超圧縮 地球生物全史

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478114278

作品紹介・あらすじ

ジャレド・ダイアモンド(「銃・病原菌・鉄」著者)超絶賛!

本書は、生命38億年の歴史がわずか1冊に超圧縮されたサイエンス書。

地球が誕生してから、何十億年もの間、この星はあまりにも過酷な場所だった。激しく波立つ海、絶え間ない火山の噴火、大気の絶えない変化。生命はあらゆる困難に直面しながら、絶滅と進化を繰り返した。

ホモ・サピエンスの拡散に至るまで、生命は臆することなく、しぶとく生き続けてきた。生命が常に存在し、今日も存在し続けている。本書は、その奇跡の物語を描き出す。

巨大な超大陸の漂流、衝突、合体。海を住処とする「群生」するバクテリア、三畳紀の恐竜。既に絶滅したまるで異星人のような姿をした生命たち。著者は、地球上の生命の歴史を、物語のように魅力的に語る。と言っても、これは絵空事ではない。最新の科学的根拠に基づいて、地球という惑星を舞台として繰り広げられる、生命38億年の旅だ。

本書は、サイエンス雑誌「ネイチャー」の生物学シニアエディターであり、元カリフォルニア大学指導教授でもある著者が、知見の広さを活かしつつ、研究の最前線から情報を元に、地球に生命が誕生してから現在までの物語、そしてサピエンスの「未来と終末」をたどる極上の書!

感想・レビュー・書評

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  • 世界的ベストセラーとなったユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」「ホモ・デウス」を思い出す。

    何かのサイトで紹介されていた本書、気になり購入し、台風14号の影響による大雨で外出も出来ない休日を利用して読んでみました。

    地球に生命が誕生してから38億年の歴史が約300Pに集約されていました。

    地球が誕生してからの過酷な歴史、絶滅と進化を繰り返してきた生命の歴史。

    知らないことばかりで非常に興味深く読み終えることが出来ました。

    レビュー
    【目次】
    1章 炎と氷の歌
    太陽が生まれた瞬間
    生まれたころの地球
    コンロで煮えたぎる鍋のように
    生命の誕生
    三〇億年の支配者
    宇宙でもっとも危険な物質
    終末論的な災害
    驚異のバクテリア
    スペシャリストと分業制
    もっと奇妙なこと
    地球上の生命は……

    2章 生物、大集合
    超大陸の分裂
    海綿のたゆまぬはたらき
    肛門の発達がもたらしたもの
    逆境の時代の回復力
    奇妙な美しさを持つ生き物
    食べられない方法を探す
    「内側がない」動物
    三葉虫はすごい
    風変わりな生き物たちの動物園
    頭足類の化石の歴史
    カンブリア紀の生命の開花
    化石記録に名を記した最初の魚

    3章 背骨のはじまり
    小さな生き物ののぞみ
    「鎧」で防御する
    逃げろ!
    オズの魔法使い
    体のほとんどが尻尾
    脊椎動物の進化
    人間はとても大きい動物
    悪夢のような生物
    「鎧をまとったヤツメウナギ」のように
    全く新しい動物
    最強の捕食者
    最古の脊椎動物の微笑み!?
    議論の余地

    4章 渚に打ち上げられて
    魚でごったがえした海
    最初の樹木
    緑に覆われる大地
    葉っぱの下の小さなドラマ
    ちょっと変わった魚類
    保守的なシーラカンス
    捕食者たち
    四肢動物の足跡
    絶滅の危機
    足のある奇妙な総鰭類
    パンゲア大陸の暗くて蒸し暑い森
    彼らは、いつの日か……

    5章 羊膜類あらわる
    陸地の奪還
    西部戦線のように
    ヒカゲノカズラと石炭
    両生類の繁栄
    新世界に移住するための「宇宙服」
    水の支配からの脱却
    負債を返すとき
    草食動物の奮闘
    ディメトロドンの背中の帆
    地球上を闊歩した樽型の生物
    競争が激化した世界
    追い詰められる陸上生物
    絶滅、絶滅、絶滅
    三葉虫の旅立ち
    ほとんど生き残らず
    生命は戻ってくる

    6章 トライアシック・パーク
    数千万年の復興
    勝ち残ったものたち
    は虫類のカーニバル
    脚を失うトカゲ
    五メートルの怪物
    ワニのような「ハイウォーク」
    空への進出
    最古の恐竜たち
    超大陸の分裂・生命の宝くじ

