コーポレートファイナンス 戦略と実践

  • ダイヤモンド社
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感想 : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478105412

感想・レビュー・書評

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  • 実務に役立ちそう。普通の理論書やと、書いてある理論を理解するだけで終わってたらあかん。そっから実務に繋がるように自分で噛み砕いて、ネットかなんかでケースを探して分析してみるとかせんとホンマに必要な実戦感覚は多分得られん。
    ただ、この本の場合理論と実務の橋渡しを紙幅に収めてくれてる。本来自分で発展させなあかん部分を教えてくれるイメージ。ROIがすこぶるええ。
    あともう一つ、筆者が思う投資銀行の価値はマーケットに対する深い見識だと。バリュエーションとかファイナンス理論なんて理解してて当たり前で、日々生き物のように動くマーケットと対峙することこそコーポレートファイナンス戦略である、と書いてある。確かに、でも投資銀行の人ってわりとマーケットに疎い。キャピマ以外の人間でもマーケットの動きに敏感にならなあかんな〜という意識を得た。

    ええ本やったけどワイくらいの理解度やと一回じゃ吸収し切れんかった〜何回か読まなあかんわ〜めんどいけど。

  • 覚えておく数字: ROA5%, 営業利益率6%, 資産回転率 0.8回, ROE10%, EBITDA8x,PER15x

  • 実際に実務を行なっている上級者向けの本だと思うが、現場に即していて分かりやすく読みやすい。
    財務や経理の担当者ならずとも市場と数字で対話することの重要さとカンコツが書かれている。難易度が高く消化しきれない章は何度か読み返しておきたい。

  • コーポレートファイナンス系の本は数冊読んだが、実在企業の事例が多くかなり実用的。理論を実践に落とし込むイメージをつけるのにおすすめ

    ◯LBOではなぜデットでの調達がほとんどなのか?
    ・LBOとは、主にファンドにおけるM&A手法の1つで、買収対象企業の資産や将来キャッシュフローを担保に銀行から資金を借り入れ、対象企業の株を取得する形態の買収のこと
    ・通常はファンドがSPCを作り、そこに買収額の一部をエクイティとして出資し、残りをデットで調達して買収、その後SPCと買収先企業を合併させる
    ・買収額の大半をデットで調達する分、買収後に経営を少し改善するだけで大きなリターンを得られる。一方でデットで調達できるということは買収対象企業に安定性が求められるので、衣食住に関連するような安定した企業の買収に使われることが多い
    ・また、買収後にすぐに新株発行(新株予約権の発行等もある)等のエクイティファイナンスによってデットを返済することもある。LBOローンは条件が厳しいため経営上の制約になることや、LBOローンの存在によって追加の借入が難しくなることが主な理由
    ・最初からエクイティで調達しないのは、機動性が低いから。M&Aはタイミングが命(売る側はすぐ売りたい、買う側はM&Aの噂が広まる前に買いたい)だが、エクイティファイナンスは時間がかかる上、M&A案件は秘密裏に進められるのでロードショーができないなどの理由があり、M&Aにおける資金調達方法としては不適格。MBO/LBO周りの知識
    https://fundbook.co.jp/difference-between-mbo-and-tob/

    ◯自社株買いのメリットとは?
    ・自社株買いをすると、BSの現金が減り、同時に自己株式の金額がマイナス方向に増える(自己株式は、純資産の欄の株主価値の部分に対しマイナスに計上される)
    ・自社株買いは理論的には中立だが、現実には株価が上がる。まず自社株買いを行うとEPSが増えるのでPERが変わらないなら株価が上がることになる。しかし株価はあくまでも将来CFで決まるので、自社株買いをしたところで理論的には株価が上がるとは言えない。
    ・一方で、以下の理由から、自社株買いをすると株価が上がることが多い
    ー経営陣のシグナリング効果(株価が割安と思っていることの証明)
    ー買い需要の創出による需給バランスの改善→株価の下支え
    ー日本において自社株買いは一般的とまでは言えないので、株主還元姿勢を示したことになる
    ・また、配当に比べて柔軟に実施できる(配当は一度上げると下げづらい)というメリットもある。一方で、「株式の流動性が減る」「イールド型(長期保有)の投資家にとってメリットが薄い」などのデメリットもある

    ◯株主優待の意味とは?
    ・欧米には珍しく、日本特有の制度。日本の企業の8.4%が実施している。
    ・機関投資家には不人気(あくまで個人投資家向けの施策)
    ・株主優待は長期保有を前提とした時にメリットがあるため、機関投資家のいない(株価の流動性が低いから)中小企業が安定株主を得るための施策として広く使われている背景がある。
    ・日本マクドナルドの株価は株主優待によって高止まり(=売りが少ない)していることから買い手がなかなか現れず、米国のマクドナルドが売却を諦めた、といった事例もある。

    ◯リキャップ(最適資本構成を模索すること)の意味
    ・デットでお金を借りて自社株買いをすると、デットの方が資本コストが低いことはもちろん、デットには節税効果があることからWACCが下がる。
    ・一方で財務レバレッジが高まっている状態になるためベータ値が上がることによるWACCの上昇効果も同時に発生し、リキャップの効果が薄まる。これも踏まえてリキャップ戦略を考える必要がある。

    ◯株価が安定推移することはなぜ重要なのか?
    ・新株発行をして資金調達をする場合、株価が乱高下しているとリスク愛好度の低い一般投資家が新株を購入してくれないから
    ・乱高下する銘柄は一部の過激な投資家のおもちゃにされ、優良な投資家が敬遠するきっかけになってしまうから
    ・上記が実現すると株の流動性が乏しくなって流動性ディスカウントが生じ、株価が右肩下がりになるから

