実践する経営者: 成果をあげる知恵と行動

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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478300671

感想・レビュー・書評

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  • マクドナルドの創設者曰く「2人の子供をつれている母親は、ハンバーガーがおいしいからマクドナルドへ来るのではなく、トイレがきれいだから来る」。これが記憶に残った文章です。最近、ドラッカーの本は理解しやすくなったと思ったが、この本は難解。いろいろな雑誌に投稿したドラッカーの文章をまとめだけのものであるため、話があっちこっちに飛ぶ。なかなか読みづらいが、読む価値あり。

  • ・起業家精神はマネジメントの中核に位置し、しかも教え学ぶことのできるもの
    ・起業家とは、富を生む力を、資源に与える人たち
    ・今日成功している起業家には、大組織で5年から8年働いた経験がある
    ・起業家社会の発展には、人口構造が関係している
    ・悲観的になることは簡単。でも、悲観的になることから何が得られますか?~すべての問題にもかかわらず、我々は生きてきました。
    ・成功するイノベーションは、すでに起こった変化を利用する。変化そのものと、それが認識され受け入れられるまでの時間のずれを利用する。
    ・機会とは、外に横たわっているものではなく、経営者がつくり出すもの。
    ・同族会社の経営
    ・複数の事業を結びつけるには、市場ないし技術に共通性がなければならない。
    ・変化についていくための唯一の方法は、自ら外に出て変化を探すこと
    ・経営者に対する正しい助言は「外を歩き回れ」である
    ・今日の経営陣には、明日の事業のための決定を、今日下すという重大な責務がある
    ・投資の結果、人事の結果、イノベーションの成果、計画の結果を、期待(見込)と比べる。
    ・自社の業績を評価する5つの計器:市場地位、イノベーション、生産性、キャッシュフロー、収益性
    ・リーダーシップとは、手段、仕事、責任、信頼である。
    ・起業家精神の4つのわな

  • ウォールストリートジャーナルで30年間掲載されてきたコラムのうち企業家に対するアドバイスを(原題はAdvice for Entrepreneurs)集めたもの。90年代のものが多いように見受けられますが70年代のものもあります。28章プラス序章・終章という構成で、章ごとに成長戦略やマーケティング、人事・経営評価等を区切ってそれぞれの助言がなされています。。「~の条件」シリーズ的な構成ともいえます。或いは、「ドラッカー名言集」よりは長い論文集。

    他著で見られる助言が殆どですが、逆に助言エッセンス集が欲しい人には適しています。私も電車の中などで繰り返し読んでおります。ドラッカー氏の言葉はでも、どれも正に「座右の銘」としたいものばかりであるが故に、「名言集」だけではなくこの本ももっと小さくして欲しい。文庫になって欲しいと思うのは私だけではないはずです....電車で読むにはでかすぎる。

  •  本書は1980年代以降に書かれたドラッカーの論文28報とインタビュー記事2編からなる。「はじめて読むドラッカーシリーズ」はマネジメント編、自己実現編、社会編、技術編の4つからなるが、本書はビジネス編に相当すると言えるだろう。
     28報の論文のうち最新のものでも10年前に書かれたものであるが、ドラッカーの指摘は現代のビジネスにおいてもそのまま通用し、古さを感じさせない。
    逆に先見的な指摘については書かれた当時に読んでもピンとこなかったかもしれない。ドラッカーはマネジメントの神様と呼ばれるだけあって、その指摘は本質を突いている。この本の英文タイトルは「起業家のためのアドバイス」だが、このアドバイスの賞味期限は相当長そうだ。

  • 経営学の大家ドラッカーの膨大な論文の中から、
    アントレプレナーを志す人々に向けた珠玉の論文を
    ピックアップして、編集・構成した一冊。

    80~90年代から主にピックアップしているが、
    驚くべきことにまったく古びていない。
    どころか、今日においても重要な助言ばかりであると
    感じさせられる。

