真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか

制作 : 堤 猶二 
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478330241

作品紹介・あらすじ

顧客と市場が経済活動を主導する時代が到来しつつある。航空運輸、自動車、半導体、金融サービスといった分野で、賢い消費者と新たな競走相手が、旧態依然とした企業に圧力を加えている。市場が先導するこの転換期に対処するには、組織・機構の変革が、つまり「顧客本位の企業」につくり替えることが必要だ。現場から隔絶した、統制的な上意下達のリーダーシップでは、企業は生き残れない。

感想・レビュー・書評

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  • ⚪︎情報を持たない者は責任を負うことはできないが、情報を与えられれば、責任を負わざるを得ない(39p)

    ⚪︎模範を示すことが、最も有効なコミュニケーションの手段であり、悪例は破綻を招く(133p)

    ⚪︎顧客の要望を最もよく熟知しているのはだれか。もちろん、顧客にじかに接している最前線の従業員だ。そこで当然、商品計画に関する最大限の影響力と、最も多くの責任と権限をもつ必要があるのは現場従業員ということになる。(186p)

  • 航空会社(スカンジナビア航空)で1986年1000万人の顧客がそれぞれほぼ5人の従業員に接した。一回の応接時間は平均15秒。つまり年5000万回あるその15秒の瞬間が顧客の会社へのイメージを決める。それを著者は「真実の瞬間」と呼び、それを好転させる事を主眼とした。着目点でなるほどと思ったのは以下。

    ・「子供クラブなどのサービスは別に悪いものではないよ。だが肝心なのは、私たちが、自社の商品は成人を対象とするバケーション向けのパッケージツアーだと決めている事だ。ヤン、いいかい、損失を招くような仕事に手を出さないでいることが、事業を成功させる上で最も努力を要するという事を覚えておきたまえ。特定の客層を選んで誘致する方針を決めた以上、私は子供同伴家族が何百組目の前を素通りしても気にしないんだ。」スカンジナビア航空は毎月何十という事業提案を受ける。かなり有望なものが多い。しかし、ビジネス旅行者に最高のサービスを提供するという経営目標に適う提案は、ほんの一握りに過ぎない。その他の物は、せっかく苦労して目標達成のために結集したエネルギーを分散しなければ実施できない。

    ・接客業務では無いが、顧客サービスに影響を与える業務に従事する従業員には正しい業績評価が殊に必要。チケット販売係りは客から自分の仕事に対する反応を受けるが、荷物を扱う作業員などはそのような有利なFBを得る事ができない。

    ・私たちはサービス業につきものの最も基本的な誤りを犯していた。顧客にある事を約束しておきながら、それとは違う事を考えていたのだ。つまり、迅速正確な貨物配送を保証しておきながら、書類上の荷物量と実際量が一致しているかどうかばかりを気にし、配送日は無視していた。荷物が予定より4日おくれて到着しても書類には遅延と記録されていなかった。

    ・従業員に権限を与え、独創的な顧客対応をさせるのに適応が一番遅いのはアメリカ支社だった。雇用の保証は従業員の独創性を損なうように言う向きもあるが、私は逆だと思う。

  • 目次:序文、第1章 真実の瞬間、第2章 ヴィングレソール社とリンネフリュ社の再建、第3章 スカンジナビア航空の再建、第4章 真のビジネス・リーダー、第5章 戦略の策定、第6章 ピラミッド機構の解体…他

  • ヤン・カールソンがスカンジナビア空港をどうやって成功に導いたのかの戦略が書かれた書籍。

    最前線の従業員の15秒間の接客態度が、企業の成功を左右する。
    その15秒間を「真実の瞬間」と定義する

    目標(ターゲット)を決める
    「ひんぱんに飛行機を利用するビジネス旅行者にとって世界最高の航空会社にする」

    真のビジネスリーダーに必要なのは細部にとらわれずに地形全体を把握する能力
    社長は意思決定マシンになってはならない。社長が意思決定をする体制になると、すべてのことが社長がいないと進まなくなる。経営ビジョンの実現に必要な条件を整えることが大事。