    7章 空飛ぶ恐竜
    五トンの怪物
    恐竜の呼吸はすごい
    史上最大の陸上動物
    恐竜が成功したもう一つの鍵
    恐竜、空へ飛びたつ
    離陸する二つの方法
    オルドビス紀のそよ風
    小型ほ乳類のパラシュート飛行
    始祖鳥の翼
    命の灯火
    飛べない鳥たち
    無数の鳥たちのさえずり
    菜食主義のワニ
    花を咲かせる植物の登場
    たった一撃で……
    大絶滅、姿をあらわすほ乳類

    8章 素晴らしきほ乳類たち
    むかしむかし……
    鼓膜の誕生
    人間は耳が悪い
    逃げ出した魚の顎関節
    小さく、毛深く
    カモノハシやハリモグラの祖先
    代謝の速い活動的な動物
    体重に匹敵する昆虫を食べよ!
    ほ乳類は夜に遊ぶ
    脂肪とタンパク質が豊富な「乳」
    恐竜がニッチを埋める
    ほ乳類の進化と拡張
    有袋類の長く輝かしい歴史
    とっちらかった世界
    バスくらいの大きさがあるヘビ
    クジラは海へ……!
    急速に変わりゆく世界

    9章 猿の惑星
    南極の長い冬の夜
    奇妙な新しい贈り物
    類人猿の鳴き声
    直立歩行のはじまり
    腰痛が大きな悩みの種
    動物界のエリート戦闘機
    未解決の問題
    樹上も、地上も
    新鮮な肉と優れた石器

    10章 世界を股にかける
    終わりを告げる鐘
    時には近く、時には遠く
    地軸の傾き
    ポラリスはやがて……
    一〇万年ごとの寒波
    深層海流の循環システム
    ホモ・エレクトゥス
    火を使う
    「つがいの絆」と不倫
    死後の世界はない
    もっとも美しい道具の製作者
    私たちが本当に世界を見ることができたなら
    各地に進出するホモ・エレクトゥス
    サイを狩る
    数奇な運命
    脳を維持するためのコスト
    地球には巨人がいた
    ネアンデルタール人の繁栄
    アフリカからやってきた種

    11章 先史時代の終わり
    生命の繁栄
    脂肪を蓄える目的
    生殖と寿命のあいだ
    長老たちの知恵
    悲痛な叫び
    ホモ・サピエンスの進出
    ある場所では死に絶え……
    熱帯気候化したヨーロッパ
    道具の開発、高度な技術
    壊滅的な噴火
    移動する人類
    ネアンデルタール人との交配
    ネアンデルタール人の絶滅
    洞窟壁画と儀式

    12章 未来の歴史
    絶滅の形
    ホモ・サピエンスの絶滅の可能性
    たった一発の銃弾
    到来する氷河時代
    独り占めする人類
    「絶滅の負債」を返済するとき
    大氷河時代
    次々と死に絶える
    地球の歴史と二酸化炭素
    ゆっくりと着実に
    分業と効率的な生産
    もっと大きく、もっと速く、もっと遠くへ
    生命の進化と多細胞生物
    大地に広がる菌類
    花の進化と昆虫の進化
    「コロニー」は超生物
    植物の未来
    生命は深海や地中に集中する
    約八億年後の未来

    エピローグ
    ホモ・サピエンスが特別な理由
    「第六の絶滅」か?
    私たちの惑星
    人類の課題
    地球の「外」へ
    生命は……

    年表1 宇宙のなかの地球
    年表2 地球上の生命
    年表3 複雑な生命
    年表4 ほ乳類の時代
    年表5 人類があらわれる
    年表6 ホモ・サピエンス

    参考文献
    謝辞
    注釈
    訳者あとがき
    索引
    著者について
    ヘンリー・ジー【著】
    『ネイチャー』シニアエディター。元カリフォルニア大学指導教授。1962年ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学にて博士号取得。専門は古生物学および進化生物学。1987年より科学雑誌『ネイチャー』の編集に参加し、現在は生物学シニアエディター。ただし、仕事のスタイルは監督というより参加者の立場に近く、羽毛恐竜や最初期の魚類など多数の古生物学的発見に貢献している。テレビやラジオなどに専門家として登場、BBC World Science Serviceという番組も製作。

