ザ・プロフェッショナル

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • / ISBN・EAN: 9784478375013

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    いきなりですが・・・
    「プロフェッショナル」というワードそのものが本当にカッコ良くて、僕はそうなりたいな~と日々思っています。
    そんな中でタイトルそのままの本書を手に取ったわけですが、やはり大前研一、プロフェッショナルのハードルの高さをしかと見せつけられた感じがしました(笑)
    佐藤優や池上彰、そして大前研一の本を読む度に、素養・能力の高さで圧倒されてしまい、「僕なんか、この人たちには遠く及ばない」という敗北感を突き付けられちゃいますよね・・・
    (勿論、この方達の執筆された本は言わずもがな、とってもとっても面白いです!!)

    「プロフェッショナル」と一括りに言っても色々あるのでしょうが、この本では4項目で定義化していました。
    ①例外なき顧客第一主義
    ②高い倫理観、厳格な規律
    ③顧客を理解する力(先見力・構想力・分析力・インテグレート力)
    ④高い専門知識、あくなき好奇心・向上心

    うん、どれもこれもハードル高いな!!笑
    と、そんな風に絶望しすぎて笑ってしまいますが、どれもビジネスパーソンとして決して疎かに出来ない項目ばかり。
    今の自分とプロフェッショナルのギャップをしっかりと認識して、日々研鑽していかなくちゃいけませんね。

    自分の将来や今後の人生において、仕事にどこまで比重を置くのかにもよりますが・・・・
    やっぱり高収入を得たり、永くその仕事でメシを食うため、またそもそも仕事そのものを心から楽しむためには、「プロフェッショナルになる」という選択は避けて通れないでしょう。
    (僕自身、本音を言えば、生涯楽をして大金を稼げれば1番嬉しいのですが、残念ながら世知辛いこの世の中ではそんな事は出来ない・・・・)


    まずは現職において徹底的な専門能力を獲得し、ハイパフォーマー(&周りからの絶対的な信頼獲得)を目指して頑張ろうと思います!


    【印象フレーズとアクションプランBEST3】
    ・プロフェッショナルの定義:「高い専門性を備えている」「自立&自律している」「ハイ・パフォーマーである」「顧客第一主義」
    ⇒今のところ、この項目のいずれも取得できていない・・・まずは現職の専門知識をマスターして、ハイパフォーマーを目指す!

    ・プロフェッショナルは感情をコントロールし、理性で行動する人です。
    ⇒感情のコントロールはMUST!!!!キレないこと!!!!

    ・一流の条件は「知的怠慢」を排し、「生涯学び続ける姿勢」を持っている事である。
    ⇒己の技量を一生かけて磨き続け、また知的好奇心やチャレンジ精神、そして新しい事への興味・挑戦を持ち続ける!


    【内容まとめ】
    0.真のプロフェッショナルの4要素
     ①例外なき顧客第一主義
     ②高い倫理観、厳格な規律
     ③顧客を理解する力(先見力・構想力・分析力・インテグレート力)
     ④高い専門知識、あくなき好奇心・向上心

    プロフェッショナルは感情をコントロールし、理性で行動する人です。
    専門性の高い知識とスキル、高い倫理観はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、そして厳格な規律。
    これらを漏れなく兼ね備えた人。

    これは当たり前として、それプラス「潔白さ」と「顧客徹底主義」である事が求められる。
    どんな仕事にも顧客、そして顧客の顧客がいることを肝に銘じて、そこへの献身を誓うべきなのです。

    2.エンパワーメント(権限委譲)について。
    権限委譲は確かに重要です。ですが、それをされるだけの覚悟を部下は持っているのか、今一度自問自答してみるべきです。
    「失敗は成功の糧」とよく言いますが、顧客にすればたまったものではありません。

    →新しい権限を武器に、顧客が抱えている問題を解決し、ユニークな価値を提供できるのか?
    →そのために必要な能力やスキルを学習することに貪欲かどうか?
    →誰かの力を借りなければならない場合、相手が誰であっても自分の意地やプライドを捨て去れるのかどうか?
    →単なる自己満足ではなく、顧客のために使われているものなのか?

