プロフィット・ゾ-ン経営戦略: 真の利益中心型ビジネスへの革新
- ダイヤモンド社 (1999年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478372661
作品紹介・あらすじ
プロフィット・ゾーン-それは、持続的かつ卓越した収益性で、企業に莫大な価値をもたらす領域である。利益を追求しない企業などない。だが、利益が生じる真の背景や理由を理解している企業は非常に少ない。もはや、市場シェア優先の経営戦略では、勝ち残ることは不可能なのだ。本書の目的は、「収益性の秘密」を、大成功企業のビジネス・デザインから見出せる新しいアイデアによって解き明かすことにある。
感想・レビュー・書評
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顧客はどのように変化しているのか
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利益をあげるためのビジネスモデルには「型」がある。
この本では22の型を挙げ、その中で11の型に当てはまる実際のケースを紹介している。
シナジーが生まれる範囲でバリューチェーンを統合する、ということは経営戦略ではあまりに当たり前のことで、そのことは当然知ってはいたが、
この本を読み終わって、理解はしていなかったということに改めて気付かされた。
プロフィットゾーンは数年で移動するので(外部環境の変化のため)、
断続的なビジネスモデルの見直しと再構築が必要だとも書かれている。
ところで、この本の中で強く主張されている内容の一つに、
「顧客視点を持て」というものがある。
この本はアメリカで発売されたのが1997年で、同じ年にあの「イノベーションのジレンマ」も発売されているのは面白い。 -
この本は一度は読むと良い本です。
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戦略コンサルタントの方が書いた書籍なので、構造化のレベルが高い。
利益モデルや戦略の次元の整理など、網羅性高くわかりやすい。
【メモ】
■プロフィット・ゾーン=持続的かつ卓越した収益性で、企業に莫大な価値をもたらす領域
■4つの戦略次元
①顧客の選択:どの顧客を対象としたいのか
②価値の獲得:どのように利益を上げたいのか
③戦略的コントロール:どのように自分の利益の流れを守りたいのか
④事業領域:どのような活動を行うのか
→ビジネスを成功させるためには、これらの次元を顧客が求める優先順位に沿って調整しなければならない
■利益モデル(リインベンダーが用いて成功を収めている)
・顧客開発・顧客ソリューション利益
・製品ピラミッド利益
・マルチコンポーネント利益
・スイッチボード利益
・時間利益
・ブロックバスター利益
・利益増殖モデル
・起業家利益
・専門家利益
・インストール・ベース利益
・デファクト・スタンダード利益
■その他の利益モデル
・ブランド利益
・専門品利益
・ローカル・リーダーシップ利益
・取引規模利益
・価値連鎖ポジション利益
・景気循環利益
・販売後利益
・新製品利益
・相対的市場シェア利益
■自社のプロフィット・ゾーンを見出す12の質問
・自社の顧客は誰か
・顧客の優先事項はどのように変化しているか
・自社の顧客となるべきなのは誰か
・自社は顧客への価値をどうすれば増加できるか
・自社はどうすれば顧客のファーストチョイスとなれるか
・自社の利益モデルはどのようなものか
・自社の現在のビジネス・デザインはどのようなものか
・自社の次なるビジネス・デザインはどうあるべきか
・自社の戦略的コントロール・ポイントは何か
・自社の価値はどれくらいか -
13.8.13
「ビジネスプランニングの達人になる法」
志村勉
童著で紹介されていた。
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『ザ・プロフィット(2002)』と一緒に読むと、さらに理解が深まる。
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シェアを獲得さえすれば良かった時代から、利益を重視しなければ企業が生き残れなくなった中、どのようにビジネスモデルを組み替えて望むべきか、が書かれている本。
プロフィットゾーンは製品ではなく顧客にフォーカスを当てるよう主張している。ただ肝心の「どうやって顧客中心にシフトすべきか」が描かれていない印象。後半に世界のリーディングカンパニーの事例が大量に掲載されているので、そこから抽出して自分の状況に翻訳して考えなければならない。
UXやリーンなど、最近発展してきている概念の元になる考え方なのではないかと感じた。これらはスタートアップカンパニーでは有効ではあるが、既存のしかも行き詰まった大企業には直接適用しにくいので、本書の内容くらいレガシーな方がフィットしやすいかもしれない。 -
常に移動し続けるプロフィットゾーンをどう企業は捉えていくべきか、過去の成功した企業がどのようにプロフィットモデルを再構築したのか。とにかく面白い、そして為になる。続けてザ・プロフィットも読みたい。
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この本は過去において行われてきた、成功企業のビジネスモデルの分析をおこなっている本だ。
主に対象とする顧客が時代の変遷に伴ってどう変わってきたのか、その時その経営者が環境からどう考えて、行動してきたのか、その際にどういったプロフィットゾーンが形成されたのか、というのをいくつかのモデルに落としこんで分析をしている。
これはあくまで過去の話なので、そのままいろんなモノには適応できるとは限っていないが、あくまでも参考として読む文には問題ないだろう。
しかし、いずれにしても、プロフィットゾーンというものは幾つかのタイプに分析でき、その中での利益形成を目論むことは今後も変わらないであろう。
時代が変わるごとにプロフィットゾーンが増えていくことだけはかわらないだろう。
また特筆すべき点としはすべての経営者が環境からの判断が早いということだ。
その時におこった競合の状況、市場の変化を早めに分析してそれに対する早いうち手をうっている。これがどこの時代になっても重要だと教えてくれる本だ。
ともあれ、これは本棚においておいて、分析をするときに用いることができる本だろう。