    竹内薫 【訳】
    (たけうち・かおる)。1960年東京生まれ。理学博士、サイエンス作家。東京大学教養学部、理学部卒業、カナダ・マギル大学大学院博士課程修了。小説、エッセイ、翻訳など幅広い分野で活躍している。主な訳書に『宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか』(ロジャー・ペンローズ著、新潮社)、『奇跡の脳』(ジル・ボルト・テイラー著、新潮文庫)、『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』(ポール・ナース著、ダイヤモンド社)などがある。

    ☆発売たちまち1万部の大重版!!
    ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者)超絶賛!!
    「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽しめる本だ!」
    「地球の誕生」から「サピエンスの終末」まで。全歴史を一冊に凝縮!
    地球誕生から何十億年もの間、この星はあまりにも過酷だった。激しく波立つ海、火山の噴火、大気の絶えまない変化。生命はあらゆる困難に直面しながら絶滅と進化を繰り返した。ホモ・サピエンスの拡散に至るまで生命はしぶとく生き続けてきた。本書はその奇跡の物語を描き出す。生命38億年の歴史を超圧縮したサイエンス書!

  • かつて存在したらしい生きものの名前が字だけで次から次へと登場する。
    エルギネルペトン、ヴェンタステガ、チュレルペトン、パルマステガ、イクチオテスガ……
    ググってみてもヒットしないものも多く、どんな姿の生き物なのか調べることは早々にあきらめた。

    意味不明なカタカナ文字をきちんと読んでいる自分が馬鹿らしくなり精神的にイライラしてきた。
    絶賛する人が多いので頑張って読んでいたが、4章まで読んで"この本ダメかも"と感じ始めた。
    学生じゃないしテストがあるわけでもない。無理して読むのは時間の無駄だ……

    現在の地球上にも多種多彩の生物が存在するので、いちいちどんな奴か気にせず大枠だけ捉えるようにした。
    7章の途中から、花が咲く植物やさえずる鳥たち、ワニや哺乳類が登場してきてストレスなく読めるようになった。

    生命は困難な環境にうまく対処しながら命をつないできたが、大部分の種が絶滅し新しい種に置き換わっている。

    ・海・水中生物の進化
    ・陸上への対応、恐竜、鳥、哺乳類
    ・猿から人
    ・未来…人から???

    11章でヒト族がホモ・サピエンスだけになったところで地球生物全史は現在に到達する。
    ここまでなら、ナショナルジオグラフィックやニュートンなどヴィジュアルが充実している図書の方がいい。

    12章とエピローグの未来の歴史を考察する部分が本書の読みどころだと思う。
    現在までの生命の歴史(&地球の歴史)の知識を前提にしているので説得力が増す。

    不確定要素が多すぎて未来の予想図を描くのは困難だが、地球上の生命の歴史から察するに人類の存在期間は短いのだろう。
    あと数千年で絶滅しても不思議ではない。

    人類がいなければ絶滅していなかった生物は多いと言う。
    人類は地球環境を短期間で急速に破壊しているとも言う。

    だが、地球に対してはそれほど人類は凄い存在でもない。
    地球の地殻変動をも止められないし、地震や火山活動や台風の制御もできない。
    ヒトの力など自然界の力に比べたらちっぽけなものにすぎない。
    ヒトは千年後なんて考えないし、自分が生きている間さえ良ければいいくらいにしか思っていない。

    ヒトが自ら住みにくい地球環境を作り絶滅の時期を早めても、ヒト以外の生物がその環境に適応し進化するだけだ。
    そして、かつて非常に短い期間だがヒトという生物が地球にいたことを知るのかもしれない。

  • 他の人が挙げているブクログの2022年良かった本を見ていく中で、アンテナに引っかかった一冊。

    最初読み始めて、あー、これ読むのちょっとしんどいかなーと思った。
    色んな生物の名前が、とにかくツラツラと並んで(そして消えていく)一方だと感じてしまって。

    でも、読んでいく内にペースに慣れてきたのか、進化の大きな流れと、そこで起きる地球の天候の変化や災害によって絶えていく姿。
    そんな静と動のコントラストに、次は何が起きたんだろう?どんな生き物がそこに適応したんだろう?と、楽しめるようになった。

