フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか

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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478190449

感想・レビュー・書評

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  • 本書の目的は、フリーエージェントの「真実にかなり近い」姿を語ることです。
    2002年時点のアメリカで、すでに労働人口の4分の1は、フリーエージェントとして働いていた。

    気になったことは以下

    ・フリーエージェントになったのは、嫌な上司非効率な職場、期待外れの給料に嫌気がさしてやめた人、レイオフ合併倒産で会社を離れざるを得なかった人がいる。
    ・忠誠心は死んだ。タテの忠誠心にかわってヨコの忠誠心がうまれている。
    ・フリーエージェントは、3つのタイプ。
     ①フリーランス:特定の組織に雇われずに様々なプロジェクトを渡り歩く
     ②臨時社員:恒久的な職につきたいが、経済の階段の最下層に甘んじている
     ③ミニ起業家、コンサルタント:5名未満の会社を興して起業する
    ・かって家族的温情主義をとっていた企業もそれを放棄した。企業の寿命が短くなっているのに、人の寿命は長くなっている。
    ・企業はリスクをとれなくなっている。⇒個人にリスクを転嫁している。
    ・フリーエージェントは、労働のジャストインタイムといえる。必要なだけの労働力を必要な時に確保する。
    ・誰よりもアメリカ人は働いている。忙しいのが嫌なのではなく、自分でスケジュールができないのが嫌だ、意味のある仕事ができないのが嫌だ。
    ・組織の押し付けでなく、意味ある仕事がしたい。自由、自分らしさ、責任、自分なりの成功を求める。
    ・ピーターの法則:人は自分の能力を超えて、無能となる地位まで昇進する
    ・どんな仕事をするときも、お金をもらって勉強させてもらっていると考える
    ・学校、教育の現場はあいかわらず変化していない。新しい教育のあり方が台頭してくる。
    ・フリーエージェンドは、緩やかなパートナーシップに属している
    ・公式の組織図とは別に実際の人のつながりの組織図がある
    ・フリーエージェントとのつながりは、「信頼」。汝の欲するところを他人になせ。
    ・フリーランスを阻む制度、医療制度、税制度 等々。旧来の制度は雇用を前提に作られている。
    ・臨時社員が正社員になるのは難しい。なぜなら、年収の30%を派遣会社に払わなければならないから。マイクロソフトは訴えられて臨時社員と正社員にした。
    ・大半の管理職はこれから生き残れない。生き残れるのは、立ち上げから、完了までを監督するプロジェクトマネージャー

    結論は、「これから多くの人が独立を宣言し、仕事でも私生活でも自分の運命を切り開くようになる」、それが一つの進歩であることは間違いない。

    目次は以下の通り

    プロローグ

    第Ⅰ部 フリーエージェント時代の幕開け
     第1章 組織人間の時代の終わり
     第2章 3300万人のフリーエージェントたち
     第3章 デジタルマルクス主義の登場

    第Ⅱ部 働き方の新たな常識
     第4章 新しい労働倫理
     第5章 仕事のポートフォリオと分散投資
     第6章 仕事と時間の曖昧な関係

    第Ⅲ部 組織に縛られない生き方
     第7章 人と人の新しい結びつき
     第8章 互恵的な利他主義
     第9章 オフィスに変わる「第三の場所」
     第10章 仲介業者、エージェント、コーチ
     第11章 「自分サイズ」のライフスタイル

    第Ⅳ部 フリーエージェントを妨げるもの
     第12章 古い制度と現実のギャップ
     第13章 万年臨時社員と新しい労働運動

    第Ⅴ部 未来の社会はこう変わる
     第14章 リタイアからeリタイア
     第15章 テーラーメード主義の教育
     第16章 生活空間と仕事場の穏やかな融合
     第17章 個人が株式を発行する
     第18章 ジャストインタイム政治
     第19章 ビジネス、キャリア、コミュニティーの未来像

    エピローグ

  •  なんか、積ん読していると、なにかしら、本の方から読んで欲しいなというオーラが見えてくる。

     別に理由もなく、そのオーラに惹かれて読了。

     ダニエル・ピンクは、労働長官のスピーチライターをしていて独立。この本は、2002年に書かれたことに注意する必要がある。

     長い不況と欧州金融危機のときに、FAになるのは相当勇気がいる。

     例えば、日本だったら、こんな切り口でFAが進まないか。

    ①60歳の退職年齢が結構早いし、これからの退職者はさすがにパソコンもインターネットも使えるので、長年のネットワークをつかってFA化する?

