アットコスメのつぶれない話 困難を乗り越え成長を続けるベンチャー経営の要諦

  • ダイヤモンド社 (2024年8月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784478118030

作品紹介・あらすじ

ベンチャー経営25年。起業家仲間で大きな話題になったアットコスメ会長の「つぶれない話」。

みんなの感想まとめ

起業を考える人々にとって、実践的な知識と経験が詰まった一冊です。著者は自身の実体験を赤裸々に語り、起業の現実や組織作りの重要性をわかりやすく伝えています。特に、事業と組織の優先順位の違いや、適材適所の...

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    化粧品メディアからスタートし、小売業としても成功を収めているアイスタイルの創業からコロナ禍までの紆余曲折が赤裸々に語られている。
    創業者としてのブレない部分と折れないといけない部分やドラマのようなエンジェル投資家との出会い、また共同創業者の奥様とのすれ違いなど、日曜劇場のようなストーリーは半ば小説のように読み進めてしまった。
    経営とはサバイブする力。
    会社は潰さないように生き延びる力をつけるかがいかに重要かということを改めて知らされた。
    日々取り巻く環境が今までよりも早いスピードで変わる昨今、当たり前のように続いていくことはない、ただそれを当たり前に続ける事の難しさ。
    しかし、自分たちの事業の設計は緻密にすれば、自ずと答えは出てくる。神は細部に宿る。
    事業づくりと組織づくりは必ずしも一致しない。
    「何をするか」と同じくらい「誰にやってもらうか」を考えなければならない。
    自身のビジネスにも重ねる点が多く、心に留めておきたい指針を見つける事ができた。

    【あらすじ】
    ベンチャー経営25年。日本最大の化粧品・美容メディア「アットコスメ」を率いる経営者の、「ベンチャーあるある」危機の乗り越え方。債務超過やチーム分裂、役員総入れ替えや上場申請取り下げをどのように乗り越えてきたのか。

  • めちゃくちゃ面白い本だった。
    ・アイスタイルがネット通販事業を強化しようとしていた最中、片方ではAmazonも化粧品のラグジュアリーブランドとの取引を拡大する突破口を求めていた
    ・2015年頃からインターネットの世界ではクラウド化が急速に進み、セキュリティコストやAI開発コストが一気に膨らみ。一社の力でプラットフォーム全体を維持するのは難しいと感じていた
    ・コロナ禍がはじまる前、アイスタイルは実店舗出店と海外進出を強化。体制面で歪みが生じ始めていたところをコロナが直撃し、大赤字で止血に追われることになった
    ・2020年末のキャッシュ不足はくふうカンパニー(穐田さんの会社)からの20億円の出資で一旦賄えたが、その後も金策と中長期を見据えたプラットフォーマーとの連携が必要な状況は継続。以降はAmazon/三井物産との資本業務提携へ
    ・2020年12月、最初に連絡を取ったのはAmazon Japanのとある人物(名前は明かされず)。この人物とは、3ヶ月前にランチ会食で顔を合わせていた
    ・Amazon Japanとの間でプロジェクトがスタートした際のゴールの目安は半年後の2021年のGW後。しかし、Amazon本社からの要求内容が何度も変わり、最終的に開示に至ったのは2022年8月
    ・「弱い立場にあるとき、契約書は何の役にも立たない」
    ・当時、化粧品の広告は「美容のプロ」が手掛ける美辞麗句の並ぶ女性誌に打つもので、「素人」の口コミが集まるサイトに広告を出すことはありえないとされていた
    ・広告営業で大事なのは「提案力」。力のある広告代理店は、様々な広告メニューやキャンペーン組合せ、高単価での受注を実現する
    ・昔はメーカー側が「ネット上で売る」ことに慎重だった。専門店を守るために
    ・店頭の一番良い場所に並ぶのは「人気の商品」ではなく、メーカーが「たくさん生産すると決めた商品」。商品の仕入れを決めるときに「@cosme」のランキングを見て決めたことはない
    ・商品を実際に購入して手に取るのはユーザーだが、化粧品メーカーにとっての「お客様」は商品を仕入れてくれる小売店
    ・ドラッグストアは量を売るが、専門店は丁寧なカウンセリングなど質を重視した売り方が得意
    ・上場準備の過程で組織の中に急速に充満し始めた「成長より予実管理」の空気への違和感が上場延期の判断へ
    ・髙松COOの更迭は、直近の予算でなく変化の早い環境の中で五年後に「@cosme」が強くあるための意思決定

