人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478106341

感想・レビュー・書評

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  • 錯覚資産という相手からどう思われるかのイメージをうまく活用すると自分の活躍のチャンスが増え、成長できるよ、という学び。

    俺を上に上げてくれ、なんであいつの方が評価されてるんだ、という言葉を最近聞いたが、それこそ実力と錯覚資産と運により底上げされたものなんだなーと納得した。

    上へのアピールとか相手へのマウントとかマジでいやだなーって思ってたけど、実力だけではなくそういう類のものを含めた勝負だから、うまく使い分けて生きた方が得だなと感じた。

    わかりやすくブランディングする、間違ってても言い切ってポジションをとる、というのに共通するのはどれだけ発信するか。そこを変えることが錯覚資産を得るための第一歩だと思うので頑張る

  • 人生をどのように生きていくかが理解できる「実用書」

  • 20190407再読

    書店で見かけて何の気なしに購入。表紙に惹かれました。「え?まだ実力で勝負とか言ってるの?」にこの本のメッセージが凝縮されている。

    これはありそうでなかった本ですね。調子のいいことを連ねて「成功の仕方(=俺のやり方)」をうすーくシェアする本、では全くない。心理学の知見をもとに、説得力ある形で錯覚資産なる概念を説明し、それをふまえて「我々はどう行動すべきか」を指南している。巻末で謳っているとおり「現代の実用書」だ。

    自分が社内でやっている行動(スキル研修など)が「錯覚資産を生みうるもの」であることだと理解しました。ブランディングとして成り立つように、①活動のリーダーであることをあらゆるProfileに書く、②何人に指導したかを定量的に書く、③役員レベルに会うたびに伝える ことをやるようにしています。この本のとおり、これはあくまで1つの活動なので、成功確率を増すために幅広く小さく賭けることを続けていきたいと思います。

    ---
    ■面白かった点

    外見で採用したわけじゃないと思い込んでしまう

    錯覚資産がないと、成長機会を思うように得られず、実力が伸ばせない。「実力がある」からよいポジションを得られるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、良いポジションを得られる

    成功するかどうかは、運の要素がずっと大きい(学生と社会人の違い)

    ハロー効果に対処できないのは、①直感的に正しいと感じることが正しいとしか思えない、②気持ちいい、③交友関係が上手くいく、④自己保身に都合がいい、⑤権力者に都合がいい ことが理由

    信用のうち、かなりの部分が錯覚資産

    「この人の起業した会社が上場した。だからその人の言ってることは正しい」というのは全く論理的ではない

    成功するためには?
    当たる確率が高い時を狙って、全力で投資する。いろんなことに小さく賭ける。ハロー効果が得られそうな仕事や役割に手を挙げ、チャレンジする。たまたま成功してハロー効果を得られたら、そのハロー効果を使って、よりよい環境を手に入れる

    ハロー効果を作り出すには、講演、執筆が有効

    成功したという結果に合わせて、その人間は昔から優秀だったと矛盾がないように記憶が書き換えられる

    人間にとってコントロールできないということは苦痛

    人間は、判断が困難なとき、思考を放棄して、①無意識にデフォルト値を選んでしまう、②直感に従ってしまう

    錯覚資産はすべての成功ループの通過点になるが、実力は1つのループの通過点にしかならない

    思考の錯覚のトリック:グラフ(割合)+縮尺(ボリューム)

    あなたを思い浮かべない限り、チャンスは回ってこない

    CVRが低い人は、PVを増やすことを嫌がる傾向にある。PVを増やすのはもっと実力を身に着けてからにしよう、とこつこつスキルアップをしてしまう

    属性がプラスの人間を使って自分の人生を切り開いていった方が、効率がいい

    人間は、「一貫して偏った間違った物語」に説得力と魅力を感じる。「バランスの取れた総合的な正しい判断」は説得力がなく、退屈で面白くないと感じる
    大きな錯覚資産を手に入れたいなら、一貫して偏ったストーリーを語らなければならない。バランスのとれた正しい主張で人は動かせない。シンプルでわかりやすいことを真実であるかのように言い切れ。本当は断定できないことを断定してしまえ

    1-2時間の面接で実力が分かるなど、思考の錯覚に過ぎない

    給料を安くした方が仕事を面白いと感じるようになる。「いいんだよ、仕事が面白かったんだから」

  • ・成功要因=運+錯覚資産+実力
    ・実力=才能(持って生まれたもの)+スキル(学べるもの)

