苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 12024
感想 : 846
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478107829

作品紹介・あらすじ

2019年7月2日、「丸亀製麺を復活させた、刀の意外な戦略」記事で話題になった一冊。

「何をしたいのかわからない」「今の会社にずっといていいのか」と悩むあなたに贈る必勝ノウハウ。
悩んだ分だけ、君はもっと高く飛べる!
USJ復活の立役者が教える「自分をマーケティングする方法」。
後半の怒涛の展開で激しい感動に巻き込む10年に1冊の傑作ビジネス書!

感想・レビュー・書評

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  • いや~これは面白かった。志のある全てのビジネスパーソンにオススメできる作品です。タラレバの叶わぬ願いですが、この本に20代の頃に出会っていれば私の人生も変わっていたかもしれません。少し大げさか(笑

    著者の森岡さんは、ジリ貧のユニバーサルスタジオジャパンを総合戦略やマーケティングで短期間の内にV字回復させた立役者です。まさにスーパービジネスマン!

    私は、USJの復活の過程を大阪で過ごしていました。大阪に赴任したときにはUSJなんて気にも止めず、さしたる興味をもっていませんでした。が、数年後には元旦を家族でUSJで過ごすまでにハマってしまいました。休日は人気があり過ぎて人だらけ。元旦は意外にすいているとリサーチまでしたんですよ。今思えば私も完全に森岡さんの策略にはめられた一人ということですね(笑

    以前からUSJを人気テーマパークに復活させた中途入社のプロがいたということはメディアなどで聞きかじって知っていましたが、実際どのような方なのかは、本書で初めて知りました。そんなスーパービジネスマンが、就職活動を控え自分の人生の進路に思い悩んでいるであろう娘に書き連ねたメッセージが本書のベースとなっています。

    自らの人生経験を赤裸々に伝えてくれつつ、将来や仕事のことを考える際の「考え方(フレームワーク)」を教えてくれています。

    以下印象に残った内容を記しておきます。
    ・現実を見極め正しい選択をすることで人は目的に近づく、重要なのは現実を生み出している構造を明らかにすること。
    ・自分のなかに軸をもつ。軸とは基準となるもの。複数もありうる。
    ・人生において自らコントロール可能な変数は、1己の特徴の理解、2それを磨く努力、3環境の選択 の3つのみ。
    ・強い人間は、環境に合わせて自分を変えるか、自分に合わせて環境を変えるか、そのどちらかができる。

    その他にも大変興味深い考え方を教えてもらいましたが、やはり感動したのは、本書のタイトルにもなっている第5章ですね。まさに森岡さんの苦しかったときのはなし。ネタバレになりますので控えますが読み進めつつ大きな共感を禁じえませんでしたね。

    日本は今や弱い国になってしまいました。経済大国、今は昔。ビックマック指数というのがありますが日本は33位の約400円、27位韓国が440円で、1位スイスは倍804円。日本はグアテマラとほぼ同額です。この事実をどれだけの日本人が認識しているでしょうか。

    本書はそんな経済ジリ貧の日本復活の処方箋が描かれています。日本人よもっとしたたかに強くなれ、そんなメッセージをこの作品から受け取りました。

    • 傍らに珈琲を。さん
      TAKAHIROさん、こんにちは!

      この本は読んでいないのですが、森岡さんはテレビのインタビュー番組、密着番組で釘付けになりました。
      その...
      TAKAHIROさん、こんにちは!

      この本は読んでいないのですが、森岡さんはテレビのインタビュー番組、密着番組で釘付けになりました。
      その時にまず、どんな年代の方にもまっすぐ真摯に向き合う姿勢が素晴らしいと思いました。
      相手がまだとても若くて、投げ掛ける質問でさえ未熟であったとしても、その姿勢は変わりませんでした。
      それにユーモアもある。
      ターゲットの掲げ方も具体的で、そのターゲットに対してどのようにアプローチしていけば良いかも明確。
      そしてその熱量。
      テレビ番組を通してでしたが、こちらも何かに掻き立てられるような思いでした。

