サービス・マネジメント

制作 : Karl Albrecht  Ron Zemke  和田 正春 
  • ダイヤモンド社 (2003年4月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478374122

作品紹介

戦略、組織、顧客接点の管理-マネジメントの要諦を網羅した決定版。

サービス・マネジメントの感想・レビュー・書評

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  • 網羅的で分析的。ちょっと文体が古いけれど面白かった。

    ・自動車産業を対象にした調査では、ブランド・ロイヤルティの高い顧客は、生涯で少なくとも14万ドルの収益を企業にもたらすと言われている。この結果が正しいとすれば、80ドルの修理費用や40ドルの部品代をめぐって、メーカーやディーラーが顧客といさかいを起こすなど愚の骨頂である。

    ・日本企業は、品質については世界のリーダーであるが、サービスの重要性や問題点を考慮する点では遅れていた。製品の欠陥を防ぐ製造技術の開発や、完成品の輸出ばかりに注力した結果、顧客サービスの問題に関しては触れられなくなっていた。かつてアメリカもそうであったが、日本ではサービスを隷属とか接客といった視点でとらえ、顧客中心のマネジメントとして見ない傾向がある。

    ・「ハイテク・ハイタッチ」コンセプト。ITが進み、人との接触が減少するほど、各接点のクオリティが重要になる。ATM、先端医療など新技術が導入されるとそれにバランスする形で人間的なコンタクトの要望も高まる。

    ・BA(ブリティッシュエアライン)のマーケットリサーチから顧客が重視する四つの項目が明らかになった。
    ①大衆とコンタクトを持つ人々によるケア・配慮
    ②現場社員の問題解決能力
    ③方針や手続きの適用における柔軟性・積極性
    ④リカバリー(回復)、もしくは問題が生じた時に修復しようとする現場社員の能力
    「①と②は理解できる。しかし、顧客が柔軟性や積極性に重点を置いているのは、少々驚かされた。顧客はこう言っているのである――我々は、現場の社員が自分で考える権限を与えられているかどうか知りたい。決まった手続きでは対処できないような問題が生じた時、自分の意思で、顧客のためにシステムを使いこなす方法を考えてくれるのか。それとも肩をすぼめて、顧客をつっぱねるだけなのか。
    最もBAを驚かせたのは④だった。この点については、それまで具体的に考えたこともなかった。リカバリーというのは、顧客が頻繁に訴えるこの要因を表すために、我々がつくった言葉である。もし何か悪い事が起きたら―確かに頻繁に起きるのだが―それが尾を引かないようだれかが特別な努力をしてくれるのだろうか。顧客のために、わざわざ何かをしてくれるのか。だれかのミスから生じたことを帳消しにしようと誠意を尽くしてくれるのだろうか。ただお詫びの気持ちを伝えるだけの事でも、そのやり方を知っているだろうか。
    もしこの四つの要因のうち二つが、本当に思いもよらないものだったとしたら、サービス現場の人は、そうした状況に今までどのように対処してきたのだろうか。そう考えると身震いがした。」

    ・いくら優れた人材を見つけ、トレーニングを行い、動機づけしても、彼らをとんでもないシステムに入れてしまえば、必ずシステムが勝利する(ギムリー・ラムラー)。

    ・不可能といわれていることを行うほど楽しいものはない(ウォルト・ディズニー)。

    ・準備ができているもののところにチャンスが訪れる(ルイ・パストゥール)。

    ・我々はゲストが、我々が提供できると期待しているクオリティを受け取れることを確信している。ただしそれは我々のキャストが、同じクオリティの対応を受けている場合に限られる(ウォルト・ディズニー・ワールド 人事部)。

