リーダーの仮面 ── 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478110515

感想・レビュー・書評

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  • 読みながら、何故だか頭の中ではももいろクローバーZの「労働讃歌」が流れていた。

    この本は、気持ちのやさしい人がリーダーをやるための処方箋。リーダーの仮面(ペルソナ)を被り、自分自身も疲れず、部下も疲れさせず、組織を強くする、ことを説いている。

    だから、もともと性格悪いリーダーは読まない方がいい。部下にますます嫌われるだけだから。組織崩壊するんで今のままでオッケーです(笑)

    つまり、リーダーっていうのは、単なる役割だけど、やっぱり人格が求められるってことだな、と思いました。

    以下、心に残ったこと。
    ・いいリーダーの言葉は時間差で効いてくる。

    ・リーダーはルール、位置、利益、結果、成長だけに絞ってマネジメントをする。
    ・5つのポイント以外のことは、見守る。待つ。スルーする。
    ・このことを本書では「仮面をかぶる」と表現する。

    ・上がったテンションはやがて下がる。
    やる気を上げて一気にやることより、平常心で淡々と成果を出す方がはるかに大事。

    ・辞めさせないために部下に合わせる必要は全くない。

    ・言語化されたルールを作る。
    誰でも守れるルールを作る。そうしたルールは仲間意識を生み出す。

    ・対等ではなく上下の立場からコミニケーションする。
    ・リーダーは感情的に寄り添うことをやめる。部下と友達関係にならない。そうすることで平等性が保てる。
    ・成果を出すためにはいい緊張感が必要。

    ・人間的な魅力でなく、利益の有無で人を動かす。
    ・人間は自分に利益があるかどうかを基準に動く。
    ・課の成績が上がらないことに恐怖を感じるべきであって、「自分がこの瞬間、嫌な気持ちになること」に対して恐怖を感じてはならない。

    ・プロセスを評価するのではなく、結果だけを見る。
    ・未達の言い訳はスルーする。
    ・仕事の意味や価値観は自分自身で見つけさせる。
    ・「自分がやるべき仕事か」と部下に問われたら「それは私が判断すること」と事実をはっきり述べる。

    ・目標を達成しても褒めすぎない。あたりまえの基準をできるだけ高く。ただし、150%くらいの結果なら褒める。

    ・目の前の成果ではなく、未来の成長を選ぶ。
    ・知識は経験と重なることによって、本質にたどり着く。身体性を伴わなければ、意味を持たない。

    ・人を人と思って組織運営をすると人のためにならない。←過激!

    ・責任はリーダーがしっかりと取る。

  • きっと『とにかく仕組み化』は読まないだろう。
    一度合わないと思ってしまうと、本当はそこまででもないのにいちいち何か違うなぁと思ってしまう。

    「リーダーとして振舞うために仮面をかぶる」という考え方、「プレイヤーとマネージャーは違う」、「そもそも人間の能力にそこまで差はない」と、ところどころ頷けるところはあるものの「プロセスは評価しない」という言い切りや、ことごとく情熱の類を退けるもの言いが何か違う。
    血の通っていない、判で押したような事例もいまいち。

    たぶんこういう考え方をしないとビジネスでは成功しないし、ムラが発生してしまうのだとは思うのだけど、正直、魅力を感じないのだ。
    たいして帰属意識を感じられないままに結果重視だ組織ファーストだと言われてもしらける。
    終身雇用前提の就業スタイルではなくなってきているから、そんなものは必要ないと考えるのか、だからこそ必要と考えるのか。

    仲良しごっこ、馴れ合いの関係が好きなわけでもないが、やっぱりチームっていうのはスポーツチームのように、過程いろいろあったけど最終的に勝利を納めて雄叫びと共にガッツポーズという形が取れることに憧れる。
    青臭いかな。

  • 評価が難しい。badではないけど、very goodでもなかった。

    他の人のレビューでも見た通り、いくつかはハッと思わせられるメッセージもあったけれど、全体的な内容には首肯できなかった。

    主張がラディカルすぎるからだ。ここまで徹底して機械的にマネジメントして、それについて来れる部下ばかりであれば確かにそれは強い組織になるかもしれない。それにしても、そんなに上手くいくもんだろうか?にわかには信じがたい。外資系とか欧米の企業ならこういう価値観が受け入れられやすいのかな。
    生理的に抵抗感があり、信じたくないのかもしれない。こんなにマッチョな思想のマネージャー、嫌だもん。このマッチョな思想についていける人はついていけばいいさ。僕はそうじゃない。
    しかしそう思うのは、僕が二流以下のマネージャーだからなのかもしれない。

    頭で理解はできるけど心で納得はできない。評価に迷う本だった。

  • 4月から中間管理職になったので、読んでみるか〜と。
    「あれ、どうなってる?」って聞いちゃってました。こっちから聞かないと報告してくれないんだよね〜と愚痴ってましたが、私が間違ってました。報告するルールを決めればいいのです。
    プロセスを評価してもらえるのは学生時代だけ。確かに。納得できるところがたくさんありました。
    会社ではなく、かなりの専門職なので、「結果」と言われると何だろう?と考えないといけないところはありましたが、これからの参考にします。

