取材・執筆・推敲 書く人の教科書

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478112748

感想・レビュー・書評

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  • 本を読むとき、何らかの目的を持っていることが多い。
    流行りの話題についていくため、歴史を学ぶため、知らない世界を知るため。
    なので、その目的が達成できないとわかると、飛ばし読みをしたり、読むのをやめたりする。

    本書も、「他人に読んでもらえる文章を書くため」という目的があって手にとった。
    500ページ近い分厚さ、タイトルに教科書の文字。文章テクニックがありったけ記してあって、辞書のように使っていけばいい本だと思っていた。

    ぜんぜん違った。

    本書ではテクニックは一つも紹介されていなかった。
    読んですぐ文章が上手くなるような技術は紹介されていない。

    そういう意味で期待はずれだった。

    でも、全て読んだ。しかも、続きが気になって仕方ないミステリー小説を読む感覚で。
    教科書でありながら、読者を楽しませるコンテンツとして成り立っている。
    一人でも多くの読者を楽しませる文章を作るライターならではの教科書だ。

    この本は、著者が「こんな教科書があったらいいな」で書いたものだそう。
    中立的ではないし、帯に書いてあるように「この一冊だけでいい」とか「文章本の決定版」ではないと私は思う。
    でも、「100年後にも残る」本を、という著者の熱い気持ちが伝わってきて、文章だけでなく、生き方も学べているような気分になれる。
    この本をバトン代わりにして、自分もなにか伝えていきたいという気持ちになれた。
    こんな面白い教科書はめったにない。ぜひ読んでいただきたい。

  • 古賀史健さんのライターとしての考え、思いが詰まった熱い一冊。

    文法がどうのこうのなど、小難しいことは一切なく、あくまでシンプルに本質的な部分を語っている。

    だからか、読みものとしても本当におもしろい。『20歳の自分に受けさせたい文章講義』もそうだった。

    古賀さんの信念ともいうべき、「ライター道」を余すことなく楽しめる本書。

    「この一冊だけでいい。」は、伊達じゃない。

  • なぜか書店で目についた分厚い本
    ライターの専門書のようだけど
    パラパラめくると
    ん、ん、面白そう

    思わず買ってしまった。
    ライターになるわけでもないのに。

    で読み進めて気づいたことがたくさん。

    書くことは
    その前にある
    人の話を聴く、聞く、訊くが前提。

    どんな質問をするかにもよって
    すごく変わってくる。
    なんだかコーチングにも似てる。


    しっかり聴くためには
    相手のことが好きであることも大切な要素。
    人を好きじゃないと取材しても
    面白くないだろなと思う。
    好きになるのも自分次第、
    想像力を膨らませたり、背景にあるものを知ったり。
    これもわたしと好きなことだなぁ、と思った。


    私の好きなサイクル
    何かに興味を持つ
    体験する
    それを伝える
    ってことに、似てるな。

    まだ、三分の一『取材』の章だけれど
    ぐいぐい引き込まれる本。
    取材っておもしろいな〜

  • どんな時に「書き上げたと言えるのか」
    原稿から「私」の跡が消えたとき。

    名言である

  • ライターとしての取材、執筆、推敲の考え方が伝わってくる。特に推敲における、音頭、違読、ペン読は出色。

  • 値段とページ数の割に内容が薄かった。

  • 自分はライターではないけれど、何度も読みたいと思った。買って読んで良かったと思った本。

  • 普遍性を考えるときに見るべきは「未来」ではなく「過去」だという話、構成の話、編集者とはプロの読者であり、すなわち自分の読みたいものが見えている人物であり、特にその「読みたいもの」は「まだこの世に存在しないもの」であるという話がよかった。

  • 読み終わったけど、
    こういう本は、一度読み終わっただけではなくて、
    折に触れて何度も何度も読み返して、自分のものにしていきたい本なんだと思う。
    この教科書を基にして、
    取材、執筆、推敲を楽しく、自分のものにするために
    読み続けていく本なんだと思いました。
    だからこそ余計なことがない真っ白い表紙に、文字だけ。
    自分なりの色や形に染め上げて
    自分の手垢がついて自分の指紋がついて、
    自分を取材するための手助けになってくれる本なんだろう。

    値段や費用や価格と言った、いわゆるお金のお話が登場しなかったような気がしました。
    工場労働ではないからこそ、出来上がったものに作業時間の多寡には影響は受けません。
    しかし、時間がかかれば関わる人が増えれば費用も増えていくような気がします。
    人が仕事する以上そこに価値が生まれ、その価値を表現するために価格があります。
    赤字覚悟で作品を作るのは、ビジネスではないとは思います。
    芸術作品を作って、オークションで誰かが値段をつけてくれるわけではないので、
    書き上げた原稿をどうやって売っていくのか?
    締め切りはいろんな調整で伸ばすことができるとはありましたが、
    想定価格はどんなタイミングで決まるのだろうか。
    ここは編集者の持ち分で、ライターは考えない点なのでしょうか?
    読みながらこんなことを考えるのは、ライター視点ではなくエディッター視点で読んでいるのでしょうか?
    もしそうだとしたらどこかにあるかもしれない、
    この先生まれるかもしれない、
    「編集者の教科書」も読んでみたいです。

  • めちゃくちゃ良かった。
    これが1年前に出てたとしたら、私の書籍も構成だいぶ違っただろうにw

    500ページ近いボリュームだったけど、あっという間だった。
    ハリーポッターみたいだったw

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著者プロフィール

●古賀史健(こが ふみたけ)
 1973年、福岡県生まれ。ライター、株式会社バトンズ代表。『取材・執筆・推敲』『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(共著・岸見一郎)、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』ほか著書多数。2014年「ビジネス書大賞・審査員特別賞」受賞。構成に幡野広志さんの思いをまとめた『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)など。

「2021年 『雨は五分後にやんで 異人と同人Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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