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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784478118450
作品紹介・あらすじ
近年ビジネスの現場では、DX、DXと呪文のように騒がれるようになっている。しかしDXは本当に魔法の武器なのだろうか?
現場からは、「仕事量が異常に増えているだけで成果が上げにくくなっている」という悲鳴が聞こえてくる。例えばSNSを取ってみても、ツイッター、facebook、インスタグラム、youtubeと配信先だけが4倍に増えているが、売上も4倍に増えているとはとても言えない。
最悪なのはポップアップ広告で、ユーザーの顰蹙しか買っていない。なぜそこにお金をかけるのか? DXという手段にだけ囚われて、本来の顧客を見失っているのではないか。
近年、若者の間では、「ホスト沼」「ギャンブル沼」のように際限なく何かにハマって抜け出せなくなるさまを「沼」と呼ぶのが流行っているが、これはまさに「DX沼」ではないか?
デジタルマーケティングのコンサルである著者が、DXの成功例と失敗例を上げながら、丁寧にわかりやすくDX改革のコツを解説する。
みんなの感想まとめ
デジタル技術を活用してビジネスの目的を達成するための手段としてのDXの重要性を再認識させる一冊です。著者は、成功例と失敗例を通じて、DXが本来の顧客を見失わせる危険性や、単なる手段にとどまるべきである...
感想・レビュー・書評
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顧客に目を向け、顧客のためにデータを集め、活用する取り組みを考えることがDXの本質であることを再認識させてくれる本です。
DXという言葉はよく目にするようになりましたが、うまく導入できなかった、単なるデジタル化に終わった、といった声を聞くことも増えました。
「DX」は目的ではなく、方法論の1つに過ぎないので、その目的を明確にすることが必要であることをこの本は教えてくれます。
データを使って顧客の行動を捉えることで、仮説を立て、実行し、改善するサイクルを回すことを意識することが重要です。
DXに興味はあるが何をすればいいかわからない、うまくいっていないと感じる方などが読むと、新たな気づきを得られそうな1冊です。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「データからは利用しなかった人の理由や不満はわからないことに注意が必要。リアルであればお客様が感じている不満は傍目から見ても何となくわかるが、オンラインだと見なかった人、一度買ったが『二度と買わない』と思った人のことはわからない。」
「デジタルを使った新しい取組をいきなり始めても、お客様も、周囲も付いてきてくれるとは限らず、考え方が変わるのに5年はかかると思っていた方がよい。受け入れられるまでの過程をどう組み立て、地道なプロダクト改善やマーケティング活動のPDCAを回しつつ、地ならしが必要。」
「仮説を持ってデータを見ない限り、データは何も教えてくれない。失敗パターンに共通するのは、消費者や市場に対する『仮説』がないこと。最初の仮説はどんなものでもよく、調べた結果、何も見つからなくてもそれで成果。仮説が間違っていることがわかったら、別の手を打てばいい。」
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・「DX」は目的ではなく、方法論の1つに過ぎない。仮説を立て、正しくデータを取り、正しい分析をすれば、何をすべきかは自然とわかってくるはず。無駄な仕事を増やす必要はなく、それをやめるのが、最大の合理化。やるべき仕事が明確になれば、業務は簡略化され、成長する。
○疲弊するDXの現場
・業務効率化の「守りのDX」は取り組みやすいが、どの会社でもできるので、競争力の源泉にはならない。「攻めのDX」が重要で、「サービスや製品をお客様が買って満足していただき、また買ってもらえるようにする」というビジネスの本質に立ち返ればよい。
・データからは利用しなかった人の理由や不満はわからないことに注意が必要。リアルであればお客様が感じている不満は傍目から見ても何となくわかるが、オンラインだと見なかった人、一度買ったが「二度と買わない」と思った人のことはわからない。
・他の誰でもない、自分がDXを始める。小さなアクションでも、成果を出せば、もっと上の層を説得できる。「顧客に製品やサービスを買ってもらい、自社を成長させる」という正義以上に説得力のあるものはない。
・DXの全体像を把握し、コントロールする役割の人間は必要。DXの全体的な方針を決めていないのに担当だけとりあえず割り振ると、各人がそれぞれの割り当てられたタスクをただこなすだけになってしまい、分析→改善のサイクルを効果的に回せない。
・デジタルを使った新しい取組をいきなり始めても、お客様も、周囲も付いてきてくれるとは限らず、考え方が変わるのに5年はかかると思っていた方がよい。受け入れられるまでの過程をどう組み立て、地道なプロダクト改善やマーケティング活動のPDCAを回しつつ、地ならしが必要。
○データ活用の悲しき誤解
・意味のないデータを扱う、データが汚れている(混ぜるべきでないものが入っている)、無駄に複雑なことをする、無目的な分析、専門家に丸投げ、データを取ろうとしすぎる、(解釈を間違え)自分の作ったレポートに騙される、忖度してデータを選ぶ、という失敗パターンを知っておきたい。