    競合が激化し、サービスが重視される市場に対応するための第一の方策は、顧客優先の経営方針を確立することである。
    スカンジナビア航空は航空事業に従事しているわけではなく、旅客をできるだけ安全に、かつ効率的に運搬する事業に携わっている。

    顧客に「最高のサービス」を提供するためにはどんな企業組織にしたらよいかを決めるのに役立つ。
    フォードやGMは自動車製造業に従事しているのか、陸上運輸手段を提供する事業に携わっているのか。
    前者であれば最新技術の粋を集めた設計や空力特性、燃料経済性といった自動車の技術的側面に努力を注ぐ。
    後者であれば、レンタカーなど、別事業の検討もできる。

    顧客と市場が経済活動を主導する時代がきている。
    ピラミッド機構の組織は解体して、現場で意思決定ができる体制をつくるべきである。

    「壁を突き破れ」目標が達成不可能に見えても、それが確認できるまでは投げ出してはならない

    階層的組織を廃止した以上、仕事のやり方を従業員に命令することはできない。命令する代わりに、会社のビジョンを伝え、そのビジョンを達成する責任が従業員に課せられていることを納得させなければならない。
    スカンジナビア航空は小冊子の絵と言葉で伝えている

    組織改革をした後の業績評価方法はピラミッド型の時以上に必要になる。
    今までは経営陣が設定した業務基準が株に通達され、その基準に従うことだった。分権化された企業では、すべての従業員が業務目標を正確に把握し、その達成方法を知っていなければならない。従業員の意思決定が経営目標達成い有効なものかどうかを判断するための正確なフィードバック機構が必要になる。

  • 星野リゾートの教科書より

  • 古い話だけど、今にも通じるものがあり、古さを感じさせない。こういう組織マネジメントは、近いところだとRさんこそ具現化してるんじゃないかな。モノからサービスに移った今となっては、ここでいう「真実の瞬間」の視点は頭に入れておかないと。

  • (2013.07.28読了)
    会社の人に薦められて読んでみました。
    接客業の方に特におすすめです。

  • ある方から薦められた本。スカンジナビア航空の再建話。

    感想。
    面白い。少し古い話だが、経営の格言が詰まっている。私は史実、実際のところや、今どうなってるのかを知らない、要は正解かどうかは知らないが、好きな経営手法。

    備忘録。
    ・顧客とのコンタクトの瞬間(スカンジナビア航空だと一従業員が年一万回)に顧客にスカンジナビア航空が最良の選択肢だったと納得させなければならない。
    ・顧客志向。顧客は何を求めているかを考える。企業ご何をしたいかではない。
    ・新任社長の、私に力を貸して欲しいというスピーチ。
    ・徹底的な権限移譲。トップは企業の経営ビジョンのや検討と実現に特化。
    ・必要なのはヘリコプターセンス。鳥の目。
    ・ロニアの谷。人は谷を飛び越えなければならない時がある。最も安全な道しか選ばない人は、けっして谷の向こうには渡れない。
    ・一つの問題に対して十の解決策を出しその中から一つを選ぼうとし、考えることに没頭し、更に五つの解決策を思いつくが、その間に機会は失われる。聡明な人ほどその傾向あり。
    ・分析的思考は不可欠だが、経営戦略全体を分析した後は、ロニアの谷は飛ぶべきだ。
    ・細目は下へ下へ権限移譲。情報と責任と、失敗しても大丈夫という文化を与える。
    ・ただし、失敗は許されても、無能は許されない。特に管理職は。企業の戦略に従わなかったり。目標を達成できない場合。
    ・地をだせない演技者は、どんなに芸が達者でも、観客の心は掴めない。

  • OBH的読書のススメ

  • 顧客本位の企業、最前線の従業員が顧客に質の良いサービスを提供しなければ企業の成功はない。統制的な上意下達のリーダーシップでは、企業は生き残れない。
    真実の瞬間の積み重ね。

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