スリーエックス 革新的なテクノロジーとコミュニティがもたらす未来

  • ダイヤモンド社 (2021年5月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784478111154

作品紹介・あらすじ

DX(デジタル)、BX(バイオ)、CX(コミュニケーション)という3つのトランスフォーメーション(3X)によって生まれる新しい社会像とそのプロセスを示す。

人口爆発、平均寿命の延伸、自然環境の悪化という条件下で、人類の持続可能性のために新たな変革が求められている。

課題解決の手段として注目すべきはDX、BX、CXという3つの技術によるトランスフォーメーションである。

ビジネス上の課題として認識されるDXは、デジタル庁の創設に象徴されるように、社会のさまざまな非効率を改善する手段として広がっていく。特にAIやロボティクス、量子コンピュータという技術が中心となって広がる社会変革について示す。

BXでは脳科学や人と機械の接続技術によって、ガンや認知症、希少疾患の治療やアンチエイジングを進化させる。さらにこれから世界的な問題となる食糧不足を、培養肉などの自然物代替技術で解決する。

格差や分断が進む社会においてCX技術は課題解決の重要な手段となる。デジタル機器を介した聴覚情報や視覚情報のやり取りに加え、ハプティクスといわれる触覚伝送技術が進化することで、時間・空間に制限されないコミュニケーションが広がる。さらには一人の人間が体験したことが感情とともに他の人間にコピーされる技術を、相互理解に活用することが期待されている。

こうした技術によるさまざまな変革は、地縁・血縁・社縁といったものとは異なる、新しいコミュニティ=「共領域」を生み出していく。これが仕事観、健康観、人生観といった価値観の多様性を支える基盤となり、価値創造を実現する場になっていく。

かつて、農業革命、産業革命、情報革命といった歴史的な社会構造の変化において、テクノロジーは常に重要な役割を果たしてきた。

3Xを社会変革のドライバーに、人類がこれから先も地球上で豊かに存続するためのロードマップを描く。

みんなの感想まとめ

新たな社会の変革を描いた本書は、デジタル革命、コミュニケーション革命、バイオ革命の3つのトランスフォーメーションを通じて、持続可能な未来を模索します。技術の進化がもたらす新しいコミュニティの形成や、A...

感想・レビュー・書評

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  • 技術は確実に進化する。これら技術を使い我々はどんな世界をデザインすべきか。これは未来への提言なのだ。
    つまり未来を創るのは我々なのである。
    そういう意志を持っていけということなのだ。
    いずれにしても大前提として、デジタル化がベースになることは間違いがない。
    デジタル前提で、さらにバイオ・コミュニケーションが重層的にトランスフォーメーションすることで、大きな変化につながるということだ。
    バイオ進化によって、確実に人間は100歳まで生きることが可能となる。
    その時に世界はどうなっているだろうか?
    2050年頃には、世界の人口も100億人を超えると言われている。
    「寿命100歳・世界人口100億人」が2050年という未来なのだ。
    我々の今までの古い考え方では、この未来を乗り切ることは相当に難しい。
    大きく発想を変えていく必要性があるということなのだ。
    この世界では、劣化した古い身体は機械に取り換えることも可能になるだろう。
    遺伝子工学も発達して、病気についても遺伝子レベルで治療することも可能になるだろう。
    そもそも治療の薬だって大きく進化し、手術や診療だってテックの力で大きく進化しているだろう。
    これらはBX「バイオ・トランスフォーメーション」と本書では位置付けている。
    バイオレベルでの急激な進化が、人類の健康や長寿だけでなく、「能力の拡張」までも後押ししていくのだ。
    取り替えた機械の身体は、超人的な能力を持つこととなる。
    筋力だって脚力だって、今までの常識では計ることが出来ないくらいに拡張が可能なのだ。
    健康・長寿・身体能力を手に入れた我々は、それで一体何をしてどんな生活していくのだろうか。
    だからこそ「コミュニケーション」という概念が再構築されなくてはいけないのだ。
    これがCX「コミュニケーション・トランスフォーメーション」となる訳である。
    デジタル化とバイオによって、コミュニケーション方法は確実に変化していく。
    これを受動的に受け入れるだけでなく、変化の度合いを理解して、自分にとって最も適切なコミュニケーション手段を選択していくことがこれからを生きていく上で本当に必要になっていくのだろう。
    人間は決して一人では生きていけない。
    我々は孤立化できない種なのである。
    様々な機会を通じ、人は滑らかにつながる必要性がある。
    しかしながら一方では、これら技術の進歩や貧富の格差によって、交流が分断されていく可能性も示唆している。
    本書でも記載があるが「なりゆき」に任せては決していけない。
    我々が理想とする未来を創り上げていかなければいけないのだ。
    技術の進化は必ず光と影が付きまとう。
    結果的には便利な技術をどう使うか、使う側がどうするかによって、我々が幸せになれるかどうかが決まるのだ。
    社会の変化は止められないだろう。
    だからこそ正しく理解し、未来を構想しなければいけない。
    未来を創るのは我々なのである。
    (2022/5/15)