    ◯株の流動性はなぜ必要なのか?
    ・長期保有の株主ばかりだと、流動性が低くなる。これは投資家にとっては大きなリスクとなる。
    ・機関投資家は特にタイムリーな運用が必要なため「時価総額がいくら以上の銘柄にしか投資してはいけない」等の内規がある。つまり中小企業には長期保有目的の株主が実質的に不在となる。
    ・流動性が高ければ適正な値段が付きやすい(売り手と買い手の交渉力の差が生まれにくいため)。一方で流動性が乏しいと買い手はすぐに売れないので、その分株価はディスカウントされる(流動性ディスカウント)。
    ・つまり、流動性がないと(=多くの人に株の取引をしてもらえる状況を作らないと)、自社の頑張りが株価に反映されないことになる。だからIRを行い、自社を正しく評価してもらい、株を買ってくれる人を増やすことが重要になってくる。
    ・流動性の低い株は、M&Aの際には高額になる場合がある。これは株価が売買を前提とする投資家向けにディスカウントされており、売買目的でないM&Aで考えるとディスカウントが不要となるから(通常は時価総額+買収プレミアムを買収価格とするが、時価総額+ディスカウント修正分を払うだけで、あたかも買収プレミアムを払ったように見えるので買い手からするとお得に買えるかもしれない)

    ◯既存の資金調達手段と比較したクラウドファンディングの立ち位置とは?
    ・新たなリスクマネーの提供主体。ただし場代が15-20%程度取られるため、資本コストが高い。上場を目指さない地方の企業にはエクイティが集まりづらいが、かといって新規事業に融資がつかないことも多いので、とっかかりとしてのクラファン(つまり地方発の新事業立ち上げ支援)が地方創生に大きな意味を持つ。
    ・クラウドファンディングで顧客が見つかることで、VCなどの出資をスムーズに引き出せるようになる。また、出資という形で注文を先に受けられれば、在庫リスクが少ない状態で大ロット発注が可能となるので、生産工場に対しても強気に出られる(立場の逆転)。

    ◯知っておいた方がいい「日本の平均」
    ROA:5%
    売上高営業利益率:6%
    資産回転率:0.8回
    ROE:10%(伊藤レポートの効果もあり、2018年に10%台になった)
    EBITDAマルチプル:8倍
    PER:15倍

  • 経営する上で、市場との対話におけるファイナンス実用書。

    ROA(ROICの方がベター)を元に、DCF法を使って理論上の事業価値を求める。
    PERやEBITDAマルチプルを元に、市場での実際の企業価値の評価を求める。
    この理論と現実の差異を考慮して、M&AやIR戦略、株主還元政策まで説明されている。

  • 2022.1.24 読了
    グラフがふんだんに使われていてわかりやすい。
    メモしたいことがあったので実務書ではあるがここに記載

    ・ペイアウトについて後ほど復習
    ・各種指標の認識を整理する

  • 【目的】
    コーポレートファイナンス全般の復習。

    【評価】
    網羅性と内容の分かりやすさからコーポレートファイナンスの日本の教科書としては決定版で良いと思う。実例が頻繁に登場するのが良い。
    ファイナンスバックグラウンドのビジネスパーソンにとっては簡単で基礎的すぎる内容が多いかもしれないが、復習にはとても良く、ペイアウトやIR戦略等業務で担当していないとイメージが持ちづらいパートも充実しているのが良い。
    又一貫して、ファイナンスを守りではなく攻めの経営戦略の武器として捉えている点と、市場との対話を重視している点が特徴的であり、正に戦略と実践というタイトルに相応しい内容になっている。

  • めっちゃ分かりやすい。おすすめ。

  • 実践的な本。
    会社やファイナンスの全体感がわかりやすく表現されており素晴らしい。よい復習となった。
    初学者向け?

    特にバリエーションプロセスの具体事例が親切でわかりやすい。この部分は非常にによい。

    株主還元政策、レイアウト政策などにしっかり紙面をさいているのもよい。

    メモ
    ・dcfの全体像。
     dcfで事業価値を求める。
     非事業価値を求める
     企業価値から有利子負債を控除する
     株主価値が求められる。
    ・fcfの求め方
     営業利益から想定税金を控除し
     税引後営業利益を算出
     noplat
     減価償却費を足し、
     設備投資を控除し
     運転資金を控除して算出。
    ・長期的には減価償却費と設備投資はバランスしていくと考えることが普通。それが合理的であるため。
    ・waccと永久成長率で感応度分析を行ってみる
    ・マルチプルは対応に注意。
    ・ネットデッド=有利子負債−非事業価値
    ・ebitdaマルチプルは8倍程度が目安
    ・m&a効果はepsで計測可能。買収で自社の一株純利益が増えるか否か。利益は押し上げるが、逆に借入や株式交換、のれんによってはepsを押し下げうる。、
    ・tobプレミアムの目安は30%
    ・irの役目は流動性の創出
    ・dcfは成長鈍化し、永久成長率が安定することを前提にしたもの。急成長途上のsuには不向き
    ・irrの目安。設立まもない50%。vc初ラウンド35-45%。上場前15-25%
    ・目安数字 roa5%営利率6%資産回転率0.8回roe10% ebitdaマルチプル8倍 per15倍

  • 喩えがわかりやすく、今までよりもファイナンスの理解度が上がった。

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著者プロフィール

田中 慎一(西南学院大学法学部准教授)

「2022年 『スタンダード商法Ⅱ 会社法 〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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