マーケティングの仕事と年収のリアル

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478102527

作品紹介・あらすじ

同じ仕事に見えるのに あの人の給料なぜ私の3倍も!?

感想・レビュー・書評

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  • 漠然と定義されがちな「マーケティング業界」「マーケティング職」の全体感を示した一冊。

    マーケティング職の6つの成長ステージとして以下が定義されているが、自分がキャリアを設計する上でも参考になる流れだと感じた。
    ①マーケティング業務の見習い
    ②特定業務の担当者(ワーカー)
    ③特定領域の専門家(スペシャリスト)
    ④マーケティング施策の統合者(ブランドマネージャー)
    ⑤ブランド・マーケティング全体の責任者(CMO)
    ⑥マーケティングに強い経営者(CEO)

  • ・推奨書籍
    『プラットフォーム ブランディング』
    『ドン・シュルツの統合マーケティング』
    『デジタル変革マーケティング』



    第1章 まとめ
    ・「自分のキャリアをどう築くか」という視点をもつと、仕事の可能性を広げ、年収を伸ばせる可能性が広がる。
    ・マーケティング施策は4P(製品・購買喚起・販売チャネル・価格)で定義され、実際に担うのは、事業会社の幅広い部門と、外部から関わる支援会社に大別される。
    ・年収1000万円を超えやすいのは、外資系大手事業会社と大手総合広告代理店に勤める業界のひと握り。ただし入社は狭き門であり、他の環境であれば戦略的にキャリアを思考しないと達成は難しい。
    ・事業会社の特徴として、社内で4P施策全体を見渡せて、全体像を理解しやすい。国内資本の事業企業では、雇用は安定しているが、マーケティング以外の部署への異動も多く専門性が身につきづらい。外資系事業会社は、マーケティングの専門職キャリアとして扱われやすいが、日本現地法人の裁量が少ない場合は自由度が小さい。
    ・支援会社では、特定の4P施策の狭い領域であっても早期に専門スキルが身につきやすく、中小系では若いうちから昇給・昇格できる会社もある。ただし、マーケティング施策全体を俯瞰しづらく、給与の処遇面で非常にばらつきが大きい傾向がある。
    ・事業会社/支援会社の違いとは別に、マーケティング組織には、文化や志向・行動形の異なる8つの「流派」がある。自分の特性と合うか、相性の見極めが大切。
    ・勤め先の事業ライフサイクルと、自分の強みが合致するかどうかも要検討。


    第2章 まとめ
    ・マーケティング業界の成長ステージは6段階で考えられる。
    ステージ1:見習い
    ステージ2:ワーカー
    ステージ3:スペシャリスト
    ステージ4:ブランドマネジャー
    ステージ5:CMO (チーフ・マーケティング・オフィサー)
    ステージ6:経営者
    ・まずは、ステージ3に入ったら特定領域のスペシャリストをめざすのが王道だが、その入り口で評価を停滞させがち。
    ・ステージ4以降はマネジメントなので、向いていなければスペシャリストを究める道もある。究極のスペシャリトになれれば、高い処遇を得られ、独立の道も開ける。


     では、マーケティング職のキャリア設計において目標設計の時間軸は、どのくらいに設定すべきでしょうか。一般的に、前述したステージ5~6のマーケティングに強経営のプロやCMOをめざすのであれば、最低10年以上はかかる長期戦です。しかし、目先のステージ3の特定領域施策の専門家やステージ4のブランドマネジャーをめざすのであれば3~6年程度がメドになります。ステージ1~2からステージ3に移行する目標期間は2年が適切でしょう。
     教科書的に言えば、キャリア設計は長期的なゴールに基づいて計画的に進めるべきです。ただし、ステージ5~6をはっきりとめざす段階にならない限り、長期的な計画を立てることは意味をなさないのも事実です。ステージ3までのマーケティングの特定領域の施策は、まさしく日進月歩で、特にデジタル領域は次々と新しい考えや方法論が出てきて、陳腐化も速いものです。つまりステージ3のスペシャリストを見据えた段階であれば、せいぜい2~3年程度を上限に計画を立て、変化に合わせて応変に見直すのが現実的です。