    もっとも、私自身に起業経験はないし、
    あくまで想像の範疇を出るものではないのだが、
    世間で起業して、様々な道をたどっている企業経営者の
    道筋と照らし合わせてみると、
    実にドラッカーの言葉は正鵠を射抜いているなぁ…と
    感心しきりだ。

    -------抜粋↓----------------------------------------------

    p.40
    大企業が新聞の見出しを飾っている。しかし経済の推進役は、
    休息に大企業から中堅企業や中小企業に変わりつつある。

    p.44
    大企業は、よりよいものになるのではなく、
    より独特のものにならなければならない。大きいことによる
    相乗効果は期待できなくなる。企業は、1つの製品分野ないし
    1つの市場に焦点を合わせるほど、よりうまく事業をマネジメントできる。

    -------抜粋↑----------------------------------------------

    これを1991年に明快に言い放っているのだから、慧眼というほかない。
    今日、なんでも型の日本の電機大企業がとんでもない赤字を
    出しまくっているのは周知の事実である。
    焦点の合っていない戦略・実行の結果なのだろうなぁ…。


    -------抜粋↓----------------------------------------------

    p.145
    社会の無知をこぼすこの同じ経営者が、無知による罪の最大の犯人である。
    彼らは利益についての初歩を知らない。彼らが日常言っていることが、
    会社が本来とるべき行動を妨げ、社会の理解を妨げている。なぜなら、
    そもそも利益なるものは存在しないということが、利益についての
    基本的事実だからである。存在するのはコストにすぎない。

    企業会計上利益と報告されているものは、3つの面から言って、
    まさに定量化可能なコストである。第一に、利益とは、資金なる名の
    重要資源の正真正銘のコストである。第二に、利益とは、
    あらゆる経済活動に付随するリスクと不確実性に対する定量化可能な
    保険料である。第三に、利益とは明日の雇用と年金の資金である。
    これに対する唯一の例外、唯一の真の譲与はOPECの石油カルテルの
    ような独占利潤だけである。

    -------抜粋↑----------------------------------------------

    「利益なるものは存在しない」
    これにはぶったまげた。
    しかし、ドラッカーの文章を読んでみるとなるほどと頷かされた。
    確かに、利益利益といいながら、それがなんのための
    "コスト"なのかを私含めてほとんどのヒトは考えたことはないだろう。
    いまどき「売上高」ばかりを言う人はそんなに多くないけれど
    「利益至上主義」はかなり多いと思う。
    でも、その利益ってそもそもなんなの?っていうことの捉えなおしが
    経営者にとって極めて重要なのだと気づかされた。


    -------抜粋↓----------------------------------------------

    p.157
    これら5つの大罪は、すでに数世代にわたって知られていることである。
    すべて数十年の経験によって、その害が十二分に明らかにされている
    ものである。したがって、これら5つの大罪について言い訳は許されない。
    それらは絶対に負けてはならない誘惑である。

    -------抜粋↑----------------------------------------------

    ここでいう大罪とは
    1. 利益幅への過信:利益幅を信奉すれば、競争相手に市場を提供することと
       なる。最大の利益をもたらす利益幅こそ求めるものである。それが
       最適な地位をもたらす。
    2. 限度一杯の価格設定:競争相手にリスクのない機会を提供する。
    3. コスト中心の価格設定:価格をコスト積み上げ方式で設定することである。
       市場が快く支払ってくれる価格、そして競争相手が
       つけるであろう価格からスタートし、
       それに合わせて製品を設計することである。
    4. 明日の機会の無視:主導権を握ったあと、
       その新事業の発展を阻害、無視すること。
    5. 機会の軽視:問題に餌をやり、機会を飢えさせることである。
    http://www.mirai-ltv.com/keiei/keiei-122.pdf より引用)

    の5つである。

    これもまた極めてインパクトある話だ。
    特に、3のコスト中心の価格設定って、ついついやりがちになる気がする。
    誰だって、投資分はさっさと回収したいと思ってしまう。
    だが、それは顧客や市場をまるで見ていないということであり、
    他のプレイヤーからの強烈な一撃(連撃かもしれない)で早晩死んでいくのが
    目に見えている。