  • サクサクっと読めました。

    どんな形であれ上司になったことがある方なら
    誰しもが悩むことに対して、
    仮面を被ることの重要性を教えてくれました。

    自分であり続けながら場面にあった仮面を
    被ろうと思います。

  • 海外で外国人のマネジャーをしているので、マネジメントについて悩み、この本を購入。

    私に対する部下からの評価は、ロジカルで未来を見据えておりリーダーシップがあるが、厳しいし表現がキツイ、という内容が多かったので、「もっとよいマネジャーになるにはどうしたらいいのだろう」と思ったのだけど、この本を読んだら逆に、「いい人になる必要がなく、無機質な結果重視のマネジャーのほうがうまくいく」と書かれていて目から鱗だった。

    私のチームは売上も達成できており、結果は出ている状況。それを私は自分の力ではなく、市場の問題と部下個々の力だから…とあまり自分のマネジメントによるものと思っていなかった。

    この本では、マネジャーに必要なのは
    1.言語化されたルール作りとその徹底
    2.対等ではなく上下の立場のコミュニケーション
    3.組織利益から個人の利益に繋がる動機付け
    4.プロセスではなく結果での評価
    5.未来の成長を選ぶ未来志向
    とあった。実は意外とできていたので、チームが成果を出せているのもその影響なのかなと思った。

    組織立ち上げ時から運用ルールの徹底化をしていること、きちんとした上下関係とロジカルな結果メインでの評価をしている点では問題がなさそうだった。

    ただ、海外では給与ネゴシエーションがかなり強いので、組織としてこうあってほしいという話と個人の利益へのつながりのところに、より丁寧な説明が必要だとも思った。

    また、「事実を淡々と整理して述べる事」も徹底したい。失敗したときにいつも言い訳をされるけれど、できてないことは事実だし、それを変えるためにどうするかが大事。それを一緒に考えるスタンスを持ちたい。

    あと、手取り足取りせずに部下に失敗させることも必要、とあり、これは本当にそうだなと思った。あるメンバーに色々教えながら業務を並走した結果「私はできる」と個人の課題に気づかなくなってしまった。今期は一変して本当に危ない時以外は助けないようにした。初めてうまくいかないことに直面したメンバーは、「すぐ助けてくれなかった!」と私のせいにしてきたのだが、責任者は誰かと、「ヘルプとサポートの違い(ヘルプは主体者が別の人になること、サポートは具体的なタスクとして何かをやると)」を説明することで失敗を経験として受け止めることもできた様子。

    そういう一つ一つが、案外ちゃんとこの本の法則に則っていきつつあるとわかり、次につないでいきたいと思った。
    あとは、メンバーを主役にしていく。あるメンバーがそうなりつつあるので、私が前に出過ぎず、良いチームを作っていきたい。

  • 同じ言葉でも響かせる言い方がある
    自分が成長してきた過程で出会った人達からもらった言葉の数々と、自分が関わるメンバーに投げかけている言葉を深く考えてみたくて手に取った。

    背中を見せろというが、リーダーだって保身やエゴがある。
    自分の上役がコロコロ考えを変える事だってあるし、やってみたら良くないから変更を余儀なくされることもある。

    自分はどんな関わり方をしていくのだろうかと考えさせられた。
    世に知られる改革を遂げたリーダーにならなくても良いが、進歩しメンバーが成長を実感できるチームにするには…を学ぶことができた。

    最後にある
    「いいリーダーの言葉は遅れて効いてくる」
    そうなって欲しい

  • リーダーの仮面は、部下を成長させるメゾットであり、リーダーシップの本。公平な評価のために必要なことが示されていた。

  • 1.今の職場で社長さんと話すことが多くなったため、自分自身のマネジメント論を確立しておきたくて読んでみました。

    2.本書では、ルール、位置、利益、結果、成長の5つの要素をコントロールすることがリーダーに必要な素質だと述べています。逆に言えば、これさえ意識していれば、特筆した才能は必要ないことも述べています。最近はティール組織やプロセス重視の教育法が盛んに取り上げられていますが、本書では、ルールを基に、感情的な判断ではなく、数値による合理的な判断を取り入れ、全社員に対して平等な機会を与えることが重要だと述べています。また、リーダーは部下と近づきすぎず、一定の距離を保ちながら全体を俯瞰していくことができていない現代の中間管理職の人たちにも警鐘を鳴らしています。しかし、冷酷になって、コミュニケーションをとらないといった短絡的な発想ではなく、「社員に稼げる力を身に着けさせる」「社員を不当に辞めさせない」という信念に基づいたマネジメント理論となっているため、誤解しないように注意してください。

    3.実際の中間管理職を見ていると、距離の保ち方が下手だったり、上層部の責任にして規則そのものが悪いなどという声をよく聞きます。本書では、その点を指摘しているため、自分も同意見だと思いました。ただ、現段階では自分はそこまで冷静なリーダーにはなれないと思っています。部下の様子が気になってしまうだろうし、相談を手厚くしすぎてしまうことが予想されます。現に、今まで様々なコミュニティの上役を経験してきましたが、まともに成果を出してきたことがありません。
    思い当たる原因として、冷静な判断ができていないことです。部下の気持ちを考えて、自分がやってしまったり、手厚すぎる手ほどきをしてしまったりすることが多々ありました。もしかりに、今後自分に部下ができたときは試してみようと思います。
    また、

  • 識学という認識に触れたのは初めてだった。

    この本は、初めてマネジメントを任された人に向けられた指南書なのだけれど、そういう立場になった人が陥りやすい落とし穴を非常に的確に捉えていて、例も具体的。
    字も大きめ、空白も多いのですぐ読み終わってしまうのだけれど、内容は濃い。
    とても大事なことが、とてもわかりやすく示されていて、他の類似タイトルの本とはひと味違う。

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