    トータル300ページに満たないという、まさに「超圧縮」。

    ラストには、もちろん人類が登場する。
    そして、人類のその先も。
    割と容赦ない形で書かれていて、不覚にも笑ってしまったし、怖かった。

  • サピエンス全史以上の読書体験。タイムマシンで地球誕生から滅亡までの生物の趨勢を眺めた気分。とても壮大なのに全く飽きない。『かつてこの星には人類という生き物がいた…』そんな火の鳥の呟きが聞こえてきそう。

  • 生命の進化について、まとめられてて、読みやすかった。特に、昔の話は山のように落ちてて、つまんだことはあるが、全体像がずっとよく分かってなかった。
    多分それをまとめた本はたくさんあるのだろうが、私にとってはこの本が初めてだったので、星5とした。

    所々に挿絵があるのもありがたいが、原本にはないらしく、日本語訳チーム、素晴らしい仕事である。

    私はいちいち画像検索しながら読んだ。いろんな姿の生物に魅せられること請け合いだ。

    生命史はその圧倒的なスケールに、なんでこんなことがわかるの?と思うようなことばかり。ここまで解き明かした研究者やそれを支援した人、組織は素晴らしい。と、同時に、儚くもある。本を読めばその儚さはわかる。本当にこれまでの本の中で最も壮大だった。

  • 英国の世界的科学誌『ネイチャー』の生物学シニアエディターが、38億年の地球生物史を約300ページ(邦訳)に圧縮した科学書だ。

    冒頭では生物誕生以前の地球史にも触れられているから、トータル46億年に及ぶ長大な歴史の全体像が、この一冊で駆け足で辿られていることになる。

    著者の文章は映像喚起力に富み、地球生物史のダイジェスト映像を早送りで観るような興奮と感動がある。

    著者は、かつて米カリフォルニア大学で教授も務めた生物学者でもある(専門は古生物学と進化生物学)。

    ただし、詩心と作家的才能にも恵まれている人のようで、本書の文章は時に詩的、時にユーモアに満ち、読んでいてまったく退屈しない。

    知的刺激に富むのはもちろんだが、本書を読む効用として、小事に振り回されるのが馬鹿らしく思えることがある。

    数百万年単位の壮大な時間的スケールの話が次々と出てくるので、「私の目先の心配など、地球生物史の中では芥子粒みたいなものだな」と思えてくるのだw

  • まずタイトルと表紙がとても素敵だと思いませんか。注釈のページが薄灰色なのも良いですね。読む時はしおりを2つ用意しましょう。頻繁に本編と注釈を行き来する事になります。画像検索しながらちびちび読みましょう。楽しいです!

  • ビックバンから現在、そして未来までを300ページ足らずで記載するという文字通りの超圧縮。
    地球上に起こる数々の劇的なイベントもすごいが、実際に起きたことから比べるとほんのわずかであろうが、ここまでわかっているのかと驚きの連続であった。
    大絶滅と言われる絶体絶命の危機を何度も乗り越えて、今の生命があると思うと、生命も地球環境もそれぞれが奇跡なんだ。もっと大切にせねば。
    本書には奇妙奇天烈な動物・植物が次々に出てくる。原書には図解がなかったようだが、邦訳にイラストがあってありがたい。できれば大陸の移動や合体なども図解があったらよかっただろうし、映像化できれば最高なんだがな、と読みながら何度も思った。

  • 【請求記号:467 ジ】

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著者プロフィール

ヘンリー・ジー【著】
『ネイチャー』シニアエディター。元カリフォルニア大学指導教授。1962年ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学にて博士号取得。専門は古生物学および進化生物学。1987年より科学雑誌『ネイチャー』の編集に参加し、現在は生物学シニアエディター、元カリフォルニア大学指導教授。ただし、仕事のスタイルは監督というより参加者の立場に近く、羽毛恐竜や最初期の魚類など多数の古生物学的発見に貢献している。テレビやラジオなどに専門家として登場、BBC World Science Serviceという番組も製作。

竹内薫 【訳】
(たけうち・かおる)。1960年東京生まれ。理学博士、サイエンス作家。東京大学教養学部、理学部卒業、カナダ・マギル大学大学院博士課程修了。小説、エッセイ、翻訳など幅広い分野で活躍している。主な訳書に『宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか』(ロジャー・ペンローズ著、新潮社)などがある。

「2022年 『超圧縮 地球生物全史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヘンリー・ジーの作品

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