    3.一流の条件は「生涯学び続ける姿勢」である。
    「知的怠慢」を排す。
    ビジネスプロフェッショナルは、己の技量を一生かけて磨き続ける覚悟ができている人、そしてそれを愉しめる人でしょう。
    プロフェッショナル達の「定年後の人生」はきわめてエキサイティングで、のんびりしようにも世間が休ませてくれません。
    知的好奇心は飽くことがなく、相変わらず勤勉であり、老体にムチを打って現場に赴き、わずかな報酬でも一生懸命働きます。

    4.「Up or Out」:昇進・成長しない人間は去れ!
    かなりの緊張感を生みますが、同時に死ぬほど勉強することにもなります。
    ビジネスプロフェッショナルに、「妥協」の二文字は厳禁!!!!

    5.プロフェッショナルを目指すには、様々な「重力」に抗わなければなりません。(=規律)
    プロフェッショナルは感情をコントロールし、理性で行動する人間です。
    専門性の高い知識とスキル、高い倫理観はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、そして厳格な規律。
    これらを漏れなく兼ね備えた人材を、私はプロフェッショナルと呼びたい。

    →やはり自分が可愛い
    →平均点そこそこで構わない
    →辛いことや難しいことはやりたくない
    →誰かに怒られたくない
    →失敗したくない
    →縛られたくない

    これらに流される事なく、ぐっと押し殺す。

    6.「先見力」+「構想力」+「実行力」
    いまやグローバルエコノミーを牽引している力は目に見えない経済空間であり、好機を捉えるには見えないものを見る「先見力」が必要です。
    ただし、気の緩みや判断ミスが致命傷になりかねないサバイバルゲームを制するには「先見力」だけでは不十分で、チャンスの匂いを嗅ぎ取るだけでなく、その可能性を最速かつ最善の方法で「具現化する」力、つまり「実行力」が求められます。
    また、実行のためにも、成功へのロードマップを冷静に構想するという「構想力」は必須!

    7.「ロジカルシンキング」と「ロジカルディスカッション」は必須条件
    コミュニケーションの共通言語として必須!
    いくら英語に堪能であろうと、いくら異なる文化を学ぼうと、ロジカルシンキングとロジカルディスカッションが確立されていなければ、議論する力を体得できません。
    アマチュアは感情や経験で議論しますが、プロフェッショナルは少なくともロジックで議論するのです。

    議論する力は、議論に必要な素養と見識を身につけ、適切な環境で能力を磨くことで後天的に習得可能な能力です。
    環境を整えチャンス、そしてプレッシャーなしには、日本社会に百戦錬磨のビジネスマンは仕上がりません。



    【引用】
    ザ・プロフェッショナル

    第1章 「プロフェッショナリズム」の定義
    第2章 先見する力
    第3章 構想する力
    第4章 議論する力
    第5章 矛盾に適応する力

    ・予言の自己実現
    確たる証拠の必ずしもない予言が一つのきっかけとなって、新しい行動が呼び起こされ、ついにはその行動が当初の予言を現実のものにしてしまう。
    「プロフェッショナル・クラス」と呼ぶべき、先天的に決められたのではなく後天的に実力で勝ち取った社会的階級が台頭して、今なおはびこっている旧世紀の不合理や非効率を排し、21世紀を切り開いていく人材が増えてほしい。


    p4
    ・プロフェッショナルの定義
    「高い専門性を備えている」
    「自立&自律している」
    「ハイ・パフォーマーである」
    このあたりは当たり前であるが、何か足りない。。

    そもそもプロフェッショナルの語源は「profess」で、これは「神に誓いを立てて、これを職とする」という意味の言葉。
    プロフェッショナルの定義とは、「潔白さ」と「顧客主義」なのではないでしょうか?


    p16
    会社の倫理のみで行動することは、とてもプロフェッショナルと呼べないばかりか、これからの時代コンプライアンス違反に抵触する可能性すらある。
    どんな仕事にも顧客、そして顧客の顧客がいることを肝に銘じて、そこへの献身を誓うべきなのです。


    p19★
    ・エンパワーメントについて(部下編)
    エンパワーメント(権限委譲)は確かに重要です。
    ですが、それをされるだけの覚悟を部下は持っているのか、今一度自問自答してみるべきです。
    「失敗は成功の糧」とよく言いますが、顧客にすればたまったものではありません。