    というのが著者の考え。
    この本で重視する錯覚資産として下記の式を提唱。

    錯覚資産の大きさ
     =ハロー効果の強さ
     ×思い浮かびやすさ
     ×思い浮かべる人の数(思い浮かべる人の質も考慮)

    これらを見ていると、
    錯覚資産構築は学べるスキル、つまり実力の一種に感じる。
    著者は、ビジネス書や成功法ではないというスタンスだが、
    このあたりの違いはよくわからなかった。

    判断が難しい場合脳は考えるのを放棄する、
    という「デフォルトバイアス」は知らなかった。
    活用できる場面が多そう!

  • 我々は「無意識」に支配されている。その支配は強力で、逃れることはできない。無意識の支配から脱しようと戦うのではなく、無意識から支配されていると知覚し、そこに他者との差を見出して、この世界でより良く生きていこう。
    そんな本だった。これは噛めば噛むほど味が出ると思う。少し時間が経ってから、また読もうと思える内容だった。

  • 2019315

  • モンスターブロガーのデビュー作とのことで、タイトルや表紙などを見て、読む前に思っていた印象とはかなり異なる読後感でした。何とも言えないイラストをちりばめながら、著者と読者が何となく会話形式で進んでいく内容は、最初は捉えどころがなく、不思議な感じです。著者も言っているように、単なるビジネス書や自己啓発書ではない、実用書とのことですが、果たして素直にそう思っていいのか判断しかねるところです。
    現実起きていることが、運や実力だけでは説明できないことが多く、それを著者自身が学んできた心理学的なアプローチから、独自の視点で、「錯覚資産」というものの正体や、その発生原因、どうすれば身につけることができるかを説いています。
    思い当たることも多く、この考えを知っているかどうかで、確かに今後の生活に影響があるような気がします。でも、著者の言う通り、それを無意識的に思ってしまいますので、どこまで活かせるのかは悩むところです。


    ▼認知バイアス(認知心理学の概念で「認知の偏り」の意味。思考の錯覚は、認知バイアスによって引き起こされる)
    ・ハロー効果
    ・少数の法則(少数のサンプルから法則性を真実だと思うこと)
    ・運を実力だと錯覚する
    ・後知恵バイアス(物事が起きてから、それを予測していたと考える傾向)
    ・利用可能性ヒューリスティック(脳がすぐに利用できる情報だけを使って答えを出すこと)
    ・デフォルト値バイアス(選択肢の中で過剰にデフォルト値を選ぶ傾向)
    ・認知的不協和の理論(認知的不協和があるとき、無意識に矛盾を解消しようとする)
    ・感情ヒューリスティック(好きな物はメリットだらけでリスクがないなどと思う認知バイアス)
    ・置き換え(難しい質問があると、無意識に簡単な質問に置き換え、その答えを元の質問の答えだと思い込む認知バイアス)
    ・一貫して偏ったストーリーを真実だと思いこむ(全ての情報を与えられるより、一貫して偏った情報だけを与えられた方が正しいと感じる認知バイアス)
    ▼認知バイアスを引き起こす3つの脳の過剰性
    ①【一貫性】過剰に一貫性を求める
    ②【原因】過剰に原因を求める
    ③【結論】過剰に結論を急ぐ
    →「一貫性、原因、結論」の3つを過剰に求める傾向に注意していれば、自分の思考の錯覚に気づいて修正しやすくなるし、他人の思考の錯覚を利用して、自分に有利に物事を進めることができる

    ▼直感は、「実際に正しいこと」ではなく、「直感的に正しいと思える間違ったこと」が正しいとしか思えない。

    ▼思考の錯覚の最大の特徴は、その不可視性
     基本的に、意識の知らないところで、無意識が勝手に記憶を書きかえることで、認知バイアスが発生する。だから、人間は、思考の錯覚を自覚できない。
    ▼錯覚資産:他人が自分に対して抱く、自分に都合のいい思考の錯覚
    ・思考の錯覚を味方につけるために、キーとなる概念
    ・錯覚資産によってよい環境が手に入り、よい環境によって実力が育ち、実力があるからそれが成果を生み、その成果を利用してさらに錯覚資産を手に入れる
    ▼錯覚資産の性質
    ①多次元図形の体積として表現できる
    ②指数関数的に増大する
    ③実力と錯覚資産は、相乗効果で増大していく