     なぜ、隣接する横の領域の専門知識や、ひとつ上のステージの視界を理解することが大切なのでしょうか?私が友人の弁護士から聞いた話で、これはマーケティングでも同じことがいえると感じたエピソードがあります。
    「弁護士だと、友人から相続の問題を相談されることがあるけど、まず自分はそもそも相続分野の経験が少ない分野なので確かなアドバイスはできない。さらには、相続に詳しい弁護士も、相続対象の不動産鑑定に詳しいわけではないし、税理士のように節税に詳しいわけではない。さらにいえば、相続する家族間で意見をとりまとめるコミュニケーションの専門家でもない。つまり、相談したい人からしたら、当然のようにひとりの専門家で解決できると思っている問題は、実際は複数の専門家の知見を統合しなければ、まともな判断はできないんですよ」
     つまり、法律問題もマーケティングも、さまざまに細分化された専門領域にまたがった複合判断をしなければいけないのです。だからこそ、専門分野の知識を点から100点に伸ばすより、60点レベルでもよいので隣接領域の知識をもったほうが、実際の成果につながって評価されることは少なくありません。


    第3章 まとめ
    ・成長ステージ1~2はスキルや知識を磨くことに集中すれば、それと連動して報酬も上がっていく。一人前になるまで、最低でも2~3年は要する。
    ・ステージ3では、手がけた施策の成果や、コモディティ化していない専門性で評価されるため、それらが得られるよう周囲に働きかけながら、キャリアをみずから構築するべき。
    ・事業会社内で昇進するには、目標を上回る成果を上げ、上司から高い評価を得る。専門知識の深さは評価の対象にならないことに留意する。
    ・支援会社で評価されるには、専門性の深さだけでなく自分の専門性を組織全体の武器に転化させる取り組みが重視される。
    ・キャリアと年収を高める最初のタイミングは「アラサー」。大手広告代理店や事業会社内製化し、強化したがっている施策領域のスペシャリストであれば、ニーズが高い。
    ・事業会社にいて、支援会社で専門性を磨いてみたい人は、給与ギャップが生じにくいアラサーまでに決断すべき。失敗しても、若いほうがキャリアを再構築しやすい。
    ・支援会社にいて、ワークライフバランスを重視したい、または狩猟型のビジネスモデルや組織文化が性に合わないという人は、アラサーまでに事業会社に転じたほうが、評価も年収も上がりやすい。
    ・自分の専門領域がコモディティ化していないか常に見極め、足りないスキルと経験を補う。
    ・ステージ3のスペシャリストからは、ひとつの専門知識を深掘りするだけの視野狭窄に陥らないように注意する。隣接する専門領域の知識を身につけたり、ひとつ上のステージの専門知識を学ぶほうが、成果が出て、評価が高まることがある。
    ・自分の冷静な市場価値を知るためにも、信頼できるメンターをもとう。


    第4章 まとめ
    ・スペシャリストにとって、若い世代の顧客や新たなテクノロジーを理解するうえで、加齢がネックになることがある。加齢がハンデになりづらいのは、BtoBのスペシャリストとマネジメントの世界。
    ・年齢でいえば30代、ステージ4以降が視野に入ってきたら、マネジメントにシフトするか、スペシャリストを究めるかの岐路がくる。
    ・ステージ4以降のマーケティングを統括するのは主に事業会社となり、ステージ4以降を担える支援会社の数はごく少数。
    ・30代後半~40代前半のアラフォーになると、採用ニーズはマネジメント層にシフトする。
    ・事業会社のマネジメント候補とみなされる要件は、「経歴シグナリング」「ヒット施策の実績」「PDCAサイクル基盤をつくった実績」の主に3つ。
    ・日本にはステージ5~6のロールモデルが少ない。