    新しい権限を武器に、顧客が抱えている問題を解決し、ユニークな価値を提供できるのか?
    そのために必要な能力やスキルを学習することに貪欲かどうか?
    誰かの力を借りなければならない場合、相手が誰であっても自分の意地やプライドを捨て去れるのかどうか?
    単なる自己満足ではなく、顧客のために使われているものなのか?


    p22
    ・エンパワーメントについて(上司編)
    エンパワーメントとは、言うならば「部下への投資」です。リターンのみならず、リスクについても考えなくてはいけません。
    その点、上司にも同じく覚悟が要求されます。
    エンパワーメントした結果、トラブルが生じた際は、顧客に謝罪してミスを償うのは最低限のことであり当たり前である。

    それよりもまずは
    →部下の能力やスキルを見極め、
    →その人の成長を考え、
    →現在の能力とその権限に求められる能力水準のギャップを把握し、
    →ギャップは自ら埋める覚悟を持った上で、
    ふさわしい権限の範囲を決めること。
    勿論、顧客に累が及ぶ事のないように。


    p23★
    ・一流の条件は「学び続ける姿勢」である。
    ビジネスプロフェッショナルは、己の技量を一生かけて磨き続ける覚悟ができている人、そしてそれを愉しめる人でしょう。


    p27
    ビジネスプロフェッショナルと評するに値する人たちに定年という概念はありません。
    なぜなら、本人が好むと好まざるとにかかわらず、その人の力を借りたいと申し出てくる人や組織が後を立てないからです。
    そうしたプロフェッショナル達の「定年後の人生」はきわめてエキサイティングで、のんびりしようにも世間が休ませてくれません。

    またプロフェッショナリズムが体に染み付いている人たちですから、いい加減な仕事を嫌います。
    知的好奇心は飽くことがなく、相変わらず勤勉であり、老体にムチを打って現場に赴き、わずかな報酬でも一生懸命働きます。


    p29★
    ・「知的怠慢」を排す。
    大抵の人が自分の限界を自分で決めてしまい、その殆どは「今までの経験と相談して判断すること」に満足し、留まっています。
    知的好奇心が中途半端な人、すなわち「知的怠慢の人」は、ほぼ例外なく自己防衛的で変化に後ろ向きで、チャレンジ精神や新しい事への興味に乏しいものです。

    たとえば、一流企業に入社・所属していることに満足している人。会社の評価=自分の評価だと錯覚しています。
    こういう人たちは、会社の変換期に決まってボトルネックとなります。


    p32
    ・規律や価値観がプロフェッショナルを育てる。
    平均点のソリューションを提案して平気な顔をしている人間は、顧客から失望され、同僚からは軽蔑が容赦なく投げつけられる。

    「up or out」
    →昇進・成長しない人間は去れ!
    かなりの緊張感を生みますが、同時に死ぬほど勉強することにもなります。
    ビジネスプロフェッショナルに、「妥協」の二文字は厳禁!!!!


    p40★★★
    プロフェッショナルを目指すには、様々な「重力」に抗わなければなりません。(=規律)

    →やはり自分が可愛い
    →平均点そこそこで構わない
    →辛いことや難しいことはやりたくない
    →誰かに怒られたくない
    →失敗したくない
    →縛られたくない

    これらに流される事なく、ぐっと押し殺す。
    プロフェッショナルは感情をコントロールし、理性で行動する人間です。
    専門性の高い知識とスキル、高い倫理観はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、そして厳格な規律。
    これらを漏れなく兼ね備えた人材を、私はプロフェッショナルと呼びたい。


    p48
    ・私たちはいかなる戦略論でも対応できない「産業の突然死」と隣合わせにいる。
    フィルム産業に未曾有の危機が押し寄せ、コダックや富士フイルムでさえも単なるリストラで追いつかないほどのデジタルネットワークの荒波に揉まれた。


    p53
    ・「パーソン・スペシフィック(人材次第)」と「タイミング・スペシフィック(タイミング次第)」
    成功者の辿った道を踏襲しようとしても無意味である。
    なぜならその成功は、「パーソン・スペシフィック」かつ「タイミング・スペシフィック」だからです。
    その時機に、その人物であったからこそ拓けた道である、勿論学ぶべきヒントはあれども、残念ながらその先に同じ成功はあり得ない。


    p57★
    タイミングを逃せば成功はありません。
    経済環境の変化は20世紀のそれよりも何倍も早く、石橋を叩いて後手に回れば取り返しのつかない致命的な大損失となります。