      仕事をしていると、森岡さんレベルではないにしろ、似たような方と稀にお会いできる時があります。
      その方とお話しているだけで、私ももっと出来るんじゃないか、そうだ、こうしてみよう、ああしてみよう、とモチベーションを上げてくれる人。
      曖昧だった目標が明確になってきて、頭の中がクリアになるような人。
      そんな方に出会えた時は、チャンスを狙って度々お話をさせて頂きました。

      森岡さんのお話って、へ~すごいな~で終わらずに、森岡さんの話を読んだり聞いたりした人間まで動かす力があると思うので、本当に凄いですね。
      自分ももっとこうしてみよう!って、延いては自分自身の事も今より好きになれそうな気さえします。
      2022/11/27
    • TAKAHIROさん
      傍らに珈琲を。さん

      コメントありがとうございます!
      森岡さんて、けっこうテレビに出てるんですね。知りませんでした。興味あるので私もユーチュ...
      傍らに珈琲を。さん

      コメントありがとうございます!
      森岡さんて、けっこうテレビに出てるんですね。知りませんでした。興味あるので私もユーチューブか何かでチェックしてみます。

      本の印象ではとにかく熱いヒトですね。働いて思うのですが、今の時代の若者(Z世代などと言われてます)はこういう熱さや一生懸命さなんかが前面に出て
      しまうと敬遠されると感じてます。
      私なんかは単純なのですぐ感化されるのですが(笑)

      傍らに珈琲を。さんさが見た森岡さんの印象から推測するのですが、心に熱さを秘めつつも、暑苦しさが表に出ていない真摯さを演出し自らをブランディングされているのかなと、非常にクレバーな方ですね。

      ところで、傍らに珈琲を。さんのコメントの最後の言葉がら印象的でした。
      私も自分自身の事をもっと好きになれるようになりたいです。自己肯定感てめちゃくちゃ大事ですよね。やりすぎるとナルシストですが(笑 では

      2022/12/03
  • ◆◇━━━━━━━━━━━━
    1.この本を選んだ目的 
    ━━━━━━━━━━━━━◆
    何かでこの本が紹介されていたことがきっかけです。
      
    ◆◇━━━━━━━━━━━━
    2.概要
    ━━━━━━━━━━━━━◆
    筆者の森岡さんが娘さんへ本という形で間接的に伝えたいことをまとめたもの。

    ◆◇━━━━━━━━━━━━
    3.感想
    ━━━━━━━━━━━━━◆
    面白い本でした。
    自分自身と向き合うことをおろそかにしている人に向けたメッセージとして、響くものがあると思います。
    序盤の「自分自身を知るための努力」なんて、キーワードは、なかなかに考えさせられると思います。

    パークペクティブとか、バイアスという言葉が、10代の段階で常に頭の端っこに置いてある状態が理想的だと思います。なので、こういう本は、10代で読むべきで、そこから、自分の考えを導き出していくように、考える時間と行動をとっていくことが大切だと思います。
    ぜひ、若いうちに、読んでほしいです。

    身近な人から、考えることを、しっかり教えてもらえることは、早い段階で他者よりも優位な立ち位置になるだろうな〜と感じるとともに、いかにして、考えることに興味を持たせていくかは、親として難しいミッションだろうか〜と感じました。

    娘さんがどう捉えて、どう感じて、どう行動したかを別冊で出してほしいた思いました。

    自分の世界観というものは、いくつになっても大きく変わっていない気がします。会社をいくつ変えても、学びをより深めても、海外旅行に行ってみても、劇的に変化したとは感じられていないのは、思考のベクトルが少ないことに起因しているとわかっています。

    そして、人生の半分を過ぎたところで、あらたに自分が目指すものがなんであるのかをしっかり頭に置いて、また、一歩を歩んでいかなければならないと、考えさせてくれる本でした。

    ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━
    4.具体的にどのような点を学習したか?
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
    残りの人生を選択する時の軸となるものを考えた。

    ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━
    5.具体的にどのような行動をするか?
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
    仕事以外で、多くの目標設定をして、自己評価をしていますが、それは1、2年先までです。
    人生残り40年と定義して、あらたな目標を定義する。

