女性の視点で見直す人材育成――だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる

  • ダイヤモンド社
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478102909

感想・レビュー・書評

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  • 【260冊目】中原先生が最近よく使っている大規模調査のデータをもとに、回帰分析等の分析手法を用いて、良い人材育成・職場環境醸成を行うために重要な要因を探り当てるという本。先生の他の著書と同じように、上司の役割の重要性や人材育成のための職場環境醸成の重要性が強調されている。

    タイトルは女性の視点で見直す、となっているけれど、女性だけじゃなく男性も読むべき本。ただ、中原先生が書いている、女性の視点で職場を見直せば誰もが働きやすい職場になるっていう主張は疑問。だって、本の中で、男性と女性で求めるものが有意に異なるって書いてあったじゃない……。

    とはいえ、確かに提示されているような観点から職場を変える必要があるよなと納得。
    仕事に求めるものとして、男性が報酬などの見返りを期待するのに対し、女性がやりがいを求めるというデータは驚き。もちろん、男性が家計を支える場合が多いという日本の環境がこうした結果を招いているのかもしれないけど。

    あと、女性は上司になることに躊躇するから、昇進前のワクチン注入、昇進後のアフターケアが大切というのは、まさに僕もやってほしかったこと。やっぱそうだよね、という感想しかない。

    女性上司とのやりづらさは、男性よりも女性の方が感じているというのもちょっと意外。あと、スーパーウーマンばかりが女性活躍のロールモデルにされることへの疑問も共感。確かに活躍してる人って、色んなことを犠牲にしていて、真似できないどころかモチベーション削ぐことありそうだなって思う。

    相変わらず読みやすくて、スルスル入ってくる。活用したいグラフもたくさん載ってる。そのため、本当は手元に置いて二読、三読しなきゃいけないんだろうな。図書館で借りるのでは無く、買うべきだった…。

  • ツッコミの吹き出しが入って読みやすい。

    インポスター症候群、
    たしかに自信をもつための経験の機会が足りていないのかもしれない

    失敗を成長につなげるには振り返りが大切
    What? So what? Now what?
    何が起こったのか?
    何がよくて、何が悪かったのか、起きたことの意味を考える
    これからどうするのかを考える

    私自身、ワーママとしてやっていきたいこと

    ①生産性を上げる
    本当にやるべきことか?優先順位はどっち?など、しぼっていく動きや提案をチームにしていく

    ②助けを求め、かつ積極的に手伝う
    ヘルプシーキング、自分が余裕あるときは積極的に手伝う(特に30分くらいで終わりそうな仕事→関わりすぎて自分の首をしめないが、役に立ち、感謝してもらえること)

  • 今現在は、これまでの中で最も女性の比率が高い部署で管理職を担当している。よりベターな職場環境・組織をなんとなく思い描きながら、自分の家事・育児経験や職場経験をもとに同僚との接し方を模索してきた。またウェブ上の関連記事を読むこともしていた。

    そうしたタイミングで本書を手に取った。特色は二つの大規模調査回答を基に、定量的分析の結果をわかりやすさに重点を置いた点にあるだろう。読んでいて楽しい誌面デザインや、ビジュアル的に理解しやすい構成は、学術的根拠を十分に保ちながら工夫されている。

    分析結果と関連先行研究の引用は重要だ。ほとんどの指摘に首肯できる。以下に今後留意していきたいと感じたことを挙げておく。

    ・優秀な人材を確保したいなら、女性を育成すべき。
    ・組織内の同質性は、企業のパフォーマンスに影響しない。
    ・3本脚の発想で、職場からのサポートが必要。
    ・女性の働きやすさや商業継続意欲に最も強い影響を与えているのは、職場づくりの責任を負っている上司のマネジメント行動。
    ・トランジションに応じて女性を支援することが、女性が活躍できる職場づくりのいちばんの近道になる。
    ・リーダー初期の成功が、マネジャー期の成果を規定する。
    ・左脳的な仕事に対する女性苦手意識の根底には、教育や環境、そして職場のなかで、社会的に構成されてきた無意識のバイアス(Unconscious Bias)があるのではないか。
    ・育児期を夫婦共働きで乗り切った経験が、仕事で必要な能力やスキルの伸長にも生の効果を与える。

    意外だったのは、「女性上司の下で働いた経験は、昇進したいという気持ちには関係ない」(p.87)という知見だった。女性同士の方が女性と男性の関係より、仕事や生活のこと分かり合えるはずと感じていたが、実際にはそうではなく女性上司へのやりにくさ(p.89)さえ感じることが興味深い。もしかしたら、こうした「やりにくさ」を回避するため、経営側・女性側からも男性上司に無意識に圧がかかっているのではないかと思った。個人的には今後の仮説にしつつ、職場で検討してみたい。

  • 誰もが働きやすい職場をつくること
    こそが、人や組織の成長を促す。

    この本はまさに看護管理者が読むべきものだと思いました。

    女性が特に多い職種であるからです。

    読んでいて感じたのはうちの職場はワーママにとって厳しいと強く感じました。

    仕事の裁量も与えられず、勤務時間の融通も利かない。

    ワーママさんたちはみなやる気はあるし、働きたいのに辞めざるを得ない環境です。

    いろいろ考えさせられる本です。

  • 女性の働き方を職場の“見取り図”と捉え、科学的アプローチで見える化する。そこから対話のきっかけを見つけよう。(委)

  • データを元に対話(ダイアローグ)する。
    差分となるズレを見てキャリアについて話し合いができるとよさそう。
    世間はこうみたいだけどどうかな?話を職場ででするのによさそう。
    インポスター症候群の可能性を常に持ち、曖昧な状況をはっきりと整備するのが大事。
    最後のワーママの認識は持っておくべき。

  • 後輩の育成を考えるにあたって手に取った本だったが、思っていた内容とは少し違った。
    ただ、いまの自分にまさに当てはまるようなことが多かった。男女の違いというのを述べるのが個人的にはあまり好きではないけれど、客観的なデータを見ると理解できるし、だんだんと考えも変わってきた。
    スタッフ→リーダー→マネージャー(ワーママがあったりなかったり)とトランジションしていく中での分析、支援の仕方というのは共感できるところが多かった。一方でだからといってやはりマネージャーにはあまりなりたくないなという気持ちに変化は生まれなかった(そういう本ではないのも理解しているけど)。

  • あっという間に読めた。
    共感するところが多かった。
    女性が求める客観的データを知ることができ、ただ単に制度を導入するだけではなく、職場の風土、環境づくりが必要だと気付かされた。男性の育休促進、また女性だけではなく、介護、時短勤務をしなくてはいけない人、持病がある人、そんな少数派の人たちが働きやすい職場にするためにも繋がるヒントが沢山あった。また読み返したい。

  • 細かいところで、なるほどな!がたくさんあった。何よりも、うちの会社ナンセンスやんを裏付けまくる本だった。自分のキャリアの先を見通すのにもよかったな。

  • 女性教育会館パッケージ貸出図書(テーマ:ダイバーシティ)
    2階 階段前に展示中(10-12月利用可能)

     通常の貸出枠とは別に
     一人 3冊・14日間まで貸出可 (学内者限定)
     通常開館時間中に、1階カウンターで貸出返却手続きしてください

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著者プロフィール

立教大学経営学部教授

「2021年 『中小企業の人材開発』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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