    ②女性のガラスの天井は、役所以外には根強いようなので、女性で卓越した能力がある人は、子育てを機会にFA化する?

    ③1990年代に正社員になれなかった、30代のフリーターが実力をつけてFA化する?

     アメリカでは大問題の医療保険が日本の場合、一応皆保険で問題がないのは、一つハードルを下げている。

     しかし、いずれにしても、組織の枠にとらわれずに、人にかってもらえるような、能力をつけておくことが大前提。

  • フリーエージェントとして社会に啓蒙を与える活動を
    続けているダニエル・ピンク。
    彼がいまから10年前、2001年に発表した超力作である。

    原題は
    「Free Agent Nation
     The Future of Working for Yourself」
    私なりに意訳すると
    「自立したビジネスパーソンとして働く、生きる時代」
    といったところだろうか。

    サラリーマンが読むと、自分が思い込んでいた常識が
    ボロボロと剥がれ落ちていく。
    ほんとに、その音が聞こえるかのごとくに。

    たとえば
    「会社に労働を保障してもらわないと、
     普通の人は生きていけない。
     プロなんてのは一部のアスリートくらいのもの。」
    というような概念が常識だとしたら、
    本書はロジカルかつエモーショナルな語り口で
    それを完璧に破壊してくれる。

    2001年の時点で、著者の調べるところでは4人に1人は
    フリーエージェントだという。
    じゃあもう、「ごく一部」などとは言えない。
    さらにさらに、それから10年経った今はどれくらいだろう。1/3? 半分?

    どうしてフリーエージェントが加速するのか?
    思うに、理由はたぶんいろいろある。

    ・経済の成熟化に伴い、右肩上がりの企業が社員の生活を保障する、
     というモデルが崩壊した(日本にも見事に当てはまる)
    ・大量生産消費時代が終わり、モノやサービスは付加価値がなくては
     顧客に強く支持されない時代になった。その付加価値をつけるのは、
     極めて人間的なクリエイティビティである
     (これは著者の「ハイ・コンセプトの時代」に大いに関連する)。
     したがって、個人が有機的に繋がってプロジェクトを動かす
     フリーエージェントという働き方が、そのビジネスにフィットする。
    ・ITが進歩し、普及し、安価に、容易になったことで、
     個人でも十分なビジネス環境や設備が持てるようになった。

    これらは、たとえば内田和成さんが著書「異業種競争戦略」で
    語る現代のビジネス状況ということとも大いにリンクしていると思う。

    20世紀までは、「フツウのヒト」は会社に依存するのが「安定」を得る
    最良選択肢だと思われていた。会社も、小さいより大きいほうがいい。

    21世紀は、少なくとも先進国では「フツウのヒト(無個性)」では
    会社に依存した安定を得ることはできない。
    なぜなら、ビジネスがどう転んでいくかまるで分からないし、会社が
    個人を守ってくれる可能性はどんどん小さくなっている。

    逆に、高い付加価値をつけられる「ユニークなヒト」は
    ますます需要が高まっていく。
    そういう人は、もちろん大企業で働いてもいいし、独立個人で働いてもいいし、
    その間を行ったりきたりとか、両方に足を突っ込んだりとか、
    なんでもできる。

    著者は15章「テーラーメイド主義の教育」で、
    義務教育という「品質保証書」を出すだけの教育は終わっていくだろうと語る。
    私もそう思う、というか、終わらないといけない。

    が、日本を眺めてみると、それを加速させるような雰囲気がまるで見当たらない。
    相変わらず「受験予備校」は人気だし「偏差値」が評価される。
    一方で大学のAO入試では「基礎学力が下がりすぎた」と評されていたりする。
    結局これは、「これから価値を生む働き方」の社会的合意がまるでなくて、
    行き当たりばったりだからいろいろと変なズレが出ているように思うのだ。