  • 三菱総合研究所は「豊かさ」と「持続可能な社会」を両立させるためのテクノロジーとそのを活用するためのコミュニティに対する提言をまとめた一冊。

    「3X」とは「DX:デジタル革命」「CX:コミュニケーション革命」「BX:バイオ革命」のこと。

    コンサルタント会社がまとめただけあって、冷静で客観的な見地から現状のテクノロジーと今後のコミュニティーのあり方がまとまっており、類書の未来本よりも完成度は高いように感じる。

  • 7/2
    技術とコミュニティの進化の観点で書かれた未来予測系の本。自立分散型社会となりAIなどは当たり前となる。

    新たなテクノロジーを食わず嫌いするのではなく、学びキャッチアップしながら試して未来を予測することが大事。

  • <概要>
    技術×コミュニティで未来を創っていこうが主旨となっており、DX(Digital)、CX(Communication)、BX(Bio)の3Xによる個の発信力増強とコミュニティの進化を持って社会を変えるが結論となる。

    未来を創るにあたり、21世紀を「豊かさ」と「持続可能性」が両立する世界と描き、この両立を課題とし、技術×コミュニティの切り口で解決を図ろうというもの。
    3Xが「増える時間」「広がる空間」「多様性の包摂」を生み出しコミュニティをアップデートするとしている。

    この辺のサマリは下記通り
    ・20世紀と21世紀の違い
    20世紀:規格大量生産型の近代社会
    ↓ 物的拡大から質的な人間の欲求を格差ない充足に方向性を変化
    21世紀:「豊かさ」と「持続可能性」を両立させる挑戦の期間

    ・コミュニティの力が課題解決の鍵とする仮説
    サピエンス全史からの引用として、”生存能力という点でサピエンスがネアンデルタール人よりも優れていたのはコミュニティの力=仲間との協力”としている。ネアンデルタール人も技術は持っていたが、コミュニティが小さくネットワークとしての機能性に欠けていたとする。

    ・コミュニティの力を引き出すコミュニケーションの力と関連技術=CX
    身体拡張、特にコミュニケーションに関わるハプティクスやブレイン・デコーディングが重要としている。これがDXとBXに関係している。具体例として
     -感情推定技術:脳波、表情から感情を読み取る

    ・3X普及の鍵となる技術の社会受容(RPI)
    (Responsible Research and Innovation, 責任ある研究)
    新たな技術の導入に対しては、1.社会的合意形成のない状態での早急な技術導入による社会的(コミュニティの)分裂、2.強力すぎる規制による普及の阻害、3.社会的合意形成と技術発展が同時並行に進みハッピー、のいずれかの反応が起こる。望ましいのは3のパターンとしている。