    これからの世界を動かすのは、個人同士の戦いです。
    国や政府に頼るのではなく、優れた個人同士の戦いが全てを飲み込み、一瞬にして世界地図を塗り替えてしまうでしょう。

    そんな「優れた個人」になるためには、誰の目にも見えないものを誰よりも先にかつ明確に認識する力と、ビジネスチャンスを見出した瞬間に最高の方法でそれをもぎ取る気概が必要なのです。


    p63★★
    ・アンラーンの習慣
    問題の答えを前例や既存の知識に求めすぎない事。未開のジャングルに関する知識など、誰も持っていないのだから。
    これからのプロフェッショナルは、これまで以上に常識を疑い、既存の知識を捨てるあるいは塗り替える、つまり「アンラーン」する習慣を励行していくことが必要。


    p73
    ・デビルズ アドボケート(悪魔の使途)
    議論を避ける事、議論に不慣れである事は、世界を相手に戦うビジネス・プロフェッショナルにとって致命的なハンディキャップ。
    言葉を尽くさずとも理解してもらえるという甘え、わかったフリを装う弱さ、厳しい意見には耳をふさぐ事なかれ主義、過ちを繰り返す愚。

    議論に関してはユダヤ式の「デビルズ・アドボケート」を取り入れよう。
    場の議論を深めるためにあえて盾を突き、議論の方向性や結論の大筋には賛同しながらも敢えて反論し、課題とその解決策を結ぶ道筋に矛盾や不整合が見落とされていないかを検証すること。


    p90★★
    ・先見力だけでは成功しない。
    いまやグローバルエコノミーを牽引している力は目に見えない経済空間であり、好機を捉えるには見えないものを見る「先見力」が必要です。

    ただし、気の緩みや判断ミスが致命傷になりかねないサバイバルゲームを制するにはそれだけでは不十分で、チャンスの匂いを嗅ぎ取るだけでなく、その可能性を最速かつ最善の方法で「具現化する」力、つまり「実行力」が求められます。

    実行のためにも、成功へのロードマップを冷静に構想するという「構想力」は必須!


    p133
    ・リクルート
    江副浩正「どうせ淘汰されるなら、リクルートの人間に淘汰してもらいたい」
    あえてライバル事業を社内に興して、カニバリゼーションしながら脱皮し、それを進化の原動力とする。
    常に最善かつ最高のアウトプットを生み出すために、必要であれば昨日までの仕事・目的・実績を全否定することを厭わない!


    p152★
    ・「ロジカルシンキング」と「ロジカルディスカッション」は必須条件
    コミュニケーションの共通言語として必須!
    いくら英語に堪能であろうと、いくら異なる文化を学ぼうと、ロジカルシンキングとロジカルディスカッションが確立されていなければ、議論する力を体得できません。
    アマチュアは感情や経験で議論しますが、プロフェッショナルは少なくともロジックで議論するのです。


    p157
    日本人の知力平均値は明らかに低いが、これは知識が欠けているからだけではない。
    決定的な弱点は、「質問力と発言力」です。
    自分の意見や主張を公の席で提示したり、他の人が発した意見を瞬時に理解したり、それについて議論を展開することが、日本人は非常に不得手です。

    議論する力は、議論に必要な素養と見識を身につけ、適切な環境で能力を磨くことで後天的に習得可能な能力です。
    環境を整えチャンス、そしてプレッシャーなしには、日本社会に百戦錬磨のビジネスマンは仕上がりません。


    p187
    ・議論の基礎はアリストテレスの論理学
    議論の真の起源はやはりギリシャ哲学にある。
    論理学や哲学、弁証法の起源は議論の礎である。

    帰納法
    →多くの経験的事実から本質的な因果関係を推論し、一般的原理としての結論を導き出す。

    演繹法
    「A=B、B=C、ゆえにA=Cである」という三段論法で展開し、帰納法で確立された一般原理から新たな命題を導き出す。


    p194
    ・ビジネスに唯一最善解はない。
    どんなに難しい問題でも、解に達する道は必ず存在します。ただし、それは1つとは限りません。
    複数の解を組み合わせてベストを判断する事が重要です。

