競争戦略論 2

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  • / ISBN・EAN: 9784478200513

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  • 競争戦略論 Ⅱ
    著:ポーター,M.E.(マイケル・E)
    訳:竹内 弘高

    本書は、ハーバードビジネススクールの「競争戦略論 On Competition」を
    日本で2分冊として出版した後半の1冊です

    そのテーマは、グローバル競争の時代において、どうすれば企業と国が生き残れるのか です

    企業の競争戦略を補完し、支援するための、国家の役割とは何か

    また、著者は、クラスターという概念を持ち込んでいます
    クラスターとはある特定の分野に属し、相互に関連した、企業と機関からなる地理的に近接した集団であるとしています
    食器の燕三条、秋葉原、トヨタ村、日立会、シリコンバレーなどを思い浮かべました

    グローバル企業の競争力とイノベーションは、クラスターと密接なつながりをもっているというのが、著書の持論です

    気になったのは、以下です

    ■国家の競争優位

    ・国の繁栄は創りだされるものであって、天賦のものではない
    ・ある国の競争力は、その国の産業においてイノベーションを起こしグレードアップしていく能力によって決定される
    ・グローバルな競争が激化する一方の世界において、国の重要性は、減じるどころか、ますます高まっている

    ・一般的な考え方に従えば、競争力を決定する最も強力な要因は、賃金や金利、為替レート、そして規模の経済である
     こうしたアプローチは、今のところ企業と政府双方で人気を博しているが、実は間違っている
     というのは、競争優位の真の源泉を根本的に誤解しているからである
     短期的な魅力に惹かれてこの種のアプローチを追求しても、米国にせよ他の先進国にせよ、真の維持可能な競争優位を達成することは、ほぼ間違いなく不可能である
     我々が必要としているのは、新しい視点であり、新しいツールである

    ・国際的なリーダーシップを握っている企業は世界各地に点在するが、その戦略はあらゆる点でそれぞれ異なっている
     だが、その根底にあるオペレーションの在り方は共通している

    ・成功している企業は一連のオペレーションを通じて、競争優位を実現する
    ・多くのイノベーションはありふれた漸進的なもので、技術上の大きなブレイクスルーというよりは、些細な洞察や前進の積み重ねに立脚している
    ・イノベーションには、物理的な資産やブランド認知のための投資だけでなく、スキルや知識への投資も必ず含まれる

    ・イノベーションや改善のプロセスでは、情報が大きな役割を果たす
     それも、競合他社には入手できないような情報や、競合他社があえて入手しようとしない情報である

    ・ほぼ例外なくイノベーションは尋常ならざる努力の成果である

    ・イノベーションを通じて、獲得した競争優位を維持するには、絶え間なく改善を進めるしかない

    ・競争優位を維持する必要条件
     ①戦略を考える際には、グローバルなアプローチをとらなければならない
     ②より維持可能性の高い競争優位を創り出すことは、しばしば既存の競争優位の陳腐化を意味する

    ・国の競争優位を決定する要因
     ①その根幹は高度な産業であり、優れた生産要素(労働力、土地、天然資源、資本、インフラ)である
     ②国内需要をもとに、要求水準の高い顧客からの圧力により、イノベーションが促進されより高度な競争優位に立てる
     ③国際的な競争力を持つ関連産業・支援産業の存在

    ・労働そのものやスキル向上に対する個人のモチベーションも、競争優位の点では大切である
    ・国民が高く評価し、頼りにしているような活動では、競争力が向上しやすい

    ・(競合企業が国内に集中することで)地理的な集中によって、国内の競合関係の効果はいっそう大きくなる
     競合関係はローカルなものであればあるほど激しくなる そして激しければ激しいほど、効果も大きいのである
    ・国内の競合関係によるもう1つの利点は、競争優位の源泉を絶えずグレードアップしていこうという圧力が働く点である

