絶対にかかりたくない人のためのウイルス入門 最新研究×イラスト図解で超わかりやすいウイルスのすべて

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478111598

感想・レビュー・書評

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  • ワクチンはラテン語で牛由来という意味なのか! ジェンナーが作ったんだね。サイトカイン・ストームの仕組みはイラストもあってわかりやすかった。釈然としなかったウイルスの定義も、考え方がいくつかある模様。面白くてそのまま読了。

  • 変異とはどういうようになるのか、ウイルスの仕組みなど、ウイルスのことについて分かりやすく説明している。体の中をハイジャックされるようにウイルスは入っていくというイメージで、ヒヤヒヤ?しながら楽しく読めた。悪いウイルスだけでなく良いウイルスが世界をつくっていて、私たちはずっとそれらと生きていく方法を見つけなくてはいけない、という考えに共感した。

  • ワクチンに関する本に少し触れる中で気になって借りてみた本。

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    「絶対にかかりたくない人のためのウィルス入門」
    ベン・マルティノガ著 ダイヤモンド社

    ウィルスの実際の大きさは100nm(ナノメートル)をノミの大きさ(1.5mm)に拡大させると、大きさが1万5000倍、身長1.5mの人は、22.5kmになってしまう!
                                                            
    *1nmは「とてつもなく小さい。1mm100万分の1

    ウィルスはどんな毒とも違って、体の中に入ると猛烈に増えるのだ。ウィルスは増えるために存在していると言ってもいい。がむしゃらに増えていって、1個のウィルスがものの数日で何億個ものコピーに増える。

    ウィルスは細胞じゃない。僕らの体は細胞でできている。ウィルス以外の生き物はすべて細胞でできている。
    ウィルスは細胞よりも単純なだけでなく、自活できない。(略)そこで代わりにウィルスは、究極の寄生体という道を選ぶ

    コロナウィルスは、
    外殻:エンベロープは、脂質に似た物質でできた球形の泡。この膜にスパイクたんぱく質質、エンベロープたんぱく質、膜たんぱく質という3種類のたんぱく質が突き刺さっている。

    内部:一番大事な遺伝子は、とてつもなく細長いRNA分子の一部分を占めている。RNAはヌクレオカプシドたんぱく質にぐるぐるに巻きついて、ウィルスの中に収まっている。

    コロナウィルスが石鹸に弱いのは、石鹸が脂質をよく溶かしてエンベロープを壊してしまうからだ。
    ウィルスのエンベロープを形作っている脂質は、僕らの身体の細胞1個1個を包んで守ってくれている膜の材料と全く同じ。

    COVID−19
    コロナとはラテン語で「王冠」のこと。

    スパイクたんぱく質→ACE受容体(細胞膜)
             
    石鹸の分子はウィルスのエンベロープを作る脂質分子と形が似ているので、脂質の中に入り込んでウィルスの外殻を文字通り溶かしてしまう。しかも、石鹸は、手からウィルスをしっかり引き剥がしてくれる。でも、皮膚を顕微鏡で見るとものすごくでこぼこで、しわもたくさん寄っているから、ウィルスが隠れられるような場所がたくさんある。だから、たっぷり20秒はゴシゴシやるのが大事だ。

    “ワクチン“という言葉を作ったのもジェンナーだ。ラテン語の’vaccinus’は「ウシ由来」という意味なので、この言葉にはウシへの感謝も込められている。

    ウィルスがある生物種から別の生物種へ乗り移ることを、スピルオーバー(種間伝播)という。

    細菌に感染するウィルスは、動物や植物を病気にするウィルスをすべて合わせたよりもずっとたくさんいる。生物学ではそのようなウィルスをバクテリアファージ、または縮めて“ファージ“と呼んでいて、何百万種も存在する。ファージはすごく真剣に細菌殺しに取り組む。(略)
    体はむしろファージが大好きで、鼻の中に棲まわせテイルだけではなく、あらゆる場所に飼っている。(略)
    まさに生物界の全面戦争。体はこれらのウィルスを兵士として募って、近寄りすぎた細菌を殺すための防御に使っている。つまりこれらのファージは、免疫系の一部。

    生命がいるところならどこでもウィルスは繁栄している。

    海面近くの海水小さじ1杯分の中に、最大で1億個のウィルス

    海の中にいるウィルスの数は、宇宙全体の星の数の100倍にもなる。

    用語
    ACE2受容体
    人間の身体を作る多くの細胞の外側に飛び出していて、血圧を正常に保つのに役立っている。コロナウィルスの中には、これを使って人間の細胞を認識して侵入するものがいる。

    細菌
    単細胞生物の大きなグループで、かなり多様な種を含む。

    サイトカイン
    免疫系の細胞どうしが情報を伝え合うのに使う化学物質。

    細胞
    明らかに”生きている”最小の存在。単細胞生物として、または動植物や菌類の一部として生きている。

    たんぱく質
    全ての生物に欠かせない大型分子。細胞やウィルスの中で、構造を作ったり、化学反応をコントロールしたり、メッセージをやりとりしたりと、さまざまな機能を担っている。

    リボソーム
    全ての細胞の中に存在していて、遺伝子のマニュアルをたんぱく質分子に変換する構造体。

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著者プロフィール

[著者]
ベン・マルティノガ(Ben Martynoga)
生物学者でサイエンスライター。脳細胞の構造の研究に10年間取り組んでから、白衣をペンに持ち替えた。『ガーディアン』、『ニュー・ステーツマン』、『i』、『フィナンシャル・タイムズ』など多くの新聞雑誌に寄稿している。

「2020年 『絶対にかかりたくない人のためのウイルス入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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