身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質

  • ダイヤモンド社
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478103814

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  • 「身銭を切れ」、すなわち何か行動する際には損害の一部も背負い、それがうまくいかなかった場合には相応のペナルティを支払うべきである。『ブラック・スワン』『反脆弱性』の著者が、不確実で予測不可能な世界で生きる術を説くとともに、リスクをとらずにリターンをとる(政治家や経済学者など)自称“知識人”を強く批判する。


    第1部 「身銭を切る」とは何か
     プロローグその1 アンタイオス、殺(や)られる
     プロローグその2 対称性の簡単なおさらい
     プロローグその3 『インケルトー』の肋骨
    第2部 エージェンシー問題入門編
     第1章 自分で捕まえた亀は自分で食べよ――不確実性に関する平等
    第3部 例のこの上ない非対称性
     第2章 もっとも不寛容な者が勝つ――頑固な少数派の支配
    第4部 犬に紛れたオオカミ
     第3章 合法的に他人(ひと)を支配するには
     第4章 人に身銭を切らせる
    第5部 生きるとはある種のリスクを冒すこと
     第5章 シミュレーション装置のなかの人生
     第6章 知的バカ
     第7章 身銭を切ることと格差の関係
     第8章 リンディという名の専門家
    第6部 エージェンシー問題実践編
     第9章 外科医は外科医っぽくないほうがいい
     第10章 毒を盛られるのはいつだって金持ち――他者の選好について
     第11章 不言実行
     第12章 事実は正しいが、ニュースはフェイク
     第13章 善の商品化
     第14章 血もインクもない平和
    第7部 宗教、信仰、そして身銭を切る
     第15章 宗教を語るヤツは宗教をわかっていない
     第16章 身銭を切らずして信仰なし
     第17章 ローマ教皇は無神論者か?
    第8部 リスクと合理性
     第18章 合理性について合理的に考える
     第19章 リスク・テイクのロジック
    エピローグ リンディが教えてくれたこと

  • 元トレーダーで確率の研究者であるナシーム・ニコラス・タレブ。
    投資家が書いた本だから投資に関する内容に期待するのでしょうが、期待通り『本書でも』投資手法や理論に関する実践的な内容は皆無ですw

    毎度のごとく、世の中の出来事を確率論と合わせた哲学本に近いですね。今の俺の知識と読書力では、感覚的に60%ぐらいしか理解できないと思う。
    よって☆3の評価としました。1年後とかに読み直すと、また違ったものが見えてくると思いました。


    あまりネタバレになるので詳細は書きませんが、本書で言う『身銭を切れ』とは簡単に言うと『それ相応のリスクを負え』という意味です。

    メディアの情報やその受け取り方、自分の中での判断まで、違和感だと思っていたことを『身銭を切っているか』で解説してくれています。

    たとえば現代ポートフォリオ理論を語る際も、本人は期待リターンとリスクの2標準偏差から自分が耐えられる損失を計算している『つもり』なのだが、実際に自分が計算して構築したポートフォリオで損失を被ったことがない。
    なぜそう断言できるのかと言うと、大多数の人は自分が計算したポートフォリオの推定損失は『相場が並み以上の時』でしかない。
    ましてやTwitterやブログでそのような計算結果を提示していても、それは相場が『割と良い時』なのである。つまり、その主張にはポートフォリオで損失=『身銭を切る』体験をしていない。
    だから自分では損失の確率を計算している『つもり』でしかないのであって、確率の考え方が理解できていないのである。

    昨今の新型コロナウイルスを例にすると、感染拡大を防止するために行政や親族までもが『外出を自粛せよ!』と言う。
    それはもっともな意見です。では質問したいのが、『自分が飲食店を経営し、且つ、従業員を雇っている立場でも、同じ主張ができるか?』ってこと。
    これもまた、身銭を切ってるかどうかの違い。

    人生観を磨く良い1冊でした。
    読んで面白いと思えるかは、本人の価値観と読書スキルによると思いますね。

  • 45歳になる勤め人です。
    自分の人生と重ねながら読むと、自分の人生は自己責任というか、自分の取り組みが今の人生やポジションになっていると「腑に落ちる」「腑に落とされる」本でした、特に前半。
    後半も世間や世界の見方について示唆に富んでいて、読み応えのある一冊。別のを挟んで2度目読みますね、多分。
    2400円+税 出せるサラリーマンならお勧めします。

  • 『身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』 ナシーム・ニコラス・タレブ #ブクログ
    http://booklog.jp/item/1/447810381X

    『ブラックスワン』
    『反脆弱性』
    などを数々の名著を書いたタレブの新作。めちゃくちゃに難しいが、面白い。今回はリスクをとって生きる(身銭を切る)ことに焦点を当てて書いており、