  • 「転職しようかな」と同じレベルで、「起業しようかな」が選択肢のひとつになる時代。

    これから起業しようとする人たちにとって、参考書となる1冊かと思います。

    起業したらどんなことが待ち受けているのか、何をしなければいけないのかを、わかりやすいことばで丁寧に説明しています。

    吉松氏が実体験を赤裸々に語り、それを記録した本書は、これまでにアットコスメに関わったひとたちにとっても、いまそれぞれがいるところで、過去を振り返り、“あの頃”のことを思い出し、胸を熱くする時間となったことでしょう。

    少なくとも、私はアイスタイル(アットコスメ)での貴重な経験に改めて感謝し、「あの時があるから、今頑張れる」と、微笑みながら本書を閉じました。

    続編を期待しています!

  • 組織の作り方の話しや現場の考え方と自分の考え方をどう擦り合わせていくのか、伝播させていくのかは今のうちの組織の課題でもあるのですごく勉強になりました。

    事業作りを優先することと組織づくりを優先することは動き方が違うという話も、確かになー、と唸ってしまいました。

    適材適所な人材、事業に真っ直ぐに取り組んでくれる仲間が重要なのはどこも変わらないなと感じてとても勉強になりました。

    物語的にも面白いので一気読みできます!

  • 胆力が違う。

  • うまく行かなくて辛いときに読みたい本でした。用語は難しいですが、著者の信念や思いが綴られており、経営初心者の方にもおすすめしたいです。

  • 経営に関する困難な時期の状況の紹介。

  • 表紙に『日本版「HARD THINGS」』とあるように、@cosme の趨勢について赤裸々に書かれている。見慣れたサービスの裏にある苦悩と底力を知ることができる。

  • アットコスメの会長が語る、幾度となく訪れた会社の危機と、それを乗り越えてきた軌跡。創業期からのあれこれから、拡大期、コロナ禍までしぶとく生き残ってきた生のストーリーが見える本。

  • ・負けずに生き延びること。これこそが最も重要です。「生き延びる」というのは、会社を無理に存続させるという意味ではありません。信念を貫き事業を成長させ続けるために「死なせない」という覚悟。生き延びることさえできれば、次の手を打つことができます
    ・経営者は交渉が崩れかけても会社が倒れることが内容、考えられるオプションを周到に準備すること。他社との提携や交渉に挑むうえでの鉄則だ。
    ・掲示板は、特定の話題について誰かが発言すると、次の発言者は最初の発言にぶら下がっていく。一方で口コミの勝ちは蓄積にある。ユーザーの声の集積ではあっても、コミュニケーションは必要ではない。その場にはカリスマもインフルエンサーも存在しない。極めてフラットなユーザーの声の集合体が口コミなのだ。特定の人物に依存しないからこそ炎上も起こりづらい。炎上の火種がなく、常に穏やかで居心地のいい場所を作って維持することにこだわってきた
    ・「心地よい場」に広告があることに意味がある。というのも、広告というのはブランド側が発する情報であり、化粧品が好きな人にとっては必要な情報でもある。特にアットコスメという口コミしかない場所に、ブランドの情報が入ることで、情報の質や量は厚くなる。

  • 3. 経営とは何か。その答えはまだわかりませんが、25年間経営に携わってきて、もしかしたらそれは「サバイブする力」ではないかと感じています。
    負けずに生き延びること。それこそが最も重要です。
    「生き延びる」というのは、会社を無理に存続させるという意味ではありません。信念を貫き事業を成長させ続けるために「死なせない」という覚悟。
    生き延びることさえできれば、次の手を打つことができます。それこそが経営者の使命です

    4. 僕にとって一番役に立ったのは、ほかの経営者の経験談を聞くことでした

    16. @cosmeが1999年の創業から変わらず掲げてきたビジョン「生活者中心の市場の創造」

    19. 「@cosme」という信頼できる化粧品の口コミ・評価が集まる場の醸造こそ、アイスタイルが25年間守ってきたビジネスモデルの要だ

    32. デューデリジェンス(投資対象となる企業の価値やリスクに関する事前調査)