    うーむ・・・どうしたものか。

    -------------------------------------

    目次、レビューなど。

    http://www.tez.com/review/k200206.htm

  • いろいろと楽観的過ぎるので、特に人に対して誇れるスキルや実績の無い人が転職を考えている時期に読む本としては適切では無い気がしました^^;。ただ、人に対して誇れるスキルや実績のある人が、この先、管理職を目指すという行為に対して違和感を感じてしまっている人にはオススメの本だと思います☆

    ちなみに僕は、この本全体に感じられる、「働き者の社員が怠け者の社員に補助金を与えているに等しい」と言った論調の考え方が余り僕は好きでは無いです^^;。確かに、同じ組織内に限定して言えば正直そう思ったりする時もあったりしますが、怠け者には怠け者に見合ったつまらない仕事しか回ってきません。逆に働き者には、その能力に見合ったワクワクするような楽しい仕事が回ってくると思います。

    また、組織全体に視野を広げて考えてみると、何を持って「働き者」「怠け者」と定義するかにも疑問を感じてしまいます。例えば、成果が直接数値として現れる営業職の人から見れば研究開発職の人なんてただの怠け者に見えてしまうと思いますし、またその営業職の中でも既存顧客向けの営業をしている人から見れば新規顧客向けの営業をしている人なんてただの怠け者に見えてしまうと思います。


    という訳で、基本的に僕はこの本に書いてある内容に対して総論反対です^^;。みんながみんな目先の事しか考えなくなってしまう事は危険だと思いますし、また、みんながみんな「自分さえ良ければ良い」「能力の無い奴が給与が低いのは当然だ」みたいな感じの社会が必ずしも素晴らしいとは思いません。ただ、職種によってはこういった働き方もアリだなあとは思いますし、また、95ページに書いてあった「遠い将来のご褒美のために一生懸命働くのは、基本的には立派な事である。けれど、仕事そのものもご褒美であって良いはずだ。」と言った意見には強く共感を覚えました☆

    ひとまず僕のような凡人が勘違いしてフリーエージェントになるなどと言ったりする気はサラサラありません^^;。ただ、逆に僕自身が会社の方からリストラされてしまう可能性もありますし、受身で仕事をするのでは無く、常に起業者意識を持って業務に励んでいきたいと思います!

  • なんとなく手にとってみた本。
    400ページ近い分量なのと、プロローグを見て、目次を見て、解説、訳者あとがきを見る。各章の最後にTHE BOXというまとめがあるのでそこを読む。
    この本は2002年発刊なので、昔を思い出しながら、自分の周りにも独立してフリーになる人たちを何人か見てきたし、万年派遣なんて言う世界と、派遣を採用する側の意見なんてのも実生活では聞けたりして、興味深いものはあるにせよ、いま2020年のコロナの世界で、更に進化したであろうフリーエージェントって言うものと在宅勤務がメインになった会社員の自分との間で、何がメリットで何がデメリットなのかと言う点については思考停止だ。フリーになった事がない上に、なった時の各種のオーバーヘッドを考えると、フリーという選択肢はなかなか無いかなと再認識…

  • 筆者であるダニエル・ピンク自らが全米各地を取材し、アメリカで働く人の4人に1人は組織に雇われない「フリーエージェント」だとして話題となった書。
    将来が不確定な日本においても、今後確実に増加すると予想されるフリーエージェントの生き方指南書。
    今後独立や組織に雇われずに働いて生きていきたいと考えている人には是非読んでいただきたい一冊。
    400ページというボリュームであるが、平易な文章で書かれているため、非常に読みやすい。

  • 個の時代ということがどういうことか、より深く知ることができた。

    フリーエージェントの労働倫理の構成要素
    自由、自分らしさ、責任、自分なりの成功
    「成功したと言えるのは、朝起きて、やりたいことをやれる人だ」byボブ・ディラン

    フリーエージェントという働き方の出現の背景
    1.従来の労使関係の崩壊
    2.生産手段が小型・安価になった
    3.仕事にやりがいを求めるようになった
    4.組織の寿命より人の寿命のほうが長くなった

