ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478108345

感想・レビュー・書評

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  • 数年前に読んだ外資系コンサルの知的生産術は面白かった。
    今回はそれと比べると鮮度がイマイチであまり刺さらなかった。

    良かったポイントは1つ。

    課題を発見し、意味をもたせること。

    これはまだまだできてない。
    なんの為に仕事をするか、なんの為に生きるのか。を考えられていない。

    問題解決型の人間だから、正解を求めて右往左往している。
    これまでの人生を振り返り、どんな意味合いを持たせるか。意味がないと思ってても、こじつけてみたりしよう。

    それでも、将来が見通せないなら、今後どんな意味合いを持たせたいか、思うままに書いてみる。

    正解はないからこそ、意味のもたせ方1つで、
    働き方も生き方も変えられる。

  • 何が一番変わっているのかというと、「問題解決」の時代ではないということ。そして、問題を解決するのにも、過去の経験に照らし合わせて、パターンに当てはめ、解決策を導き出すアプローチではないということかな。こうやって、全体を軽く要約することを厳に戒めていらっしゃいますが・・・

    まず、前者。そもそも問題とは「あるべき姿」と「現実」とのギャップと定義し、その差を埋めるのが問題解決。コンサルが良く言う、AsIsとToBeですね。先進国にキャッチアップする時代はそれでよかったかもしれないけど、今や日本はれっきとした先進国。ある程度のレベルに到着したところで、「あるべき姿」=目標というのを失ってしまったということ。故に、大事なのは問題を解決することではなく「あるべき姿」を構想する力。いわゆるビジョナリーなのかな。「未来がどうなるのか?」ではなく「未来をどうしたいか?」を考えるのがニュータイプだということみたいです。あと、こういう文脈の上に「モノから意味の時代」にという指摘もあります。量を増やすのではなく質だというといいすぎかもしれませんが、ある程度物質的に満ち足りている現状では、単にモノを持つことではなく、意味が重要だというのはその通りかな。あればよいという時代では確かにないと思います。

    それから、解決策へのアプローチ。世の中が混とんとして、不確実性とか不確定要因が多い中では、計画を立ててしっかりとやっていくというアプローチではなく、やってみて、少しずつ修正してというアプローチでないと解決策に行きつけないという指摘。アジャイルですね。そうなのかもしれないけど、会社ではこれでは説明できない。まあ、典型的なオールドタイプなのかもしれませんが、今の時代は試行錯誤を繰り返して少しずつゴールを目指すというのも何となくその通りと思います。計画が立てられないとは気持ち悪いし、何よりも説明力がないけれど、ある程度の試行錯誤ができないと新しいものは生み出せないと、それは何となく感じています。

  • 問題を発見し意味を創り出す能力

    システムの大きな問題を解決するには
    システムそのものを微修正しながら

    何か儲かりそうなアイデアはありませんかとお見合いを繰り返すのがオープンイノベーションがうまくいかないと理由

    人工知能を人間が手にしたことで私たちは
    どのような可能性が開けるのか?
    テクノロジーによってわたしたちはどのように人間を進化させられるのか?

    意味はコピー出来ない

    素晴らしいデザイン
    素晴らしいテクノロジー
    素晴らしいプロダクトが生まれるか?

    コピーという攻撃に非常にき弱

    その製品やブランドが持っている固有の意味はコピー出来ない

    アップルはすでに一つの文学

    モノが過剰になり、意味が不足している時代において、私たちはなぜ働き続けるのか?

    WHATの要件は共感
    共感を獲得できるビジョンを打ち出せるのか?

