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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784478114315
作品紹介・あらすじ
20世紀最大の哲学者の1人、マルティン・ハイデガー(1889~1976年)。本企画は、ハイデガー哲学(存在と時間)の内容をストーリー仕立てで説明する入門書です。
本書はハイデガー哲学の「死の先駆的覚悟(死を自覚したときに、はじめて人間は本来の人生を生きることができる)」に焦点を当てます。
物語の舞台は中世ヨーロッパ。登場人物は傲慢な王子と謎の老人、そして、物乞いの少女。サソリに刺され、余命1か月を宣告された王子は自暴自棄になり、自殺しようと湖に。そこに謎の老人が現れ、ハイデガー哲学を学んでいく……。
本作は小説という形式をとり、登場人物に「存在」「時間」「死」といった抽象的な概念を対話形式で読み解き、臨場感を持たせる工夫をします。
みんなの感想まとめ
死というテーマを通じて、人間の存在や生き方を問い直す本作は、哲学を物語として巧みに表現しています。中世ヨーロッパを舞台に、自暴自棄になった王子が謎の老人と出会い、ハイデガーの哲学を学ぶ過程は、読者に深...
感想・レビュー・書評
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ハイデガーの哲学を非常に分かりやすく解説している点と、その説明に用いた王子の寓話がストーリーとして入り込みやすかった。
これ以上分解できない言葉の最小単位というものを考えた事があったが、これ以上深掘りできない最深の言葉について考えさせられた。「あるとは何か」。人間は決して説明できないという。それは思考の土台だからだ。あるものはある、としか説明はできないが、しかしそれが何かはわかっている。
その上で「現存在」とは、人間のこと。存在とは何かという問いは、人間においてまさに本質的な問いだ。また、道具的な存在とは、交換可能な存在。人間は、自分以外のすべてを道具として見ている。人間とは自分がどんな存在かを問いかける存在。
他者の視線からの解放こそ人間本来の生き方。そして、死には他者の視線をはねのける力がある。
やはり抜粋してメモ書きを見返すと分かりにくくなる。物語を通じて理解するのが、最適な学習方法なのかも知れない。本書は当に最適だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
結論、「限りある人生を、前向きに自分らしく生きよう」ということ。
(『限りある時間の使い方/オリバー・バーグマン』は、哲学的でハイデガーの現代版だね)
人間は、自分以外の他者を道具として、自分の目的の手段としてしか認識できない自己中心的な存在。
だから、よく考えて、道具ではない生き方をしろと熱く語っていた。
「良心」≒「負い目」、「無力さ」も面白いハイデガー哲学。
私は、ハンナ・アーレント(女性哲学者)に興味を持っている。なので、ハイデガーは、ハンナ・アーレントの愛人としての認識が強い。
「負い目」が出てきたあたりでは、あぁ、「負い目」か〜、「良心の呵責」ってやつか〜、そうだよね〜とハンナ・アーレントに思いを馳せた。
ハイデガーは、カリスマ性があって、魅力的な面白い人物だったのかなと推測している。大学の講義は、人気だったとか。
それでも、最期は「沈黙」を選んだというのが、私が最も考えさせられるところ。
ハイデガーは、なんで「沈黙」を選んだのだろう。
人間、黒い感情やしんどい感情を持っていたって、「沈黙」してしまえば、誰にもわからない。穏やかな日常を送れるからね。主張したり、暴れたり、わめいたりすると負けってことかな。
「自分らしさ」って何だろうね。
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好きな著者の新刊となれば、これはもうワクワクしかない。今回はハイデガーの哲学を物語を通し、わかりやすく伝えてくれる。内容としては、そんなに目新しいとか、世界が変わったとかはなかった。
