- ダイヤモンド社 (2023年1月12日発売)
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感想 : 53件
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Amazon.co.jp ・本 (592ページ) / ISBN・EAN: 9784478107003
作品紹介・あらすじ
世界を驚嘆させた森林生態学者が明かす! 「樹木たちの会話」を支えてきた、地面の下の「宇宙」とは──。
みんなの感想まとめ
深い森の生態系とその神秘を探求する内容が特徴の本作は、著者の情熱と愛情が溢れる深い考察を提供します。森林生態学者である著者は、地中の菌根菌を介して木々が情報や栄養を共有する様子を明らかにし、特に「マザ...
感想・レビュー・書評
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カナダの森林生態学者による研究論文。
というよりも、著者の学究心の心からの吐露。そして人生、家族への愛に満ちた深い考察文という趣。
深い森とキノコの香り立つような、読み始めから、読む人を温かく包み込むような深い愛情が感じ取られました。、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
森林の木々は、地中の根から菌根菌を通じて栄養や情報のやり取りをしている。それは、日本人ならば八百万や縁のようなアニミズム的な観点から納得できる話であろう。その常識に科学が追いついてきた。
森林生態学者である著者は、粘り強く森林内部の調査や実地での実証実験を繰り返すことで、「マザーツリー」と呼ばれる高齢大樹が自らの子孫や異種の草木、キノコや地衣類といった菌根菌を育てコントロールすることで、調和した森林空間を創造する実態を突き止めた。
そして、歴史上多くの時間を森林で過ごしてきた人間も、このマザーツリーの影響を受けている。太古からご神木と崇め、水や収穫物を得てきた先祖たちは直感的にその重要性を理解していたのだ。むしろこの自然環境の調和を乱しているのは人工物であり、化学物質に依存した農林業であろう。
全米を衝撃に導いた本作はまもなく映画化され、日本にも波及しようとしている。この当たり前の感覚を西洋から輸入しなければならないのはなんとも情けなく、ようやく生物多様性などの本質理解が進むものと期待している。 -
森や木をテーマとした本はいくつか読んできましたが、ここまで専門的で神秘的な内容を分かりやすく伝えてくれた本はこの本が初めてでした。
まさに、私が求めていた「森」に関する本でした。
木は人間であり、我々と同じように行動し感じる、叡智の持ち主である。森よ永遠なれ! -
話題になっていた本だと思うがその分厚さにかなり怯む。頁数は550ほど。辞書と同じくらいには分厚い。
で、読みはじめてみると、最初は(わたし的には)つまんなくて、読むの止めちゃおうかな、、、などと、逡巡している間に気付いたら面白くなってくるんだから不思議。
この本はシマードさんの自叙伝でありフィールドノートだ。彼女の生い立ちや家族のバックグラウンドの話が導入部分で、森と近接した暮らしから木への興味(発端の驚くべき発見がある)、何故どうして?の疑問を解決するために彼女は動き出す。女が外に出ていく時代じゃなかった昔に孤軍奮闘(実際には大いに助けてくれる人たちがいたけど)する状況もつぶさに記載されていて熱い。
自分のこと、家族のことを赤裸々に正直に書きつつ、森や木々が菌類を介してネットワークを形成して情報伝達しているなんて、まるで細胞内のシグナル伝達みたい!
ミクロからマクロまで、土のなかの菌類、熊から地球温暖化まで実に壮大なスケールのお話で、こういうの読んじゃうと地球のために何が出来る?のレベルで考えるようになる。
彼女はTEDでも講演してて見てみたけど英語の勉強にもなるし、本の内容知ってるのでめちゃ良かった。600万近くの再生数がありましたヨ。
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マザーツリーの秘密が明らかになった経緯を時系列順で追うとともに、著者自身の人生についても書かれており、1人の女性としての彼女の強さに勇気づけられる。
植物には植物の生命ネットワークがあり、様々な面で適した生態系をその土地その土地で作り上げているのだという事実が、もっとたくさんの人に広がり、地球を人間が管理して支配するという思想から生まれる数々の暴挙がなくなればいいなと思う。
自然は合理的にできている。それを壊しているのが人間なんだ。効率化、利益向上、これらが目指す人間の幸せとは何なのだろうと考えてしまう…。
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森の木たちは、互いにコミュニケーションを取り合い、支え合っている。そんなことを、地道に研究してきた道のりが語られた本。
女性研究者として、母として、妻として、闘病者としての苦悩も同時に語られていて、読み応えがすごい。
森に行きたくなる、植物と触れ合いたくなる本。
装丁が美しいのも好き。
そういえば「香君」(上橋菜穂子)を思い出す内容でもあった。 -
この本は、対象読者が混み合っていて読みにくい点は否めないが、モノの見方を一変させてくれる。
西洋哲学ばかりではなく、原住民や他種族の叡智も読んでいきたい、先人の知恵を埋めてしまってはいけないと感じた。
読み終わった後、地球が大好きになり、新しい自分が産まれる良い本。感謝。
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森林を形成するのに最も重要なのは地下に広がる根と菌類のネットワークだった!というのを直感的に感じ取っていた著者が、既存の林業による伐採と生育を変えるために、森林が多様性のもとで協力しあいお互いを支え合っていることを科学的に証明しようと奮闘するノンフィクション。既存のやり方を守りたい政府や林業従事者との闘いであり、女性であるが故の嘲笑や障壁との闘いであり、著者自身の人生を記したものでもある。その分情緒たっぷりの表現も多くて、読んでいて辛い場面も多かった。が、この本が伝えたいことは自然とのつながりを意識して、実感として感じてみてねというのがまず大前提にあるのだろうから、自然と触れることでその美しさや生命力や知性に感動し、愛おしく思う著者の感覚こそがメインなんだろう。科学的な証明や記述は、説得力を補強するものとして書かれている。