    第5章 まとめ
    ・キャリア構築の道筋にはさまざまあるが、事業会社中心か、支援会社中心か、さらに独立起業をめざすかに大別される。自分の強みや性格を鑑みて、キャリアを描こう。
    ・事業会社中心のキャリアルートは、「自社を愛するコミット型」「王道キャリアアップ「型」「ヒット実績で渡り歩くブランド人型」の3つ。
    ・支援会社中心のキャリアルートは「中小ベンチャー早期抜擢型」「大手支援会社でじっくり昇進型」「真理探究の職人スペシャリスト型」「事業立ち上げ請負人型」の4つ。
    ・リスクのないキャリア構築はない。リスクはゼロにするのでなくマネジメントしよう。
    ・自分の憧れと実際のギャップが大きすぎる人は、不幸になりやすい。加齢とともに、自分の持っている才覚・時間制約与件などを冷静に見極め、取捨選択して、自分が成果を出せて、幸せに感じられる環境をうまく探そう。

  • BtoB中小企業のマーケ担当ですが内容的にはBtoCのマーケ担当的な話なので参考にはならなかったが大事な部分は太文字で分かりやすく読めた。

  • 内容は浅く読みやすかった。
    マーケ職のキャリアについて、ロールモデルとなる先輩や上司が居なくて漠然としている人にはヒントを得られる。

  • やや回りくどく、書き振りも分かりづらいところがあるが、それを踏まえても良書と判断したい。これに限らず内容を鵜呑みにしないことが大事だが、それを意識したうえで読めるならおすすめしたい本。マーケティングに特化したキャリアの本は多くない印象だが、その希少性だけではなく内容自体の充実度からもおすすめできる。キャリアをステージに分け、それぞれで身につけるべきスキルや考えるべきこと、失敗例が細かに書かれている。
    参考になったのは:
    ・スペシャリティかマネージャーか、自分のキャリアの進むべき道の決定。スペシャリストのフェーズが決断できるギリギリのタイミング
    ・アカデミックなキャリアに進む方法もありえる
    ・事業会社と支援会社でキャリアの構築がことなる

    私は自社を事業会社として捉えていたが、本では支援会社として記述されていた。業界構造を捉え直す機会にもなった。

  • 参考図書

  • マーケ職に就いている、これから就きたいという人は一読の価値あり。
    ただし、マーケ職というより、広告プロモーション職というほうが適切な気がする。

  • キャリアについて分かりやすく書かれている名著

  • かなり現場のアルアルに近いリアルな年収の相場やキャリアパターン、マーケターのタイプが書かれていたと思う。

    30になる前に一度読んでおくべきだとおもった。

    マーケターの流派についてはキャラがアルアルすぎて笑った。

  • キャリアを形成する上で、知識やスキルだけでは不十分である。その時の環境や運も必要である。そして、残念なことに、多くの本が示すような高学歴で有名企業を渡り歩くキャリア構築は、ほとんどの人が自分には適用できないという前提がある。
    その上で、年収1000万を獲得するためには、戦略が必要である。戦略にあたり、事業規模ごとにどのくらいの年収をもらっているかを確認することが必要である。事業規模以外にも、一人当たりの粗利益で大体の水準がわかる。ただ、個人的な感想として、電通の給与が高いのは月に300時間働いているからで、労働力に比例すると思う。それだけの仕事がある会社が、大企業なのだと思う。
    さて、いきなり稼げるわけではもちろんなく、見習い、ワーカー、スペシャリスト、ブランドマネージャー、CMO、CEOというステージがあるのが一般的である。いずれにしても、高い専門性か、独自の専門性か、供給より需要を上回る専門性で勝負したほうが良い。
    次に、年収が低い会社で働き、転職しないのは、その差分は今の会社の良好な人間関係に払っていると捉えることができる。

    自分を買ってもらうために周りを見渡すと、開発力の需要が高い。そこに注力するのか、他の何かで食べていくのか。

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著者プロフィール



「2018年 『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール(MarkeZine BOOKS)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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