おそらく私の好きなアーティスト達が歌の中で語ってくれていた内容ですでに触れていたからなのかもしれない。人生という有限性の中で終わりを意識して生きることが、いかに人間として真の生きるべき姿であるか、他を思いやる心の美しさ、全てに取り替え可能である道具であるが故、誰かにとって、取り替えのきかない唯一無二の存在になることへの渇望、やはり哲学っていいなと思う。何の役にも立たないように思いながら、本質を求め続けるその姿。
迷いながら、間違えながら、歩いていく
その姿が正しい…ふとメロディが流れてきた。 -
人は死ぬ。紛れもない事実。
だけど、それを意識していないのも事実。いつかどこかで自分の死も愛する人との別れも必ず起こることなのに。
私もそうだ。明日は来ると確信的に思っている。
「死にたくなる。」そう呟きたくなる状況だとしても、そこに殺人犯が来たら、手をすり合わせて命を乞うだろう。
人は死ぬ。本当の死と。誰の記憶にも残らない死。
存在とは何かと根源的に問いかける本だった。
実体とは何かを問いかけても今のところ、私は答えを上手く言えない。
職業、年齢、性別、出身地や出身校…どれも1部であるが、私そのものでは、ない。父母をはじめ祖先も付随するもの。
ツバメも王子も最後の最後に自分の人生を否定して死ぬことを恐れる。
人をいっぱい傷つけた。お礼が言えなかった。自分にも人にも嘘をついた。過程を振り返るなら、沢山の瓦礫と石ころが転がってる。だとしても、そこから何かしら得ることができ、変わることが出来るなら人は生きる意味を見つけ進めるのではないのか? -
飲茶さんの本は、難しいことが、わかりやすく説明されていて、とても面白く好きな作家さんです。
この本もハイデガーの難解な本をストーリー仕立てにして、わかりやすくなっています。
物語としても非常によく出来ていて感動する内容で、とても良かったです! -
ハイデガーの哲学を物語形式で解説しており、難解なテーマも不思議と身近に感じられた。
「死」について考えるなんて、普段は避けたいと思うものだけど、本書では「死を考えることで、人生の本質に気づける」と語られている。特に、「死期を知らされた今も、趣味や仕事が本当に幸せか?」という問いは、自分の日常を見つめ直すきっかけになりそう。
また、「人間は存在について語れないのに、なぜか理解している」という部分も印象的。普段何気なく使っている「存在」という概念が、実はとても不思議で奥深いものだと気づかされた。
今この瞬間をもっと大切にしようと思える一冊で、いつかまた再読したい。 -
とりあえず死ぬまで生きてみよう(°▽°)
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不覚にも泣いてしまいました(涙)
ハイデガーの「存在と時間」を物語りを使って分かりやすく紐解いてくれました。
最後は「幸福な王子」になぞらえてしめくくる、いい涙を流させていただき感謝です。 -
非常に読みやすく分かりやすい。
でもやっぱり哲学って難しい、というか今はまだ理解に苦しむ。
でもハマりそう。 -
人はいつか死ぬ、感想書いてる今死ぬかもしれないし、感想書き終わったあと、図書館行く途中に死ぬかもしれない。死はいつ来るかわからない。それに、死んだら、何も残らない…なんのために生まれてきたんやろ…?みたいに考えたことは皆さんにもあると思うんですよね(多分)。それを究極まで、かつ論理的に私たちの代わりに考えてくれた人がハイデガーさん。ハイデガーさんは昔から心臓の病で死にかけたことがあったとか…。だから、死に向き合う機会が多かったんだろうな。
そんなハイデガーの哲学の本ですね、最初は何言ってるのか分からなくて、大変だったけど、時が経つにつれ、なんとなく分かり始めました。やっぱり、飲茶さんの本、全部わかりやすぅ!
物語形式になってるのが新鮮で、読みやすかった。最後に、あの童話、「幸福の王子」と繋がっていて、少し泣けました。特に、王子の名前を「幸福の王子」の著者の名前にしてるところに感動…!
