ドラッカー名著集1 経営者の条件

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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478300749

感想・レビュー・書評

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  • 一度に複数の仕事を並行してできない。
    自由にできる時間がたとえ同じだけあっても細切れだと効率が悪い。

  • 「『手放せない。いなくては困る』という声に耳を貸してはならない。(中略)いずれの場合であっても、『欠くことができない』といわれる者は、なんとしてでも直ちに異動させるべきである。さもなければその者の強みを壊してしまう。」(p.122)

    同じ部署内で、すんごく頼りになる人がいて、毎度毎度、私は甘えているのですが、それはやっぱりいけないことなんですよね。
    組織にとっても、その人にとっても、私にとっても。

    組織のためにも、自立して仕事しよう!
    その人には、私の世話でなく、もっと別の仕事をしてもらえるようにしよう!
    と、考えを改めることができた本でした。

  • ドラッカーののの古典。成果を出す方法を習得しなければならない。何に時間をかけているかを知ること、強みを生かすこと、貢献に焦点を当てること。私の仕事は自分で時間とタスクを設計し、成果を出すものなのだから、1つは取り入れて、行動したいものだ。

  • ドラッガーの本は、もしドラでドラッガーのマネジメント術の本を一度読んだことがあったが、有名だったこの本を一度読んでみたくて読んでみた。
    エグゼクティブ(経営者や管理者)に向ける内容が多かった。
    確かに納得できる内容がたくさんあったが、今の自分に参考になるものは少なかった。
    ただし、成果をあげる上で重要なことは本の中にちりばめられていて自分の仕事に活かしていこうと思わせてくれるフレーズもいくつかあった。

    P.F.ドラッガー
    20世紀から21世紀にかけて経済界に最も影響力のあった経営思想家。
    マネジメントの主な概念と手法を生み発展させたマネジメントの父。


    「会議の生産性をあげるにはかなりの自制を必要とする。会議の目的を決めそれを守らなければならない。目的を達したときには直ちに閉会する。別の問題を持ち出してはならない。総括したら閉会する。」
    「成果をあげる人に共通するものは、つまるところ成果をあげる能力だけである。いかに聡明、勤勉、創造的、博識であろうと、成果をあげる能力に欠けるのならば成果をあげることはできない。成果をあげることは、一つの習慣である。成果は、習得が必要となる。習慣になるまでなんども反復しなければならない。」
    「成果をあげるための能力として。何に自分の時間がとられているかを知ること。遺されたわずかな図鑑を体系的に管理すること。仕事のではなく成果に精力を向けることである。「期待されている成果は何か」からスタートすることである。それぞれの状況下における強みを中心に捉えなければならない。弱みを基盤にしてはならない。」
    「理想的に設計された組織とは会議のない組織である。会議を開くのは、仕事をする人たちが互いに協力しなければならないからである。」
    「人に成果をあげさせるには、「自分とうまくいっているか」を考えてはならない。「いかなる貢献ができるか」を問わなければならない。」
    「決定の実行が具体的な手順として誰か特定の人の仕事と責任になるまでは、いかなる決定も行われていないに等しい。決定を行動に移すには、「誰がこの意思決定を知らなければならないか」「いかなる行動が必要か」「誰が行動をとるか」「その行動はいかなるものであるべきか」を問う必要がある。」
    「意思決定は本当に必要かを自問する必要がある。何も決定しないという代替案が常に存在する。」

  • マネジメントの古典中の古典です。さすがドラッカーです。どのページも示唆に富んでいます。
    本書は、エグゼクティブ向けに書かれているだけの本ではありません。ドラッカーは、現代は、全ての人がエグゼクティブにならなければいけない、エグゼクティブの発想にならなければいけないと言います。会社を経営する人だけではなく、会社員だけではなく、公務員やNPOの職員だけではなく、先生だけではなく、多くの人にぜひ読んでいただきたい本です。成果をあげる全ての人にです。

    全てに渡ってご紹介したいのですが、特に印象に残ったところだけをご紹介します。
    次のブライアン看護師の話は、秀逸です。

    新任の病院長が最初の会議を開いたとき、ある難しい問題について全員が満足できる答えがまとまったように見えた。そのとき一人の出席者が、「この答えに、ブライアン看護師は満足するだろうか」と発言した。再び議論が始まり、やがてはるかに野心的なまったく新しい解決策ができた。
    その病院長は、ブライアン看護師が古参看護師の一人であることを知った。特に優れた看護師でもなく、看護師長をつとめたこともなかった。だが彼女は、自分の病棟で何か新しいことが決まりそうになると、「それは患者さんにとっていちばんよいことでしょうか」と必ず聞くことで有名だった。事実、ブライアン看護師の病棟の患者は回復が早かった。
    何年か後には、病院全体に「ブライアン看護師の原則」なるものができあがった。みなが「目的とするものに最高の貢献をしているか」を常に考えるようになっていた。
    今日では、ブライアン看護師が引退して一〇年が経つ。しかし彼女が設定した基準は、彼女よりも教育や地位が上の人たちに対し、いまも高い要求を課している。