    ・政府の立場として正しいのは、触媒であり挑戦者である 企業が大きな野望を抱き、より高いレベルの競争力をめざすのを奨励し推進するのが政府の役割である

    ・初等・中等教育や国としての基本的インフラ、そして、医療などの国民全体の利害が絡む分野の研究などにおいては、国が非常に大きな責任を負っている

    ・グローバルに競争していくためには、国内に有力な競合企業が存在し、激しい競合関係が成立している必要がある
    ・地元での要素面の不利を相殺するためには、アウトソーシングよりもイノベーションを心がける方が優れている
    ・外国の供給業者や買い手に頼るよりも、国内の供給業者や買い手を育てるほうがよい
    ・国内に競争力を支える重要な柱がなければ長期的には競争力を維持できない

    ・多国籍企業が下す判断の中でも最も重要なのは、個別の事業について、どこの国にホームベース(本拠地)を定めるべきかという判断である

    ■クラスターと競争

    ・クラスターとはある特定の分野に属し、相互に関連した、企業と機関からなる地理的に近接した集団である

    ・競争はダイナミックなものであり、戦略的な違いとイノベーションを追求することで決まる
    ・競争を幅広くダイナミックにとらえる見方では、立地は、生産性、特に生産性の成長に与える影響という点で競争優位を大きく左右する
    ・生産性とは、1労働日に使用された資本もしくは物的資源一単位あたりで生み出される価値である
    ・繁栄を決定する鍵は、特定の土地においてその生産要素を利用しグレードアップする際の生産性にかかっている

    ・追及すべき正しい目標は、すべての産業の生産性の向上である
    ・生産性を向上させるためには、要素インプットの効率、品質を向上させ、究極的には特定クラスター分野に特化したものにならなければならない
    ・先進的な経済へと移行するには、地元での激しい競合関係が育たなければならない
    ・この戦いでは、賃金の低さを争うのではなく、全体として費用の低さを争うことになる

    ・クラスター内の投入資源を利用するほうが、垂直統合(自社)に比べても、効率と効果の点で優れている
    ・社外専門企業のほうが、費用効率という点でも対応の素早さという点でも社内部門より優っている場合が多い

    ・クラスターの内部では市場や技術などに関する専門的な情報が、企業や地元機関の中に蓄積されていく
    ・クラスター内部にいればこうした情報にアクセスしやすく、費用も安いから、企業は生産性を向上させ、生産性のフロンティアに近づくことができる
    ・クラスターに属していると、新しい顧客ニーズを、より明確かつ迅速につかめる場合が多い
    ・新しい事業の多くは、孤立した立地ではなく、既存のクラスターの内部で形成される
    ・クラスターはある地理的な立地内で生じるネットワーク形態であり、企業や機関が接近していることで、ある種の共通性が確保され、互いの交流の頻度や影響力が増していく

    ・政府の役割
     ①マクロ経済と政治の安定を実現すること
     ②自国におけるミクロ経済の能力を高めること
     ③生産性の成長を促すべく、競争を司るミクロ経済的なルールやインセンティブ全般を定めること
     ④クラスターの発展とグレードアップの促進
     ⑤積極的かつ明確な長期的経済アクションプログラムの開発と実施

    ・クラスターはすべて国としての生産性に直接貢献するだけでなく、他のクラスターの生産性にも影響を与える可能性がある
    ・したがって、農業のような伝統的なクラスターもおろそかにしてはならず、グレードアップを図るべきである

    ・クラスターという概念は、経済全体に共通のニーズにとどまらず、多くの政策分野に関する思索をまとめる方法である
    ・クラスターに立脚した考え方は、科学技術、教育・訓練、輸出や外資導入の促進などに関する政策のガイドラインとなる

    ・企業活動の立地配分
     ①クラスター理論は、立地の選択は単なる投入資源の費用や税金だけで決めるではなく、全体としての生産性のポテンシャルを考慮すべきである
     ②企業は活動を各地に分散させることで費用面での優位を得る一方で、クラスタによる優位もまた活かさなければならない
     ③同じ分野の他企業から離れた場所に活動を配置する場合、その企業はクラスター構築を自力で進めなければならない

    ■グローバル企業に学ぶ勝ち方

    ・国際企業として成功するには、各国内の市場において子会社に独自の競争をさせるマルチドメスティック企業から脱皮して、世界的製品・市場ポジションを武器に競合他社に対抗するグローバル企業へと変身する必要がある

