諦めない経営 峠の釜めし荻野屋の135年

  • ダイヤモンド社 (2021年1月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784478110454

作品紹介・あらすじ

多くの中堅・中小企業が;新型コロナウイルスの感染拡大により経営に苦しんでいる。2020年に創業135年を迎えた駅弁「峠の釜めし」で有名な荻野屋も例外ではない。観光産業と密接に関連するために約9割の売上げを一気に失った。だが;危機に面したのは今回が初めてではない。

 荻野屋は;もともとは碓井峠近くで旅館業を営んでいたが;鉄道が敷設されることを知り;横川駅で駅弁業を開始。いまのベンチャービジネスのような挑戦だ。だが;創業からの道のりは平たんではなかった。第一次世界大戦後には世界大恐慌;第二次世界大戦前後には食材不足の時代に直面。3代目社長となった高見澤一重は;妻のみねじと3人の幼子を残し;若くして急逝。その残されたみねじが;3年の間;来る日も来る日も信越本線横川駅のホームに立ち;美味しい駅弁をつくろうと;お客様の声を聞き続け;ヒット商品となる「峠の釜めし」を創り上げる。しかし;今度はモータリゼーションの逆風。鉄路から道路へと変わっていく中;駅弁からドラブインでの販売に積極的に乗り出し;見事に新しい販路を開拓していく。ピンチをチャンスに変えたのだ。

 著者・高見澤志和が;父・忠顕の急逝を受けて;6代目の経営を引き継いだのは;バブル崩壊後の負の遺産が蓄積され;水面下で膨らんでいたころ。その事実に気づかず;拡大路線を続けた志和はその処理に長年苦しむことになる。

 ようやく負の遺産の清算を終えた直後にコロナ禍に見舞われる。いまが;荻野屋にとっても正念場だ。

「ピンチの後にチャンスがやってきても;すでに諦め;撤退してしまえばチャンスはつかめない。諦めずチャレンジし続けることが成功への要諦だと思う」

 志和は荻野屋の過去の歴史に学び;このピンチを新しい荻野屋として生まれ変わるチャンスにしたいと闘志をみなぎらせている。

 コロナ禍の下で会社の行く末を案じ;なにがしかのヒントや救いを求められている人たちに;荻野屋のささやかな挑戦の歴史が一助となるはずである。

みんなの感想まとめ

経営の苦境を乗り越えるための挑戦と成長を描いた一冊です。著者は、135年の歴史を持つ荻野屋の6代目社長として、先代の急逝や経営改善への取り組みを赤裸々に語り、失敗や反省を隠さずに示しています。温泉旅館...

感想・レビュー・書評

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  • 軽井沢駅や横川SAで見かけてつい、食べてしまう峠の釜めし。

    創業家の高見澤家の沿革や事業のおこり、軌跡がまとめられている。
    先代の急逝で引き継いだ6代目に当たる筆者が、経営改善への取組みや苦悩、思いを綴る。

    この本のすごいところは、現在進行形の失敗や反省の弁をつつみ隠さず述べている点だと思う。
    名の知れる企業の経営者が会社を語るとき、失敗を語っても過去のことであったり、成功談、きれいごとに終始しがちだがこの本は違う。

  • 東2法経図・6F開架:B2/Ta43/135/K

  • 駅弁やドライブインで提供する峠の釜めしを生産する荻野屋の135年にわたる歩みと6代目社長である著者が同社の変革に対する思いやこれからについて語った一冊。

    温泉旅館から弁当屋を営み、4代目のみねじ氏がお客様に喜んでもらいたいという熱意から生まれた峠の釜めしが駅からドライブインと場所を変え発展してきたことや文藝春秋に取り上げられたり、ドラマになったりして国民的な人気を得ていくようになったことなど
    峠の釜めしが全国的に名の知られた商品になった経緯を知ることができました。
    そして、5代目の忠顕氏のフランス料理の知識と婿として血縁者ではない立場からドライブインを中心に経営を拡大していき信頼を得ていくなかで急逝したところから突然同社に戻り経営を引き継いでいったこと、
    著者の代になってからも財務面で苦闘したことや釜めし以外にスイーツに挑戦したり、飛行機の機内食用に容器を改善したり、海外や関東にも進出したりと様々なチャレンジをされてきたことを知りました。
    また、自身もSDMや同じ経営者の友人と共に切磋琢磨しながら窮地を乗り越え成長してきたことも知ることができました。

    135年の中でそれぞれの立場において最善の結果を出してきた同社はこれからも企業理念を守り、その時代において最善の選択をして発展していくと感じました。
    創業200年に向けてチャレンジ、チャンス、チェンジを掲げて釜めしを中心としてコロナ禍のなかでどのような歩みをしていくのか同社の今後がますます楽しみになる一冊でした。

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著者プロフィール

髙見澤志和(たかみざわ・ゆきかず)
1976年;群馬県出身。2000年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2018年同大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了。2003年に荻野屋へ入社し;専務取締役を経て;2012年に6代目となる代表取締役社長就任。財務・人事など社内改革を推進するとともに;新商品の開発や;首都圏をターゲットにした新規事業を展開するなど;これまでの伝統を踏襲しながらも常に新しい価値の提供を目指し;積極的に挑戦を行っている。


「2021年 『諦めない経営』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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