    「それはお客さんにとって、市民にとって、生徒にとって、親にとって、社員にとって、メンバーにとって、いちばんよいことでしょうか」。常に問い続けたい言葉です。自分自身にも。

    会議についても、以下のように書かれていました。

    会議を司会しつつ重要な発言に耳を傾けることはできる。あるいは討論に参加して発言することもできる。しかしこの両方を同時に行うことはできない。だがこの原則は、明白でありながら大体において無視されている。

    会議を行う時に大切なことが書かれています。1960年に出された本書に、すでにファシリテーションに重要なことが書かれています。すごいですね。

    また、議論することの重要性も書かれています。

    いかに感情が高ぶろうと、またいかに相手側が筋が通っていないと確信しようと、正しい意思決定を行おうとするならば、選択肢を十分に検討するための手段として反対意見を見るべく努力しなければならない。あらゆる側面を丁寧に見るための手段として意見の対立を使わなければならない。

    ディベートの重要性です。意見の対立を恐れず、正しい意思決定を行うためには、意見の対立を使う。素晴らしいですね。ドラッカーは勉強になります。

  • 経営コンサルの小宮さんに触発されて、2013年の間の寝る前本に決定。現在4回目。安直に使われる”強み”についてだいぶ質感が上がった気がする。
    これを何十年も前に書いてるんだもんな~すげーはドラッカーおじさん。

  • 1.エグゼクティブの仕事は成果をあげることである
    2.成果を上げる能力は習得可能である

    という2つの前提にたって、タイトルの「経営者」という職域にとらわれず「知識労働者×成果を上げる人材=エグゼクティブ」に必要な能力を説いた本。
    「時間管理の仕方」から始まり、「貢献へのコミット」「強みへのフォーカス」「選択と集中」「成果につながる意思決定」と言ったビジネスの基礎に対してのドラッカーの考えを一通りなめられる。
    読めば巷に出回る新しいビジネス書も基本はこのあたり既にドラッカーによって構築された土台の上に成り立っているものが殆どだとわかる。

    自分の仕事の種類が変わったり、仕事を通じて感じることが変わった時こそ、こういった本を読み返すことで学びは大きく変わることを実感する。ドラッカーの書籍はそういったときに是非読み返したい。

    ・成すべき3つの貢献「直接の成果」「価値への取り組み」「人材の育成」
    ・ゼネラリストとは自らの知識を知識の全領域に正しく位置づけられる人
    ・意思決定の数を多くしてはならない。重要な意思決定に集中しなければならない
    ・意見の不一致は必要。反対に対する反証が無い限り反対する人を知的で公正だと仮定しなければならない
    ・正しいか間違いかではなく問題の理解に関心を持つ
    ・一般的に成果をあげる決定は苦い。もう一度調べようとの声に屈服してはいけない

  • マネージメントのエッセンシャル版しか読んだことがなかったドラッカー。

    尊敬する経営者の皆さんは、ほとんどドラッカーに影響を受けたといっておられます。
    なかでも柳井正氏の「わがドラッカー流経営論 」を読んで感銘を受けまして、読んだその日にドラッカー名著集を購入してしまいました。

    本著はタイトルからして経営者が読む本という印象ですが、経営者ではなく普通の人向けに書かれた本です。

    経営というより、いかに仕事と向き合うかという人間的な課題について書かれています。

    本著のエグゼクティブの定義は「上司に命じられたこと以上の仕事をする人」としております。

    内容は役に立つことばかりで、ほとんどが思い当たります。

    ただ、邦訳が直訳に近いので非常に読みにくい・・・。
    ドラッカーさん特有の説明を省いた断定調がよけいに読みにくくしています。

    以下印象に残った文章。

    会議では冒頭必ず会議の目的を明らかにした。あとは耳を傾けた。メモは取らず、わからないことを聞く以外は発言もしなかった。
    最後のまとめの挨拶を述べて席を立った。しかし部屋に戻って直ちにメモを書き、そのコピーを出席者全員に届けさせた。メモでは結論と宿題を明らかにした。担当者と期限を示した。
    それらのメモは一つひとつが名文だった。スローンはこうして傑出した経営者となった。

    貢献に焦点を合わせ成果に責任を持つものは、最も厳格な意味においてトップマネジメントの一員である。組織全体の業績に責任をもとうとしているからである。

    実績を持つものには機会を与えなければならない。問題ではなく機会を中心に人事を行うこととそ、成果を挙げる組織を創造する道であり、献身と情熱を創造する道である。

    実は、本当に行うべきことは優先順位の決定ではない。優先順位の決定は比較的容易である。
    集中できるものがあまりに少ないのは、劣後順位の決定、すなわち取り組むべきでない仕事の決定とその決定の遵守が至難だからである。