    ・あらゆる企業がグローバル戦略を策定するのは無理だし、またそうすべきでもない

    ・グローバル競争の舞台に足を踏み出す前に、まず、自分の所属している業界がグローバル競争に有利な特質を備えているかどうかを判断する必要がある

    ・成功を収めたグローバル企業に共通するのは、業界の力学を変化させ、主な競合他社に差をつけたことである

    ・どの例を見ても、その成功は単一の「世界製品」によってもたらされた結果ではない
     各社とも製造コストを犠牲にすることなく、国ごとの違いを吸収している

    ・最も効果的なのは、世界市場でのコスト・ポジションや差別化の能力を向上させ、それとともに他の世界的な競合他社の力を挫くような手である

    ・グローバル産業において、決定的な一手となるのが、最大の顧客とのあいだに強固な関係を築き、競合他社の攻勢を防ぐことである

    ・成功しているグローバル企業は少なくとも2つのレベルの財務管理を開発している
     ①自給自足型の案件に関するプロフィット・センターとコスト・センターとしてのアプローチ
     ②相互依存性のある取組みや、競合他社の業績や対応を追跡する戦略センターとしてのアプローチ

    ・国際ビジネスに、安全な成功の方程式など存在しない。
     業界構造はたえず進化している

    ■多くの立地にまたがる競争

    ・「グローバル」戦略という場合は、企業が国境を越えて競争をするとき生じる特別な問題を指す

    ・スペクトルの一端は、「マルチドメスティック」な業界である
     競争は国ごとの単位で行われ、相互のあいだには、ほとんど関連が見られない
     マルチドメスティックな業界の場合は、グローバル戦略は必要ない

    ・グローバル戦略を検討する際の本質的な問題は、「国際的なまとまりが、個々の国の事業の合計以上の存在となるのは、どのタイミングでどのような方法を採用した場合なのか」ということである

    ・地理的に離れた立地の間で調整を行なおうとすると、言語や文化の違い、個々のマネジャーや子会社のモチベーションとグローバル企業全体としてのモチベーションを連係させる問題など、組織上の難題が大きく立ちはだかる

    ・競争がグローバル化するにつれ、企業はさまざまな国々にまたがる活動を調整することにより、立地とは無関係に競争優位を確保できるようになる
    ・各業界の代表的企業はわずか2,3カ国、場合によっては1ヵ国のみ集中して存在しているのが一般的だった。

    ・競争優位の確立の機会、そしてそれを実現するために必要な経営資源の多くは、社外の近隣の環境に存在するものである
    ・そう考えなければ、個々の分野における成功が、これほどまでに一つの国や国内の同じ地域に集中する理由を説明することはできない

    ・複雑な競争を勝ち抜くためには最も重要な生産要素は、国家や地域に最初から備わっているわけではない
    ・それはみずから創り出すものなのである
    ・そのためには、教育・訓練・調査研究、データ収集などの面で、質の高い専門機関が存在していることが大切である

    ・分散した活動の調整と統合
     ①ポジションニングを明確にし、グローバル戦略に対する理解を徹底すること
     ②地域の子会社ノマネージャーに、グローバルな全社的ポジションを自国における競合優位の源泉とは比較にならないほど重要性を持つものとして認識させる
     ③情報システムや会計システムを部品番号や顧客コードに至るまで世界中で統一し、それによってオペレーション上の調整、情報交換、地域どおしの比較、適切なトレード・オフを容易にする
     ④子会社のマネジャー同士の交流や学習の交換を促進するよう積極的に努力し、それによって相互理解を深め、人間味のある調整を心がける
     ⑤グローバル戦略を追求する企業は、子会社としての業績だけでなく、全社的な貢献をも重んじるようなインセンティブ制度を導入しなければならない

    ■資本の損失

    ・ある国の企業が国際市場でうまく競争していくためには、たえまなくイノベーションを繰り返し、競争優位を更新していかなければならない
    ・イノベーションや競争優位の更新は有形や無形の資産への継続的な投資によってもたらされる

