経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 399
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478210482

感想・レビュー・書評

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  • 経済学者・飯田泰之氏による「経済学入門」のような本です。若田部昌澄氏の『改革の経済学』(ダイヤモンド社)にて絶賛されていたのを目にして、5年くらい前に購入しました。冒頭には"大学で学ぶ経済学のコンパクト版ではない"、と書いてありますが、そういう使い方もできるんじゃないかと思うくらいに、きっちり経済学の基礎を教えてくれる本だと思っています。ロジカルシンキング、経済学の基本設定、ミクロ・マクロ経済学の基礎、日本経済の分析などなど、本当に盛りだくさんの内容。

    しかし、残念ながらわたしはいまひとつ内容を理解できておりません。本書に書かれていることはとても重要なことだと自分では思っていて、どうしても気になる。しかたなく書棚の目立つところにおいておき、たまに読み直してみるのだけれど、やっぱりよくわからない。難物です。特に自分の場合は20代後半からどんどんバカになってしまっていて、以前納得できたところも、いま読んでみるとよくわからん、という状態になったりしています。

    中小企業診断士の試験勉強がてら、改めて読み直してみたのですが、やっぱりダメでした。特に第3章の「市場相互の関係を考えよう」がよくわかりません。学生時代から、とにかく「無差別曲線」が謎です。意味するところはぼんやりとイメージできるのですが、とても人には説明できない。そしてちゃんと理解できていないから、すぐに忘れる。この繰り返し。ビールとヤキトリにはもううんざり…(本書は「果物とCD」で説明しています)。

    それでもいろいろ経済に関する本を読んできた経験から、本書が特に大事なことを言っているという予感めいたものはあります。時事放談みたいな経済本を読むくらいなら、本書を読み直したほうがためになる。ただしちゃんと読むならばそれなりのセンスか根性が必要だと思われます。

  • 経済学思考を身につけ、論理的に考え議論する力を手にするためには本書がよいガイドとなるだろう。
    前半は主にロジカルパート。
    論理的思考の要点から、印象バイアスなど論理的ではないが納得してしまいそうになる罠の話。
    後半は経済を軸にした話で、前半で紹介されたロジカルシンキングを駆使して経済を読みといていく。
    正直、門外漢の私には後半の内容は難しかったが
    それでも通読するべき内容であった。

  • 【自分用のメモ】
    ・ここでは「補論」もひとつの章としておく(簡易目次参照)。後半の章「補論」の内部の節には、便宜的に「b」をつけて区別する。

    ・なお本書の目次では、節や項の番号は数字一桁のみ。

    ・ブクログの「pondsnailさんのレビュー」(2008年)はほとんど言いがかりに見える。「既存の枠組みの問い直し」は、本書に求めることじゃない。「知的後退」なんかではなく、単に扱うテーマが違うだけ。

    【目次】
    はじめに [003-006]
    目次 [007-014]

    10の基本ルールで現実経済を考える 016

    1章 結論を得るための論理思考とデータの基礎 017
    1.1 そもそも「議論」とは何か 018
    1.2 議論可能な話題かどうか判断する 020
    1.3 論理の基本を理解する 027
    1.4 データの賢い使い方。正しく「簡単化」して考える 038
    1.5 データで勝つために必要な基礎知識 054

    2章 「経済学の基本設定」を押さえる 059
    2.1 ビジネスパーソンにも求められる経済学の基礎知識 060
    2.2 経済学とは「限りのある良いもの」を扱う学問である。 061
    2.3 経済学の世界観 064
    2.4 人々はインセンティブに従って行動する 076
    2.5 世の中にうまい話は転がっていない 082
    2.6 情報の問題と経済学 088
    2.7 フリーランチはどこにあるのだろうか 097

    3章 現実経済を理解するための経済理論 101
    3.1 需要と供給の世界 102
    3.2 競争均衡の持つ良い性質 107
    3.3 市場相互の関係を考えよう 116
    3.4 時間を通じた最適化 128
    3.5 効率的な環境、競争均衡を妨げるものは何か 134
    3.6 規模の経済と自己実現的期待 142