    役に立つよりも意味があることの方が高い経済価値がある
    役に立つトヨタより意味があるイタリア車
    論理と直感を状況に応じて適切に使いこなすしなやかさが必要だ

    二重過程理論
    論理と直感のバランスでパフォーマンスは上がる

    自然界では短期的な非効率が中長期的な高効率につながる
    生産性という概念がトリッキーだという事
    日本の効率性重視が高付加価値を生み出せずにいる

    グーグル、3Mは規律と遊びのバランスが絶妙

    過去の大発明は偶然
    使用目的を想定された後に、発明という行為が行われる
    結果的にイノベーションになった
    何の役に立つのかよくわからないけど、なんかある気がする
    ブリコラージュ

    キャリアプラン
    大量に試して、うまくいったものを残す
    何が良いかは試さないとわからない
    成功は確率論
    成功者のキャリアは8割が偶然

    不甲斐ないリーダーに対して、これを是正させるオプションとは、意見をして行動を正すかその人の元から逃げ出す

    構想力を高めるには、何が必要か?
    →リベラルアーツ
    リーダーの役割は、問題を設定する事もある
    MBAを代表とするサイエンスでは解決出来ない

    リベラルアーツとは自由になるための技術

    問う、疑うのための技術がリベラルアーツの真髄

    インターネットが誕生したことで、分かり合える者たちだけの閉じたものにしている
    インターネットが孤立化・分散化する恐れがある

    自分と価値観のフィットするわかりあえる者たちだけでコミニュケーションをループさせるのが、オールドタイプ

    GAFAも経験の少ない新参者
    大手企業は過去の経験と知識によって敗者となった

    オールドタイプは貧富の格差が拡大する富の側に入るよう頑張る姿勢

    生産性の爆発的な向上?
    江戸時代の倍以上の労働時間と消費エネルギーで生産したものは、ゴミ

    人間は意味を食べて生きる生き物
    ゴミを作り、売ると言う事に対して意味を見いだせていない

    テクノロジーが進化して逆に退化している

    資本主義というシステムに根本的に問題がある
    意識が変わらなければシステムをかえても変わる事は無い
    無自覚で無批判であったのだ

    ※意見を言って疎まれ、会社辞めたよ。
    上司のパワハラでハカイダーはいっぱい退職させて
    自殺したのもいた。

    学習したのは、嫌な辞めればいいや。

  • あらゆるモノの品質がコモディティー化した現代を生き抜くためにこういう考え方がありまっせを教えてくれる本。おすすめの一冊。

  • ◾️所感
    新時代の思考の軸を身に付けるため、読みました。変化の激しい社会において、課題解決型のプロブレムソルバーは価値を減損します。その一方、課題設定型のアジェンダシェイパーがニュータイプとして価値を生みます。
    この時、常識への違和感が問題提起に繋がります。リベラルアーツを学ぶことで、目の前の常識を相対化できます。
    加えて、環境に応じて自分の学びをアップデートする、ラーニングアジリティが重要です。コナトゥス(自分らしい自分で居続けようとするエネルギー)を高めるために、偶然性も活かしてたくさん試すこと、そのためにやめることも必要となります。
    この生き方は現代社会を軽やかに生き、結果としてていくのみならず、個人の幸福にも直結すると考えます。

  • 大学生になった長女に。
    「事実の理解について自分のモノサシを持つことの大切さに気づいて欲しい」のに続いて「これからの時代に向けて、自ら問題を設定できることの大切さを理解してくれたら良いかなぁ。」と思いプレゼント。
    あとは、自力で。健闘を祈ります。

    器用に問題解決頑張ってきた方には耳が痛いご指摘の本。でも、人は変われます。ポジティブゆきたいですね。

  • MBA卒業生の中ではよく交わされている会話の内容が、山口さんのいろいろな事例をベースによくまとめ挙げられているように感じる。特にコンサル経験者にしか語れないような内容も多くあり、非常に示唆に富む本である。二項対立の議論に終始してないところもいいと思う。

    中でも(パニック映画が教える日本人の行動特性)の内容は、わかりやすく笑えないくらい的を突いた新たな示唆だった。

  • 山口さんの本だったのと、異動でキャリアについて考えるタイミングだったので読みました。

    ・「問題の希少化」を招いたのは構想力の衰えp43
    「問題の不足」という状況は、そもそもわたしたち自身が「世界はこうあるべきではないか」「人間はこうあるべきではないか」ということを考える構想力の衰えが招いている

    ・今の風景は誰かの意思決定の集積p62
    予測:未来はどうなるか
    構想:未来をどうしたいか
    例:アランケイのダイナブックのコンセプト図(予想ではなく自らの構想が今具現化してる)
    >アフターコロナについて考えた方がいいなと思った