    ・ドイツや日本の競合企業に比べて、米国企業の投資率は低く、しかも視野が短期的である

    ・投資を決定する要素は3つのカテゴリーに分類できる
     ①マクロ経済環境
     ②資本配分メカニズム
     ③個々の投資案件そのものをめぐる状況

    ・外部資本市場における投資行動は、4つの属性によって形成される 
     ①株式の所有者およびそのエージェントとの関係
     ②株主およびエージェントとの目標
     ③株主やエージェントが企業が測定・評価する際に用いるアプローチや情報の種類
     ④株主やエージェントが自分が株を保有する企業における経済行動に対して影響を与える手法

     もっとも有力な株主は、機関投資家などのエージェントではなく投資家本人である
     少数の株式を分散して保有するのではなく、かなりの数の株式を握っていて、恒久的にその銘柄を保有し続けることである

    ・内部資本市場における投資行動は、4つの属性によって形成される 
     ①企業が設定する個々の目標
     ②経営上層部と各部門の関係を支配する組織原理
     ③社内での投資オプションを評価・監視する際に使われる情報・手法
     ④経営上層部による投資案件への介入の性質

     米国の内部資本市場のシステムは、測定可能な投資利益を最大化するように作られている

    ・資本配分の比較システム ~アメリカのシステムの特長~
     ①全般的に投資には消極的である
     ②利益が最も測定しやすい投資形態に有利である
     ③一部の投資形態では過小投資、別の投資形態では過剰投資となりがち
     ④一部の部門での投資を促進するが、別の部門では制約となる

    目次
    日本語版への序文
    第1章 国の競争優位
     企業が国際市場で成功するには
     国の競争優位を示すダイヤモンド
     システムとしてのダイヤモンド
     政府の役割
     企業側の課題
     リーダシップの役割
     (コラム1)国別に見た競争の成功パターン
     (コラム2)国の競争力とは何か
     (コラム3)ダイヤモンドはどう作用するか
    第2章 クラスターと競争
     クラスターとは何か
     立地と競争
     クラスターと競争優位
     クラスターと新規事業の形成
     クラスターの社会経済学
     クラスターと経済地理
     クラスターの誕生、進化、衰退
     政府の役割
     クラスター開発における企業の役割
     クラスター開発の取組みを組織する
     まとめ
     (コラム1)クラスター理論の歴史的・理論的ルーツ
     (コラム2)クラスターVS産業政策
     (コラム3)カタロニアの小クラスター
    第3章 グローバル企業に学ぶ勝ち方
     グローバル企業として成功するには
     グローバルな舞台でのゲーム
     相互依存を生かした経営
     組織がアキレス腱になる
     競争の現実に合わせた財務政策
     どのような戦略を選ぶべきか
     (コラム)グローバルな業界とは何か
    第4章 多くの立地にまたがる競争
     グローバル競争の一般的フレームワーク
     立地とグローバル競争
     多くの立地にまたがる競争:ローカル戦略からグローバル戦略へ
     発展途上国を拠点としたグローバル競争
     立地とグローバル戦略を統合する
     (コラム)グローバル企業三社の事例研究
    第5章 資本の損失
     問題を示唆する証拠
     何が投資を決定するか
     外部資本市場
     内部資本市場
     資本配分の比較システム
     システム相互のトレードオフ
     改革への提言
     システム改革への方向性
     政策者が果たす役割
     機関投資家が果たす役割
     企業が果たす役割
     卓越した米国式システムに向けて
     (コラム1)コミンズ・エンジン社の場合:株式公開企業における私的所有の拡大
     (コラム2)サーモ・エレクトロン社の場合

    競争戦略論 Ⅰ 目次 (参考)

    第1章 競争要因が戦略を決める
    第2章 戦略とは何か
    第3章 情報をいかに競争優位につなげるか
    第4章 衰退産業における終盤戦略
    第5章 競争優位から企業戦略へ

    ISBN:9784478200513
    出版社:ダイヤモンド社
    判型:4-6
    ページ数:368ページ
    定価:2400円(本体)
    発売日:1999年08月05日初版

  • いわゆる競争要因のファイブフォースで有名な『競争戦略論I』については、少し前に読んでいたんですが、今回『競争戦略論II』も読んでみました。きっかけは、最近流行りの『フラット化する世界』を読む前に、ポーターさんの国の競争力やクラスター理論を少しおさらいしておくか、と思ったからです。