。゚(゚´ω`゚)゚。 -
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ハイデガーに興味はあったものの、難解な哲学書を読む気力が沸かなかった。
本書はストーリー仕立てかつ飲茶氏のやさしい文章でまとめられ哲学初心者にもハイデガー初心者にも非常に分かりやすく書かれている。
・人間とは自分がどんな存在であるかを問いかける存在である
・非本来的な生き方(自己の交換可能性、道具性)は人生の無意味さを感じさせるが、死を覚悟することで自分の本来のあり方に目を向けることができる
・人間は有限の存在であり、時間的、能力的に負い目を感じざるを得ない。
・他者の有限性に気づくことが幸福につながる。
・時間に向き合うには、未来に対し自分だけの可能性をひとつ選択できることを意識し、過去を反復することで自分だけの可能性を見出し、現在は過去の宿命から導かれた自分だけの可能性を自らの意志で選び取る。 -
●なぜ気になったか
出版時には気になりつつも、経験上このような著者名本は相性悪いことが多いのでスルーした。が、図書館新着で目につき、死ぬことに対する哲学のストーリー仕立てだし、星5評価が70%超えだったので、読んでみたくなった
●読了感想
相性悪いのでは?という予想はあたり、ストーリー仕立てに冗長感。「夢をかなえるゾウ」のおもしろさを期待したのが間違いだった。東日本大震災で死を意識し、会社を早期退職し、生き方を変えた僕は間違っていなかったと自信を持てた
#あした死ぬ幸福の王子
#飲茶
24/6/5出版
https://amzn.to/4dXfrSV -
最強の哲学入門書。もはや、入門書と言っていいのかと悩んでしまうくらいにはわかりやすく、そして面白い。
ここまで死に対して意識したのは初めて。死生観が一気に変わる、とんでもない体験ができたのと同時に、読破後が人生の分岐点になった気がする。
どんな人間にもオススメできる作品。なぜなら人間である以上、死が約束されているから。 -
難解な内容だと思うが、それを非常に簡単に説明してくれてるのはよくわかる。簡単と言いながらの理解をするには一苦労だが、自分の人生において、本の内容はこれからじわじわ聞いてくると思う。自分と自分以外を道具とみる、この考え方。そして最終的には自分自身の生きる意味を問うという点は他の哲学にもありそうでなかった発想である。
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ハイデガーの「死の哲学」をこれで理解した、などとは微塵も思わないが、素人でも大枠がみえるような論理的文章は本当に素晴らしいと思った。
飲茶先生の哲学の本は、本当にわかりやすくて最高。 -
救われた一冊
2025年の5月病はヘビーだったわけだが、その立ち直りに欠かせなかった一冊。
過去思い描いた理想との乖離、その現状から逃げて目を背け全力を出して立ち向かっていないこと、それを頭では分かりつつもなお逃げてしまうこと。
その心を説明し、
その上で前向きに生きていくこと、
今を人間として生きることを教えてくれた。
思春期に読んで欲しい一冊 -
難しくて有名とされるハイデガーの哲学だけど、哲学素人の自分でもわかりやすい内容で理解することができた。ストーリー仕立てで半分小説感覚で読めて、それでいてしっかり教養の本としても成立しているのがすごくいい本だとおもった。
読んだ後に過ごす一日一日を大切にしたいと思える話でした。
人はこの瞬間にも死ぬ存在であること、
死を意識した生き方こそ人間本来の生き方であり、
余命を宣告されたときに、これまでの自分の人生はなんだったのか、自分とはなんだったのか、この問いの答えに辿り着くために、自分に問い続け、自分だけの人生を生きることこそ、人間(現存在)のあるべき姿 -
飲茶さんはいつも難しい内容をかなり噛み砕いて馴染みのある言葉で言い換えてくれることもあり、入門の入門であったとしても中身がスッと入ってくる内容だった。
人はそれぞれ全く違うのだから共通な解などあるわけもなく、それぞれの人が自分で考えて最善を見つけていくしかないということを改めて感じた。
ただ、その考えるきっかけや問いを見つけることがまず難しい。そこでそのとっかかりを与えてくれる哲学はもっともっと学んでみたいと思わせてくれる本だった。 -
イケハヤさんがお勧めしていた本。
ストーリー形式でハイデッカー哲学について知ることができる。非常に読みやすい。
時々まとめも出てくるので、理解もしやすい。
・★非本来的な生き方
=交換可能な道具生活
=自己の固有の存在可能性も問題としない生き方、
=自分の人生とは何だったのか、問わない生き方、
=死を忘却した生き方
★本来的な生き方
=交換不可能な、道具ではない生き方
=自己の固有の存在可能性を問題とする生き方、
=自分の人生とは何だったのかを問う生き方
=死を意識した生き方
・哲学とは考えられないことを考えること
・①ハイデガーは存在(ある)
とは何かについて考えたが、原理的な問題により、それは語れるものではなかった。
②しかし、にもかかわらず、なぜか人間は存在(ある)について理解する言葉として使っている。
・人は誰でも明日死ぬ可能性はあるのに、明日死ぬと思っていない。余命を宣告されてもまだ生きられると思っている。
・人間のことを、現存在と呼ぶハイデガー
(哲学とは、普遍的なものについて考える学問で時代や場所にあって、読み方が揺らぐことがないものを目指す)
・ハイデガーは、人間にとって人間以外は道具だと述べる。
道具はそれ単独では存在できない。
道具には目的がある。
世界のあらゆるものは、自分と言う究極の目的のために道具として現れているから、相手も自分のことを道具だと思っている
自分自身は、かけがえのない存在だが、道具として位置付けられると
それは人間の本来的な生き方と言えるのか?
