ファイナンス学者の思考法 どこまで理屈で仕事ができるか?

  • ダイヤモンド社 (2025年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784478121825

作品紹介・あらすじ

コーポレート・ファイナンスを専門とする大学教授はどのように物事を考えているのか? 「科学的な思考法」の身につけ方を解説。

みんなの感想まとめ

科学的な思考法を身につけるための手引きとして、著者の独自の視点が際立つ一冊です。元々ビジネスマンであった著者が、理論の重要性を認識し、実務経験を学問に活かす姿勢に共感を覚える読者も多いでしょう。大学教...

感想・レビュー・書評

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  • 非常に面白かった。まずファイナンス学者の本だが、小難しいファイナンス理論の話はほぼ出てこない。著者は野村證券(投資銀行)から外資金融サービス会社(コンサル)から野村証券に出戻り、その後大学教授になった異色の経歴の持ち主。

    個人的に理論だけ語ってる学者の言う事は信用できず、一般企業でサラリーマンをして実践的な事をやってから理論を語れ!と思うので著者の経歴はまさに理想といえる。

    著者は周囲の条件を見ことから考え始める発想を「セールを張る」、根本的なところから考え始める発想を「オールを握る」と表現し、両方の側面からどの様に世の中で起きている事を考えていくか?を解説してくれる。

    理論は数式の世界で再現性がないと科学とは呼べず、バシッと方程式が当てはまればなんとも便利なツールだが、結局局所的で前提条件がないとなかなかそんな理論は築き上げる事は出来ない。特に自然科学ではなくファイナンス理論の様な人の思惑や社会活動が大いに関与する事象については。でも行き当たりばったりで「セールを張る」考え方だけではなんとも心もとない。ある程度の理論をもとに、こうすれば高い確率で成功するみたいな指針が欲しい。そして最後は「意気と度胸と勘」で物事を進めていく。この本はその為の科学的な理論とは何か、どう考えていけばいいのかを教えてくれる。

    エピローグの以下の一言が秀逸。

    「目の前の現象を自分なりに真摯な態度で観察し、ひたすら自分で考え、判断したあとは勇気を奮ってオールを握るのみ」

    すべての社会人にお薦め。

  • ファイナンスの名著「新解釈コーポレートファイナンス理論」の著者によるいわゆるビジネス書。

    こちらも、物事を根本的なところから考える重要性についての本で、とても面白い。

    プロローグにあるように、今企業にとっての大きな問題は、ESGにしろ資本コストにしろ、第三者から突きつけられるものがどんどん増えている。
    一方で、自社を出発点とする問題意識はあまり見られなくなっていると言うのは、まさにその通りだと思う。

    そういう問題意識に対して、著者のこれまでの半生を踏まえて、オールとセールという例えを用いながら、オールを握ることの重要性を説く。

    何度も読み返して身に付けたい。

    オール(櫂)とセール(帆)という対比はキャッチーだが、個人的には、セイルでは?と細かな点が気になったりしたのだが笑

  • とても良い本。というか本書の著者の宮川先生の間がかたや人生の捉え方が好き。授業を受けたいなあと思うけど、大阪公立大学の教授ということで、ちょっと距離的に現実的でなさそう。

    元々現場のビジネスマンであったが、理論に興味を持ち、現実に立ち向かうために理論が重要であると認識しているところが私の心情とも重なり、とても勉強になる。

  • 投資銀行、外資コンサルで長年ビジネス経験を積んだのちにアカデミックの世界に転向された宮川壽夫さんという方が著者です
    著者の経験をもとに、周囲の状況を見ることから考え始める「セール(帆)を張る」発想、根本的なところから自分自身で考え始める「オール(櫂)を握る」発想の違いとそれぞれの活用すべき場面を説明してくれます。どちらがいいというわけではないですが、主にオールを握る重要性を説いています。
    しょせん最後は意気と度胸と勘の勝負という感じでまとまっておりますが、理論的に事象を説明するアカデミックの世界と、実践を積み重ねるビジネスの世界を両方経験された著者の言葉なので、説得力がありました。
    特に面白いなと思ったのが
    カッツモデルの知的ビジネススキルの①テクニカルスキル②ヒューマンスキル③コンセプチュアルスキルは並列でなく階層構造であるという点
    思考のための道筋は①演繹、②帰納、③アブダクションがあるが、人間らしいもの(AIに真似できないもの)がアブダクションであるという点
    因果関係と相関関係を切り分けて判断する必要があるが、混同されて浸透していることが多いという点

  • 元投資銀行実務家がファイナンスの大学教授に転身したユニークな経歴の著者。

    大学の学生向けには良い本だと思う。
    ものごとをどのように理解するかとか。
    どのようなスタンスで研究を行えばよいかとか。

    ビジネスマンにも応用が利く部分もあるかもしれないが、私には残念ながらピンとこなかった。
    それは、おそらく研究者を目指していないからであろう。

    シニカルに、いまの学生のことを嘆いたり、大学という組織の閉塞感をなげているのが文脈からひしひしと伝わってきました。

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