・仮説を持ってデータを見ない限り、データは何も教えてくれない。失敗パターンに共通するのは、消費者や市場に対する「仮説」がないこと。最初の仮説はどんなものでもよく、調べた結果、何も見つからなくてもそれで成果。仮説が間違っていることがわかったら、別の手を打てばいい。
○正しいデータ分析の手法と目的
・仮説の出発点は「自社が何をどうやって売っているのか。商品や業種が違うと、顧客とのコミュニケーションの組み立て方、重視すべきデータも変わってくる。購買単価によって、顧客の「合意形成のコスト」が変わる。売り方によって、BtoBかBtoCかのゴール設定が変わる。
・自社プロセスの次に「顧客購買行動プロセス」を理解する。理解するためのモデルもいくつかあるが、厳密に考えず、顧客が商品を何らかの形で認知して、情報収集し、サイトを訪れて購買に至る、という流れがわかっていれば十分。
○デジタルでわからない顧客行動の調べ方
・デジタルだけでは、顧客が満足しているのか、怒っているのかもわからない。リアルの定性的な行動観察が重要。消費者行動を実際に行うことで、デジタルだけではよくわからなかった顧客行動の意味が見えてくる。担当者や上層部の思い込みを解く点でも重要。
・どういう顧客セグメントかで、購買行動も大きく変わってくる。大まかに顧客セグメントを分けた段階で仮説を大まかに組み立てる。whoは重要な足がかりだが、最初に行う消費者調査を完璧に行おうとせず、何度か調査を繰り返して解像度を上げればよい。
・調査対象者の語る意見は当てにならないので、自由に行動できるようにして、行動を観察する。こちらの想いが伝わっていないことにショックを受けるかもしれないが、行動のすべてが、改善施策を考える貴重な情報となり、その後の施策を行う上で社内のコンセンサスも取りやすくなる。
・行動観察では押さえるべきは、文脈、実際の行動、その行動をとった理由、の3つなので、事前ヒアリング、実際の行動観察、振り返りという3パートで構成されるのが一般的。消費者に提示すべき情報、効果的な見せ方などを、自社・競合サイトを叩き台にして探っていくとよい。
・可能なら、定量調査と定性調査を組み合わせて分析する。特に、売上に繋がる顧客の特徴を把握し、行動を深堀りする「再現すべき成功パターン」を探る調査が特によい。行動観察は、検討内容や選んだ理由がリアルにわかるが、このような人がどのくらいいるのかという量的な担保はない。
○売上を作るための深堀りと改善施策
・成果を高めるための仮説を立て、改善施策を行う。対策を整理すると「情報収集」、「比較」、「購買」があるが、どんな会社でも、まず改善すべきは自社サイト。広告出稿で自社サイトを訪れる人が増えても、そこで顧客とならなければ意味がない。
・「入口」から入った顧客は、そこにあるメッセージを読んで商品サービスへの興味を高め、より詳細な情報を得ようとし、納得感を得られたらカートなどの「出口」へ進む。改善の優先順位はまず「入口」、次に入口から入った人が参照するページ、最後がカートの「出口」。
・BtoC向け商材では、対象者が明確にわかることがポイント。モノがありふれている今日、大きなセグメントは現実的ではなく、小さなセグメントに分け、特定のセグメントを狙うのが一般的。「どんな人が対象なのか」が感じられるウェブサイトにしたい。「自分向け」だと感じられると、閲覧が続く。
○デジタル広告を攻略する
・顧客獲得効率が最もよいのは、すでに悩みを自覚し、解決したがっている「顕在層」。この層に対し、検索エンジンでの検索結果上部に表示される「検索連動型広告」が最も刺さる。いかに検索連動型広告から自社サイトのコンテンツやランディングページに誘導し、成果を出すかに注力する。
・顧客がどのようなキーワードで自社サイトに来るかを把握できたところで改善施策を行うが、目指すべきゴールで施策は大きく変わる。代表的なゴールは、コンバージョン数を上げる、獲得単価を抑えるの2つ。顕在層向けのキーワードで対応していないものから手を付けたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
DXでやるべきことがクリアに。
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マーケティング、プロモーション系DXの書籍としては、納得感の高い1冊、であると同時に学びや新しい発見もあった。私自身はデータドリブンとか言ってるニワカな輩に、「で、その母集団はどうなってるの?」など、統計学の本質的な疑問を投げかけて困らせてきたが、同じような匂いを感じる著者であった。組織の中では、けっこう面倒がられるし、上が危機感を感じるタイプなんだけど、権限は与えないものの絶対に外されないみたいな、いわゆるホンモノ職人系。
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DXは目的を達成するための手段です。デジタル技術は顧客を開拓し、売り上げや利益をポジティブに伸ばすために活用されるべきものです。しかし、DXを行うこと自体が目的になってしまった場合に問題が起こります。
本書では、効果的なデジタル技術の使用法を紹介しながら、問題解決のアドバイスをしています。ECサイトやSNSの運営、デジタル広告やデジタルマーケティングの現場で疲弊している方、DXを進めたいがデジタルに明るくない経営陣の方におすすめの一冊です。
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