    フリーランスと臨時社員とミニ起業家の三種類になる

    税制、医療保険の古い制度が足かせに

    大企業とミニ企業が主役になり、中堅企業は淘汰される

    縦のつながりから横のつながりに
    FANクラブ
    起業家ネットワーク
    同窓会グループ
    信頼が支えるシステム

    個人が株式を発行する
    FAN債→証券化

    eリタイア

    日本の状況
    出版、広告といった一部の分野で進む

    コネクション、同窓会、保護者会、NPO活動など、なんでも活用して、社外に話し合える仲間や話しあう場を作ること。そこで他人の話をよく聞くこと

    非正規労働者の組織化、その状況の情報公開が必要

    マイクロファイナンス、臨時社員の権利特典

    ジャストインタイム方式を政治の世界に
    ビル・クリントンが達人だった

    高校はなくなる
    自分で学ぶ力をつける
    学生の交流相手は年代、地域ともに広がる
    地域活性化

  • 何が貴重なのか?
    古典的資本は今も変わらず貴重なままなのか?


    原始人は生き延びることが大変だった。
    だから健康状態を保つ栄養が貴重だった。
    生活を便利で楽しくしてくれる物が貴重だった。

    今、食料や物はあふれている。
    必要だし重要だけれど貴重ではない。
    物も溢れている。


    今は何が貴重なのか?
    今後は何が貴重になっていくのか?

    貴重なのは...自分を特別化するストーリーであり、それを後押しする枠組みだ。

    現代人は生き延びられて当たり前。
    そう著しく不本意に死ぬことはない。

    いわゆるマズローの5段階欲求がある。
    1. 自己実現の欲求
    2. 承認 (尊重) の欲求
    3. 社会的/所属と愛の欲求
    4. 安全の欲求
    5. 生理的欲求
    これらは、下から順にではなく、
    全てが十分かつバランスよく満たされる必要性がある。

    先人の努力により、現代では4〜5は満たされた。
    しかし、1〜3あたりの上位レイヤの充足が足りていない。
    とくに上位レイヤほど満たされていない。
    大事なのはこれを満たす枠組みだ。


    標準化、均一化された枠組みへの適合は1〜3を満たさない。
    需給で考えると、例えば
    ピラミッド型の組織に属して上意下達では供給者の欲求が満たされることはない。
    また、そのような枠組みで提供される製品やサービスも、顧客の欲求を満たさない。
    それじゃあ、自己実現はおろか、尊いものとして重んじられていないではないか。

    標準化、均一化された枠組みはスケールメリットが大きい。
    だから、規模の経済が効くし、物が重要であればとくに物的、金銭的資本がものを言う。
    でも、でも、それはもう貴重じゃない。
    すでにレッドオーシャン化したレイヤへのアプローチをいくら改善しても、
    いわゆるマズローの欲求の上位レイヤという需要を満たせない。


    貴重なのは「人」の注目 (attention) だ。
    注目という資源は、人の命と同様、全員に同じだけある。
    これをどう振り向けるかで、自分や他人を特別化できる。
    人の「特別化」に (そう感じられるストーリーに) 価値が生じる。

    今のピラミッド型組織は義務労働みたいなもの。
    先人の努力により、それを卒業できるほど社会が洗練されてきた。
    社会システムはまだ追従できていないが、あたらしい形態として
    フリーエージェントが台頭してきた.

    貴重な資本とは「人」。
    価値とは自分や誰かを「特別化」すること。
    圧倒的個人の時代である。


    この本は20年前 (2000年そこそこ) に書かれたものだが、
    その時点でも、控えめにいってアメリカ人の4人に1人はフリーエージェント。
    そして、不本意な期間労働などではなく、自ら意図したフリーエージェントが増加中。
    インターネットが、このようなライフスタイルを後押しするということであった。

    今日では、どのくらいのフリーエージェントがいるのか?
    オーガニゼーション・マンより幸福、自由、収入などを総合的に勘案して
    より望ましいライフスタイルとして定着を深めたのか?
    社会システムの整備も進んだのか?
    あるいは、フリーエージェントに変わる新たなスタイルは発生していないか?
    現状報告も見てみたいところである。

  • 組織人より、達人を目指す!➡フリーエージェント社会!

  • 自身のキャリアのヒントにするという点ではつまみ食い程度に読めばいいかな。

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著者プロフィール

Daniel H. Pink
1964年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業後、イェール大学ロースクールで法学博士号取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。フリーエージェント宣言後、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿。著書に、『ハイ・コンセプト』(三笠書房)、『モチベーション3.0』『人を動かす、新たな3原則』(ともに講談社)など。

「2018年 『When 完璧なタイミングを科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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