経験を裏打ちするための証明ってところがいいですね。
私も森とか山とかに分け入って散歩をしたり、その生態系を眺めるのが好きなのでシーンによっては土と木の匂いが想起されて楽しかった。 -
すべての物事はある物事の一部を拡大したり縮小したりしているようだという説が好きなのだが、この本はそういう意味で人も木も、たぶんそのほかのものも、同じなのではないかと思わせてくれる感じがありわくわくした 人の健康も木の健康もつながりがだいじなんだなと思った
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映画「アバター」のコンセプトとしても採用された、自然の木々が知性を持ち、互いに意思疎通し合う共生のメカニズムが実証されるまでの過程を記した一冊。
材木会社が伐採後の植樹に相次いで失敗するのを目の当たりにした著者は、農業のようにビジネス上の効率性を優先し、商品価値のある単一樹木の栽培のために、それ以外の草木を競合と見做して排除する政府の「自由生育政策」が、森の多様性を阻害しているのではないかと考え、伐採地でのプロジェクトを含む多くの実証実験により、森の木々が根に共生する菌類を介して、お互いに養分を融通し合っている事実を明らかにする。
研究結果をもとに発表した論文が、進化は競争のみがもたらすと信じて疑わない学界や、自由生育政策を進めたい産業界から激しい批判を浴びる中、著者はさらに研究を進め、「マザーツリー」と呼ばれる長老的な古木が自らの子孫に優先的に養分を与え、障害を受けた木が周囲に警告を発し、枯れる前の木が周囲の木に養分を譲ることを突き留め、森全体が菌類のネットワークで繋がった「知性」を持つシステムなのだと主張する。
本書は、伝統的な木こり一家に生まれ、山の中で土を食べて育った著者が、ただ感傷的に環境保護を叫ぶのではなく、徹頭徹尾科学的なアプローチによって歴史的転換ともいえる偉業を成し遂げた探求の物語であり、また男性優位の世界を相手に、時に傷つきながら戦い続ける一人の女性科学者の物語でもある。さらには愛する家族との複雑な関係や苦悩と別れ、赦しと癒しの物語が重層的に織り込まれ、読み手の心を掴んで離さない。
木々の繋がりが他の動植物、果ては人間をも含めた全ての繋がりへと昇華する。自然の神秘に科学と精神世界の両面から迫った唯一無二のノンフィクションである。 -
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マザーツリー=世界樹だ!と思う程度の知的レベルであり、科学エッセイとしてしか読めていないが、その概念と仕組みは何とか理解できた。
通説を疑い、森の中に「家族」を見出した著者の想像力と研究者魂に感嘆した。 -
カテゴリー設定は、いくつもにまたがるうちのひとつ。専門的でありつつエッセーの要素があり、ノンフィクションルポの面もある。森や動物といった生態系に関する記述は、壮大で美しい風景を“目の当たりに”できて詩的ですらある。
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余りにも環境保全界隈に持て囃されているのと、余りにも分厚いボリュームでなかなか手が遠のいていた本。思った通り、重量級の本でした。
利己/利他的な活動という生態学の中でもアツい課題に対して、それまでの常識に一石を投じてきた著者の奮闘記。
科学的な内容は分かりやすく簡略化されて記されており、むしろ著者の自伝という色が強い。著者の人生は大ボリュームの本の中でも弛れる事がなく、常に波に晒されている。波が打ちよせる度に、科学者・家族・生活の様々な軸で迷う。
この迷いには自分が人生を生きる上でも大切になることが多かった。確固たる価値観を自分の中に築く事ができれば、どのような選択をしても最後は受け入れられる。 -
森に対する見方を変えてくれる本だ。著者のスザンヌ・シマードはカナダの森林学者で、森の木々はマザーツリーと呼ばれる古木を中心に根にからみついた菌糸のネットワークを通してつながっており、栄養や情報を送り合っていることを明らかにした。その研究を縦糸に、女性科学者ならではの苦闘や、妻として母としてそして乳がんサバイバーとしての人生を横糸に、美しく織り上げられたタペストリーのような書物だった。最後に、マザーツリーが衰え死んでゆくときに蓄えてきた栄養や情報を次の世代に渡すことを知った著者が、自分は何が出来るかを問う場面は感動的だ。森には人間と同じように知性があり、そこから多くのことを学ぶことが出来るという。この本は映画化されることが決まっているそうなので、今から観るのが楽しみだ。
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『マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険』を検討する
https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2026/07/07/000000 -
山にはキノコが生える。
そう言った意味で、街の木と、山の木は根本的に違う。
山の木々は菌根菌によって、木々が電子信号を使って情報交換していたり、有機物の授受をしていたりする。
死した樹木は、腐生菌によって分解され、他の微生物の食べられるサイズまで有機物を分解する。
マザーツリーと呼ばれる、長齢の樹木が木々のネットワークのターミナルノードとなり、森全体の植生の生存強度を底上げしている。
若い木や、弱った木に対してマザーツリーは余分の炭素や水を、菌根菌を通して受け渡し、さらに同じ遺伝子系列を持つ、親族を認識し、優先して守ろうとする。
これにより、山の森は多少の環境変化に高い耐久性を発揮して、病原菌などへの免疫も、このネットワークのおかげで、森全体が免疫力を持つことができる。