    3章補論 データと理論の合わせ技 145
    3b.1 データの種類を知ろう 146
    3b.2 重要な経済統計を知ろう 151

    4章 「経済学思考の基本ルール10」で、日本経済の「今」を理解する 169
    4.1 日本経済を考える前提として 170
    4.2 日本経済を考える――経済成長とその低迷 177
    4.3 日本経済を考える――平成不況の解釈、3つのパターン 183
    4.4 平成不況の原因は需要か供給か 195
    4.5 景気循環パターンと大停滞 200
    4.6 デフレ不況の罠 208

    4章補論 日本経済への処方箋 217
    4b.1 財政政策による需要支持 218
    4b.2 デフレ克服は不可能なのか? 223
    4b.3 不良債権処理 229
    4b.4 金融政策の転換の必要性 236
    4b.5 まずデフレを止めなければいけない 247

    おわりに(2003年12月 研究室にて 飯田泰之) [249-253]

  • 経済についいてわかりやすくまとめている。
    経済学について学ぶ学生にはおすすめの本である。
    しかし、図解や例文が少なく理解に苦しむかもしれない。
    分かりやすい本のあとに読む2冊めにはちょうどいい内容だと思う。

  •  エッセンスとしてはおなじ著者の『ダメな議論―論理思考で見抜く』と通じるものがあるが、あっちは「論理」に、こっちはより「経済」のほうに軸足配置。
     1章は「ロジカルシンキング」に「データ」をあわせて考えよ、という「経済学思考」の骨子。
     2章は経済学思考の「考え方」というか、よーするに経済学は、限りある「なにかよいもの」を取り扱うのだということ、そこから「人はインセンティブに従って行動する」とか「ノーフリーランチ」とかの原則が導かれることについて書いてある章。わずかな前提から、いろんなルールが出てくるところが刺激的。
     3章ではいよいよ経済理論に踏み込むが、数式ではなく図解になっているので、なーんとなく直感でもわかる、と思う。
    4章では「平成大不況」脱出のレシピを題材に今までの総仕上げをしているが、その論理たるや今まで土台のブロックをがっちり組んできただけあって、ものすごい堅牢さ。主張の内容はいままで読んできたリフレ派のそれなのだが、きちんと舞台裏までまわりこんで説明してもらえると、たのしいなぁ。
     まぁこれを読んだからと言ってすぐに「経済学思考」が使いこなせるようになるとは思わないが。抽象から具象へのひとつのテストケースとして見事。パーツの選び方、くみ上げ方、手際の良さ、いろんなところが気持ちいい。

  • 経済学思考で実際の経済・ビジネスについて考える能力を養うというコンセプト。経済に精通していないため、1章のロジカルシンキングの章が一番腹落ちした。もう少し理解した状態で3, 4章を読めばよかったかもしれない。正直最後のほうはあまり理解できなかった。

  • NDC分類: 331.

  • 経済学をやった人には不要なレベルの本。物足りない。ただ基本を確認するには悪くない。データに対する正しい見方のいろはが書いてある。
    メモメモ;日本経済の問題
    債務の大きさ⇨×
    債務の利子率を下回る成長率の場合(税率が一定だとすれば)財政引き締めという選択ししかなくなる。

  • とりあえずコレをよめば経済学徒1年分の知識は得られる。

  • タイトルが面白かったので手にとった。経済学思考以前の論理的思考に関する記述がなかなか面白い。「たとえ話」は自分に都合の良い方向にもっていけるし、ことわざや故事も世の中には大抵相反するものが存在するので当てにならない、という部分は説得力がある。

    経済学で使われる視点がコンパクトにまとまっているところが良い。一方、90年代以降の日本経済の解釈と処方箋の議論に入ると、デフレが問題であってインフレ・ターゲットをはじめとするリフレ政策が有効という主張にまとめあげていく、ところに違和感を覚えた。

    デフレが問題であることに異論はないし、リフレが有効という議論の仕方も分かるけれど、インフレ・ターゲットについては、経済学者の間でも様々な議論がなされているようなので、読者層を考えれば、それぞれの論点を併記すべきなのではないかと思った。

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著者プロフィール

1975年東京都生まれ。明治大学政治経済学部准教授(マクロ経済学、経済政策)。著書に、『これからの地域再生』(晶文社、2017、編著) 、『地域再生の失敗学』(光文社新書、2016、共著) 『「30万人都市」が日本を救う!』(藤原書店、2015、共著) 他。

「2018年 『談 no.111』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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