    ・p73
    将来の人は週に15時間しか働かなくなる(ケインズ
    これに対しての山口さんの想像
    ・不満・不安・不便を解消するために重要な労働は一日3時間程度
    ・残りのあ時間は実質的な価値を生み出さない「虚業的労働」


    ・モチベーションが経営資源として希少化p81
    仕事に対して前向きに取り組んでいる人13%(世界、ギャロップ社)
    働く喜びを感じている人14%(働く喜び調査、リクルート)


    ・p82
    資本と比べた労働に固有の性質は、価値の可変性にある
    (神戸大学加護野教授)
    ヒトの能力はリーダーの「意味」の与え方によって簡単に増減する
    人材アセスメント(360度評価など)は合理的に思えるかもしれないが、人間が発揮している能力を静的なものとと耐える世界観を問題として抱えている
    なんの「意味」も与えられていない状態で動機付けされていない人を評価すれば低くされるのは当たり前


    ・モチベーションは現代社会の最大の資源p86
    ミレニアル世代(80〜00生まれ、20〜40歳)
    は意味の有無にシビア。
    その企業が事業を行なっている目的を重視する人が6割(15年、デロイト社、世界29か国)
    いつの時代にあっても、その時代の若者は常に「その時代に足りないもの」にハングリー
    (〜80はものが希少で意味が充足、80〜はモノが過剰で意味が希少)


    ・マルニ木工p103
    アップル社の椅子として採用されている
    欲しいものがないと気づいて深澤直人さんとつくった
    (人の心を動かすような尖ったもの)


    ・「役にたつ」より「意味がある」のほうが高く売れるp117
    人が自分の人生において重視する「意味」は多様
    「意味」で他者と差別化する(せざるを得ない)先進国の人にとっては「意味」に高い対価を払う
    例:トヨタ車・ベンツ・フェラーリ
    例:ハサミ・ー・タバコ(銘柄数が多い、それじゃないとイヤ)
    役に立つ/立たない 意味がある/ない

    ・「役に立つ」で戦うと「ほぼ全員負ける」p114
    トヨタ車 ←← カーシェアやIT企業による代替サービス
    └ 戦後は「役に立つ」も夢の状態だったから、規模頑張って、規模で勝ってきた
    └ 今は「no1」※代替品もで出している最中。

    ・意味はコピーできないp121
    製品やブランドがもつ固有の「意味」はコピーできない
    「意味」の形成には膨大な情報量が必要であり、そのためには時間がかかる
    例:アップル

  • 素晴らしい一冊でした

  • この本は、これからの激動している世の中を生き抜くために
    読むべき必須の本かもしれない。
    実際に他の人の評価もとても高い。

    著者はこれから求められる思考や行動様式を
    ニュータイプ(これから)・オールドタイプ(これまで)で、
    きれいに整理してくれており、読者に新たな気付きをもたらしてくれます。
    この本を読めば、(ほぼ全ての)人が
    「この部分、自分はオールドタイプやったな」といった自省があるのではないでしょうか。

    とても良い本で、大事な本だけを入れている本棚に置こうと思っていますが、
    些細なことで少しだけ気に入らないことは、例えば、
    著者はもともとBCGというコンサル会社出身にも関わらず、
    「コンサルに未来予測を依頼してきた会社は、その後うまくいっていないケースが多い」だの本の中で述べていますが、
    だったらそんなプロジェクト受注せず、
    本当にやるべきプロジェクトにクライアントを促しましょうよ…と感じてしまいます。
    ニュータイプ・オールドタイプの思考や行動様式を理解する上では、
    ふさわしい例なのかもしれないのですが、あんまり読んでいて気持ち良いものではない。。
    でも、そんなところ気になる人はほとんどいないはずなので、皆さん是非読んでみてください。
    マストバイ的な、とてもいい本です。

    話題になった「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」も読んでみたいです。

    ※世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4334039960#comment

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著者プロフィール

1970年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻、同大学院文学研究科美学美術史学修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在は「人文科学と経営科学の交差点で知的成果を生み出す」をテーマに、独立研究者、著作家、パブリックスピーカーとして活動。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める。

「2023年 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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