    ■残りの人生の目指すべきものを明確にする。
    ■必要な行動を定義する。
    ■期日を定める。

    本を読むことだって、1年間に70冊だと、あと、2800冊しか読めないです。

    • Sintolaさん
      MANIDEさん、2800という数字は、非常に少なく感じられますね。精一杯本を読んで勉強しても、私たちが知ることのできる世界はほんのひとかけ...
      MANIDEさん、2800という数字は、非常に少なく感じられますね。精一杯本を読んで勉強しても、私たちが知ることのできる世界はほんのひとかけらであり、人生の終わりに「後悔」する可能性は高いです。ただし、計画を立て直して決意を新たにするのは、どのタイミングだって良いはずです。(日日是好日という言葉が示すように)
      年間何万冊も新しい本が出版されているなかで、MANIDEさんに選ばれし2800冊がどれも素敵な本であることを願います。
      2023/06/15
    • Manideさん
      sintolaさん、コメントありがとうございます。

      そうなんですよね〜
      もう、それだけしか読めないんだな〜と感じています。

      そうですね、...
      sintolaさん、コメントありがとうございます。

      そうなんですよね〜
      もう、それだけしか読めないんだな〜と感じています。

      そうですね、大切に一冊を選ばないといけないですね。
      ありがとうございます。
      楽しみながら、本を読んでいきたいとおもいます(^-^)
      2023/06/15
  • だいぶ前から読みたいと思っていて、やっと読めた。

    もうこんな歳だけど、今から強みを生かせるでしょうか、となんだかすがるように読んでしまった。

    本書は、森岡さんが就職活動に悩む娘さんへ書いたものが書籍になったということで、その年代の人たちにはかなり刺さる内容だと思う。私もその頃、こういったことを知っておきたかったと思う。とはいえ、今の私が読んでも充分に学びのある内容で、新卒の就職だけでなく、転職や起業で悩む人にもオススメできるものだと思った。

    ・・・さっき、この本を若い頃に知りたかったと書いたけれど、本音を言うと、あの頃の私が読んでも、本書の内容は30%くらいしか伝わらなかったのではないかとも思う。なんなら、「けっっ」と反発さえしていたかもしれない。
    というのも、森岡さんが指摘するとおり、私は、本当にのほほんと何も考えず、労働者という歯車を生み出すための日本の教育システムにまんまとハマり、目の前に敷かれたレールしか見ておらず、そのレールに沿ってここまで、どんぶらことここまでやってきたタイプだから。あの頃の私には刺さらなかっただろうな、と思うと、今がそのタイミングだったと思って、学び直し!です!

    今まさに、毎日、毎週、毎月、毎年のスピードが速くなる中年と言われる年代に突入し、これまで一体何をしてきたのかと我ながら恐ろしくなるほど何の職能も身に着けていないという状況になっているのだが(私が所属する組織も、日本の多くの組織と違わず、数年での異動を繰り返し、スペシャリストよりゼネラリストを黙々と生み出す組織なのだ。)、本書に従って、頭と心をフル回転させてみた。

    ふむふむ。

    ・自分の中に基準となる「軸」を持つ
    ・成功は必ず人の強みによって生み出されるのであって、決して弱みからは生まれない
    ・資本主義の本質とは何か
    ・会社と結婚するな、職能と結婚せよ
    ・コントロールできる変数は3つだけ
     「己の特徴の理解」「それを磨く努力」「環境の選択」
    ・日本の教育システム

    ふむふむ。なんとなく最近やっと見えてきたような社会構造など、簡潔に説明されていて、かなり理解できた。この歳になってやっと戦う場所がどんなところが見えてきたってもんです(笑)

    そして、私は、えっと、Tタイプの人間だな。ふむふむ。方向は大きくは間違ってなさそうだな。え?自分をブランディングする?考えたことなかったけど、確かに筋道立てて自分をブランド化して売り出すって、基本的なことなのかもな・・・

    などなど、得るものは多かった。そして、話し言葉なのでわかりやすい。

    読み応えがあったのは、やはり第5章「苦しかったときの話をしようか」だった。P&Gに就職してからのオーバーワークや自分への自信喪失から電話が取れなくなって、おそらく限界地点ギリギリでの上司への直談判。それから、P&G米国本社での苦労はもう、ぜひ本書を読んでいただきたい。私みたいな弱い人間は読むだけでもう心がポキッと音を立てて割れた。実体験をした森岡さんの強さに驚愕。ここも限界地点ギリギリだったと思うけれど、最後の最後に森岡さんを奮い立たせた考えが、ここで自分が逃げたら、今後P&Gジャパンから米国本社へ日本人が来れなくなる、日本人がバカにされるという思いだったとのことで、人って自分のためより人のための方が強くなれる気がする。なんてちょっとズレた感想を持った。この章だけでも、この本を読む価値はある(え?ここ?森岡さんが伝えたいことのメインではないんでない?というツッコミはなしでお願いします)。