    ・生きることは、すべて身銭を切る行為。身銭を切らず(リスクをとらず)に知的バカやコンサルタント、評論家になってはいけない。
    ・身銭を切ることで、周りを動かせる。
    ・本当のリスクは破滅すること。それ以外の変化はリスクではない

    など、今の自分に響くものがありました。個人的には一回破滅の手前ぐらいのリスクは体験したほうが、今後の人生に味がでそうだなと思いました。あと、身銭を切らないで安全圏からものをいう人にはなりたくないなと。

  • いつも通りのニコラスタレブの本。とても良い。金融市場における破綻リスクを書いたブラックスワンから、人類や世界というシステミックの破綻にまで論理が拡張されているが、考え方は全く変わらない。人間が確率を正しく理解しにくいこと、確率を正しく理解しない政策の下で人間が生活している事に警鐘を鳴らしている。ほとんどというか、完全に哲学の世界になっている。素晴らしい議論。長期での資産運用を考えている人は、金融の専門家の話を盲目的に信じず、自分で受け入れられる損失が幾らかを理解して。なぜならアドバイスする人達はあなたに損が出ても痛くも痒くもないから。

  • 〇身銭を切る
    身銭を切るという、損害の一部を背負い、何かがうまくいかなったときは相応のペナルティを支払うという概念自体は理解しやすく、その重要性に共感した。
    官僚が意思決定した施策や法制度等がもたらすネガティブな影響を自ら一切受けることがないという例はわかりやすく、特に政治的な混乱が増している今日では、なおさら、筆者の主張が耳に刺さる。
    また、昔のリーダーや貴族は、自分が一番身銭を切っていたから、その身分を保てていたことを初めて知った。
    やはりそのほうが健全だし、下につく側も納得感があると思う。

    〇少数決原理
    ・初めて認識した概念であり、本書でなかで最も衝撃を受けた部分である。特に民主主義という多数決で成り立っている(と思っている)現代では、少数の不寛容な集団によって、物事を左右するという概念自体が新鮮で、驚きだった。筆者は、社会的成長、経済的成長、道徳的成長という抽象度の高い概念から、遺伝子組換食品、ハラル、障害者用トイレ、コーシャ(ユダヤ教認定食品)、ピーナッツアレルギー、英語という共通言語、等具体的な例を挙げて説明していたが、具体例は非常にわかりやすい。少数決原理に基づき、改めて今日の社会を見渡してみるといろいろと面白いことが見えてくるかもしれない。

    〇組織に関する「身銭を切る」
    組織と従業員の関係性のなかで、個人の抱えるリスクの捉え方は、終身雇用が見直されつつある今日的な観点でも非常に示唆に富む内容となっている。
    筆者いわく、一見リスクを嫌う傾向が強い従業員だが、実は契約雇用者よりもリスクが大きい(身銭を切っている)。長く組織にいればいるほど、特定の組織にとって従順な「犬」となっていくため、飼い主がいなくなった途端に「犬」は安楽死となる可能性が非常に高い。一方、契約雇用者は、特定の組織の存続に依存せず、自由な「オオカミ」である。ただし、自由もタダではない。名声的なリスクや、契約に違約金が含まれる等のリスクを抱えている。当然毎月決まった給与が振り込まれることもない。
    問題は、「犬とオオカミのどちらになりたいか」だ、と筆者は問いている。
    リスクテイクしていないようで、大きなリスクをとっている従業員と、特定の組織に生死は依存しないものの、常に契約が切れたり、次の食い扶持を心配しながら生活をしなければならない契約雇用者のどちらがよいのか。生存し続けることが目的であるとすると、リスクが顕在化したときに一発で死んでしまうリスクをとるのは、元トレーダーの筆者にとってみれば考えられない選択肢だということだろう。
    犬とオオカミの例えは気分を悪くする読者も多いだろうが、現実はほぼ前者であろう。ただ、それが理想的な形かといえば明らかに違うだろう。筆者も述べているとおり、組織に長くいればいるほど、組織にいること自体が目的となってしまいがちである。そうすると、その組織のミッションを果たし行くための意思決定をしたり、難しい折り合いをつけて厳しい決断をすることがどんどんできなくなってしまう。日本の生産性の低さの多くは、やはり終身雇用という制度からきているのではないかと考えさせられる内容だった。

  • 今の自分にはまだ難しい。語り口が独特なのだ。修行して出直したい。

  • #flier

  • リスクを負うことの重要性を幹にした本。
    僕には難しい内容だった…
    特に後半が一読だとわかったような
    わからんような感じ。

    どっかで再読しよう。

  • 2020年のベストブックの1冊。読んだらいい本というより読むべき本。

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