    仮説検証を繰り返すのは唯一最善解を求めるためではなく、どこに焦点を当てれば問題解決できるかを見極めるためである。
    ところが仮説が立証されるとそれだけが解であると決めつけてしまいがちで、他のより重要な問題を見落としかねません。


    p240★★
    ・真のプロフェッショナルの4要素
    1.例外なき顧客第一主義
    2.高い倫理観、厳格な規律
    3.顧客を理解する力(先見力・構想力・分析力・インテグレート力)
    4.高い専門知識、あくなき好奇心・向上心

    プロフェッショナルは感情をコントロールし、理性で行動する人です。
    専門性の高い知識とスキル、高い倫理観はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、そして厳格な規律。
    これらを漏れなく兼ね備えた人。

  • 議論する力をつけること。またよく言われる"なぜ"を5回繰り返す。というアプローチの大切さを再確認。

  • 第一章のプロフェッショナルの定義は
    改めて確認する価値がある。

    プロフェッショナルとはなにか。
    決して妥協せず、
    「顧客への価値」を追求する者である。

    たとえばエンパワーメントについて、
    権限を求める際に
    「権限が増えると、顧客にどのような価値を提供できるようになるのか」を考える。
    あなたの成長など顧客からはどうでもよいのだ。

  • 2005年発売の本。世界情勢を背景に、今後必要なビジネスマン(その他、、)
    に必要な、ものの考え方が提示されている。

    広い視野をもつこと。物事の真実をよく考えること。
    未来をどう創造するかのヒント。。。視界が広がる気がします。。。

    以下、抜粋メモ


    ・新しい権限を武器に顧客がかかえている問題を解決できるか?
    権限欲や組織の理論を先行していないか?

    ・プロフェッショナルとは、
    顧客に対するコミットメント
    未知なき道、ルールのない世界でも「洞察」と「判断」をもって
    組織を動かしていけるのがプロフェッショナル

    ・21世紀の見えない世界
    「サイバー経済」は、「ボーダーレス経済」の進化を加速し、
    「マルチプル経済」の波及効果を最大化する

    ・日本経済を語るとき、デフレの進行を恐れているが、
    優れた製品を最も安く入手できる「ボーダーレス経済」では
    あたりまえ

    ・今後の高齢化により、日本の成長エンジンの一線からしりぞいていく
    労働人口を勘案すれば、年率1%のデフレが織り込まれていることと同じ

    ・今、地球上には、学歴も、所得も、生活様式もよく似た8億人の消費者が存在する
    この8億人の消費者の「レディネス」状態を正しく予見できないと
    タワーレコード、コダック、富士フイルム、ポラロイドなどのように失敗する。

    ・1998年のクリスマス商戦で、だれも相手にしていなかったwebサービスが
    10%を売り上げていた。これは、前年比3倍の伸びであった。
    (アマゾン、ビクトリアズ・シークレット)は、この後、破竹の勢いで拡大した。

    ・これまで身につけた知識や価値観で判断することを停止する
    マッキンゼーでは、 Why x3 を行う。(トヨタは、5回)

  • 目次
    第1章「プロフェッショナリズム」の定義
     プロフェッショナルを定義する。
     忘れられた「顧客への誓約」
     あらゆる人に顧客が存在する
     エンパワーメントにまつわる誤解
     一流の条件:学び続ける姿勢
     「知的怠慢」を排す
     規律の力

    第2章 先見する力
     「見えざる新大陸」の登場
     戦略論の功と罪
     パーソン・スペシフィック、タイミング・スペシフィック
     先見力の変質
     二十世紀をアンラーンする
     変化を愉しむ
     しつこく試行錯誤する
     緊張感を持つ
     野性の直観力を磨く
     「意志」へ投資する
      コラム:見えない大陸が見えない理由