    ここでいう大罪は、「当たり前のことの罠」とも言える。
    人間の内的感覚から生じる「当たり前」は、その人間の個体の生存くらいには
    ちょうどよく働くことも多いだろう。
    しかし企業運営のような、生得的なものを超えた因数の多い事象の制御の
    際には、人間的当たり前判断は、転落へのパスポートにすり替わってしまう。
    ドラッカーの戒めは、強く刻んでおかねばならない。


    これらが特に私がうなった部分であるが、
    一番個人的に印象深いのは
    「キャッシュフローの重要性」
    を口をすっぱくしてアドバイスしていることである。

    売上高でも、市場シェアでも、利益でもない。
    すべてはキャッシュフローが明暗を握っている。

    よくよく考えれば道理なのだが、その「よくよく考える」まで至ることが
    どれほど難しいか。
    私たちは自分の財布とお店の買い物くらいの次元ならば、
    キャッシュフローの意味を理解して使いこなせているけれど
    (だから日々この市場経済で生存しているわけで)
    これがやっぱり、企業経営という生得的によくわからんレベルまで
    引きあがると、とたんに掴めなくなって、見失ってしまう、
    というドラッカーの警句であるように思う。

    企業経営は、人間の生得的能力では追いつかない要素が絡み合って、
    日々広がったり縮んだり化けたりを猛スピードで繰り返す状況を
    いかにマネージしていくかということなのだと
    気づかされた。

    そこにおいて「成功」したいならば、賢者の言葉に耳を傾けること、
    それをかみ締めてただちに実行に移すことが何より求められる。
    そう確信した。

  • 21/7/15 85
    21/7/27 85
    棄てられない、なかなか棄てられない

    悲観的似なることは簡単です。でも、悲観的になることから何が得られますか?われわれはいろいろなことに悩まされています。ところが、それらすべての問題にも関わらず、われわれは生きていきました。

    可能性を現実に転化する方法>機会に応えられるだけの知識と人材を用意しておかなければならない。

    成長戦略を持たないことはばかげている。しかし、あまりに多くの会社が行っているように、かつての成長時代の延長として計画を立てることは、より以上にばかげている。

    仕事をするうえで、いかなる情報が必要か。いつ、いかなる形で必要か、誰から手に入れたらよいか」を考える経営者は少ない。「データを入手したら取り組める仕事は何か。どの仕事を棄てるか。どの仕事のやり方を考えるか」を考える経営者は、さらに少ない。「どの情報を、誰に、何時、いかなる形で与えるか」を考える経営者に至っては、ほとんどいない。

    コスト削減に着手するにあたっては、通常、「いかにしてこの仕事を効率的にできるか」を問う。これは間違った問いである。正しい問いは、「この仕事をやめたならば屋根が落ちるか」で無ければならない。答えが「落ちはしないだろう」であれば、その仕事を廃止すればよい。

    問題は、いかに情報を処理するかではなく、いかなる情報が必要かを明らかにすることである。

    利益とは、資金なる名の重要資源の正真正銘のコストである。利益とは、あらゆる経済活動に付随するリスクと不確実性に対する定量可能な保険である。利益とは、明日の雇用と年金の資金である。

    大罪>コストを中心に価格を設定することである。有効な価格政策とは、価格を中心にコストを設定することである。

    計画とは予想ではない。未来を支配しようとするものでもない。それは、明日を考えて今日決定することである。>未来についての期待を含んでいる>経営者の能力を赤裸々に表す>それらの期待は明確に書き出しておかなければならない。そして、実際に起こったことと比較しなければならない。

    安定期の経営者>「自分は何をしたいか。役割は何か」と考えるのは間違い>「この段階で事業に必要はことは何か」「自分はそれができるか」を考えなければなりません。事業に必要なことからスタートしなければならないのです。

  • ドラッカーの視点がふんだんに盛り込まれている一冊。「経営者」に必要なことは「実践する」ことであるのが切に感じられる本。結局そこなんだ。

  • ドラッカーさん、一冊は読みたい

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