    36. 新株予約権とは、一定期間内であればあらかじめ決められた価格で新株を購入できる権利を得られる社債や証券のこと。新株予約権を利用すれば、市場で調達するよりも株式を割安に取得できる

    38. 「増資は、自社の口座にお金が振り込まれるまで安心してはいけない」

    47. アイスタイルという会社は、コンサル出身の吉松徹郎と、化粧品会社に勤めていた山田メユミが一緒に立ち上げた会社である

    51. 「cosme.net」というドメインが取得できたことで、僕は完全にスイッチが入った。「cosme.net」というドメインを使って、日本中の化粧品の情報を集約し、そのデータを活用してマーケティングや販売戦略の提案をする。まだ誰も始めていない、しかもユーザーが潜在的に強く求めているサービスをつくるチャンスだ。冷静になって、いくつものビジネスモデルを考えてみたが、どんなビジネスモデルを描いたとしても、売上高はたちまち5億円、10億円となっていく

    58. 1999年12月、ついに化粧品のクチコミ・評価を集めるサイト「@cosme」がオープンした。メーカー側が打つ広告ではない。メディアの記事や論評でもない。実際に化粧品を吟味して、買って、使うという購買行動に生活者のリアルな声を反映した情報サイト。今の言葉でいえば「消費者生成メディア」の先駆けだったのだろう

    60. クチコミをいかに「集合知」にしていくかが重要なのだ

    61. サービスは最初の「型づくり」が命である。神は細部に宿るというが、「@cosme」もリリース当初から細部をつくり込むことに妥協しなかった。
    新しいプロダクトをつくるとき最も神経を使うべきなのは「文脈」の設計だ。ここがどんな場所でなにができて、どんな行動が良しとされるのか。世界観を統一して、文化をつくっていく。ユーザーにわかりやすい文脈を示せば、ユーザーは安心してその文脈に乗ってくれる

    71. 6月末がアイスタイルの決算期で、初年度の売上高は95万円。4200万円の赤字だった

    82. なぜ僕たちに出資を決めてくれたのか、明確な理由はわからない。ただ、「お前たちはビジネスをやめそうにないと感じた」というような言葉をだいぶ後になって聞いた

    86. アイスタイルの資本金は300万円。
    自宅でパソコン1台から始めた事業なので、会社設立にはほとんど元手はかかっていない。ただ化粧品のクチコミを集めるサイトを制作し、データベースを蓄積してマーケティングに生かす事業を作り上げていくとなれば、人もお金も必要になる

    96. 思えば創業以来、僕は自分でリスクを取らずに「他人のお金」で会社を経営者してきた。「無借金で経営すれば起業はノーリスク。転職と同じだよ」起業前には、そんな言葉で新しい時代の起業のあり方を偉そうに話していた。しかし他人のお金で経営するということは、「他人の考え一つでいつでも会社が崩れる」ことと同義である

    100. 「弱い立場にあるとき、契約書は何の役にも立たない」

    107. 「よくわからないけど、吉松が面白そうなことを始めたぞ」と興味を持ってもらえるような会話をするように心がけていた

    108. 「ベンチャーで働くことは、自分の価値を上げる投資であり勉強である」と僕個人は今でも信じている。同時にお金のないベンチャー企業が社員に返せる最大の報酬が経験であることも、あながち間違っていないと思う

    113. 会社が成長する過程で必要な対処策ではあるのだが、中にはこの変化についていけずに去っていった仲間もいた。ベンチャー企業ならどこにでも起こり得る成長の副作用、いわば「成長痛」のようなものだ

    126. ちなみに役員報酬については、僕と山田を含めた5人は全員一律に設定した。呼び方も「吉松」「菅原」など、互いに呼び捨てにしていた。株式上場までこのルールを続けたのは、「対等に喧嘩のできるボードメンバー」という関係性を重視したからだ

    128. 事業づくりを第一に考えた正解と、組織づくりを第一に考えた正解は、必ずしも一致しない。そして時には組織づくりを優先しなければならないこともある

    142. 単に化粧品に強いウェブメディアとして成長するのか。それとも当初の設計通り、クチコミというデータベースを軸にした化粧品情報のプラットフォームとなるのか。当日、痛みを伴いながらも後者を選んだからこそ、その後の「@cosme」はデータベースを軸に、ネット通販やリアル店舗など、事業を立体的に拡大できた。
    「@cosme」の未来を左右する大きな岐路がサイバーエージェントとの合弁会社の決断だった

