    ・選んだ選択肢に伴うリスクや課題を事前に想定し、準備する



    アウトプットイメージを持ってから動く

    ・「とりあえず情報収集」は非効率の元
    ・まずブランク資料を作り、完成イメージを明確にする
    ・上司・顧客とアウトプットイメージを共有し、不要な作業を減らす



    本質を捉える思考を持つ

    ・「人手が足りない → 人を増やす」は短絡的な発想
    ・根本原因(生産性の低さ)に目を向けるべき
    ・「コインの裏返し」思考では問題は解決しない

  • 外資系コンサルティング・ファームの人事部門に長らく務めた筆者によると、日本と米国の組織を比べた時に最も大きな差があるのがリーダーシップと生産性に対する考え方であり、それ以外の点においては、日本の組織はむしろ非常に高い質を持っているという。

    前著でそのうちのリーダーシップについて取り上げた筆者が、本書では日本の企業が生産性を上げるためにはどのような働き方や組織のあり方、仕事の進め方がよいのかについて語っている。


    まず日本企業の特徴として、製造現場などの技術部門での生産性改善は熱心に取り組まれてきたが、管理部門や営業部門、企画部門といった非技術部門においては、生産性の観点から仕事の進め方を評価する方法が確立されておらず、そのことが残業時間やオフィスの維持費などといった本質的ではなくまた改善の余力の少ないところにばかり焦点があてられる原因になってきたという。

    これに対して筆者は、生産性の改善率というものを統一的な評価指標として、各部門における生産性の改善を時系列で評価していくことを提案している。これは残業時間やコストといった絶対量ではなく、成果に対する投入資源がどれだけ変わったかという「質」の面に着目した考え方である。

    法務、人事、営業などそれぞれの専門性やアウトプットが異なる部署において、生産性改善に対する努力を目に見える形で検証できる方法であり、印象に残った。


    また、筆者の専門分野である人材の面からは、トップパフォーマーの潜在力を最大限に引き出すために、社外で経験を積んだり、成長スピードが落ちる前に異動や昇進により新しいチャレンジをできるようにする人材マネジメントの重要性が述べられている。

    これに加えて、終身雇用制の中で戦力外中高年が滞留しがちな日本企業に対して、そのような社員に新しい経験やチャレンジをさせる機会を設けて人材を諦めないことが大切であるという指摘もされている。そのためには、企業自身が中高年社員に対して期待をしていることを、研修などの人材投資や新しい業務にチャレンジできる人事制度などの具体的な形で示すことが大切である。

    これらの指摘は、外資系企業の転職を前提とした人材活用とは異なる人材育成の方法であり、日本の企業の実態にも寄り添った提案であると感じた。


    最後に、アウトプットの質を高める働き方として、管理職のチームマネジメント、資料の作り方、会議の進め方などが紹介されている。

    印象に残ったのは、目的やゴールイメージを明確にした上で仕事に取り掛かること、そして誰かの指示やコンセンサスを待つのではなく、自分が判断して物事を進めることが大切であるという点である。これらは、筆者のリーダーシップに関する前著とも共通している部分であるが、考え方を変えるだけで大きく結果に違いが出るポイントであると思う。


    仕事の生産性を高めるためには、細かな部分での業務の改善も重要であるが、本書はそれらに止まらず、アウトプットという最終的な目的から逆算して仕事の進め方や組織のマネジメント、人事評価のあり方などを考えるという視点から書かれており、より本質的な形で生産性について考えることができる内容であると感じた。

  • 何年も前に買って読んだ本の再読
    最近になってメディアでも取り沙汰されている生産性について、8年前に強烈なタイトルで課題提起されている著者の課題認識に感服するとともに、この10年近く、またそれ以上の時間何も変わっていないのだなと悔やまれる。

    この本を読んだとき、資料作りなどのハウツーは覚えて確かに仕事は早くやった。管理職になりつつある立場としての再読は、チームプレーや評価について改めてハッとさせられた。

  • 日本で技術イノベーションはあるけどビジネスイノベーションが起きにくい理由に納得。内容に全く古さを感じない、良書中の良書。著者に感謝。

  • 日系企業が外資に劣っているのは、生産性(アウトプット/インプット)
    工場の現場では高いレベルで生産性の追求がされているが、ホワイトカラーの生産性はブラックボックスになりがち。
    生産性向上の重要性についての考え方や資料作成の方法(ブランク資料を事前に作成)や会議の進め方(事前に達成目標を明確化)など具体的な手法の記載もあり参考になった。

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著者プロフィール

キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、前半はコンサルタント、後半は人材育成や採用マネージャーを務める。2011年に独立し、文筆・発信活動を続けるほか、リーダーシップ教育や生産性向上のための啓蒙活動にも従事。著書に『採用基準』のほか『生産性』(ダイヤモンド社、2016年)などがある。

「2012年 『採用基準』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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