    「迷ったときは厳しい方をとれ。コンフォートゾーンを抜けなければ、力は発揮されない。」

    戦国時代の武将が今、ちらっと見えた気がする。やはり世に出る人は違う。コンフォートゾーンどころか、ずっとぬるま湯に浸かっている私なんぞ、そりゃ・・・(以下省略)。

    やはり森岡さんは変人だ。色んな意味で普通ではない。かなりの戦略家だし、凝り性だし、野心家だし、いわゆる頭のいい人だ。みんながみんな森岡さんのようにはなれるわけではないので、できることは真似しよう。森岡さんの知識を盗めるなら盗もう。そういったスタンスでいい、とは思う。それでも、やはり、就活時期の若者には是非とも本書を読んで、まずは自分を良く知ること、そして軸を持つこと・・・と進んで実践していくことをオススメしたいと思う。素直に読むことができたら、きっと大きな財産になる。

    「おわりに」にあった、「やりたいことを考えないことや我慢することがデフォルトになっている社会を、それぞれの”欲”に対して素直に旗を立てて進むことが当たり前になる社会に変える」という言葉に森岡さんの使命感の強さを感じた。

    • Manideさん
      URIKOさん、はじめまして。

      よくわかります(^^)
      あの頃の自分が読んでも…きっと、響かないというのは、わかります。いろんな経験を積ん...
      URIKOさん、はじめまして。

      よくわかります(^^)
      あの頃の自分が読んでも…きっと、響かないというのは、わかります。いろんな経験を積んだからこそ、その言葉が伝わってくるんでしょうね。

      きっと、あの頃にも何かしら考えていることはあったんでしょうね。若い時は若い時で、別のことに悩み、そして楽しんで生きてきたんだろうな〜と、思います。

      私は、今更、何をもがいているんだと、自分を否定する自分がおりますが、新たな目標に向かって進んでいきたいともがいています(笑)
      2023/06/08
    • URIKOさん
      >Manideさん
      はじめまして。コメントありがとうございます。
      共感していただけてすご~く嬉しいです。
      そう、あの頃もあの頃なりに何...
      >Manideさん
      はじめまして。コメントありがとうございます。
      共感していただけてすご~く嬉しいです。
      そう、あの頃もあの頃なりに何かを考えていたんでしょうね・・・(笑)

      わかります、わかります、「今更」と思ってしまう気持ち。でも、時間は戻らないんだし、もがきたいなら、今からでももがいていいんですよ!
      今日が一番若い日なんです(←受け売り)。新たな目標に向かっていきましょう!
      2023/06/09
    • Manideさん
      いいですね、今日が一番若い日!
      楽しみながら頑張っていきましょう(^-^)
      いいですね、今日が一番若い日!
      楽しみながら頑張っていきましょう(^-^)
      2023/06/09
  • 静かで熱い、本だった。読んでいて何度も「もう少し若いうちにこの本に出会えていたら」と思ったが、その度に「人生で一番若いのは“今”だ」と打ち消した。変化には時間がかかる。コツコツやっていこう。ただし、戦略を持って。

  • 森岡さんの本は、『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』以来2冊目。

    もっとも読み応えがあり、本のタイトルにもなっている第5章では、P&G時代の苦労話が語られる。P&Gジャパンからグローバル本社に抜擢されることは大変レアケースだったらしく、米人の同僚、配下から執拗な嫌がらせに会い、自信喪失しかけたところからの再起のストーリーがかっこいい。剛腕で鳴らす筆者でもそういう時期があった、というのは逆に励みになる。

    フィジークという、社長肝入りの大失敗ブランドの責任者に据えられ、自分が信じられないものをひとに信じさせなければならない立場に追い込まれた時のしんどさは察して余りある。程度の差はあっても、組織の中では似たような話は多いだろう。