    144. 「@cosmeTOKYO」は2023年度の売り上げはこの1店舗だけで60億円を超えることができた

    145. アイスタイルは今でこそ、化粧品を販売するリアル店舗をグループ全体で34店舗(2024年6月末時点)ほど展開し、運営するアイスタイルリテールの年間の売上高は約400億円(2024年6月期決算時点)ひ達している。

    150. 資料を読み込む中で、何度も出てきたキーワードが気になった。それが「需要予測」という言葉だ。要はどれくらい売れるのかを正確に知りたいというニーズが、メーカー側に強くあるということだ

    150. 言われてみれば当たり前の話だが、店頭の一番良い場所に並ぶのは「人気の商品」ではなく、メーカーが「たくさん生産すると決めた商品」なのだ。これが本当なら、どんなに「@cosme」のクチコミで上位の評価になっても、メーカー側が「たくさん生産していないから」という理由で店頭に並ばないことになる

    151. 「商品の仕入れを決めるときに「@cosme」のランキングを見て決めたことはないよ」と言われたのだ。誰もユーザーのことを見ていない

    163. 例えばAという商品を仕入れたくても、同じ商業施設内の他の店舗がその商品を扱っていれば仕入れることができなかったし、その地域にメーカーの直営店があればやはり扱うことができなかった。だからといって人気の商品を並べられないのでは元も子もない。
    来店客は「人気商品を知りたい」「試してから買いたい」と思っているはずだ。であれば僕たちが売る必要はない。そこで、自分たちが仕入れられない商品は近くの店で買ってきて、「テスター」として並べ、「お近くのデパートでお求めになれます」と案内していた

    170. 上場すれば投資の原資を株式市場から調達することもできるが、「お金の使い道」の自由度は下がるし、上場を維持するためのコストもかなりかかる

    172. 営業利益が予算より10%でも増減すると上場審査を進めている証券会社から詳細な説明を求められる

    184. 「心地良い場」に広告があることに意味がある。というのも、広告というのはブランド側が発する情報であり、化粧品が好きな人にとっては必要な情報でもある。特に「@cosme」というクチコミしかない場所にブランドの情報が入ることで、情報の質や量は厚くなる。これが「@cosme」のビジネスの要だ

    188. 髙松は、一世を風靡した女性ファッション誌「CanCan」を引き合いに出してこう言っていた。「雑誌が売れなくなったとき、「CanCan」はイベントやウェブという新しい場をつくって復活した。もともとつくっていた場所にこだわる必要はないんだよ。クライアントにとって魅力的なサービスであればいいんだから。吉松の主張は、雑誌が売れなくなった時代に「もう一度、雑誌を強くしようぜ」と言っているように聞こえるよ」

    209. アイスタイルにおいて、「@cosme」というクチコミのデータベースが事業の「心臓」だとすれば、旗艦店の「@cosmeTOKYO」は事業の「顔」である

    213. 会社やサービスがつぶれるかどうかは、本当にちょっとした選択の差で決まる。
    でも、絶対につぶさない。
    こうした決意を起点に考え抜けば、絶対に何かが見えてくる。
    完璧な解決策なんてどこにも存在しない。
    答えは自分で見つける。あるいは自分でつくるしかないのだ。
    どんなときでも生き残る方法は必ずあるのだ、と。

    215. 「どうやって生き延びてきたんですか」と聞いたことがあります。その人は率直にこう話してくれました。「そんなのわからないよ。(富士山の麓にある)樹海に迷い込んだらどっちに行けばいいのかわからなくなるよね。それと似ていて、あるときは右、あるときは左、と判断を繰り返していたらたまたま樹海から抜け出せた。偶然生き残っただけで再現性は何もない。運が良かっただけなんだ」

  • 経営は、お金、組織(人)、サービスが大事だと常々思っていだのだが、吉松さんもわたしと同じ苦労をされていたのだなと妙に安心した。これからどんなサービスをローンチしてくれるのか期待しつつも、わたしもより一層がんばろうと思わせてくれた一冊。
    「サバイブする力」、これからも養ってがんばります。

  • 渋谷で働く社長の告白を彷彿とさせる最高の一冊。辛すぎてドラマティックすぎる。こんなん読んだら、今の自分が余裕すぎるのがわかるし、好むものなり修羅の道ってなる。

  • 普通に面白い

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