「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 1046
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478109182

感想・レビュー・書評

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  • 大変、面白い本でした。
    この本を読んでいて、最近あまり、物事を深く考えたことがなかったことがなかったことに気づきました。
    「やってみよう」というページがあってクラス1からクラス6まで6問の問いがあります。
    スルーした問い(自画像を描くなど)もありますが、頭が疲れるくらいまで考えたのは久しぶりでした。

    本の帯に藤原和博氏が「美術は『思考力』を磨くための教科だったのか!とわかる本」という推薦コメントを寄せていらっしゃいますが、確かにそう思いました。
    アートについて考えるのは面白いことだとわかりました。(ただ、一人で考えているのは面白くないかもしれないです。そのためにこういう本があるのですね)

    「アート思考」の授業を体験した中高生に「美術がこんなに楽しかったなんて!」「これからもずっと役に立つ考え方が身についた!」と著者は感想をもらったそうです。

    著者は大人の方にこそ「13歳」の分岐点に立ち返っていただき、「美術」の本当の面白さを体験して欲しいと述べられています。


    本文より
    「アーティストのように考える」とはどういうことか。
    ①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
    ②「自分なりの答え」を生み出し、
    ③それによって「新たな問い」を生み出す
    「アート思考」とはまさにこうした思考プロセスであり、「自分だけの視点」で物事を見て、「自分なりの答え」をつくりだすための作法です。
    もう少し柔らかくいえば「あなただけのかえる」を見つける方法なのです。
    「美術」で学ぶべきだったのは「作品の作り方」ではありません。むしろその根本にある「アート的なものの考え方=アート思考」を身につけることこそが「美術」という授業の本来の役割。
    「美術」はいま「大人が最優先で学び直すべき科目」である。

    美術館などでアート作品を見ても「よくわからない」「『きれい』『すごい』としかいえない」「どこかで見聞きしたウンチクを語ることしかできない」という悩みを耳にしますが、それは日本の教育が「探求の根」を伸ばすことをないがしろにしてきたからなのかもしれない。
    「地下世界の冒険に夢中な人たちー真の『アーティスト』」。アーティストは、花を咲かせることには、そんなに興味を持っていません。むしろ根があちらこちらに伸びていく様子に夢中になり、その過程を楽しんでいます。アートという植物にとって、花は単なる結果でしかないことを知っている。


    各クラスで取り扱った問いと作品
    クラス1「すばらしい作品」ってどんなもの?/アンリ・マティス<緑のすじのあるマティス夫人の肖像>
    クラス2「リアルさ」ってなんだ?/パブロ・ピカソ<アビニヨンの娘たち>
    クラス3アート作品の「見方」とは?/ワシリー・カディンスキー<コンポジションⅦ>
    クラス4アートの「常識」ってどんなもの?/マルセル・デュシャン<泉>
    クラス5私たちの目には「なに」が見えている?/ジャクソン・ポロック<ナンバーⅠA>
    クラス6アートってなんだ?/アンディー・ウォーホル<ブリロ・ボックス>

  • 【アートそのものを語るな】
    よく考えてみると絵をじっくりと見た記憶はないですね。

    文字・文章に比べると絵画は自由度が高いです。
    文章の場合、わけのわからない文章ではだめで、わけがわかる文章で想像を膨らませる文章が良い文章となりますが、絵画はナニコレ?というものも芸術になります。

    そう思っていたのですが、違うのですね。。。
    その絵から創造するという行為がすべてアートなのですね。
    長編小説を一枚の絵であらわすという離れ業を使っているようなものです。

    「表現されるものすべてが芸術である」この考え方はすばらしいです。
    「アート」と「アートでない」の区別は存在しないということです。表現できた時点ですべてアートであるということです。

    わたしはアート的なものが好きです。
    しかし、アート的とは何かと問われると答えることができません。観た本人が「アート」と感じるだけです。表現された時点ですべてがアートであるとなると、アートというハードルは下がります。表現できるか、できないかその差だけです。

    こう考えるとこの文章も「アート」です。

    「アート」できそうです!