    1990年前後に書かれた内容が多く、『競争戦略論I』とともにその内容はいまや古典と言えるのかもしれません。しかし、同じ事業に関連する企業が地理的に近い場所に集まって形成するクラスターについて、グローバル化によってアウトソーシングが行われるようになったとしても、競争優位を確立する上で重要となるクラスターの概念は、いまだ有効なのでしょう。『フラット化した世界』では、本書のクラスターの戦略的競争優位の条件は変わってきているのかもしれませんが、少なくとも『フラット化する世界』の中でのアウトソーシングに対する全面的礼賛と警戒に対するバランスを取る意味では、こういう視点も押さえることも必要なんでしょうね。
    また、このクラスターについては、横須賀のYRPに移動体関連の企業の開発拠点を集めたのはこの本の”クラスター”が意識されていたのかな、と思います。移動機端末に関しては日本として必ずグローバルマーケットで勝たないといけない領域であったにも関わらず戦略上失敗した例として、国の競争力の観点で今後取り上げられるべきケースなのかもしれませんね。

    仕事上で時々役人さんとお話をすることがありますが、この本を読んでいると、あの人たちはこういう本を読んでいるんだろうな、と思った次第です。すでにちょっと古くなってしまっていますが、日本の競争力に関しては同じ著者から『日本の競争戦略』(ダイヤモンド社刊: 原著は2000年刊行)が出ているのでまた読んでみたいと思います。

  • 上手い蕎麦屋は何処にあるかがわかる。

  • マクロ的な分析。

  • TGLP

  • 日本の政治家全員に読んでほしい。

  • クラスターという概念は刺激的でした。
    グローバル化とインターネット化により、地理的な集中によるメリットは減っていると思い込んでいましたから。
    第二章は★4.

    第一章 国の競争優位

    国の競争力についての考察。
    『国の繁栄は創り出されるものであって、天賦のものではない』から始まる。
    では、どうやって創り出されるのか?がテーマ。
    私にとっては、「政府の役割」が印象的だった。
    『政府による産業支援』、あるいは『政府の存在感を弱める』のどちらでも、長期的に見れば企業を傷つけると結論付けている。

    『政府の立場として正しいのは、触媒であり挑戦者である。企業が大きな野望を抱き、より高いレベルの競争力をめざすのを奨励し推進するのが政府の役割である。』がポーターの主張。
    なるほどね。


    第二章 クラスターと競争

    本書のキモ、クラスター登場。
    『クラスターとは、特定分野における関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属する企業、関連機関(大学、規格団体、業界団体など)が地理的に集中し、競争しつつ同時に協力している状態を言う。』
    『クラスターとは、互いに結びついた企業と機関からなるシステムであり、その全体としての価値が各部分の総和よりも大きくなるようなもの、と定義できるかもしれない』
    『逆説的ではあるが、グローバル経済において最も持続性にある競争優位は、ローカルな要因から得られる場合が多いのである』
    意外な指摘であり、大きな刺激を受けました。


    第三章 グローバル企業に学ぶ勝ち方

    今の私には退屈でした。だってグローバル企業じゃないですから。


    第四章 多くの立地にまたがる競争

    同じく退屈。一点集中の戦略に興味があるので…。


    第五章 資本の損失

    同じく退屈。眠たくなります。

  • ▼2009/04/10購入@Amazon
    ▼ゼミで使うのに買った。

  • 競争戦略論の2冊目は、国の戦略をメインに扱ったもの。
    企業戦略については、いろいろな本でも紹介されているため、別段目新しさはない。

    ここで紹介されるフレームワークは、ダイヤモンド理論。
    ダイヤモンド理論とは、ある国や地域の競争力を分析するためのフレームワーク
    ダイヤモンドとは、
     ・企業が投入できる諸要素(求める人材等)へのアクセス
     ・企業が取り扱う商品等への需要
     ・関連産業・支援産業の状況
     ・企業間の競争状況
    の4つ。

    実は、企業戦略においても非常に重要な考え方であることが
    ポーターのCSR論文を読むとよくわかる。

    クラスター理論とダイヤモンドは、もう少し勉強しておきたい。

  • 産業クラスター論

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