    あらゆる問題が二つではなく四つの種類に分類できる。
    第一に、基本的な問題の兆候にすぎない問題がある。第二に、当事者にとっては例外的だが、実際には基本的、一般的な問題がある。
    第三に真に例外的で特殊な問題がある。実際には真に例外的な問題というものはきわめて少ない。したがって、それらしきものに出逢っても、「真に例外的なことか、それともまだ分からない何か新しいことの最初の表れか」を問う必要がある。
    第四はそのような何か新しい種類の基本的、一般的な問題の最初の表れとしての問題がある。
    圧倒的に多く見られる間違いは一般的な問題を例外的な問題の連続として見ることである。

    成果を挙げるエグゼクティブは、原則や方針によって一般的な状況を解決していく。
    そんためには、ほとんどの問題を単なるケースのひとつとして、すなわち単なる原則の問題として解決していくことができる。
    「法律の多い国は無能な法律家の国である」

    成果をあげるエグゼクティブは意思決定は事実を探すことからスタートしないことを知っている。誰もが意見からスタートする。見つけたい事実を探せないものはいない。

    明らかに間違った結論に達している人は、自分とは違う現実を見、違う問題に気づいているに違いないと考えるべきである。
    もしその意見が知的で合理的であるとするならば、彼はどのような現実を見ているのかを考えなければならない。
    成果をあげる人は、何よりもまず問題の理解に関心を持つ。誰が正しく誰が間違っているのかなどは問題ではない。

    組織は優秀な人たちがいるから成果をあげるのではない。組織の水準や習慣や気風によって自己開発を動機付けるから、優秀な人たちを持つことになる。そして、そのような組織の水準や文化や気風は、一人ひとりの人が自ら成果をあげるエグゼクティブとなるべく、目的意識を持って体系的に、かつ焦点を絞って自己訓練に努めるからこそ生まれる。

  • 12作品からなるドラッカー・エターナルコレクションの1冊目を飾る本書。本の装丁も素敵です。

    「経営者の条件」という邦題ですが、経営者でも何でもない私でものですが、いちいちうならされ納得させられます。いわゆる"腹に落ちる"というやつですね。
    原題は、"The Effective Executive"。"Effective"は"成果をあげる"と訳されていますので、そのままだと「成果をあげる経営者」。第1章の最初の文は、"To be effective is the job of the executive."ですので、成果をあげることこそが経営者の条件ということ言うことができるのでしょう。もちろんいわゆる経営者だけでなく、組織で働く知識労働者すべてが成果をあげることを求められていますので、この本の内容は自らをマネジメントしようとする人すべてに役に立つものと思います。決められたものごとを正しく行う(Do the things right)能力よりも、なすべき正しいことを行う(Do the right things done)能力が求められており、その能力を身に付ける必要があるというこことですね。

    ドラッカーさんの本をいくつか読んだことがある人なら、章のタイトルを追うだけでもその内容について何となく記憶がよみがえるところがあるのではないでしょうか。第1章の最後に成果をあげるために身に付けておくべき習慣的能力として5つほどあげられていますが、これがこの本の骨子にもなっています。

    [時間] 何に時間を取られているかを知る
    [貢献] 外の世界に対する貢献に焦点を合わせる
    [強み] 強みを基盤にする
    [優先] 優先順位を決める
    [決定] 意思決定を行う

    そして何より重要なことは、これらのことは修得でき、成果をあげるためには天賦の才能は必要ではないということです。がんばらねばと思います。

    原書のタイトルとともに目次を見ると次の通りです。何かいいですね。

    ---
    序章 成果をあげるには
    第1章 成果をあげる能力は修得できる (Effectiveness Can Be Learned)
    第2章 汝の時間を知れ (Know Thy Time)
    第3章 どのような貢献ができるか (What Can I Contribute?)
    第4章 人の強みを生かす (Making Strength Productive)
    第5章 最も重要なことに集中せよ (First Things First))
    第6章 意思決定とは何か (The Elements of Decision-making)
    第7章 成果をあげる意思決定とは (Effective Decisions)
    終章 成果をあげる能力を修得せよ (Effectiveness Must Be Learned)
    ---

    また何度か読み返すことがあるかもしれません。星5つ。

  • 人をマネジメントする方法ではなく、自らをマネジメントする方法について書かれている。原著は1960年代で、さすがに現代には合わなくなっていると感じる部分もあるが、「人の強みを活かす」「意思決定」については現代でも変わらない刺さるメッセージを複数入手できる。欠くことができない者は直ちに異動させるべき、上司の強みを中心に置く、軍では自分で出かけて確かめる、意図的に意見の不一致をつくりあげる、等々。「マネジメント」ほどのインパクトはなかった。

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