    第3章 構想する力
     先見力だけでは事業は成功しない
     構想を実現する必要条件と十分条件
     変化のスピードと規模をつかむ
     三つのゲートウェイを押さえる
     八億人市場でデファクト・スタンダードを築く
     予兆をつかんだら、すぐに行動する
     収益化できる事業を絞り込む
     逆行の発想で事業を再構想する
     成功を過去形で語る人材に投資する
     「深度の経済」を追求する

    第4章 議論する力
     非生産的な議論を排す
     ロジカル・シンキング、ロジカル・ディスカッション
     議論する力は訓練で習得する
     世界共通のプラットフォーム「ロジック」で語る
     「質問する力」が論理的な議論を担保する
     「聞く力」「説く力」が思考力を高める
     詭弁と論理の違いを知る
     「ツルの一声」まで議論を尽くす
     論理的な反論が相手の合意を引き出す
     議論の基礎はアリストテレスの論理学
     思考のフル回転と強固な信念が道を拓く

    第5章 矛盾に適応する力
     ビジネスに唯一最善解はない
     経営に内包する矛盾
     問題解決力とコミュニケーション力
     集権と分権
     グローバルとローカル
     競合と顧客
     自由と統率
     右脳と左脳

  • 時間が経てば、名著といえども、安く手に入るありがたい時代になった。

    言わずと知れた名著。
    一読をオススメする。

  • もう少し平易な言葉で書かれている方が、内容が伝わると感じた。書き手の優秀さと、伝える能力は少し異なると思う。勿論、読み手の無能さを棚上げしていますが。

  • <プロフェッショナルの定義>
    ・「ヒポクラスの誓詞」の九か条 の医を「仕事」患者を「顧客」に置き換えて読む。

    ・1990年、ボーダレスワールド上梓前に寄稿したHBRの当時の編集長セオドア・レビット教授の言葉「企業は商品やサービスを通じて、あなたを100パーセント満足させますという『誓約』を販売しており、顧客はこの誓約を購入している」と喝破しています。

    ・会社の論理で行動することは、とてもプロフェッショナルと呼べないばかりか、これからの時代、ヤバいのです。そのためにも、どんな仕事にも顧客がいることを肝に銘じて、そこへの献身を誓うべきなのです。


    <先見する力>
    ・真に有効なソリューションは、ジャングルの中で、個々のビジネス・プロフェッショナルが各自で見出すほかありません。それには、だれの目にも見えないものを誰よりも先に明確に認識する力と、ビジネスチャンスを見出した瞬間に最高の方法でそれをもぎ取る気概が必要なのです。

    ・一夜にして成功モデルが覆り、どこからともなくライバルが出現する時代にあって、すべての課題について用意周到な考察と論理的な分析を施すことは不可能です。だからこそ、新たな出来事を目の前にした時、自分の直感だけが頼りとなるのです。

    <構成する力>
    ・(イリジウムについて、通話品質、高料金など)こうした質的な欠点や欠陥もさることながら、最大の痛手となったのは、計画からサービス開始までのわずか数年の間に、セルラー方式の携帯電話が飛躍的な進化と発展を遂げたことです。技術革新のスピードとユーザーのニーズの所在を冷静に見極め、これを事業に反映できなかったためにイリジウムが先見したはずの市場はライバルたちにさらわれてしまいました。成長市場を制するどころか、その入り口で致命傷を負ったのです。

    ・現在進行形の事業・変化には、必ず何らかの力が働いてます。これをまっキンゼーではFAW(forces at work:作用する力)と呼びますが、まさにこの激流のなかの本当に重要な力が何かを見抜いて、それを外挿し事業の構想を練るという作業が、いま最も価値の高いものであると考えられています。たくさんのシナリオをつくってはいけません。たくさんのシナリオのから成功への必要十分条件をみたしているものを一つ選択肢、タイミングよく実行することが必要なのです。