  • 目の前にあるものを自分なりに観察し、感じたことの理由や、そう感じたからなんなのかを考える。そうやって、自分の考え方、感じ方を知ることができる。そんなことを教わった。

    また、現代アートってよくわからないなーと思っていたが、どういう思想でよくわからないものがアートとして鑑賞されるようになってきたかがわかった。
    元々は今あるものや理想の姿を再現することがアートだったが、カメラが出てきてその役割が変わった。
    そして、アートだからできるリアリティの表現や、具体的なものを描かないという表現がうまれた。さらに、アートが目で見るものではなくなり、今ではアートという枠組み自体がなくなってきている。
    すなわち、何もアートではないし、何もかもアート。

    自分なりの思想の根があって、それを表現していればアート。答えがない世の中においては、アートこそが自分を前向きに生かしてくれる。

  • いかに「であるべき」にとらわれていることか。とらわれても良いけど、なぜそう思うのか、考え続けないと。でも
    「であるべき」に囚われると、思考が止まる、行動が制約される。動くために自分だけの考えをみつける。

  • アート思考と聞くと、美術に関わる人の考え方なのかと思ってしまうが、そうではなく、アート思考とは、探究思考であるとこの本を読んで思った。

    「アート思考」とは、
    「自分だけの視点で」で物事を見て、「自分なりの答え」をつくりだすための作法である。

    アーティストたちが生み出す作品たちは目に見える「表現の花」に注目が集まるが、その本質は「興味のタネ」から伸びる「探求の根」の部分。

    本の中で、様々なアート作品に触れつつ、この「探求の根」にあたる思考を読むことができ、とてもおもしろかった。

    探求学習を考える上でも参考になりそうな本。

  • すばらしく、面白かった。
    アートを思考で読み解く本です。
    そしてやっぱり、自分にはアーティストの要素はないなと実感させられた本でした。
    20世紀アートを代表する6作品で「アーティストのように考える方法」が手に入る!、とうたわれています。
    「自分だけの視点」で物事を見て、「自分なりの答え」をつくりだす作法が身につくためには、本書のような解説本が必要です。
    自分自身だけでは、たどり着けないでしょう。
    私たちは「1枚の絵画」すらもじっくり見られない、「中学生が嫌いになる教科」…第1位は「美術」と言います。
    本書では、現代のアートを解説してくれます。
    まさにアートは思考ですね。
    私にとっては、この思考そのものが面白く、残念ながら本書で紹介されている「アート」そのものには、興味は持てませんでした。
    博物館には足を運ぶのに、美術館には興味が持てない理由が、本書を読んで分かりました。
    本書を読んでも分からなかったのは、2歳の子どもが描いた絵と、アーティストが描いた絵は、どこが違うのかということです。
    かたや落書き、かたや芸術作品として美術館に飾られる。
    その差はどこにあるのでしょうか?

  • アート思考と冠されるビジネス書が数多く並ぶ昨今、入門書としてこんなに実用的で本質を捉えた本は他にないのでは?と感じるほど、読み易く自身の思考に刺激が与えられる内容であった。


    アート思考とは、目に見える表現部分ではなく、自身の興味関心から深く探求された世界のことである。という思考をまさしく実際のアートを例に取りながら体験することができた。

    今までアートというものをどこから入っていけば良いか分からなかったが、具体的なステップを順に歩んでいくことでアートというものをどう捉え、どう感じれば良いのかが分かった。

    具体的にはアウトプット鑑賞という自身の主観と根拠の往復、作品との対話から始まり、そもそもアートとは?という定義付けまでをアップグレードさせてくれる。

    不確実で不安定な世界で正解を見つけるのではなく、正解を創り出す。そのために自分の感性、主観を取り戻す。その意味においてアート思考は誰においても重要な考え方だと思う。

  • 「常識」や「正解」にとらわれず、「自分のものの見方」で世界をとらえ、「自分なりの探究」をし続けること。

  • 言ってることは分かるし、うんうんと頷けるところもあるのですが…。
    アートに苦手意識を持ってる人が対象なんだろうから、そうでもない私にとってはなんとなく疎外感を感じる書き方だった。
    エクササイズの結果が「ほとんどの方が○○だと思う」という予想とことごとく外れていて、置いておかれる感じ。自画像もがっつり描いたのになあ…。
    あと、発想を促しているようでいて上から目線な感じもなんか…と感じてしまった。

    私の感じ方がそれだったというだけで、批判する意図はないです。内容的には美術教育への情熱が溢れた素晴らしいものでした。

  • 13歳からの、とあるが大人でも十分読み応えのある内容。
    課題について考えてみる▶︎作品を通じて新たな知見を得る▶︎自分の考えがどのように変化したか(しなかったか)をまとめるを、ミニワークを挟みながら繰り返し進んでいくため、思考を掘り下げる工夫がされていると感じた。

    VUCAワールドの中で、いかに価値を創出できる人間になるか。
    アートという枠組みに捉われず、様々な局面で振り返りたくなる良書である。

    ★表現の花、興味のタネ、探究の根。花はあくまでも結果でしかない。いかに、探究の根を伸ばしていくか。
    ★太陽を見つける能力ではなく、自分なりの雲を作る力が求められる。

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