    ・社会受容を成功に導くポイントと必要なアセット
     -専門性に閉じずに多様なステークホルダーと連携
     -歴史の参照と必要な反省
     -技術普及による利害関係当事者の尊重
     -社会実験に対する社会の寛容さ
     ※技術の専門家+社会科学の専門家+実務家+住民・市民+・・・・
    2021~2022にHot Issueとなっている仮想空間(狭義にはメタバース)について法制度×市場設計×社会規範×技術の4つを包括したガバナンスの枠組みが重要としている。

    ・「増える時間」「広がる空間」「多様性の包摂」
     -増える時間:平均寿命/健康寿命の延伸+自動化による労働代替・学習時間の削減
     -広がる空間:仮想空間→手段としての移動不要化、マルチ人格
     -多様性の包摂:複数人格×複数のつながり=複数コミュニティのための包摂性

    ・組織ありきから価値観ありきへの転換
    共有する価値観に基づき個人が離合集散しながら価値を生み出す仕組みに変わっていく。このとき企業はヒエラルキー型ではなくセル型で個人基点の活動プラットフォームへ転換する。

    ・全体を通じて
    一言でいうとコレクティブインパクト万歳ということ。3Xでそれが本当に実践できるということとしている。

    ・環境と資源の件
    ホーキングの「私たちにとって地球は小さくなりすぎた」の一説を流用しつつ、物質的資源の枯渇、気候変動は科学的に人間活動起因と証明されているとの立場に立っている。

  • 図書館で。
    近未来予測的・社会提言的な本。
    いろんな情報がよくまとまって書かれている。

    技術とコミュニティ
    新たな格差と葛藤 分断不安定化 環境負荷資源不足
    ウェルビーイング 健康つながり自己実現
    自律分散協調 
    3X デジタルバイオコミュニケーション革命

    共領域
    増える時間広がる空間多様性の包摂
    攻めの健康
    コミュニティデザイン
    つながり
    自分の価値
    個人基点のプラットフォーム リカレント教育
    安心安全
    仮想空間の信頼形成 法制度社会規範市場設計技術 BLTSだなぁ