    ・まず、自分が目指す事業の核となるものを狭く定義し、追随を許さぬ深さを追求することが重要です。これをとことん考え、日本の家庭におけるピアノの普及を世界一にしたのが、ヤマハの中興の祖l、川上源一氏です。
    「ピアノを買ってください」という代わりに、「音楽を教えましょう」というわけです。これぞマーケティングの真髄というシステムを、貧しい時代の日本で築き上げたのです。
     規模の経済があるように、「深度の経済」というものもあります。特にサイバー経済においては、「狭く、深く、かつ速やかに」が成功の必要条件となるのですが、これを徹底的にできる人は稀です。新大陸には手つかずの土地が果てしなく広がっているせいか、ちょっと成功するとどこまでも行けそうな気になってしまいます。楽天は他人に市場を提供する事ではなく、自前の証券や旅行会社を押しつけたくなります。また、マルチプルを利用して野球チームを経営したくなります。

    <議論する力>
    ・discuss は否定を意味するdisと、恨むという意味のcuss が合体した言葉です。要するに反対したり反論したりしても「恨みっこなし」というのがディスカッションの本来の意味。
    ・debate は deが下、batは打つという意味なので、。原意は「打ち倒す」です。議論する力は相手を言い負かすためでも、言いくるめるためのものでもありません。事実欧米社会では、ディスカッションもディベートも真実を追求する手段として広く浸透しています。

    ・疑わない
    ・検証するという行動様式が身についていない
    ・途中で修正するということを潔しとしない
    ・関係者間の調整を嫌う
    ・予定調和を優先する
    これらの根底に共通しているのは、議論する力が組織にも個人にも欠けているということです。仮説を議論しなければ、その仮説は検証されることも、修正されることもなく、時間の経過にしたがって、知らず知らずのうちに目標や結論に姿を変えてしまいます。・

    ・議論に挑む際、自分の考えを隠したり、歪曲して伝えたりすることはかえってマイナスです。相手がだれであろうとひるんではなりません。聞くべきことを聞かずに、目的を果たすことはできません。しかし、同じ事でも聞き方によって、相手の性格、心情などを考慮して、「進入角度」や「直接・間接」など質問に「性格」を与えることができるのです。その際、目的をそのまま質問に変えてはなりません。質問は、導き出したい結果を念頭におき、結果が出てくるような入り口を見つけることが肝心です。

    ・人々の意見が見事に一致する時こそ、「現代のソフィスト」に毒されている可能性が高いからです。学術的権威、有名な経営者、社内のオーソリティなど、「何々氏がいうには」といった枕詞がついた意見には、たいてい何らかのバイアスが潜んでいます。これを鵜呑みにしてしまうと、自分の頭で考えず、議論する力は育ちません。

    ・世阿弥が遺した「守・破・離」しゅ、は、り、の知のプロセスからも多くを学ぶことができます。これは、まず攻めの矢から自らを「守」り、次に相手の論理が手薄なところを「破」って、矢の向かうべき方向の誤りを指摘し、共に当初の議論から「離」れて最善の着地点へと移行する、というものです。かつてのジャパン・バッシングのように、議論のスタートラインから猛然と攻め込まれた場合、まずは断固として相手の主張を退けることが肝要です。ここで少しでも相手の言い分を認めると、相手に追攻のきっかけを与えてしまい、以後の反撃が難しくなります。

    <矛盾に適応する力>
    ・LVMH率いるベルナール・アルノー『ベルナール・アルノー、語る』より
    「企業の成功は、非合理性と合理性の両方をうまく働かせ、この非合理性を経済的効果に変える能力にかかっています。この水と火の二律背反から、心を奪われるような変化が生まれるのです」
     二律背反するものを止揚する能力は思考のトライアルを重ねるなかで磨かれていきます。安易な二元論に逃げ込むことは、ビジネス・プロフェッショナルには許されないのです。

    ・具体的な手法としては「プロフィット・ドライバー」(利益を拡大させる鍵となる要因)の再定義が有効です。その視点から新たな成長をとらえてみると、手の施しようもなくコモディティ化が進んでいる、あるいは戦略的な魅力に乏しいと言う理由から見向きもされなかった業界にも成功事例が転がっています。
     →強烈!メキシコの生コンクリート会社のセメックス
     

  • 読みやすい本だった。

    この本を読んで得たプロフェッショナルの定義は、

    知的好奇心を失わず、常に自己研鑽に努め、
    高い倫理と自らの軸による価値観を有し、
    どんな状況でも問題解決にあたり、結果を出せる人間

    である。

  • うーん。タイトル負け

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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