自分自身を道具的な存在(交換可能な存在)として見ると、この世にいなくて、良い存在であり、無価値で無意味な存在に過ぎない
・人間とは、自己の固有の存在可能性を問題とする存在である。(人間とは、自分がどんな存在であるかを問い続ける存在)
・人間本来の生き方は他人の目を気にせず、自分で自分の生き方を決める生き方
しかし、他者が道具的存在に見るので、世間の目が気になる
・死がもつ5つの特徴
①確実性(必ず死ぬ)
②無規定性(いつ死ぬかわからない)
③追い越し不可性(死んだら終わり)
④没交渉性(死ねば無関係)
⑤固有性(死ねば代理不可能)
→★死だけが代替不可能
他者の視線が気になっていても死においては、自分の道具性は破綻する
そして、人間の本来のあり方について問いかけ始める
・苦しさの原因は無力感
人間は有限の存在→できないことがある→たから無力感を覚える→負い目を感じる
・過去とは、勝手に放り込まれた世界
未来とは1つしか選べない世界
現在とは無力さを突きつけられる世界
・有限になったところで、悩みや不安は生まれるかもしれない
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ハイデガーの「ある」と、友だちの言う「いる」は、同じような意味を持つのではないかと思った。
友だちとの交換日記にあった
「家族って一番大切で、一番めんどくさい」
だからこそ、どんなことがあっても逃げないで、ただ“ここにいる”だけでいい――という言葉。
何かをする、役に立つ、といった条件を抜きにしても、ただ存在していることそのものが、家族の力になるのではないかと思った。
温かいまなざしで見守られているだけで、子どもは安心できる。
高学歴や高収入でなくても、包まれている優しさがあるだけで、気持ちは穏やかに生きていける。
どれだけ裕福であるかよりも、寂しくなく生きていける存在がそばにあることのほうが、大切なのかもしれない。
絵本『幸福の王子』の物語は知っている。
ツバメが王子の足元で亡くなることも、最後に市長や議員が王子像を「もう哀れな像だ」とののしり、鋳物工場で溶かしてしまうことも。
けれど不思議なことに、鉛の心臓だけはどうしても溶けなかった。
ツバメの亡骸とともに捨てられるが、神様は天使に「この街でいちばんの宝物を持ってきなさい」と命じ、その心臓とツバメを選ぶ。
見えない価値をすくい上げる物語は、人の醜さを皮肉りながら、本当の宝物とは何かを問いかけているように感じた。
ハイデガーの思想そのものは、正直まだ十分に理解できていない。
最初は読みにくいとも感じた。
けれど、存在そのものに価値があるということは、確かに受け取った。
物語の中で、オスカーとヒルダのやりとりを通して、オスカーがヒルダを失明させてしまった過去を知り、痛みを抱えながらも惹かれていく展開から、物語はぐっと面白くなった。
高い場所からの力では見えないもの。
相手の立場に立ち、同じ目線に立つことの大切さ。
“ある”“いる”という静かな言葉が、最後まで胸に残る一冊だった。
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