    未来 SF思考学

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/644857

  • 50年後の未来を考える

  • 流石、三菱総研さんです。情報量がいい感じでした。

  • 今月の1冊目。
    将来を見据え、色々な分野でデジタルを積極的に活用していこうという感じ。地球一個分の生活

  • DXとBXとCXを起点に、今後の未来社会についての予測を書いた本。
    2021/5/19発売で税込2420円なのに、フリマアプリでやけに安く(500円ぐらいで)売られてるなと思ったら、株主優待として配布されたらしい(三菱総合研究所の株主優待を調べても無いようなので、正式な優待というわけではなさそう。アンケートに答えたらもらえたものらしい)。
    テクノロジーから考える未来社会の設計図とあるけど、SDGsにのっとって考えられてるなという印象。はたして、SDGsに書かれてることのうち、どれだけが達成できるのだろうか。
    序章に人類がいたるところに生息していることについて、あまりに広くて繁殖力が高いと書かれてあり、そういわれてみればそうだよなと思った。哺乳類でここまで広い範囲に生息している種別ってあるのだろうか。なお、遺伝子の98%がヒトと一致しているチンパンジーの生息域はアフリカの熱帯林を中心とした世界のごく一部らしい。何で人間って、こんな寒いところにも暑いところにも暮らすようになったんだろう。こういうのって本書でも引用されている、『サピエンス全史』を読んだら書いてあったりするのかな。前々から読んでみたいと思ってるのだけど、まだ読めてない。そろそろ読んでみたいと思う。
    本書のタイトルにもなっている、3XはDXとBXとCXをあわせた造語。DXは最近よく聞くデジタルトランスフォーメーションのことだけど、BXはバイオトランスフォーメーション、CXはコミュニケーショントランスフォーメーションの略だとのこと。最近は、デジタルテクノロジーだけでなく、バイオテクノロジーも進化しているそうだし、それにともなって人類やコミュニケーションの形態も変わっていくとのこと。タイトルにもあるとおり、100億人が100歳まで生きるような時代になってくると、こういう技術の発展は重要になってくるのだろうなと思う。日本は人口減少社会だけど、100歳時代に近い国だとは思うので、テクノロジーを駆使して健康で長生きできる社会になればいいなと思う。
    ロボット技術については、「e-Rubber」という新世代ゴム素材というものが気になった。人工筋肉として利用されるようで、電動モーターと比べて滑らかで柔らかい動きが可能になるらしい。人型ロボットの動きが今後ますます自然になっていくということなのかな。
    長生きする上で、訪れるリスクとして高い病気は認知症だと思うのだけど、まだまだなぜ認知症になるのかは分かってないらしい。統計的に相関関係があるということはいくつかあるそうなので、それを最小限にするというのは一つの手とのこと。運動とか禁煙が認知症予防になる可能性があるというのは分かるのだけど、社会活動をしてるかしてないかということは、認知症と関係ないらしい。人とあまり関わることがない自分は喜んでいいのだろうか。ただ、友人との接触がなく、独身だったりと人との関わりが薄い人は、つながりの多い人と比べて1.9~3.1倍も多く死亡するという調査もあるらしい。これを聞くと、ただたんに孤独な人は、認知症になる前に死んでるだけなんじゃないかと思う。
    なお、希少糖は実質ゼロカロリーとのこと。サンドウィッチマンの伊達みきおは知っているのだろうか。
    後は、「ブレインレコーディング技術」というのは気になった。頭の中で思い描いたイメージを脳から直接とり出す技術だそう。こうやってブクログに感想を書くのに、タイピングしてるけど、頭が思い浮かべただけで書いてくれないかなと思う事はあるので、実現したら便利そう。だけど、自分は急に別のことに考えをめぐらすことがあるので、うまくいかないかもしれない。
    そういえば、『セカンドライフ』が再び注目されていると書かれてあって驚いた。まだサービス継続されてたのか(自分は利用したことなかったけど)。よく失敗したサービスとして取り上げられるイメージだけど、リリースが早すぎただけだったのかも。
    後、『キームガウアー』という地域通貨が気になった。ドイツのバイエルン州という場所で使われている地域通貨だそうだけど、使わないでいると価値が減っていくため、ため込まずに活発に消費するようになるらしい。経済政策としてすごいよさそうだけど、日本でも真似する地域とかないのだろうか。
    と思ったら、この本の著者である『三菱総合研究所』が似たような仕組みの『Region Ring』という地域課題解決型デジタル地域通貨サービスを提供しているらしい。今年の3月に提供したばかりらしいので、今後どう活用されるか注目したい。
    先ほども書いたように、孤独は健康に悪いから、それをどう解消すればいいかというのも書かれてあった。正直そこまで孤独を苦と思ったことないのだけど、健康に悪いといわれると、もう少し人と関わり合いをもったほうがいいような気がするので、いいシステムがでてきたら利用したいと思う(まあ、自分はSNSすら人とうまくコミュニケーションできないので、どこまで使えるか分からないけど)。
    環境負荷については、最近よく聞く、畜産は環境負荷が高いという話があった。自分も数年前に知ったばかりだけど、最近では小泉進次郎がステーキを食べて叩かれたニュースで一般にも知られるようになったイメージ。こういうのって、学生時代に言われた記憶がないのだけど、いつから言われるようになったんだろう。
    そんな畜産の環境負荷削減案として、牛肉や豚肉を利用するより、培養肉を利用しようとのことだけど、個人的には安くて健康によければ別にそれでもいいと思う。培養肉だと効率的に生産できるそうだし、将来的には安く提供できるような社会になってほしいと思う。

  • DXとBXとCX

    これからつながりがひとつ大きなキーワードか。
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著者プロフィール

三菱総合研究所(ミツビシソウゴウケンキュウショ)
政策、科学技術、経済・金融、エネルギー、教育、環境など幅広い分野の研究調査に加え、近年はITソリューションにも力を入れる日本を代表するシンクタンク。政府や官公庁、自治体から委託される調査や研究に強みをもつ。

「2022年 『フロネシス23号 2050年、社会課題の論点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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