ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論

著者 :
  • ダイヤモンド社
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478103746

感想・レビュー・書評

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  • 本書の功績は、日本企業を蝕む戦略の誤謬を”PL脳”という言葉で表現し、そこに明確な定義を与えたことにあるのではないか。

    本書でPL脳の大義的概念として説明されるファイナンス思考とは、
    ・価値志向:企業価値の最大化を実現するためには、短期的なPLの毀損を厭わない。そのため、恒常的なR&Dや、黒字ではあるが今後の事業性が見込みにくい事業の売却等のアクションを取る
    ・長期志向:長期的な顧客の囲い込みや競合優位性を構築するために、巨額な投資を実施する
    等の特徴を持つものとされる。

    そうしたファイナンス思考の特徴とは、一般的なコーポレートファイナンスの定説(キャッシュフローの重視、資本コストとROICの概念、最適資本構成)に基づくものであり、それ自体に目新しさがあるものではないが、実際にファイナンス思考による経営再建や継続的な成長を実現してきたケーススタディ(Amazon、JT、日立製作所、コニカミノルタ等)を通じて、PL脳とファイナンス思考で何が異なるのか、という点を次第に理解できるようになっている。

    コーポレート・ファイナンスを一度学んだ人も、様々な概念がどのように企業の経営で用いられるべきなのかを再確認できるという点で非常に有用な一冊。久しぶりにファイナンスを再学習したい気にさせられた。

  • 会計とファイナンスは異なるものであるということ。ファイナンス思考とはすなわち未来にフォーカスを当てた思考方法であり、過去や現時点での評価をあらわすPL/BSとは視点が異なる。しかし日本の多くの企業は短期的な視点に立つのみで実際にファイナンス思考を持って企業価値を高めることをしていないというのが浅倉さんの指摘。これは自分の会社にも当てはまることだ。

  • 「ファイナンスとは経営そのものである。」これが本書と通じて痛感したメッセージである。経営学を学ぶ者として、コンセプトや戦略の論理ばかりに偏重した学びをしていることは自分でも認識していたが、やはりファイナンス的思考を学んでこそ、リアルな経営を学ぶことができるのだと感じた。

    本書では、自然に経済が発展し、自社が収益をあげることのできた時代はもうすでに終わっており、PLを作ることにばかり苦心する経営は時代にそぐわないと主張する。長期的な視点に立って、自社が収益をあげるためにリソースを割くべき部分はどこなのかを特定し、時に赤字になろうともステークホルダーへの説明責任を果たしてこれを断行し、企業を成長させていくのがファイナンス思考の根幹であり、これをする必要があるというのが主な本書の主題であろう。

    当然、PLを重視してしまうのには構造的な問題(例:4半期で決算を出さなければならない → 売り上げを伸ばす、短期思考になってしまう)もあるが、これを変えるのではなく、直接経営を担うプレーヤーに対して問題意識を投げかけたことに著者のメッセージを感じた。

  • 非上場企業ならと、つこっこみたい。でも、ここまで詳細に述べているのはありがたい。上場企業なら、株主還元と言われてこの考えは飛ぶ場合が多いと思う。でも、知っておくべき。
    できれば、二十代にぜひ読んで欲しいが、経営管理とか言われ出した、四十手前くらいの管理職にも。

  • PL脳からはなれないと。もっとファイナンス思考を磨いていこう。

  • PL脳に陥ることの弊害と、PL脳を乗り越えた先にあるファイナンス思考の重要性を説いている。

  • [あれば読む] ★★★☆☆

  • 東芝の話はおもしろい
    ある程度会計を語れるようになるためにも付録は今後も目を通していくべき

  • 期待したまとめが最後までなく、薄めて長引かされた感じ

  • 会計を学んだ後に読みたい一冊。
    これからの時代、ファイナンスも必須スキル。

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