- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478106570
作品紹介・あらすじ
音楽家の人生と名曲の背景から、歴史がわかる!会話が弾む!
感想・レビュー・書評
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タイトルと内容に差がありすぎ。各時代の作曲家や作品が網羅され、体系的に音楽史が解説される書籍を求めていましたが、完全な入門書です。誰でも知っているような作曲家が並び、ちょっとしたエピソードが載り、クラシックに親しむ機会を提供しようとするものです。中身にふさわしいタイトルにしてくださいね。
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音楽史に影響を与えた社会的出来事をも含めて、
クラシック音楽史を代表する人物を時系列に沿って展開し、紹介されている著書。
音楽史を深く理解するためには、
音楽史だけの理解では浅く、
世界に起こった様々な出来事をもおさえていることが重要。
ベートーヴェンは、
あまり人あたりがよくなく冷たい印象を持たれるが、実は元々は文学や哲学などの教養にも深く、難聴になる前までは好んで人と論議をしていたことがこの本では紹介されている。
ベートーヴェンの音楽史において革命的な偉業を成せたのは、彼が実は音楽のみではなく、様々な世界の事象を理解する教養があったからこそ、新しい音楽スタイルを作り出せたのだろう。
音楽で自分の気持ちを前面的に出し、今までの音楽形式を一転させ、フリーランスとして自由に活動をした、音楽業界の革命児ベートーヴェン。
その根底にあったのは、彼の教養力だったのだ。
音楽に携わる人ほど、音楽以外のことを学び
音楽に携わらない人ほど、音楽のことを学んだほうが良い。
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歴史や理論を知ることで、作業用BGMでしかないクラシックをより楽しめるんじゃないかと思い、購入。
その時代の音楽家の役割と名曲は、その時代の社会や経済に影響を受けて生まれるとの考えから、本書では、音楽家の解説の前に時代背景を説明する。フランス革命あたりがベートーヴェン、ドイツが30年戦争から復興したあたりがバッハとヘンデルといった感じで、歴史のイベントとクラシックが自分の中で結びついたのがこの本を読んで一番良かったこと。
この本でクラシックじゃなくてヨーロッパの歴史に興味が出たら、「超訳 ヨーロッパの歴史」を読むのがおすすめ。
クラシックを聞いても綺麗だな、激しいなぐらいの感想で終わってたのが、こういう時代だから腹立ってたのかなぐらいは想像できるようになった。BGMとしてではないクラシック音楽を今後楽しめそうだ。 -
社交、ビジネスに役立つように書かれたクラシック音楽史入門。
著者の好みが出ているのか一部の作曲家に偏りを感じる。
これで教養付くかなぁ?素人の付け焼刃は簡単にバレるから相手を見極めて早々に実情を白状した方が身のため。
気になった点←参考文献が古い?
★バッハ、ヘンデルは白内障?、
★ブランデンブルク協奏曲は献呈の為の書き起こし?手持ちから献呈用に選んだんです! -
うんちくが浅く作曲家チョイスも少し同意しかねる。おすすめ10曲も今ひとつ。(あくまで個人的感想です)
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2018年大阪梅田紀伊国屋書店「秋の芸術フェア」で
店頭に並べられていた本。
クラシック音楽についてまとめられている一冊がほしいと思っていたので、迷わず購入。
年表を見て、あらためて十数年という極めて短い間に多くの天才音楽家たちが世に生きていたことに驚かされる。
音楽の歴史をそれぞれの音楽家の人生に照らし合わせて垣間見ることができる。久しぶりにクラシックのCDを聞いてみようかなと。 -
クラシック音楽のプロデュースなどを手掛ける松田亜有子さんが書いたクラシック音楽ガイド本。
タイトルだけ見ると堅いのかな?と少々身構えていたが、丁寧な文体で分かりやすく、すんなりと内容が入って来た。
