嫌われる勇気 特装版 自己啓発の源流「アドラー」の教え

  • ダイヤモンド社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478109748

感想・レビュー・書評

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  • 以前の自分は哲学に対して,
    ○日常生活に対して直接的な実益がない
    ○統一的な答えがない(人によって答えが異なる)
    などの理由から学ぶのを意識的にか,無意識的にか避けてきたように思う.

    そんな自分が本書を読んでみて感じたのは「思想を学ぶ重要性」である.

    もちろん,一冊一度読んだだけで全て理解したなどというつもりは毛頭ない.そもそも全て理解する必要も無い.これは著者が言うように「アドラー心理学はだれもがそこから何かを掘り出すことが出来る共同採掘場」であると感じたからである.つまり,理解が深ければ深いほど良いが,どの理解度であっても何かを得られる,ということである.

    得られる何かとはノウハウ的なものではなく,思想である.思想はそれ単体では世界を変えない.行動があって初めて世界は変わる.

    一般的なノウハウは行動を直接変えるため,成長を感じやすい.例えば「毎日掃除を欠かさなければ成功する」というノウハウが書かれていたとして,それを素直に行動に移せば成功するかは別として世界は少なからず変わるだろう.

    しかし,これには継続性が伴わないことがある.なぜなら行動の下に存在すべき思想が無いからである.思想があればその継続性は大きく伸びるであろう.

    これまでの自分が正にそうであった.成功者が「こうすべきだ」と述べていることを愚直に実行に移し,挫折を繰り返してきた.

    今なら理由がわかる.「思想がなかったから」であると.今後は安易なノウハウだけに踊らされるのではなく,思考をインストールすることに重きを置きたい.

    さて,印象に残ったこと3つと,自身の今後の行動を以下に示す.


    ○答えとは、誰かに教えてもらうものではなく、自らの手で導き出していくもの。他者から与えられた答えは所詮対症療法に過ぎず、何の価値もない。
    →サイエンスをやっている身としては全てに同意するわけにはいかないが(先行研究の否定に繋がりかねない),その答えが導かれたプロセスを理解することが重要であると考えれば合点がいく.論文読解をする際には,結論だけを読むのではなく少なくとも結果と考察を必ず理解した上で,賛成か反対かなどの自分の意見を持つ.

    ○誰か一人でも縦の関係を築いているとしたら,あなたは自分でも気づかないうちに,あらゆる対人関係を「縦」でとらえている.
    →体育会系的な縦社会に長く浸かってきた背景もあり,先生・先輩・同輩・後輩という縦の関係で捉える以外の選択肢を持たなかった自分には衝撃の一言であった.確かに「行為」のレベルで捉えれば,そこには組織に対する明確な貢献度の差はあれど,「存在」として人々に差はない.究極的な思想だが,多くの人がここに囚われているからこそ軋轢を生むのだろう.今後は他者を褒める,怒るなどの上下関係を生む行為は自重し,感謝する,叱ることで横の関係を作る.

    ○「10人の人がいるとしたら,そのうち1人はどんな事があってもあなたを批判する,2人は互いを全て受け入れ合える親友になれる.残りの7人はどちらでもない人々だ」
    →こんなに分かりやすく視野を広げてくれる言葉があるのかと驚きを隠せなかった.つまり親友を増やすためには,自身の考え方をできるだけ多く世の中に発信し,その中で共感してくれる2割の人々と出逢えば良いという一つの答えにたどり着いた.アウトプットを継続し,メッセージを貰ったら必ず返信する.

    最も印象に残った言葉は,
    「幸福とは,貢献感である」

  • 3日で読みました❗読めば読むほど自分の当たり前がことごとく否定される、そんな本です。アドラー心理学は人生をシンプルにそして幸せにしてくれる考え方なのかもしれない。我々の普段の悩みであったり、かまってちゃんになったり、それがなんで起こるのか人間だから当たり前なのだが、自分の考えの持ちようで今後の世界の見え方が変わる機会をくれた本です。特に私のなかで刺さったところが「スポットライトを浴びたら回りは見えない❗」ここに私は自分がこの本を読んで一番の共感ポイントになったところです。この本を読むことができてありがとう

  • 数年前にドラマ「嫌われる勇気」が放映されたときにも一度読んだが、そのとき印象に残った内容は、「自分と他者の課題の分離」くらいだった。当時の私にアドラー心理学は難解で、理解や共感に及ばない部分が多かったが、それでも本書を読んだことは「考えても仕方ないことを考えるのをやめよう」、と思うきっかけになっていた。

    3年以上を経て再度読んでみたら、共感、納得できることがすごく増えていた。
    アドラー心理学を本当に理解して生き方まで変わるようになるには、「それまで生きてきた年数の半分」が必要、と本書でも述べられていたが、もしかすると、一歩アドラー心理学に近付くことができたのかも知れない。

    しかし、共感できない点もまだ多い。
    その一つ、トラウマを原因論として棄却する考え方は、青年がいうように感情を置き去りにしているように感じる。この青年の主張に対して哲人は「痛みや悲しみを避けようとする」ことを否定している。
    きっと共感できない理由は、痛みや悲しみを避けたい、という従来有する感覚が邪魔してるのだろう。

    これに関してはもう、自分の考え方の問題であるから、私がアドラー心理学を理解し受容したいのなら、この考えと向き合うことが次の課題かもしれない。

    ありのままの自己を受容する
    →裏切りは他者の課題だと認識する
    痛みや悲しみを避けようとしない
    →他者信頼
    →他者を仲間とみなし、横の関係を築く

    この意識を持って数年後にまた本書を読めば、そのときはまた自分がアドラー心理学に近付いたと実感できるだろうか。

    アドラー心理学にもっと近付いて、「いま、ここ」を真剣に、自分のために自分の人生を生きたい、と思った。

  • アドラー心理学(目的論⇆原因論:フロイト)を解説した本。登場する青年が腹立たしいキャラ設定。

    自己受容、他者信頼、他者貢献を共同体感覚の中で行なっていく。課題の分離が重要で他人の事象に介入せず(あくまで援助に留める)、自分の課題に一生懸命対応する。また承認欲求は人から褒められることで形成するのではなく、自分が出来ることやるべきことを人に貢献するなかで、あくまで他者を通さず貢献感を醸成する。それは行為によらずとも存在で感じられることもある。

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著者プロフィール

哲学者
1956年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋古代哲学史専攻)。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動を行っている

「2020年 『これからの哲学入門 未来を捨てて生きよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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