落合博満 アドバイス―――指導者に明かす野球の本質

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  • ダイヤモンド社
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478103081

感想・レビュー・書評

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  • 落合博満氏が、社会人野球の監督から受けた質問に答える形式で、野球について語った本。落合氏の野球に対する考え方の一端が理解できた。中日の監督としての采配の裏話は、興味深かった。意見の食い違う点もあるが、面白く読めた。
    「(素振りの重要性)本当に身になるのは面白くない練習なのだ」p66
    「内野のプレーにできるだけ投手を入れないのは守備の基本だ。一塁手は、併殺を狙えるケースでゴロを補給して二塁に送球したら、あくまで自分がベースに戻るつもりで練習しなければいけない。3-6-1ではなく、常に3-6-3の併殺を狙うのだ」p87
    「社会人はプロのファームよりもチームとしての力は高いと感じている」p113
    「私は力が同じならベテランを使う。誰の目で見ても若手が上回っているという状態になって初めて、ベテランから若手に切り替えるのだ。チームを勝利に近づけるためには、経験が最も必要となる」p118
    「社会人でレギュラーになれるような選手は、あるプロ野球でレギュラーが故障した際「1試合でいいから代わりにプレーしてほしい」と言えば、十分に働いてくれると思う。ただ、それが10試合、1か月となると難しい。それだけ、高いレベルの仕事をコンスタントに続けるのは容易ではなく、だからこそプロのレギュラーの代わりはいないのだ」p145
    「器や舞台が人を作る」p147
    「ありえないような凡ミスを選手がしてしまったときこそ監督の指導力が問われている」p165
    「プロフェッショナルの定義は「当たり前のことを当たり前にやり遂げること」」p165
    「選手にとっては、誰から褒められるのか、誰に叱られるのかが極めて重要なのだと知った」p176
    「人間関係を良好に保ちたいと、指導者が態度や言葉で下手に出てはいけない。そこには指導者らしい立ち居振る舞いが必要だろう」p176
    「監督は時代の進歩から遅れないように勉強を続け、若い選手には古きよきものと古臭いものを選別できる目を養わせる」p191
    「プロ野球は、大半の選手が30歳になる前に去っていく厳しい世界」p193
    「練習するのは選手だけではない。ノックにしろ、ベースコーチとしての判断力にしろ、コーチも本気になって練習するチームは、必ずチーム力が上がるはずだ」p210
    「社会人まで野球を続けることができた選手は、もっと会社で仕事をしてもらいたいと思う。日本でも名の知れた会社に入れたのは、野球の技量を認められたからである。だが、身分はあくまでも会社の一員であり、野球が本業ではない。最近、社会人からプロ入りする選手に「世間を知らないな」と感じさせることが多いからだ。野球の技術は上達していても、本当の大人になっていない。それでは職業になった野球ではなかなか大成できなくなってしまう。人間的な成長を促すには、職場の力を借りることも必要だ。これからの社会人野球には、グラウンドと職場で選手を育てようという発想が必要だと感じている」p227

  • ドラゴンズの黄金時代を築いた落合博満氏の社会人野球の監督に向けた野球理論の書かれた本。
    しかしながら一プロ野球ファンとして野球偏差値を上げるためにも一読の価値のある一冊だと思う。
    特にドラゴンズ時代の采配を思い出しながら読むとかえすがえすも落合ドラゴンズの緻密な野球が懐かしい。またいつか見てみたいと思わせます。

  • 社会人野球向けとは言っているが、野球の本質をちゃんと指摘している。
    やっと野球が楽しめる心境のよう。

  • 20180325

  • ドラゴンズのGM時代、自ら社会人野球の現場に足を運び、指導者より様々な質問を受けた事が端緒になり、本書が編まれた。という経緯から推して知るべしで巷間溢れるプロ野球本とは一線を画す具体的戦術論中心の内容となっている。

    語る中で、自身の監督在任中、「何故ベテラン中心の起用だったのか?」「ドラフト会議で何故即戦力の投手に偏った指名をしたのか?」を坦懐に語る。理由は明白。監督就任を打診された際、オーナーから「毎年優勝を狙えるチームにしてほしい」と懇願されたから。もし、5年間下位でもいいから育成を…と、言われていればまったく違ったと。監督論の中で、「鉄拳制裁」にも言及している。「うちの監督は手を上げないんだ」と信用されるまで5年を要したと語る。これは明らかに星野仙一の負の遺産を指している。落合自身が高校・大学の野球部にはびこる、しごきという名の暴力に嫌気をさし、入退部を繰り返したのは有名な話。「ミスした選手を叱っても意味なし」と断言。勝利には荒ぶる魂は必要なしと言わんばかりの乾いた知性。名将と呼ばれる人は、おしなべて人間に通じている。その人が人間ができてるかどうかは別にして。その他「セオリーとは負けた時のための言い訳に過ぎない」とか、アフォリズムにも溢れたマネジメント本としても読み応えありの一冊。

  • バッティングの理屈が素晴らしすぎたため、こちらについては多少心が満たされずな感じ・・・。

  • ゼネラルマネージャー時代に社会人野球を見る中で、各指導者に寄せたアドバイスやアマチュア野球の課題感をまとめたもの。

    トーナメントの戦い方や、勝ちにこだわるチームづくりは、感情を徹底排除する落合らしさ満載(選手に解雇通告する際の作法まで紹介しております)。

  • 中日のGMを退任した落合さんが社会人野球の指導者に向けて書かれた書。野球とは直接関係のない人が読んでも気づきのある一冊になっている。

    野球の本質である勝利に関して愚直なまでに考え実行するところに、やはり見る者を惹きつける魅力があるように感じられる。

    落合さんの目指す野球は勝つ野球であり負けない野球である。とりわけ、シーズンを1勝139分けがベストと考えていることや9回2アウト満塁1点勝っている場面でイチローに打席が回ったらというところは読み応えがあった。

    ここ最近の中日はBクラスに低迷することが多く、最後まで見ていられなかったり球場まで足の遠のくことが多いが、そんな中だからこそできることはあり、またやるべき課題が多いように感じられる。
    優秀な指揮官だからこそ、また改めてユニホームに袖を通しその闘う姿がグラウンドで垣間見れることを心待ちにしてしまうのである。

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