作者のクラシック音楽愛も伝わってきたし、大事なところは太字にしたり、作曲家年表を付けていたり、参考資料写真などもふんだんに盛り込んでおり、読みやすい工夫を、至るところに感じた。
作曲家たちの歴史はもちろん、音楽家の役割や、その曲が作られた当時の西洋の時代背景も書かれており、音楽を通して世界史までも学ぶことが出来る、大変お得な一冊。
作曲家は、バロックからはヘンデル、バッハ。古典派からはハイドン、モーツアルト、べートーヴェン。ロマン派からはシューベルト、シューマン、ベルリオーズ、リスト、ワーグナー、チャイコフスキー、ヴェルディ、プッチーニ、マーラー。印象派からはドビュッシー。現代音楽からはストラヴィンスキー、などの歴史や人物像を丁寧に紹介している。
作曲家だけでなく、オーケストラやオペラの楽器編成の歴史、「音楽」そのものの歴史や、ピアノの進化、ドレミの音階、楽譜の普及や、日本と西洋音楽の出会いまでも書かれており、これは楽しくクラシックの勉強が出来る一冊だった。
松田さんは特にベートーヴェンが好きなのかな、と感じた。
初めて自分の気持ちを音楽で表現したり、パトロンに頼らずフリーとして独立して活動したり、と、音楽で大きな革命を起こした貴重な人物だ、と賞賛していて、文章にも熱を感じた。
逆に、ショパンとラヴェルの記述がほとんどなかったのが気になった。
交響曲を書かなかったからかな?
また、個人的にはやはり、印象派についての記載が興味深かった。
19世紀のパリのサロンでは、モネと同世代の詩人のステファーヌ・マラルメが自宅で度々交流会を開き、その時輝いていたあらゆる芸術家たちを集めたという。
そこには、ドビュッシー、マネ、モネ、ゴーギャン、ドガたちも呼ばれていたらしい。
ドビュッシーとマネは20歳ほど歳も違うけど、当時交流があったのかな?
巻末には、作者オススメの「クラシック音楽が楽しめる映画30選」と「クラシック音楽オススメ10選」が掲載されている。
気になるモノは全部メモりました!これを参考に、映画も音楽も、楽しみたいと思います!
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クラシック音楽に無学な私でもわかりやすく、また興味深く読むことができた。
音楽家たちの生涯や作品の背景を紹介するだけでなく、市民革命やナショナリズムといった歴史と絡めて説明されることで、とても奥行きのある内容になっていたからだと思う。
私が世界史やクラシックに疎いからこそ、発見が多かったというのもあると思うけど。
個人的には日本人オペラ歌手三浦環のエピソードが印象的。
欲を言うなら、ショパンについて詳しく知りたかったなぁ。 -
表示に小さく「ビジネスに効く」なんて書いてあるがどう考えてもビジネスに効かせようなんて意図はない。
ただ、そんなことはどうでも良くて、クラシックの中世〜近代までの流れを掴むにはとても分かりやすく良い本だと思った。
クラシック興味あるからこれから知っていきたい人にはオススメです。
どの本でも同じにはなるが、バロック、古典が濃く書かれていて、特にベートーヴェンについての偉大さを語っている。
ベートーヴェンまでは音楽家は召使い同然の扱いで、ベートーヴェンから変わっていったことがよく分かる。
ロマン派になるとたくさん人が出てくるので説明はかなりおざなり感がある。
しかし、それも他の本でも同じことではある。
日本に西洋音楽が伝わったことが最後に書かれているが、個人的にはこれが好きだった。
西洋音楽の音階は日本にはなかった、そこからどのようにして広めたら良いか。
当時、明治時代始めはドレミファソラシドがまだない頃である。
当たり前な話だが、言われてみるとすごいことだと思う。
音楽取調掛が始まった明治12年(西暦1879年)から本年の2021年まで142年。
日本はドレミファソラシドを知ってからまだ150年も経ってないんだなと考えるとなんだか不思議に思う。
そしてクラシックの音楽が入ってきてからはジャズ、ロック、ボップと日本の音楽はここから目まぐるしく変わっていったんだなと感慨深いものを感じた。