    ▼「コントロール感」の研究
    ・人間は、コントロールしたいという、強い欲求を持っている
    ・コントロールできると、より幸せで、健康で、活動的になる


    <目次>
    ◇はじめに
    ◇おいしいのは「正しいとしか思えない間違ってること」
    ◇自分はハロー効果に騙されないと思ってる人が騙される理由
    ◇学生と社会人では人生ゲームのルールが根本的に異なる
    ◇誰も卑怯と気づかない卑怯なやり方が最強の勝ちパターン
    ◇運ゲーで運を運用して勝つ方法
    ◇優秀な人間が運に左右されずに成功する理由
    ◇食欲でも睡眠欲でもない、性欲よりもはるかに切実な欲望
    ◇なんでも悪く解釈される人とよく解釈される人の違い
    ◇ダメな奴はなにをやってもダメという呪いの正体
    ◇自分の意思で選択しているとしか思えない
    ◇成果主義という名のインチキゲームの裏をかいて勝つ方法
    ◇幸運を引き当てる確率を飛躍的に高くする方法
    ◇思考の死角に棲む悪魔の奴隷から主人になる
    ◇美しき敗者と醜悪な勝者、どちらになるべきか?
    ◇有能な人と無能な人を即座に見分けられるのはなぜか?
    ◇自分は公平だと思ってるえこひいき上司の脳内
    ◇欺瞞が錯覚を大繁殖させる
    ◇思考の錯覚のまとめ
    ◇錯覚資産を雪だるま式に増やしていく方法
    ◇おわりに

  • 挑発的なタイトルと表紙のわりに、認知バイアスについてわかりやすく説明してくれている。錯覚資産という言葉は初めて聞いたが、悪い意味で使われがちなハロー効果を実用的な資産として考えるというのは面白い。

    また、自分や他人がどんなに公正な見方をしようとしても、好き・嫌いのような直感に左右されやすいし、それを自覚できないというのも納得できる。

    ただ、最後の方でこの本を読んでいない、認知バイアスを知らない人間を「酔った人間」「狂気の人間」だなどというのは好きではない。作者としては認知バイアスを知ってもらうことの大切さを強調したいのだろううが、それこそ自分の本や思想に対してバイアスがあって、他の人間を下に見ているようにしか思えなかった。

    思考バイアスの話であれば「脳には妙なクセがある」の方が、フラットな語り方で個人的には好きでした。

  • なんかうっすらとわかったような、わからないような、わかったような…。
    ただ、「錯覚資産」という概念を教えてもらえたおかげで、それに該当する事柄をいくつか思いついたし、腑に落ちた。

  • 数百万人に読まれるブログを展開する人気ブロガーの著者が人生を好転させる錯覚資産の真実についてわかりやすく解説した一冊。

    人生が実力や運よりも錯覚資産が及ぼす影響が大きいことについて知ることができました。
    そして、SNSが大衆化した時代にはより顕著に効用が現れるとも感じました。
    錯覚資産の仕組みから増やし方などを図解が多くて理解しやすいだけでなく、心理学や脳科学の視点からの解説も多くて、説得力があり学びになることが多く勉強になりました。

    デフォルト値バイアスやハロー効果や感情ヒューリスティックなどの認知バイアスを理解し生きていくうえでその性質を巧く活用することが大切であると感じました。
    また、直感のメカニズムを知ることによって、いかに直感に誤解が多いことが本書を読んで明らかになりました。

    そんな本書でも人間は直感的に正しいと思える間違ったことを正しいと信じる生き物ということやコントロール欲が強いということは印象に残りました。

    本書を読んで社会の真実に迫る内容であると感じるとともに、真実に蓋をされて美化されてしまっているSNSの普及した時代での錯覚資産を駆使した生き方を学ぶことができました。

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著者プロフィール

ふろむだ(fromdusktildawn)
のべ数百万人に読まれたブログ「分裂勘違い君劇場」の著者。多様な業務経験を活かして、主に仕事論などの記事で人気を博す。リアルでは複数の企業を創業し、そのうち1社は上場を果たした。ポストとして、平社員、上司、上司の上司、上司の上司の上司、取締役、副社長、社長を軒並み経験している。業務内容として、プログラミング、設計、仕様定義、企画、マーケティング、採用、アートディレクションなどを経験。

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