    元々は我が子のために書き溜めた文章ということで、若者への応援歌的な内容だけど、戦う気概のない人からすると少々暑苦しいかもしれない。(そういう人は、そもそもこの本に手を伸ばさないだろうけど)

  • USJをマーケティング面で再建させた元P&Gマーケ 森岡さんの本。
    森岡さんの本は、何冊か読んでみます。

    ※USJを劇的に変えた、たった1つの考え方
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4041041414#comment

    ※誰もが人を動かせる!
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/429610800X#comment

    この本も中々の濃密な本なのですが、
    この本自体が著者の娘に向けて書かれたメッセージが
    本になったこともあり、
    特に将来設計を考え始めた大学生とかに特に読んでもらいたい本です。
    森岡さんの壮絶な?人生経験が書かれたパートが一つの読みどころで、
    ここを読むだけでも(追体験するだけでも)、
    この本を読む価値はあるんじゃないかと思います。

  • 恐らく誰もが感じる社会人デビューして体験する地獄の日々。
    精神的に追い詰められながも必死に答えを探し進み続ける筆者は強いと感じた。

    さらに親になり子どもに生きる意味を見出す。
    誰かのために生きる大切さ、生きる目的、頑張る理由で人は強くなれる。

    この著書は親バカが娘に少しでも良い人生を送って欲しい思いが詰まっている。

    ただ、筆者の経歴は一般的でなくキャリア形成の成功者である。
    本の随所にピンチが訪れるが上手く切り抜ける実力がある場合のストーリーである事を忘れてはならない。

    あとマーケティングに興味がない人には蛇足がある。

  • 自分だけのキャリアの形成方法を、著者の体験に基づいてアドバイスをくれる本。

    著者自身が仕事人間で熱いけれど、特にそれを人に押し付けるような印象がなく、自分の軸(どうありたいか)に合ったようにと、寄り添ってくれるのが好印象でした。

    将来どうありたいかを今一度点検しなおしたいと思う。

  • 森岡さんが娘さんのために将来や仕事のことを考える際に役に立つように書いた「虎の巻」。正直言ってマーケティングの考え方は少し難しかったが、なるほどと納得することが多かった。ビジネス書とは思えないくらい森岡さんの熱い想いが伝わって来る。特に第5章と第6章。

    心に残った言葉。
    ・自分のことを知っている度合いをSelf Awarenessという。日本の最大の課題の一つは、このSelf Awarenessの強い子供をもっと増やしていくことだと思う。小学校へ入学してから大学を出るまで16年間もあるのに、自分が何者で、どんな特徴があって、どんな時に幸せを感じるから、どんな職に就いて、どのような人生を送りたいか、そういうことをほとんど考えさせない。高校時代に文系か理系かを選ぶ際にも、己の内面を問うことをスキップして、その時点で数学がどの程度できるかで半自動的に決まってしまう。進むべき大学や学部も、受験の合否と偏差値による世間評価との相場観で、それほど悩まなくてほぼ受動的に決まっている。結果、Self Awa renessが未成熟なまま、己の軸がない状況のまま就活が始まる人が多い。

    ・キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている特徴を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えるということだ。






  • 周囲の空気や圧力に流されず、本当に必要なことに集中して仕事の成果を出し続けたストーリーの数々。受話器が取れなくなった体験、ブラジル訛りの英語による渾身のプレゼン、社内で相当上の立場の人にも噛みつく話など、多くの伝説を生み出している。そして筆者は、崖っぷちまで追い詰められた時に、絶対に逃げず、底力を発揮して突破している。

    持ち前の無骨な精神を生かし、あらゆる困難に立ち向かい泥臭く突破するのだが、「ここまでやるか?愛する家族のためここまでできるのか!?」という驚きの連続であった。

    資本主義における労働者搾取の構造、学歴社会、社内出世事情なども、ズバズバと直球で分かりやすく語りかけてくれる。何となく就活をしている学生、何となく大企業に就職したがくすぶっている人、人生100年時代のキャリアプランを考えな直したい人にはおススメの一冊である。

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著者プロフィール

株式会社刀 代表取締役CEO

「2020年 『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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