    ・カスタマー・バリュー、10の教訓
    ①顧客が求めているのは「顧客サービス」ではなく価値である
    ②些細な差は評価するな
    (顧客の再購買や選好において価値のわずかな差はほとんど影響を与えない。バリュー・パッケージがライバルに抜きん出ている必要がある。)
    ③顧客の目は欺けない
    ④大々的なプログラムは失敗する
    (顧客志向実現のために行った大々的なキャンペーンが失敗する確率は70%を超える。大半のキャンペーンは6ヶ月以内に消滅する。)
    ⑤リーダーが望まない限り、顧客志向が実現されることはない
    ⑥社員が感じるものは顧客も感じる
    ⑦スピリットは保存できない
    ⑧製造業モデルではうまくいかない
    (TQMやISO9000といった製造業向けの管理手法は応用できない。環境と柔軟かつオープンに相互作用する必要がある)
    ⑨言葉も重要
    (企業内で作られる言葉は、その企業の意識を示すだけでなく、意識を作る働きもする)
    ⑩成功に終わりはない

  • サービス関連のトピックスが包括的にまとめられている。

  • この1冊にサーマネの極意が詰め込まれている。分厚いが手元に置いておきたい1冊。

    【口コミ】
    ・不満をもった顧客の96%は、企業に対して何も言わない(あきらめ、期待薄など)。
    ・苦情を訴えた顧客は、たとえその問題が十分に解決されなかったとしても、苦情を訴えなかった顧客よりも、その企業と継続的にビジネスをしようとする傾向がある。更に問題が速やかに解決されたと顧客が感じるときには、その数字は95%にまで上昇する。
    ・企業とのビジネスに問題があると感じた顧客は、平均9~10人にその事実について話す。
    ・クレームを訴え、問題が解決された顧客はばらつきはあるが、平均5~8人にその事実を話す。
    ・問題を解決しようとして成果が得られなかった顧客は、その悪い経験について8~16人の人に話をする。

    【サービスのお作法】
    ・人はサービスを買うのではない、期待を買う。
    ・顧客の期待
    「有能であること(問題解決力)」「期待通りのサービス提供」「的確な説明」「敬意を払う」「顧客が急いでいることを理解する」「きちんと準備されている」「柔軟な対応」「緊急時のリカバリー」
    特にミスをしたときは、①謝罪(まず素直に謝る)、②速やかな原状回復(顧客の利益優先)、③共感(共に心を痛める)ことが肝心
    ・サービスを得る中で接触する人/プロセスが増えるほど、満足度は低下する。
    ・ドラマティック・リスニング(アンケート、クレーム)、聞いたことは速やかに行動に移す。
    ・真実の瞬間を抑えている。
    ・苦情として持ち込まれた不満の実に40%は顧客自身のミスや不適当な期待が原因。しかし、サービス担当者は顧客を責めてはいけない。サービス担当者の仕事は、問題の原因と、解決するためにまず企業に何ができるかを明らかにすることだからだ。そしてそれが再発することのないよう、できる限り努力を尽くすことである。
    ・時に本当はだれも期待していないことをさも大切であるかのように取り組んでしまうことがあることを肝に銘じる(片思い奉仕を辞める)。
    ・業界のリーダー企業は、①オペレーションの秀逸性、②顧客との親密性、③製品におけるリーダーシップのいずれかに焦点を絞った結果としてその地位を得ている。
    ・サービス・デリバリー・システムの成功に欠かせないものは、顧客に優しいシステム。顧客に対する優しさに欠けるシステムの多くは、設計の段階ですでにシステム内で働く人の利便性を優先されている。
    ・社員のトレーニングは重要だが、それは彼らがそのトレーニングに価値を見出していることが条件。
    ・アンケートは、
    ①社員を困らせるために、叱責するために、使われてはいけない。
    ②その情報が、受け取った従業員にとって何を意味するものなのかを考える。
    ③リアルタイムで情報を共有する。
    ④その結果を受け手も従業員が何も打ち手を打てないものではないことを確認する。
    ⑤改善不能な外部環境に対する要望は書かれてもどうしようもないことを理解する。
    ⑥数値化して記録に残せるような項目になっているか

    キーワード:タイトルを超えた、期待以上の本

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